月は淫らな夜の女王
黄昏時。
もうすぐ春が来ようというのに、山の上からこの街に吹き下ろす冷たい風は、ひと月前と変わらぬ温度でフィルを苛んでいた。
両肩に羽織った丈の長い、安い薄手の外套は、体温保持の役目を全くと言っていいほど果たしてくれない。
徒に嵩張り、それでいて作りや縫製の荒いそのコートは、着る者に「安物買いの銭失い」という言い回しの意味を教え込むために作られたかのようだった。
役に立たないからと言って道端に捨てるわけにもいかず、ただ一時も早く暖を取りたい一心で家路を急いでいたフィルは、不意に何者かが袖を引くのを感じた。
物売りか客引きか、はたまた乞食か。煩わしい思いで脇を見下ろすと、そこに居たのは意外な人物だった。
腰にボロ布を、胸に黒いベルトのようなものをそれぞれ巻きつけた、極めて露出度の高い女である。
胸の膨らみは非常に小さく(それ故に革の帯二本で、最低限隠さねばならない箇所は隠せていた)、胴や腿の肉付きも薄い。
細くくびれた腰、白く滑らかで、壊れそうなほど美しい鎖骨。片手で抱きしめられそうな、たおやかな両の肩。
そんな如何にも少女らしい肉体と、まるで娼婦か、いかがわしい倶楽部の女王役のような装いはひどくアンバランスで、言い知れぬ背徳感を見るものに与えていた……が、それよりも、もっと特徴的な部分が、その娘にはあった。
頭の上についた、一対の大きな耳。剛毛に覆われ鋭い爪の生えた、獣じみた両脚。何より、傘の骨のように細く華奢で、皮膜のような翼を備えた両腕。明らかに人ではない、魔物娘である。
フィルの住むこの街は特に魔物たちを排斥しておらず、通りでそれら人外の者達を見る機会も普通にある。その為、彼にはその少女がワーバットという種族に属することがわかった。
コウモリらしく、普段は洞窟の奥で暮らしている筈のワーバットが、一体何故こんな街中にいるのかということをまず疑問に思ったフィルだったが、袖を両手でぎゅっと掴まれていてはどうにもならない。
向き直って、話を聞いてみる他、無いのだった。
「……俺に、何か用か?」
「……」
問いかけてみても、そのワーバットは俯いて答えない。よく見ると、全身が細かく震えているようだった。
この寒空の下、半裸に近い格好でいたなら無理も無いことか、と思いかけるも、寒いなら洞窟から出てこなければいいだけの筈である。
押し黙ってただ縋りつく少女を無下に振り払う気にもなれず、仕方なくフィルは重ねて問うた。
「あんた、ワーバットだろ? ……なんでこんなとこまで出てきてるんだ?」
「……うちが……洞窟が、崩れて……」
「崩れた?この前の、大雨でか?」
先日降った雨は例になく激しく、一部では山崩れや土砂崩れも起きたという話だった。
フィル自身は、自分の周囲に影響がほぼ無かったこともあり、特に気にしては居なかったのだが、思いも寄らないところで被害が出ていたらしい。
「住処を追われてきたわけか」
「……でも、外……怖くて……」
「なるほど、蝙蝠だものな」
暗いところでの活動に特化した生物は、明るい外に出た途端、身動きできなくなるという。
眼下の少女も、その例外ではないらしい。
しかし、事情を理解したところでフィルにはどうしようもないことである。心苦しいが、なんとか手を離してもらえないかと袖に目をやった時。
買って間もないというのに、もう解れ始めている外套のカフスが目に入った。
「……どうせ、寒さを防ぐ役には立たんしな」
そう呟いて、フィルは羽織っていた上着を脱いだ。そのまま、太陽の光に怯えて震えるワーバットの少女に、頭から掛けてやる。彼の突然の行動に意表を突かれた様子の娘に、言った。
「それをかぶっていれば、少しはマシだろう。後もう少し、夜が来るまで、我慢しな」
背を向け、身軽になったフィルは家路に着こうとする。脚を踏み出そうとすると、またしても体が引っ張られた。
「……?」
外套をかぶったままのワーバットが、今度は服の裾を掴んでいた。
長い前髪の奥、黒く静かな瞳が、フィルをじっ……と見上げる。
「……何だ」
「……」
少女は何も言わず、ただフィルの顔を見据え続ける。薄い青紫の髪に隠されたその両の眼は、ひたすらに何かを訴えていた。
「……仕方ないな」
このままずっとこうしているわけにもいかない、と彼はそっとワーバットの手をとった。
大人の男の、大きな手に掴まれ、少女の矮躯がぴくんと跳ねる。
落ち着かせるように、頭の上にもう一方の手を置いて、できるだけ穏やかにフィルは言った。
「付いて来いよ。部屋なら余ってる」
言葉の意味を解した少女の表情は、見る間に明るくなっていった。
ヴェルマと名乗ったその少女を家に連れ帰り、フィルは夕食を振舞った。
有り合わせの材料で適当に作った、いかにも独身男の作る料理といった代物だったが、痩せ型な彼女はずいぶんお気に召したらしく、人間用のフォークやらスプーンやらを、三本の指で器用に操り、瞬く間に平らげてしまった。
そして、夜。
空室の一つに毛布を敷いてやり、即席のベッドとしてヴェルマに提供したフィルは、自分の寝室に戻っていた。
まだ日付が変わるまでには少しあり、眠気もさほど無いが、特にしたいことも無いし明日も仕事だし、と言う事で早々に寝間着に着替え、眠ろうとしていた。
布団に入りかけたとき、コンコンと戸を叩く音がした。廊下の方から、声が聞こえる。
「あの……ヴェルマです。入って、いいですか?」
「? ああ、構わんが」
扉を開けて部屋に這入ってきた彼女は、夜のせいか、初めて会った時よりも幾分落ち着いて見える。
薄手のパジャマを着て、ベッドに腰掛けたフィルを見た彼女は、にっこり笑うと、彼の方へゆっくりと歩み寄っていった。
「どうした? 何か、分からないことでも」
「いえ、やっぱり、お礼がしたくて。……こんなに親切にして頂いて、本当に、ありがとうございます」
「気にするな。好きでしたことさ」
軽く言ってみせたフィルだったが、深夜、男と女がひとつの部屋にいるという状況に、いまさらながら、ある種の昂りを感じていた。
ヴェルマは、眼こそ髪に隠れて見えにくいが、これでかなりの美人である。
凹凸の少ない未成熟な肢体も、ベルトと布という簡素でありながら淫猥極まる装束によって、なんとも言い難い背徳的な魅力を得ている。
二本の革ベルトはヴェルマの胸部を、本当に最低限しか隠してくれず、ともすればベルトとベルトの隙間や、等間隔に空いた穴などから薄紅色の可愛い乳首や、僅かに丸みを帯びた乳肉が漏れ出ないかと、見ている方がハラハラさせられる。
女を拘束して行う激しいSM行為をも連想させるそのブラは、貧乳でありながらも幼女ではない、「女」と「少女」の境目といった感じのワーバットの身体に、異様なまでに似合っていたのだ。
フィルの気持ちを知ってかしらずか、ヴェルマはずんずんその身を寄せてくる。
意識しないうちに側に、ベッドに座られ、男の心臓が高鳴る。
赤く染まったその耳たぶに唇をそっと寄せ、太陽の光に怯えていた時とは全く異なる、少女のものと呼ぶには余りに艶めかしい、低くハスキーな声で、女が囁く。
「……ふふ、本当に優しいのね。私、お兄さんのこと気に入っちゃった……。
お礼に、貰ってあげちゃおうか……?」
フィルが身を強ばらせるより早く、ヴェルマは動いた。
両手で肩を掴み、その細さからは想像もできない力でベッドへ押し倒す。
勢いに任せ、薄い唇を男のそれに合わせ、吸う。不意を突かれたフィルは、為す術なくワーバットの少女に制されてしまった。
突然のことに戸惑う相手のことも気にせず、少女は接吻を味わっていた。
小さな口とは対照的に、長くザラザラした舌を強引に割り入れ、口の中から唇の裏、舌に歯茎と、口中の粘膜を余さず舐め、啜り、愛撫する。
美妖女にくちづけられ、動転するフィルを煽るように、ちゅっ、っちゅっと、キスと呼ぶには余りに淫猥な水音を立てる。
散々吸われ、ようやく解放されたときには、もう息が切れてしまっている程だった。
「んむっ……♪ んちゅ、ずっ……♪ ふふ……♪」
「ぐっ、ん、はぁっ、はぁ、はぁ……。ヴェルマ、一体、何を……」
「んー? 何って、簡単だよ? 優しくてかっこいいお兄さんを、私のものにするの」
「じゃ、じゃあ、貰うって……」
「そ、お兄さん自身のことだよ。魔物を家に入れるんだから、これくらい、覚悟の上だよねぇ……?」
勝手なことを言って、ヴェルマはニヤリと笑った。その表情、まさしく魔性。
「まあ、嫌なんて言っても、止めてあげないけど」
「!」
キスされている間にか、フィルの両手は頭の上で拘束されてしまっていた。
同時に気づく。ヴェルマの上半身からあのベルトが消え、薄い胸を完全にさらしてしまっていることに。
「あ、気がついた? お兄さんの手を縛ってるの、さっきまで私のおっぱいに当たってたやつだよ。どう? 興奮する……?」
「いや、そんな、というか……離してくれ……!」
「くくく。そんな事言って、下半身は正直みたいだけど?」
ヴェルマの言う通り。人間で言えば十代半ばくらいの少女に組み伏せられ、手を縛られるというこの余りに屈辱的な状況で、ウィルの陰茎は激しく勃起してしまっていた。
夜になって本性を表した彼女の、その凶暴な様と裏腹に控えめで可愛らしい乳首や、ほんの膨らみかけでありながら確かな柔らかさでもって女性を主張するその微乳。
細く頼りなげで、それ故に抗いがたいほど妖艶な鎖骨。
未だ完成しきらない女の魅力に、フィルは腰の奥がカッと熱くなるような思いで居たのだ。
「こーんな貧相な、つるぺったんな私に、欲情しちゃったんだ? お兄さん、もしかして変態?」
「なっ!」
「別にいいよ、変態でも。私変態さん好きだし」
愛の告白とも取れるそんな言葉を残して、ヴェルマは体を後ろに下げ、フィルから離れるように動いた。
涎を垂らし、舌舐めずりする彼女の狙うものは、一つ。
「お・ち・ん・ち・ん。食ーべちゃうぞ♪ ……はぁむっ」
少女は小さな可愛らしい口を豪快に開き、凶悪な剛直を躊躇いもせず飲み込んでいく。
口の中、唇の端からちらりと垣間見えた八重歯は、獲物を喰らい貪るための犬歯のようにも映った。
「ん、ふっ、んー……れろ、ん、む……じゅる……んふふ…… んふふふふ……」
見た目通り狭いヴェルマの口内は、ほとんどウィルの陰茎で埋まってしまっていた。
にもかかわらず、一体如何なる方法を使ってか、彼女は大量の唾と舌を男根に絡め、舐めしゃぶる。
白い頬が、内側で暴れる肉茎を象るように歪む様は、彼女の幼い肉体と相まって異常なほど淫靡。
鼻息を吐きながら肉棒を根元まで咥え込むと、尖端、亀頭の部分が口腔にすら収まりきらず、喉奥の硬い肉壁に当たった。
人間ならば激しい吐き気に襲われ、フェラチオどころではなくなるだろうそんな状況でも、ヴェルマは口唇搾精を止める様子が無い。
それどころか、わざとらしくずるずると淫猥な水音を立ててみたり、男としての生命線を口で弄ばれるフィルの辛そうな顔を鼻で嗤ってみたり、その様子にはまだまだ余裕というものが溢れている。
「ふ、フフっ、ん、んー……じゅるるっ…… はぁ、ん……じゅるじゅるじゅるっ!」
「うっ……!」
こんなのはまだ序の口だとばかりに、ヴェルマは舌で舐めしゃぶる愛撫に加え、頭を激しく上下に振り立ててきた。
ザラザラした舌が亀頭周辺の敏感な粘膜を乱暴に責め嬲り、溜まらず溢れ出る我慢汁をチロチロと吸い味わう。
同時に、上下の唇が竿をきゅっと締め、唾液まみれのそれを上下に扱き立てる。男を存分に感じさせ、抵抗する気すら起こさせない、それは人外の奉仕。
激しいヘッドバンギングに、ヴェルマの綺麗な、薄紫色のセミロングヘアが不意に乱れた。
特に気にする風でもなく、何気なくヴェルマは片手でその髪を掻き上げたのだが、そのさり気ない仕草の、言い様のない艶めかしさに、フィルの心拍数は一気に上昇した。
当然それは、性的上位者たるヴェルマにも伝わる。
フェラチオ責めを続けながらも、ちらっと目線をウィルの顔へと遣る。興奮を覚られて顔を真っ赤にする男の痴態に、サディスティンの少女が両眼に、この上無く純粋な喜色を浮かべた。
長い前髪の奥で、太陽よりも激しく月よりも妖しく、松明のようにギラギラと光る瞳に、彼は捉えられてしまったのだ。
抗う心を折られ、陰茎を激しく、情熱的に食べられ、もはやフィルの忍耐力は潰える寸前に達した。
屈服の予感を感じ取ったヴェルマが、嗜虐の愉悦に染まった瞳で哀れな餌食の顔を見据える。
視線を外さず、目と目を合わせたまま、一気に頭と舌の動きを速め、精液を啜り上げる。
髪の帳の向こうからじっ……と観察され、ひどい羞恥を覚えるも、心身ともに縛られたフィルにはどうしようも無い。
息を飲み、男性器が痙攣しかけた瞬間、ヴェルマは肉茎を吸引した。
予想外の衝撃に、耐えようと思う間もなく、大量の白濁が一気に溢れ返った。
「……!!」
「ふ、ぁっ……ん、んぅっ……! ん、ぐ……ぐちゅっ……こくっ……ん、こくこく、ぅ……♪」
舌と喉で子種汁を味わう淫乱ワーバットは、唇の端から受け止めきれなかった精液が漏れるのにも構わず、新鮮で濃厚な性の味に酔い痴れる。
半固体状で食道に引っかかりやすいザーメンを、ただ飲み込むような事はせず、口腔全体で味わい、咀嚼し、嚥下する。
飲むというよりは食べると呼ぶべきその搾精は、彼女の捕食者としての在り方を象徴しているようだった。
数分後。荒い息を吐きながらも、どうにか落ち着きを取り戻しつつあったフィルに、イカ臭い溜息をつきながらヴェルマが言った。
「……お兄さんのせーえき、すっごく美味しかった……♪ もう私、これ無しじゃ居られないかも……♪」
「そ、それは、どうも」
「……にへへ」
賞賛するようなことを言いながらも、ヴェルマはまだまだ満足した様子を見せない。
この状況にあって、フィルも何となく、次の展開というものが読めてきていた。
「だからぁ、次はこっちに、飲ませてくれる……?」
膝立ちになって、涙のように愛液を流す膣を魅せつけるヴェルマ。
未発達な肢体とは対照的に、熟れきって濡れきったそのあまりの淫猥さに、萎えることなど許されないのだった。
ゆっくりと腰を降ろし、乳首と同じ、綺麗な桜色の陰唇を勃ちっぱなしの肉棒に当てる。
餓えた淫筒は、涎を垂らしながらずぶずぶと男根を飲み込んでいく。
外見通りヴェルマの膣は小さく狭い、キツキツの穴だった。
精液や愛液、唾液で十分以上に潤っていたため、引っかかることなく竿を収め、腰を落としきることができたが、淫乱少女の膣内はフィルがかつて感じたことのないほど強く締る。
幼い女の子の、未完成な女性器に無理矢理挿入しているような激しい刺激に、ただ入れているだけでも射精してしまいそうなほど感じていたフィルだが、「挿れただけで出す」などということをヴェルマが許すはずもない。
「さーて、一緒に、気持ちよくなろーか♪」
「ちょっ、まっ……」
返事も聞かず、ヴェルマは腰を使い出した。
同時に、フィルのものを全方位から絞めつけていた膣の、肉襞が愛液をまとって、生き物のように動きだす。
男を感じさせ、射精させ、精液を奪うという魔物娘のアイディンティティを自ら体現するかのように、
膣道の細かく不規則な構造が、男性器の根元から先まで余さず絡みつき、愛し、精を搾ろうとする。
更に、騎乗位で男を犯すヴェルマの淫膣は、最奥部が特に狭く、肉棒の先端、鈴口やカリ首といった特に敏感な部分を一際じっくり刺激してやれるようになっていた。
膝を付き激しくグラインドすることで、亀頭粘膜へ与えられる摩擦は大いに高まる。急所の中の急所を、こうまで徹底的に制されると、拘束の有無など関係ない。
フィルは、彼自身の意志とは無関係に射精させられるのだ。
歳若く何処か妖しい少女に、人格を無視されるこのシチュエーションに、彼は溺れていった。
本日二度目の絶頂が近づいてくるのを感じたフィルは、頭上の女王に限界を訴えようとした。口を開き、空気を吸おうとしたその動作だけで、ヴェルマは彼の考えを悟った。
「も、もう……!」
「イっちゃうんだ。年下の女の子に跨られて、ちょっと腰振られただけで、もうぴゅっぴゅしちゃうんだ。……ふふん。情けなぁい♪」
「そんな、お前……!」
「いいよ、イきたくなったらいつでも、中出しさせてあげる。
……私がイくまでは、抜いても止めてもあげないけどね」
「!!」
狙った男を完全に屈服させたワーバットは、歓喜のグラインドでもって劣情をぶつける。
無数の指と舌で男根を責め嫐られるような別次元の快楽に、耐えるという概念は存在し得ない。
射精しても、この凌辱が終わることはない、どころか、更に搾られもっと辛い思いをすると分かっていても、どうしようも無い。
一番下まで腰が下ろされた時、膣奥の壁が鈴口に強く押し当てられる感触で、フィルは達した。
「くっ!!」
「……!! これ……お兄さんの……!?」
びくんびくんと肉茎が震え、二度三度、断続的に白い子種を子宮へ送り込む。
一度口で抜かれたとは思えないほど大量の精液が、ヴェルマの小さな女性器に満ち溢れ、愛液と混ざって膣口から漏れ出てくる。
それでも、未だ満足しないヴェルマは騎乗位逆レイプを止めはしない。
どころか、子宮に広がる精の味に酔い痴れ、半狂乱になってガンガン腰を使い出した。
まだ膣内射精も終っていないのに、もう次の精液をねだるような、余りにも貪欲過ぎる少女の暴虐に、たまらずフィルは叫んだ。
「やめ、やめてくれっ! こんな、無理、死んじまう!!」
「あは、あははは、何、これ! お兄さんの精液、最高……! マゾでロリコンの、変態さんの癖に、こんなに美味しい精持ってるなんて、もう、愛してる……!」
長い前髪に覆われた眼を狂悦に汚し、ヴェルマは貪る。
フィルが限界に達し射精しても、射精が終わっても、彼女は腰を止めない、止められない。
止めどなく、まるで潮のように溢れる愛蜜で布団を汚しながら、もっともっとと愛する男根を搾る。
膣内に撒き散らされた精液によって肉筒の滑りは一層増し、イったと言うのに萎えることも出来ず、イくこともできないフィルのものを、今まで以上に強く擦り、撫で、締めつける。
連続で犯されイきたくともイけない、快楽と紙一重の拷問に、脳の奥が弾け、断末魔の如き苦鳴があがる。
「ヴェルマたのむどいてくれ!! こんなの、狂っちまう!!」
「いいよぉ、狂っても! 私のおまんこに、狂って! そしたら、私だけのものにしてあげるからっ!!」
精神ごと陵辱するような、化物じみた性感に、フィルは人間の言葉すら失いそうになる。
快感とも苦痛とも付かない、得体の知れない感覚で脳が埋め尽くされ、他のすべてが押し流されてしまったかのようだ。
喘ぎ声のような叫び声のような、短い息をつきながら、ただただ弄ばれるままに犯される。
そんな状況でも、まだ出すべき精液は残っていたか、急速に射精感がフィルを襲った。
彼の上で狂乱するヴェルマも、いよいよエクスタシーが近づいてきたらしく、ラストスパートを掛けてきた。
「……わ……、私、イく……! もう、イっちゃう……!
ね、一緒に、イこう? 私、イく時、子宮の口がキューって締まるんだよ……? それに合わせて射精したら、きっとすっごく気持ちいいよ……?
だから、ねぇ、私と一緒に……!」
言われるまでもなく、彼も同じ気持ちだった。
まだ出会って一日も経っていないが、既に二人は一心同体、異体同心と言えるほどになっていたのだ。
それまでよりも高く、ヴェルマが腰を上げる。
ぎりぎり男性器が膣口から離れないくらいにまで抜いておいて、一気に落とす。
性器と性器が限界まで密着する感覚で、二人は達した。
「ぐっ!! で、るっ!!」
「い、ヒィィっ!!」
子宮口寸前で、白く濁ったゲルが奔り出る。
尖端の粘膜を柔らかい膣肉で抱きしめられ、フィルは意識が途切れそうなほどの快楽を感じる。
三回目の射精にして本日最濃の精を胎内に注がれたヴェルマも、アクメのあまり忘我の境地にあった。
頬を真っ赤に染め、口をだらしなく開き、舌を垂らす緩みきった表情は、至福の極み。
「あ、ハァ、あはぁ……お兄さん……こんなの、ダメだよ……良すぎちゃって、私、もう、あなたなしじゃ……」
荒い呼吸に合わせて、ワーバットの薄い胸が大きく動く。
思わず目を取られたフィルも、ヴェルマと全く同じ気持ちで居た。
翌朝。
あの後結局何回セックスしたのか、ふと目覚めた時には既に出勤に間に合うぎりぎりになってしまっていた。
慌てて飛び起き、パジャマから着替える。部屋のカーテンを開けると、キャッという短い叫びが聞こえた。
「ひ、ひかり、怖……」
「あ、すまん!」
布団にくるまって、太陽光から逃れようとするヴェルマがそこに居た。
昨晩の凶暴な様子は鳴りを潜め、初めて会ったときのように光に怯え震える。
カーテンを戻し、支度のため部屋を出ようとしたフィルが、ふと振り返ると、布団の中からこちらを見つめるヴェルマと目が合った。
「……早く、帰ってきてね……。それで、今夜も……♪」
布団の陰、髪の隙間から見える目の輝きは、昨晩乱れたときと寸分変わらぬ物だった。
もうすぐ春が来ようというのに、山の上からこの街に吹き下ろす冷たい風は、ひと月前と変わらぬ温度でフィルを苛んでいた。
両肩に羽織った丈の長い、安い薄手の外套は、体温保持の役目を全くと言っていいほど果たしてくれない。
徒に嵩張り、それでいて作りや縫製の荒いそのコートは、着る者に「安物買いの銭失い」という言い回しの意味を教え込むために作られたかのようだった。
役に立たないからと言って道端に捨てるわけにもいかず、ただ一時も早く暖を取りたい一心で家路を急いでいたフィルは、不意に何者かが袖を引くのを感じた。
物売りか客引きか、はたまた乞食か。煩わしい思いで脇を見下ろすと、そこに居たのは意外な人物だった。
腰にボロ布を、胸に黒いベルトのようなものをそれぞれ巻きつけた、極めて露出度の高い女である。
胸の膨らみは非常に小さく(それ故に革の帯二本で、最低限隠さねばならない箇所は隠せていた)、胴や腿の肉付きも薄い。
細くくびれた腰、白く滑らかで、壊れそうなほど美しい鎖骨。片手で抱きしめられそうな、たおやかな両の肩。
そんな如何にも少女らしい肉体と、まるで娼婦か、いかがわしい倶楽部の女王役のような装いはひどくアンバランスで、言い知れぬ背徳感を見るものに与えていた……が、それよりも、もっと特徴的な部分が、その娘にはあった。
頭の上についた、一対の大きな耳。剛毛に覆われ鋭い爪の生えた、獣じみた両脚。何より、傘の骨のように細く華奢で、皮膜のような翼を備えた両腕。明らかに人ではない、魔物娘である。
フィルの住むこの街は特に魔物たちを排斥しておらず、通りでそれら人外の者達を見る機会も普通にある。その為、彼にはその少女がワーバットという種族に属することがわかった。
コウモリらしく、普段は洞窟の奥で暮らしている筈のワーバットが、一体何故こんな街中にいるのかということをまず疑問に思ったフィルだったが、袖を両手でぎゅっと掴まれていてはどうにもならない。
向き直って、話を聞いてみる他、無いのだった。
「……俺に、何か用か?」
「……」
問いかけてみても、そのワーバットは俯いて答えない。よく見ると、全身が細かく震えているようだった。
この寒空の下、半裸に近い格好でいたなら無理も無いことか、と思いかけるも、寒いなら洞窟から出てこなければいいだけの筈である。
押し黙ってただ縋りつく少女を無下に振り払う気にもなれず、仕方なくフィルは重ねて問うた。
「あんた、ワーバットだろ? ……なんでこんなとこまで出てきてるんだ?」
「……うちが……洞窟が、崩れて……」
「崩れた?この前の、大雨でか?」
先日降った雨は例になく激しく、一部では山崩れや土砂崩れも起きたという話だった。
フィル自身は、自分の周囲に影響がほぼ無かったこともあり、特に気にしては居なかったのだが、思いも寄らないところで被害が出ていたらしい。
「住処を追われてきたわけか」
「……でも、外……怖くて……」
「なるほど、蝙蝠だものな」
暗いところでの活動に特化した生物は、明るい外に出た途端、身動きできなくなるという。
眼下の少女も、その例外ではないらしい。
しかし、事情を理解したところでフィルにはどうしようもないことである。心苦しいが、なんとか手を離してもらえないかと袖に目をやった時。
買って間もないというのに、もう解れ始めている外套のカフスが目に入った。
「……どうせ、寒さを防ぐ役には立たんしな」
そう呟いて、フィルは羽織っていた上着を脱いだ。そのまま、太陽の光に怯えて震えるワーバットの少女に、頭から掛けてやる。彼の突然の行動に意表を突かれた様子の娘に、言った。
「それをかぶっていれば、少しはマシだろう。後もう少し、夜が来るまで、我慢しな」
背を向け、身軽になったフィルは家路に着こうとする。脚を踏み出そうとすると、またしても体が引っ張られた。
「……?」
外套をかぶったままのワーバットが、今度は服の裾を掴んでいた。
長い前髪の奥、黒く静かな瞳が、フィルをじっ……と見上げる。
「……何だ」
「……」
少女は何も言わず、ただフィルの顔を見据え続ける。薄い青紫の髪に隠されたその両の眼は、ひたすらに何かを訴えていた。
「……仕方ないな」
このままずっとこうしているわけにもいかない、と彼はそっとワーバットの手をとった。
大人の男の、大きな手に掴まれ、少女の矮躯がぴくんと跳ねる。
落ち着かせるように、頭の上にもう一方の手を置いて、できるだけ穏やかにフィルは言った。
「付いて来いよ。部屋なら余ってる」
言葉の意味を解した少女の表情は、見る間に明るくなっていった。
ヴェルマと名乗ったその少女を家に連れ帰り、フィルは夕食を振舞った。
有り合わせの材料で適当に作った、いかにも独身男の作る料理といった代物だったが、痩せ型な彼女はずいぶんお気に召したらしく、人間用のフォークやらスプーンやらを、三本の指で器用に操り、瞬く間に平らげてしまった。
そして、夜。
空室の一つに毛布を敷いてやり、即席のベッドとしてヴェルマに提供したフィルは、自分の寝室に戻っていた。
まだ日付が変わるまでには少しあり、眠気もさほど無いが、特にしたいことも無いし明日も仕事だし、と言う事で早々に寝間着に着替え、眠ろうとしていた。
布団に入りかけたとき、コンコンと戸を叩く音がした。廊下の方から、声が聞こえる。
「あの……ヴェルマです。入って、いいですか?」
「? ああ、構わんが」
扉を開けて部屋に這入ってきた彼女は、夜のせいか、初めて会った時よりも幾分落ち着いて見える。
薄手のパジャマを着て、ベッドに腰掛けたフィルを見た彼女は、にっこり笑うと、彼の方へゆっくりと歩み寄っていった。
「どうした? 何か、分からないことでも」
「いえ、やっぱり、お礼がしたくて。……こんなに親切にして頂いて、本当に、ありがとうございます」
「気にするな。好きでしたことさ」
軽く言ってみせたフィルだったが、深夜、男と女がひとつの部屋にいるという状況に、いまさらながら、ある種の昂りを感じていた。
ヴェルマは、眼こそ髪に隠れて見えにくいが、これでかなりの美人である。
凹凸の少ない未成熟な肢体も、ベルトと布という簡素でありながら淫猥極まる装束によって、なんとも言い難い背徳的な魅力を得ている。
二本の革ベルトはヴェルマの胸部を、本当に最低限しか隠してくれず、ともすればベルトとベルトの隙間や、等間隔に空いた穴などから薄紅色の可愛い乳首や、僅かに丸みを帯びた乳肉が漏れ出ないかと、見ている方がハラハラさせられる。
女を拘束して行う激しいSM行為をも連想させるそのブラは、貧乳でありながらも幼女ではない、「女」と「少女」の境目といった感じのワーバットの身体に、異様なまでに似合っていたのだ。
フィルの気持ちを知ってかしらずか、ヴェルマはずんずんその身を寄せてくる。
意識しないうちに側に、ベッドに座られ、男の心臓が高鳴る。
赤く染まったその耳たぶに唇をそっと寄せ、太陽の光に怯えていた時とは全く異なる、少女のものと呼ぶには余りに艶めかしい、低くハスキーな声で、女が囁く。
「……ふふ、本当に優しいのね。私、お兄さんのこと気に入っちゃった……。
お礼に、貰ってあげちゃおうか……?」
フィルが身を強ばらせるより早く、ヴェルマは動いた。
両手で肩を掴み、その細さからは想像もできない力でベッドへ押し倒す。
勢いに任せ、薄い唇を男のそれに合わせ、吸う。不意を突かれたフィルは、為す術なくワーバットの少女に制されてしまった。
突然のことに戸惑う相手のことも気にせず、少女は接吻を味わっていた。
小さな口とは対照的に、長くザラザラした舌を強引に割り入れ、口の中から唇の裏、舌に歯茎と、口中の粘膜を余さず舐め、啜り、愛撫する。
美妖女にくちづけられ、動転するフィルを煽るように、ちゅっ、っちゅっと、キスと呼ぶには余りに淫猥な水音を立てる。
散々吸われ、ようやく解放されたときには、もう息が切れてしまっている程だった。
「んむっ……♪ んちゅ、ずっ……♪ ふふ……♪」
「ぐっ、ん、はぁっ、はぁ、はぁ……。ヴェルマ、一体、何を……」
「んー? 何って、簡単だよ? 優しくてかっこいいお兄さんを、私のものにするの」
「じゃ、じゃあ、貰うって……」
「そ、お兄さん自身のことだよ。魔物を家に入れるんだから、これくらい、覚悟の上だよねぇ……?」
勝手なことを言って、ヴェルマはニヤリと笑った。その表情、まさしく魔性。
「まあ、嫌なんて言っても、止めてあげないけど」
「!」
キスされている間にか、フィルの両手は頭の上で拘束されてしまっていた。
同時に気づく。ヴェルマの上半身からあのベルトが消え、薄い胸を完全にさらしてしまっていることに。
「あ、気がついた? お兄さんの手を縛ってるの、さっきまで私のおっぱいに当たってたやつだよ。どう? 興奮する……?」
「いや、そんな、というか……離してくれ……!」
「くくく。そんな事言って、下半身は正直みたいだけど?」
ヴェルマの言う通り。人間で言えば十代半ばくらいの少女に組み伏せられ、手を縛られるというこの余りに屈辱的な状況で、ウィルの陰茎は激しく勃起してしまっていた。
夜になって本性を表した彼女の、その凶暴な様と裏腹に控えめで可愛らしい乳首や、ほんの膨らみかけでありながら確かな柔らかさでもって女性を主張するその微乳。
細く頼りなげで、それ故に抗いがたいほど妖艶な鎖骨。
未だ完成しきらない女の魅力に、フィルは腰の奥がカッと熱くなるような思いで居たのだ。
「こーんな貧相な、つるぺったんな私に、欲情しちゃったんだ? お兄さん、もしかして変態?」
「なっ!」
「別にいいよ、変態でも。私変態さん好きだし」
愛の告白とも取れるそんな言葉を残して、ヴェルマは体を後ろに下げ、フィルから離れるように動いた。
涎を垂らし、舌舐めずりする彼女の狙うものは、一つ。
「お・ち・ん・ち・ん。食ーべちゃうぞ♪ ……はぁむっ」
少女は小さな可愛らしい口を豪快に開き、凶悪な剛直を躊躇いもせず飲み込んでいく。
口の中、唇の端からちらりと垣間見えた八重歯は、獲物を喰らい貪るための犬歯のようにも映った。
「ん、ふっ、んー……れろ、ん、む……じゅる……んふふ…… んふふふふ……」
見た目通り狭いヴェルマの口内は、ほとんどウィルの陰茎で埋まってしまっていた。
にもかかわらず、一体如何なる方法を使ってか、彼女は大量の唾と舌を男根に絡め、舐めしゃぶる。
白い頬が、内側で暴れる肉茎を象るように歪む様は、彼女の幼い肉体と相まって異常なほど淫靡。
鼻息を吐きながら肉棒を根元まで咥え込むと、尖端、亀頭の部分が口腔にすら収まりきらず、喉奥の硬い肉壁に当たった。
人間ならば激しい吐き気に襲われ、フェラチオどころではなくなるだろうそんな状況でも、ヴェルマは口唇搾精を止める様子が無い。
それどころか、わざとらしくずるずると淫猥な水音を立ててみたり、男としての生命線を口で弄ばれるフィルの辛そうな顔を鼻で嗤ってみたり、その様子にはまだまだ余裕というものが溢れている。
「ふ、フフっ、ん、んー……じゅるるっ…… はぁ、ん……じゅるじゅるじゅるっ!」
「うっ……!」
こんなのはまだ序の口だとばかりに、ヴェルマは舌で舐めしゃぶる愛撫に加え、頭を激しく上下に振り立ててきた。
ザラザラした舌が亀頭周辺の敏感な粘膜を乱暴に責め嬲り、溜まらず溢れ出る我慢汁をチロチロと吸い味わう。
同時に、上下の唇が竿をきゅっと締め、唾液まみれのそれを上下に扱き立てる。男を存分に感じさせ、抵抗する気すら起こさせない、それは人外の奉仕。
激しいヘッドバンギングに、ヴェルマの綺麗な、薄紫色のセミロングヘアが不意に乱れた。
特に気にする風でもなく、何気なくヴェルマは片手でその髪を掻き上げたのだが、そのさり気ない仕草の、言い様のない艶めかしさに、フィルの心拍数は一気に上昇した。
当然それは、性的上位者たるヴェルマにも伝わる。
フェラチオ責めを続けながらも、ちらっと目線をウィルの顔へと遣る。興奮を覚られて顔を真っ赤にする男の痴態に、サディスティンの少女が両眼に、この上無く純粋な喜色を浮かべた。
長い前髪の奥で、太陽よりも激しく月よりも妖しく、松明のようにギラギラと光る瞳に、彼は捉えられてしまったのだ。
抗う心を折られ、陰茎を激しく、情熱的に食べられ、もはやフィルの忍耐力は潰える寸前に達した。
屈服の予感を感じ取ったヴェルマが、嗜虐の愉悦に染まった瞳で哀れな餌食の顔を見据える。
視線を外さず、目と目を合わせたまま、一気に頭と舌の動きを速め、精液を啜り上げる。
髪の帳の向こうからじっ……と観察され、ひどい羞恥を覚えるも、心身ともに縛られたフィルにはどうしようも無い。
息を飲み、男性器が痙攣しかけた瞬間、ヴェルマは肉茎を吸引した。
予想外の衝撃に、耐えようと思う間もなく、大量の白濁が一気に溢れ返った。
「……!!」
「ふ、ぁっ……ん、んぅっ……! ん、ぐ……ぐちゅっ……こくっ……ん、こくこく、ぅ……♪」
舌と喉で子種汁を味わう淫乱ワーバットは、唇の端から受け止めきれなかった精液が漏れるのにも構わず、新鮮で濃厚な性の味に酔い痴れる。
半固体状で食道に引っかかりやすいザーメンを、ただ飲み込むような事はせず、口腔全体で味わい、咀嚼し、嚥下する。
飲むというよりは食べると呼ぶべきその搾精は、彼女の捕食者としての在り方を象徴しているようだった。
数分後。荒い息を吐きながらも、どうにか落ち着きを取り戻しつつあったフィルに、イカ臭い溜息をつきながらヴェルマが言った。
「……お兄さんのせーえき、すっごく美味しかった……♪ もう私、これ無しじゃ居られないかも……♪」
「そ、それは、どうも」
「……にへへ」
賞賛するようなことを言いながらも、ヴェルマはまだまだ満足した様子を見せない。
この状況にあって、フィルも何となく、次の展開というものが読めてきていた。
「だからぁ、次はこっちに、飲ませてくれる……?」
膝立ちになって、涙のように愛液を流す膣を魅せつけるヴェルマ。
未発達な肢体とは対照的に、熟れきって濡れきったそのあまりの淫猥さに、萎えることなど許されないのだった。
ゆっくりと腰を降ろし、乳首と同じ、綺麗な桜色の陰唇を勃ちっぱなしの肉棒に当てる。
餓えた淫筒は、涎を垂らしながらずぶずぶと男根を飲み込んでいく。
外見通りヴェルマの膣は小さく狭い、キツキツの穴だった。
精液や愛液、唾液で十分以上に潤っていたため、引っかかることなく竿を収め、腰を落としきることができたが、淫乱少女の膣内はフィルがかつて感じたことのないほど強く締る。
幼い女の子の、未完成な女性器に無理矢理挿入しているような激しい刺激に、ただ入れているだけでも射精してしまいそうなほど感じていたフィルだが、「挿れただけで出す」などということをヴェルマが許すはずもない。
「さーて、一緒に、気持ちよくなろーか♪」
「ちょっ、まっ……」
返事も聞かず、ヴェルマは腰を使い出した。
同時に、フィルのものを全方位から絞めつけていた膣の、肉襞が愛液をまとって、生き物のように動きだす。
男を感じさせ、射精させ、精液を奪うという魔物娘のアイディンティティを自ら体現するかのように、
膣道の細かく不規則な構造が、男性器の根元から先まで余さず絡みつき、愛し、精を搾ろうとする。
更に、騎乗位で男を犯すヴェルマの淫膣は、最奥部が特に狭く、肉棒の先端、鈴口やカリ首といった特に敏感な部分を一際じっくり刺激してやれるようになっていた。
膝を付き激しくグラインドすることで、亀頭粘膜へ与えられる摩擦は大いに高まる。急所の中の急所を、こうまで徹底的に制されると、拘束の有無など関係ない。
フィルは、彼自身の意志とは無関係に射精させられるのだ。
歳若く何処か妖しい少女に、人格を無視されるこのシチュエーションに、彼は溺れていった。
本日二度目の絶頂が近づいてくるのを感じたフィルは、頭上の女王に限界を訴えようとした。口を開き、空気を吸おうとしたその動作だけで、ヴェルマは彼の考えを悟った。
「も、もう……!」
「イっちゃうんだ。年下の女の子に跨られて、ちょっと腰振られただけで、もうぴゅっぴゅしちゃうんだ。……ふふん。情けなぁい♪」
「そんな、お前……!」
「いいよ、イきたくなったらいつでも、中出しさせてあげる。
……私がイくまでは、抜いても止めてもあげないけどね」
「!!」
狙った男を完全に屈服させたワーバットは、歓喜のグラインドでもって劣情をぶつける。
無数の指と舌で男根を責め嫐られるような別次元の快楽に、耐えるという概念は存在し得ない。
射精しても、この凌辱が終わることはない、どころか、更に搾られもっと辛い思いをすると分かっていても、どうしようも無い。
一番下まで腰が下ろされた時、膣奥の壁が鈴口に強く押し当てられる感触で、フィルは達した。
「くっ!!」
「……!! これ……お兄さんの……!?」
びくんびくんと肉茎が震え、二度三度、断続的に白い子種を子宮へ送り込む。
一度口で抜かれたとは思えないほど大量の精液が、ヴェルマの小さな女性器に満ち溢れ、愛液と混ざって膣口から漏れ出てくる。
それでも、未だ満足しないヴェルマは騎乗位逆レイプを止めはしない。
どころか、子宮に広がる精の味に酔い痴れ、半狂乱になってガンガン腰を使い出した。
まだ膣内射精も終っていないのに、もう次の精液をねだるような、余りにも貪欲過ぎる少女の暴虐に、たまらずフィルは叫んだ。
「やめ、やめてくれっ! こんな、無理、死んじまう!!」
「あは、あははは、何、これ! お兄さんの精液、最高……! マゾでロリコンの、変態さんの癖に、こんなに美味しい精持ってるなんて、もう、愛してる……!」
長い前髪に覆われた眼を狂悦に汚し、ヴェルマは貪る。
フィルが限界に達し射精しても、射精が終わっても、彼女は腰を止めない、止められない。
止めどなく、まるで潮のように溢れる愛蜜で布団を汚しながら、もっともっとと愛する男根を搾る。
膣内に撒き散らされた精液によって肉筒の滑りは一層増し、イったと言うのに萎えることも出来ず、イくこともできないフィルのものを、今まで以上に強く擦り、撫で、締めつける。
連続で犯されイきたくともイけない、快楽と紙一重の拷問に、脳の奥が弾け、断末魔の如き苦鳴があがる。
「ヴェルマたのむどいてくれ!! こんなの、狂っちまう!!」
「いいよぉ、狂っても! 私のおまんこに、狂って! そしたら、私だけのものにしてあげるからっ!!」
精神ごと陵辱するような、化物じみた性感に、フィルは人間の言葉すら失いそうになる。
快感とも苦痛とも付かない、得体の知れない感覚で脳が埋め尽くされ、他のすべてが押し流されてしまったかのようだ。
喘ぎ声のような叫び声のような、短い息をつきながら、ただただ弄ばれるままに犯される。
そんな状況でも、まだ出すべき精液は残っていたか、急速に射精感がフィルを襲った。
彼の上で狂乱するヴェルマも、いよいよエクスタシーが近づいてきたらしく、ラストスパートを掛けてきた。
「……わ……、私、イく……! もう、イっちゃう……!
ね、一緒に、イこう? 私、イく時、子宮の口がキューって締まるんだよ……? それに合わせて射精したら、きっとすっごく気持ちいいよ……?
だから、ねぇ、私と一緒に……!」
言われるまでもなく、彼も同じ気持ちだった。
まだ出会って一日も経っていないが、既に二人は一心同体、異体同心と言えるほどになっていたのだ。
それまでよりも高く、ヴェルマが腰を上げる。
ぎりぎり男性器が膣口から離れないくらいにまで抜いておいて、一気に落とす。
性器と性器が限界まで密着する感覚で、二人は達した。
「ぐっ!! で、るっ!!」
「い、ヒィィっ!!」
子宮口寸前で、白く濁ったゲルが奔り出る。
尖端の粘膜を柔らかい膣肉で抱きしめられ、フィルは意識が途切れそうなほどの快楽を感じる。
三回目の射精にして本日最濃の精を胎内に注がれたヴェルマも、アクメのあまり忘我の境地にあった。
頬を真っ赤に染め、口をだらしなく開き、舌を垂らす緩みきった表情は、至福の極み。
「あ、ハァ、あはぁ……お兄さん……こんなの、ダメだよ……良すぎちゃって、私、もう、あなたなしじゃ……」
荒い呼吸に合わせて、ワーバットの薄い胸が大きく動く。
思わず目を取られたフィルも、ヴェルマと全く同じ気持ちで居た。
翌朝。
あの後結局何回セックスしたのか、ふと目覚めた時には既に出勤に間に合うぎりぎりになってしまっていた。
慌てて飛び起き、パジャマから着替える。部屋のカーテンを開けると、キャッという短い叫びが聞こえた。
「ひ、ひかり、怖……」
「あ、すまん!」
布団にくるまって、太陽光から逃れようとするヴェルマがそこに居た。
昨晩の凶暴な様子は鳴りを潜め、初めて会ったときのように光に怯え震える。
カーテンを戻し、支度のため部屋を出ようとしたフィルが、ふと振り返ると、布団の中からこちらを見つめるヴェルマと目が合った。
「……早く、帰ってきてね……。それで、今夜も……♪」
布団の陰、髪の隙間から見える目の輝きは、昨晩乱れたときと寸分変わらぬ物だった。
11/04/07 17:25更新 / ナシ・アジフ