第八話 俺のストレスがクエストでマッハなんだが?
朝、元の世界で言うと十時位だろうか。
サバトのクエスト受付でスエードと二人で掲示板に張り出されている依頼を見ている。
(因みにシルクは亭拉に巻き付きながら背中で寝ている)
テイラ「取り合えず最初は簡単そうな物にするか…」
収穫クエストの中で異様に報酬の高いクエストがあったので受付に持っていく。
テイラ「コイツを受けたいんたが。」
そう言ってジト目の受付嬢らしい魔女に依頼書を手渡す。
受付魔女「マンドラゴラの収穫クエストですね、本日中に三本のマンドラゴラを納品してください。」
そう言って受付魔女がマンドラゴラハウスの入室許可証とそこまでの地図を手渡してくれた。
スエード「大丈夫なのか?マンドラゴラの叫び声は理性を無くさせる効果があるぞ。」
確かに普通に引っこ抜くと叫び声をあげ、その声を聞くと目の前のマンドラゴラに襲い掛かってしまう。
さらにその叫び声は抜いた本人意外にも効果が有り、亭拉の場合一緒に居るシルクに危険が及ぶ事になる。
しかし亭拉は自信有りげに一言…
テイラ「大丈夫、私に良い考えがある」
スエード「何故か急に不安になってきた…」
…
……
………
マンドラゴラハウス
マンドラゴラを栽培するために建てたビニールハウス。
中には魔力が充満させてあり、痩せた土から養分を十分に得られないマンドラゴラは空気中の魔力を吸収する。
そのためこのハウスのマンドラゴラは成長が早く、尚且つ効果が高いとされている。
入口近くの人当たりの良さそうな魔女に依頼書と許可証を見せると、
農魔女「収穫したマンドラゴラは一度全て提出して下さい。後、中には魔力が充満させてありますのでインキュバスになりたくない場合ご自分で対策をお願いします。」
了解のむねを伝えると、
農魔女「最後に、土の上がお好みでない場合はハウス内に簡易ベッドが有りますので頑張ってそちらまで移動してくださいね♪」
取り合えず魔女にデコピンしてから中に入るが…
むわっ
中は蒸せ返るような魔力が満ちている。
空かさず自分に『魔力浸入の否定』をかける。
しかしこんな魔力の濃いところにシルクを入れられないので亭拉は表で彼女を下ろし、パンツ丸出しでひっくり返って気を失っている魔女の介抱を頼むことにした。
テイラ「空気が甘ったる過ぎて気分が悪くなるな…」
息をするだけで胸焼けしそうなハウスの中を一通り回り、できるだけ大きなマンドラゴラを探す。
そしてハウスの一番奥に花の直径が1メートル近くある巨大なマンドラゴラを発見する。
取り合えず浅く土を掘り、マンドラゴラの顔を確認する。
顔が半分ほど露出したところでマンドラゴラと目が合う。
テイラ「あれ?」
その目は切れ長で大人っぽさを感じる目だった。
テイラ「マンドラゴラさんですか?」
そう聞くとマンドラゴラは頭上の花をワッサワッサ揺らしてうなずく。
確認が済んだので鞄からスコップを取り出し素早く組み立て土を掘り返し始める。
不思議草「モガ〜、もゴゴ〜!」
鋭い目で睨み、ワッサワッサと花を揺らして抗議する?マンドラゴラ。
一先ず手を止め、口のあたりまで土をどかしてやる。
不思議草「プハァ!何してるんですか、ちゃんと引っこ抜いてくれないと叫べないじゃないですか!!」
テイラ「叫ばれないように土ごと収穫するんじゃないか。」
亭拉の言葉を聞き、しんじられないと言う顔をして驚くマンドラゴラ。
不思議草「ヒドイ!生まれてから30年同じ時期に植えられた姉妹達は次々に収穫されて冒険者に抱かれていったと言うのに貴方はまだ私に男を知らぬままでいろってことですか!?もう身体なんて熟れきってばい〜んキュッぼい〜んになっちゃったってのに私を見つけたんだからさっさと引っこ抜いて私を抱いてよ熟れきった身体をメチャクチャに犯し「五月蝿い埋めるぞ!」ゴメンナサイ」
マンドラゴラを黙らせると亭拉は黙々と掘り続ける。
テイラ「もう良いかな?」
不思議草「まだ腰くらいです。」
さらに掘る。
テイラ「もう良いだろう?」
不思議草「まだ膝です。」
もっと掘る。
テイラ「いい加減掘れただろ!」
不思議草「まだ踝あたりで「五月蝿い!」」
ブチィ!
強引に担ぎ上げる。
不思議草「あ、抜きましたね?今引っこ抜きましたよ「埋め直されたいか?」ナンデモナイデス。」
自分の身長より深い穴からジャンプで脱出して掘り出したマンドラゴラを地面に寝かせる。
不思議草「爪先がスースーするぅ…」
ブツブツと文句を言うマンドラゴラを放っといて後の二本を掘り出しにかかる。
…
……
………
シルク「あ、お帰りなさい。」
とぐろを巻いた自分の下半身に魔女を座らせ、背中から抱きつく形で抱えるシルクから声をかけられる。
魔女「何ですかそれは?」
亭拉の抱えた三つの巨大な麻袋について訪ねる。
テイラ「マンドラゴラなんだが?」
一番大きな麻袋を魔女に見せる。
目と目が合うマンドラゴラと魔女。
農魔女&不思議草「「あ、初めまして」」
農魔女「しかしマンドラゴラを襲わずに帰ってきたのはあなたがはじめてですよ、今日は汚れたシーツを洗濯しなくて済みましたね♪」
そう言うとスラスラと依頼書にサインをしていく。
魔女「あ、そのままじゃ使えないので洗ってから納品してくださいね♪」
…………………まじか!?
…
……
………
受付魔女「お帰りなさ…い?」
ジト目の魔女の頭に大きな?マークが出ている気がしたがそんな事は無かった。
事情を説明すると表の水道を使って良いと言われたのでバケツと三人のマンドラゴラを連れて外に出る。
マンドラゴラを麻袋から取り出し、バケツで優しく洗い流していく。
標準サイズ?のマンドラゴラ二人はとても気持ち良さそうに土を流されていったが…
不思議草「ハァッ……アッ……冷たいっ……でも感じちゃう///」
水がかかる度に妖艶な声をあげ、身をよじる。
ガバッ!
不思議草「ブォブォヴゥ〜!!」
頭から麻袋を被せて口を縛り、正面に『罪』と書いて黙らせてから再び洗い始める。
最終的にはふっくら健康的な少女のようなマンドラゴラ二人と、ばい〜んキュッぼい〜んの変態草が一本出来上がった。
並魔草A「洗い出されるのは引っこ抜かれる内に入りますか?」
テイラ「入らない。」
並魔草B「そうですか、軍用スコップすごいですね。」
テイラ「それほどでもない。」
ともかく叫ばれずにマンドラゴラ二人と一本の収穫を完了し、再度受付に納品しに行く。
受付魔女「ふむ…このマンドラゴラ凄い魔力を蓄えてますね、こんな事は初めてです。」
そう言って何やら新しい書類に記入を始め、複写式の二枚目を依頼書にクリップで止めつける。
受付魔女「納品されたマンドラゴラは非常に上質な魔法薬の材料になりそうです、よって今回の報酬を少し上乗せしておきました。」
一本につき金貨二枚の報酬が金貨五枚になっていた。
受付魔女「『カンバス』に何日滞在するか分かりませんが、次回も『マンドラゴラ収穫クエスト』をお願いしたいです。」
そう言ってさっき複写した書類の原本を亭拉に手渡す。
『特別報酬依頼書』
高い魔力を持ったマンドラゴラを納品時に金貨三枚の追加報酬をここに確約いたします。
サバトカンバス支部魔術開発課
…
……
………
カポーン
サバトの宿泊施設に有る大浴場(混浴)で身体についた土汚れを落とした亭拉とシルクが仲良く湯船に浸かっている。
シルク「これが『お風呂』ですか、身体が芯まで暖まってとっても気持ちが良いです///」
テイラ「砂漠じゃ水が貴重だからなぁ、今までもお湯で身体を拭く位しかできなかったしな。」
今まで『ブラジア』の町長に身体を拭いてもらっていた上に男に肌をさらす事が恥ずかしいことも知らないシルクと、旅の途中でそのシルクの身体を拭いてやっていた亭拉なので、お互い全く意識していない。
シルク「クエスト、また受けるのですか?」
髪を頭頂部で纏め、ほんのり桜色に肌を染めて訪ねる。
テイラ「いや、街道から離れているとはいえ余り一国に強大な魔力を持たせると殲滅の対象になりかねない、今回が最初で最後だよ。」
頭に手拭いを乗せ湯船に肘をかけて浸かりながら答える。
テイラ「他の客が入ってくると面倒だ、身体を洗ってさっさと出るぞ。」
亭拉は洗い場でたっぷりと石鹸を泡立てた手拭いでシルクの身体を首の下から尻尾の先迄丁寧に洗ってやる。
今までもシルクの身体を拭いてやっていた亭拉は全く意識していない。
ふわふわの泡で身体が包み込まれ、気持ち良さそうに目を細めるシルク。
純真なこどものようなシルクは全く性的に興奮してはいない。
(そんなじゃから30過ぎても…)
何処からか向けられた意識に最大限の殺気をぶつけて黙らせるとまたシルクの身体を洗い始める亭拉。
…
……
………
翌朝
朝が苦手なシルクに合わせて宿を出て、カフェで朝食を取ることにした亭拉。
途中でスエードと合流し、カフェの席に座ると見慣れない魔物の店員が水の入ったグラスをお盆に乗せて注文を取りに来た。
頭にヘッドドレスを着け口元を布で隠しメイド服を着た女性の上半身。
下半身はサソリで先の折れた毒針には焼きたてのパンを入れたバスケットを引っ掻けている。
シャーリー「お客様、ご注文は?」
テイラ「厚切りベーコンとサラダ盛り合わせ。」
シルク「ドライフルーツ入りミルクリゾット」
スエード「厚切り魔界豚のソテーと魔界ニンニクの丸揚げ」
テイラ「あ、あとパンをバスケット一つ分」
シャーリー「かしこまりました、少々お待ち下さい。」
注文を取り、パンの入ったバスケットと水を置いた後厨房にさがる。
テイラ「『毒の否定』」
出された水に否定魔法をかけると亭拉に出された水だけが淡い光を発する。
テイラ「やっぱり何か盛ってたか…」
スエード「魔物の性とはいえ、すまないな。」
何故か謝るスエード(根が真面目なんだろう)に対して亭拉はあんたが謝ることじゃないよ、と手のひらをヒラヒラさせる。
注文した料理も出揃い三人で『いただきます』をしようとした時…
不思議草「このお店にテイラさんと言う方は来ていますか?」
亭拉が掘り出した巨大マンドラゴラが店に入ってきた。
不思議草「サバトのバフォメット様がお呼びです、至急サバト迄お越しください!」
サバトのクエスト受付でスエードと二人で掲示板に張り出されている依頼を見ている。
(因みにシルクは亭拉に巻き付きながら背中で寝ている)
テイラ「取り合えず最初は簡単そうな物にするか…」
収穫クエストの中で異様に報酬の高いクエストがあったので受付に持っていく。
テイラ「コイツを受けたいんたが。」
そう言ってジト目の受付嬢らしい魔女に依頼書を手渡す。
受付魔女「マンドラゴラの収穫クエストですね、本日中に三本のマンドラゴラを納品してください。」
そう言って受付魔女がマンドラゴラハウスの入室許可証とそこまでの地図を手渡してくれた。
スエード「大丈夫なのか?マンドラゴラの叫び声は理性を無くさせる効果があるぞ。」
確かに普通に引っこ抜くと叫び声をあげ、その声を聞くと目の前のマンドラゴラに襲い掛かってしまう。
さらにその叫び声は抜いた本人意外にも効果が有り、亭拉の場合一緒に居るシルクに危険が及ぶ事になる。
しかし亭拉は自信有りげに一言…
テイラ「大丈夫、私に良い考えがある」
スエード「何故か急に不安になってきた…」
…
……
………
マンドラゴラハウス
マンドラゴラを栽培するために建てたビニールハウス。
中には魔力が充満させてあり、痩せた土から養分を十分に得られないマンドラゴラは空気中の魔力を吸収する。
そのためこのハウスのマンドラゴラは成長が早く、尚且つ効果が高いとされている。
入口近くの人当たりの良さそうな魔女に依頼書と許可証を見せると、
農魔女「収穫したマンドラゴラは一度全て提出して下さい。後、中には魔力が充満させてありますのでインキュバスになりたくない場合ご自分で対策をお願いします。」
了解のむねを伝えると、
農魔女「最後に、土の上がお好みでない場合はハウス内に簡易ベッドが有りますので頑張ってそちらまで移動してくださいね♪」
取り合えず魔女にデコピンしてから中に入るが…
むわっ
中は蒸せ返るような魔力が満ちている。
空かさず自分に『魔力浸入の否定』をかける。
しかしこんな魔力の濃いところにシルクを入れられないので亭拉は表で彼女を下ろし、パンツ丸出しでひっくり返って気を失っている魔女の介抱を頼むことにした。
テイラ「空気が甘ったる過ぎて気分が悪くなるな…」
息をするだけで胸焼けしそうなハウスの中を一通り回り、できるだけ大きなマンドラゴラを探す。
そしてハウスの一番奥に花の直径が1メートル近くある巨大なマンドラゴラを発見する。
取り合えず浅く土を掘り、マンドラゴラの顔を確認する。
顔が半分ほど露出したところでマンドラゴラと目が合う。
テイラ「あれ?」
その目は切れ長で大人っぽさを感じる目だった。
テイラ「マンドラゴラさんですか?」
そう聞くとマンドラゴラは頭上の花をワッサワッサ揺らしてうなずく。
確認が済んだので鞄からスコップを取り出し素早く組み立て土を掘り返し始める。
不思議草「モガ〜、もゴゴ〜!」
鋭い目で睨み、ワッサワッサと花を揺らして抗議する?マンドラゴラ。
一先ず手を止め、口のあたりまで土をどかしてやる。
不思議草「プハァ!何してるんですか、ちゃんと引っこ抜いてくれないと叫べないじゃないですか!!」
テイラ「叫ばれないように土ごと収穫するんじゃないか。」
亭拉の言葉を聞き、しんじられないと言う顔をして驚くマンドラゴラ。
不思議草「ヒドイ!生まれてから30年同じ時期に植えられた姉妹達は次々に収穫されて冒険者に抱かれていったと言うのに貴方はまだ私に男を知らぬままでいろってことですか!?もう身体なんて熟れきってばい〜んキュッぼい〜んになっちゃったってのに私を見つけたんだからさっさと引っこ抜いて私を抱いてよ熟れきった身体をメチャクチャに犯し「五月蝿い埋めるぞ!」ゴメンナサイ」
マンドラゴラを黙らせると亭拉は黙々と掘り続ける。
テイラ「もう良いかな?」
不思議草「まだ腰くらいです。」
さらに掘る。
テイラ「もう良いだろう?」
不思議草「まだ膝です。」
もっと掘る。
テイラ「いい加減掘れただろ!」
不思議草「まだ踝あたりで「五月蝿い!」」
ブチィ!
強引に担ぎ上げる。
不思議草「あ、抜きましたね?今引っこ抜きましたよ「埋め直されたいか?」ナンデモナイデス。」
自分の身長より深い穴からジャンプで脱出して掘り出したマンドラゴラを地面に寝かせる。
不思議草「爪先がスースーするぅ…」
ブツブツと文句を言うマンドラゴラを放っといて後の二本を掘り出しにかかる。
…
……
………
シルク「あ、お帰りなさい。」
とぐろを巻いた自分の下半身に魔女を座らせ、背中から抱きつく形で抱えるシルクから声をかけられる。
魔女「何ですかそれは?」
亭拉の抱えた三つの巨大な麻袋について訪ねる。
テイラ「マンドラゴラなんだが?」
一番大きな麻袋を魔女に見せる。
目と目が合うマンドラゴラと魔女。
農魔女&不思議草「「あ、初めまして」」
農魔女「しかしマンドラゴラを襲わずに帰ってきたのはあなたがはじめてですよ、今日は汚れたシーツを洗濯しなくて済みましたね♪」
そう言うとスラスラと依頼書にサインをしていく。
魔女「あ、そのままじゃ使えないので洗ってから納品してくださいね♪」
…………………まじか!?
…
……
………
受付魔女「お帰りなさ…い?」
ジト目の魔女の頭に大きな?マークが出ている気がしたがそんな事は無かった。
事情を説明すると表の水道を使って良いと言われたのでバケツと三人のマンドラゴラを連れて外に出る。
マンドラゴラを麻袋から取り出し、バケツで優しく洗い流していく。
標準サイズ?のマンドラゴラ二人はとても気持ち良さそうに土を流されていったが…
不思議草「ハァッ……アッ……冷たいっ……でも感じちゃう///」
水がかかる度に妖艶な声をあげ、身をよじる。
ガバッ!
不思議草「ブォブォヴゥ〜!!」
頭から麻袋を被せて口を縛り、正面に『罪』と書いて黙らせてから再び洗い始める。
最終的にはふっくら健康的な少女のようなマンドラゴラ二人と、ばい〜んキュッぼい〜んの変態草が一本出来上がった。
並魔草A「洗い出されるのは引っこ抜かれる内に入りますか?」
テイラ「入らない。」
並魔草B「そうですか、軍用スコップすごいですね。」
テイラ「それほどでもない。」
ともかく叫ばれずにマンドラゴラ二人と一本の収穫を完了し、再度受付に納品しに行く。
受付魔女「ふむ…このマンドラゴラ凄い魔力を蓄えてますね、こんな事は初めてです。」
そう言って何やら新しい書類に記入を始め、複写式の二枚目を依頼書にクリップで止めつける。
受付魔女「納品されたマンドラゴラは非常に上質な魔法薬の材料になりそうです、よって今回の報酬を少し上乗せしておきました。」
一本につき金貨二枚の報酬が金貨五枚になっていた。
受付魔女「『カンバス』に何日滞在するか分かりませんが、次回も『マンドラゴラ収穫クエスト』をお願いしたいです。」
そう言ってさっき複写した書類の原本を亭拉に手渡す。
『特別報酬依頼書』
高い魔力を持ったマンドラゴラを納品時に金貨三枚の追加報酬をここに確約いたします。
サバトカンバス支部魔術開発課
…
……
………
カポーン
サバトの宿泊施設に有る大浴場(混浴)で身体についた土汚れを落とした亭拉とシルクが仲良く湯船に浸かっている。
シルク「これが『お風呂』ですか、身体が芯まで暖まってとっても気持ちが良いです///」
テイラ「砂漠じゃ水が貴重だからなぁ、今までもお湯で身体を拭く位しかできなかったしな。」
今まで『ブラジア』の町長に身体を拭いてもらっていた上に男に肌をさらす事が恥ずかしいことも知らないシルクと、旅の途中でそのシルクの身体を拭いてやっていた亭拉なので、お互い全く意識していない。
シルク「クエスト、また受けるのですか?」
髪を頭頂部で纏め、ほんのり桜色に肌を染めて訪ねる。
テイラ「いや、街道から離れているとはいえ余り一国に強大な魔力を持たせると殲滅の対象になりかねない、今回が最初で最後だよ。」
頭に手拭いを乗せ湯船に肘をかけて浸かりながら答える。
テイラ「他の客が入ってくると面倒だ、身体を洗ってさっさと出るぞ。」
亭拉は洗い場でたっぷりと石鹸を泡立てた手拭いでシルクの身体を首の下から尻尾の先迄丁寧に洗ってやる。
今までもシルクの身体を拭いてやっていた亭拉は全く意識していない。
ふわふわの泡で身体が包み込まれ、気持ち良さそうに目を細めるシルク。
純真なこどものようなシルクは全く性的に興奮してはいない。
(そんなじゃから30過ぎても…)
何処からか向けられた意識に最大限の殺気をぶつけて黙らせるとまたシルクの身体を洗い始める亭拉。
…
……
………
翌朝
朝が苦手なシルクに合わせて宿を出て、カフェで朝食を取ることにした亭拉。
途中でスエードと合流し、カフェの席に座ると見慣れない魔物の店員が水の入ったグラスをお盆に乗せて注文を取りに来た。
頭にヘッドドレスを着け口元を布で隠しメイド服を着た女性の上半身。
下半身はサソリで先の折れた毒針には焼きたてのパンを入れたバスケットを引っ掻けている。
シャーリー「お客様、ご注文は?」
テイラ「厚切りベーコンとサラダ盛り合わせ。」
シルク「ドライフルーツ入りミルクリゾット」
スエード「厚切り魔界豚のソテーと魔界ニンニクの丸揚げ」
テイラ「あ、あとパンをバスケット一つ分」
シャーリー「かしこまりました、少々お待ち下さい。」
注文を取り、パンの入ったバスケットと水を置いた後厨房にさがる。
テイラ「『毒の否定』」
出された水に否定魔法をかけると亭拉に出された水だけが淡い光を発する。
テイラ「やっぱり何か盛ってたか…」
スエード「魔物の性とはいえ、すまないな。」
何故か謝るスエード(根が真面目なんだろう)に対して亭拉はあんたが謝ることじゃないよ、と手のひらをヒラヒラさせる。
注文した料理も出揃い三人で『いただきます』をしようとした時…
不思議草「このお店にテイラさんと言う方は来ていますか?」
亭拉が掘り出した巨大マンドラゴラが店に入ってきた。
不思議草「サバトのバフォメット様がお呼びです、至急サバト迄お越しください!」
13/02/12 04:04更新 / 慈恩堂
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