Savior of song
「んむ……」
気だるげな、それでいて清々しい朝。しかし僕がまず耳にしたのは、小鳥のさえずりでもなければ料理の音でもなく、何かを舐めしゃぶるような水音だった。
「ん……?」
「あ、おあおうごはいまふ」
「……ああ、おはよう」
彼女はヴァルキリーのノナさん。神様の使徒であるはずの彼女がこんな時間から全裸で僕の肉棒をくわえてることなど普通は有り得ないはず。彼女曰く神様の御言葉らしいけど、こんなことを命ずる神様なんてどこかズレてると思う。だけどまぁ、今更なので気にしない。
「ん、そろそろ……」
「はぁ……はい、いきますね?」
彼女はものすごく嬉しそうな表情を浮かべて体を起こすと、股間同士を擦れ合わせるように跨る位置をずらしていく。口でご奉仕してくれている間に自慰をしていたのか、あるいはくわえながら興奮や快感を感じていたのか、彼女はもうすでにつゆだく状態だった。
「では……今朝の一番搾り、頂きますね」
すると、もう一度彼女は僕の方に倒れて来た。何をするのかと思えば、僕の体を抱きしめて一緒に起こすと、キスをしながら挿入していく。
「ん……」
「んちゅ……」
彼女は僕に跨って蕩けた表情を浮かべながら、腰を回すように動かすことで緩やかに上り詰めようとしていた。
彼女は神様の使徒だ。本来なら勇者、もしくは勇者候補となりうる人間のもとに降り立ち、神の意思に従って魔王を倒すべく力をつけさせる訓練をしたり、世話をしたりしてくれる。だから最初は僕と剣を交えたり徒手空拳での戦闘訓練をしたり、料理洗濯などを家事を手伝ったりしていた。まぁこの時点で夫婦生活みたいなものかも知れないけど、少なくとも最初はお互いにそんな感情なんてなかったはずだった。
しかし彼女はそうではなかったようで、少しずつ僕と触れ合う時間を長くしていった。例えばお風呂で背中を流してくれたり、添い寝をしてくれたりなど。彼女たちに本来自由意思はなく、神の御言葉によって動く存在なので最初は気にしていなかったのだが、彼女が僕の体に触れる度に艶やかな吐息を漏らしたりするので意識せざるを得なくなってくる。
ただでさえ引き締まっていながら柔らかく肉付きのいい体を持つ金髪の美人さんと共に生活しているんだから、いやがおうにも邪な妄想は膨らんでしまっていた。そんな中で彼女はある夜、僕を唐突に押し倒すと目を潤わせて抱きしめてくれた。神の御言葉に従い、僕を愛するようになってしまったと言って。
それから、僕と彼女のエロエロしい日々が幕を開けたのだ。
などと思い出していると、彼女は動きを止めて唇を離す。むくれた顔もまた可愛い……じゃなくて。
「むぅ……こうしてるのに考え事ですか?」
「ごめんよ、ノナさんと初めてセックスした時のことを思い出しちゃって」
「もう……でも、私のことを考えてくれてたのなら許します。ちゅ」
頬にキスをし、首筋に顔をうずめる彼女。しっかりと抱きしめてくれているのでそれだけで豊満な乳房が僕の薄い胸板で潰れる。心地良い感触にうっとりとしていると、挿入したままの彼女の膣が暴れだした。
「うおっ!?」
「ああん!?……ごめんなさい、どうやらこっちは早く欲しいみたい」
「……実は僕も結構辛いんだ」
「あら……なら、そろそろお互いに真っ白になりましょう?」
彼女の提案を断る理由などない。お互いに全力で腰をぶつけ合い、上り詰める。
「あぁ、はぁんっ、気持ち、くぅんっ、いいですか?ヒロさんっ!」
「うん、くはっ、かなりきてるよっ、ノナさんっ!」
「嬉しい!もっと、あんっ、もっとぉ!」
お互いにもう何を言ってるのかわからない。お互い顔の周りは唾液まみれ、股間は互の汁まみれ。それでも彼女は美しかったし、愛おしいことに変わりはない。
「くっ、出るよノナさん!」
「あぁっ、きてぇ……ぁぁぁあああん!」
そして、僕と彼女は互いに頭が真っ白になった。
それからしばらく気を失っていた僕は、体を包む生暖かい感覚で目を覚ます。
「お目覚めですか?あれだけお互いに汚してしまいましたから、お風呂が必要かと思いまして。勝手ながらご一緒させてもらってます」
「あぁ……それで今お湯の中なのか……」
「まだ頭がボーッとしてます?可愛い……」
そう言って彼女は僕の頭を優しく撫でてくれる。お風呂の暖かさと眠気から、まだちゃんと頭が働いていない。
「それに、お疲れでしょう?朝から激しくしてしまいましたし」
「確かに、体が重いよ……」
「うふふ、でもよかったぁ……」
何がよかったのかは、正面から抱きしめてくる彼女の表情でわかる。我が家のお風呂は結構広く、人一人くらいなら膝を少し曲げればゆったり座れる程度のバスタブなので、二人で入るくらい問題はない。
「だけど、魔物を倒す訓練とかしなくていいのかなぁ……僕、一応勇者候補なんでしょ?」
「ええ。もちろん訓練はしていただきますよ。でも、疲れはちゃんととっておかないと、身が入らないんじゃ意味ありませんから」
「そか……」
なら朝からあんなことしなけりゃいいんじゃないのかとも思ってしまうが、あれがなくなると寂しいので黙っておく。
朝食をとり、剣による戦闘訓練。とはいえ、神の使徒である彼女に勝てるはずもなく、まだまだ僕は軽く弄ばれてしまう。それでも彼女からすれば、始めた頃からすれば打ち合えるようになってきただけ成長だとか。まぁ確かに最初の頃なんて、まず剣を合わせることすらできなかったからなぁ。筋肉つけたくて訓練の他にも特訓したりしてるし、事実腹筋や足腰は以前より鍛えられた気はする。気がするだけだけど。で、それが終わると昼食。戦闘訓練は非常に緊張感を高く保つので、あまり長くはできないのだ。
「でも、ヒロさんもちょっとずつですけど強くなってきてますね」
「そうなのかなぁ。あまり実感がわかないや」
「自分の成長というのは、案外自分では気づかないものですよ。本来大人ならば、自分の目標や目的をある程度明確にしているものですけど、ヒロさんはまだまだ判断基準が少ないですからね」
僕は生まれてこの方、自分の生まれ育った村の外に出たことがほとんどない。この村に若者と言えば僕を含めて数える程しかいないし、それも僕を除いて教団などから招集があったそうだ。外の世界をある程度知ることができ、魔物と実際に戦えば客観的に自分の強さもわかりそうなものなのだけれど、まだその段階にはないと以前彼女に言われたし、それは今もまだ、何も変わらないままだ。
「早く、外に出れるだけの力が欲しいな」
「焦っても仕方ありませんよ、こればかりは」
ため息をつく僕を見て、優しげに微笑む彼女だった。
昼からは食材や生活用品の買出しと、徒手空拳での戦闘訓練だった。お金はヴァルキリー付きの勇者候補ということで教会から支給されている。でもこれもみんなが収めた税金から出ていると考えると、ある程度貯めるのはもちろんだけどできるだけ村のみんなに還元したい。まだ何もできない自分のために期待をかけてくれているからというのもあるが、自分のお金だと思えないというのが一番だった。これは村のみんなのお金であり、自分が生活できているのはみんなのおかげだからだ。
「お疲れさまでした」
「……うん……」
僕は地面に仰向けに倒れ、ノナさんに膝枕してもらっていた。徒手空拳での戦闘訓練は剣以上に使う筋肉が多いため、疲労も違うところに来たりする。
「強くなりたい。ここまでしてもらったみんなや、僕を見てくれているノナさんのために、もっと」
「焦ってはいけません。焦りは何も産みません。人間ですから、ある日突然急激に強くなったりはしませんから」
「わかってるんだよ……十分すぎるほどに」
ノナさんは僕の頭を撫でながら諭す。言ってることはわかるし、体で感じている。だけど、今この瞬間にも村に魔物が襲って来るかも知れないという恐怖と焦りは、訓練中の僕を苛む。
「大丈夫。ヒロさんは必ず強くなります。時間はかかるかもしれませんが、必ずや」
そういった彼女の瞳は、優しさの中にものすごく強い力を秘めていたように思った。
そして晩。晩御飯とお風呂を済ませると、お楽しみの時間。お風呂上がりで濡れた艶やかで長い金髪を揺らしながら、彼女はベッドに仰向けで転がる。
「朝は私が上でしたから、その……きゃんっ!?」
みなまで言わせず、僕は上から彼女に被さる。首筋に顔をうずめて、互の胸を強く抱きしめることで押し付けあう。
「んぅ……ヒロさん、キスぅ……」
「ん……」
そんな風に甘える彼女に答えないわけにはいかず、力を弱めて彼女と唇を合わせる。
「今夜は、何回してくれるんですかぁ……?」
「どちらかが力尽きるまで、かな?」
「うふふ……私、負けませんからね?」
甘える口調とは裏腹に、彼女が唇に吸い付いてからの口擊は凄まじいの一言だった。何回やっても、僕は彼女の技術にはとうてい及ばないことを思い知らされる。こうやってエロエロしい一日は終わり、また朝を迎えて同じことを繰り返す。しかし、いつになったら魔物退治、魔王退治の旅に出られるのか、それが今の僕の一番の心配だった。
気だるげな、それでいて清々しい朝。しかし僕がまず耳にしたのは、小鳥のさえずりでもなければ料理の音でもなく、何かを舐めしゃぶるような水音だった。
「ん……?」
「あ、おあおうごはいまふ」
「……ああ、おはよう」
彼女はヴァルキリーのノナさん。神様の使徒であるはずの彼女がこんな時間から全裸で僕の肉棒をくわえてることなど普通は有り得ないはず。彼女曰く神様の御言葉らしいけど、こんなことを命ずる神様なんてどこかズレてると思う。だけどまぁ、今更なので気にしない。
「ん、そろそろ……」
「はぁ……はい、いきますね?」
彼女はものすごく嬉しそうな表情を浮かべて体を起こすと、股間同士を擦れ合わせるように跨る位置をずらしていく。口でご奉仕してくれている間に自慰をしていたのか、あるいはくわえながら興奮や快感を感じていたのか、彼女はもうすでにつゆだく状態だった。
「では……今朝の一番搾り、頂きますね」
すると、もう一度彼女は僕の方に倒れて来た。何をするのかと思えば、僕の体を抱きしめて一緒に起こすと、キスをしながら挿入していく。
「ん……」
「んちゅ……」
彼女は僕に跨って蕩けた表情を浮かべながら、腰を回すように動かすことで緩やかに上り詰めようとしていた。
彼女は神様の使徒だ。本来なら勇者、もしくは勇者候補となりうる人間のもとに降り立ち、神の意思に従って魔王を倒すべく力をつけさせる訓練をしたり、世話をしたりしてくれる。だから最初は僕と剣を交えたり徒手空拳での戦闘訓練をしたり、料理洗濯などを家事を手伝ったりしていた。まぁこの時点で夫婦生活みたいなものかも知れないけど、少なくとも最初はお互いにそんな感情なんてなかったはずだった。
しかし彼女はそうではなかったようで、少しずつ僕と触れ合う時間を長くしていった。例えばお風呂で背中を流してくれたり、添い寝をしてくれたりなど。彼女たちに本来自由意思はなく、神の御言葉によって動く存在なので最初は気にしていなかったのだが、彼女が僕の体に触れる度に艶やかな吐息を漏らしたりするので意識せざるを得なくなってくる。
ただでさえ引き締まっていながら柔らかく肉付きのいい体を持つ金髪の美人さんと共に生活しているんだから、いやがおうにも邪な妄想は膨らんでしまっていた。そんな中で彼女はある夜、僕を唐突に押し倒すと目を潤わせて抱きしめてくれた。神の御言葉に従い、僕を愛するようになってしまったと言って。
それから、僕と彼女のエロエロしい日々が幕を開けたのだ。
などと思い出していると、彼女は動きを止めて唇を離す。むくれた顔もまた可愛い……じゃなくて。
「むぅ……こうしてるのに考え事ですか?」
「ごめんよ、ノナさんと初めてセックスした時のことを思い出しちゃって」
「もう……でも、私のことを考えてくれてたのなら許します。ちゅ」
頬にキスをし、首筋に顔をうずめる彼女。しっかりと抱きしめてくれているのでそれだけで豊満な乳房が僕の薄い胸板で潰れる。心地良い感触にうっとりとしていると、挿入したままの彼女の膣が暴れだした。
「うおっ!?」
「ああん!?……ごめんなさい、どうやらこっちは早く欲しいみたい」
「……実は僕も結構辛いんだ」
「あら……なら、そろそろお互いに真っ白になりましょう?」
彼女の提案を断る理由などない。お互いに全力で腰をぶつけ合い、上り詰める。
「あぁ、はぁんっ、気持ち、くぅんっ、いいですか?ヒロさんっ!」
「うん、くはっ、かなりきてるよっ、ノナさんっ!」
「嬉しい!もっと、あんっ、もっとぉ!」
お互いにもう何を言ってるのかわからない。お互い顔の周りは唾液まみれ、股間は互の汁まみれ。それでも彼女は美しかったし、愛おしいことに変わりはない。
「くっ、出るよノナさん!」
「あぁっ、きてぇ……ぁぁぁあああん!」
そして、僕と彼女は互いに頭が真っ白になった。
それからしばらく気を失っていた僕は、体を包む生暖かい感覚で目を覚ます。
「お目覚めですか?あれだけお互いに汚してしまいましたから、お風呂が必要かと思いまして。勝手ながらご一緒させてもらってます」
「あぁ……それで今お湯の中なのか……」
「まだ頭がボーッとしてます?可愛い……」
そう言って彼女は僕の頭を優しく撫でてくれる。お風呂の暖かさと眠気から、まだちゃんと頭が働いていない。
「それに、お疲れでしょう?朝から激しくしてしまいましたし」
「確かに、体が重いよ……」
「うふふ、でもよかったぁ……」
何がよかったのかは、正面から抱きしめてくる彼女の表情でわかる。我が家のお風呂は結構広く、人一人くらいなら膝を少し曲げればゆったり座れる程度のバスタブなので、二人で入るくらい問題はない。
「だけど、魔物を倒す訓練とかしなくていいのかなぁ……僕、一応勇者候補なんでしょ?」
「ええ。もちろん訓練はしていただきますよ。でも、疲れはちゃんととっておかないと、身が入らないんじゃ意味ありませんから」
「そか……」
なら朝からあんなことしなけりゃいいんじゃないのかとも思ってしまうが、あれがなくなると寂しいので黙っておく。
朝食をとり、剣による戦闘訓練。とはいえ、神の使徒である彼女に勝てるはずもなく、まだまだ僕は軽く弄ばれてしまう。それでも彼女からすれば、始めた頃からすれば打ち合えるようになってきただけ成長だとか。まぁ確かに最初の頃なんて、まず剣を合わせることすらできなかったからなぁ。筋肉つけたくて訓練の他にも特訓したりしてるし、事実腹筋や足腰は以前より鍛えられた気はする。気がするだけだけど。で、それが終わると昼食。戦闘訓練は非常に緊張感を高く保つので、あまり長くはできないのだ。
「でも、ヒロさんもちょっとずつですけど強くなってきてますね」
「そうなのかなぁ。あまり実感がわかないや」
「自分の成長というのは、案外自分では気づかないものですよ。本来大人ならば、自分の目標や目的をある程度明確にしているものですけど、ヒロさんはまだまだ判断基準が少ないですからね」
僕は生まれてこの方、自分の生まれ育った村の外に出たことがほとんどない。この村に若者と言えば僕を含めて数える程しかいないし、それも僕を除いて教団などから招集があったそうだ。外の世界をある程度知ることができ、魔物と実際に戦えば客観的に自分の強さもわかりそうなものなのだけれど、まだその段階にはないと以前彼女に言われたし、それは今もまだ、何も変わらないままだ。
「早く、外に出れるだけの力が欲しいな」
「焦っても仕方ありませんよ、こればかりは」
ため息をつく僕を見て、優しげに微笑む彼女だった。
昼からは食材や生活用品の買出しと、徒手空拳での戦闘訓練だった。お金はヴァルキリー付きの勇者候補ということで教会から支給されている。でもこれもみんなが収めた税金から出ていると考えると、ある程度貯めるのはもちろんだけどできるだけ村のみんなに還元したい。まだ何もできない自分のために期待をかけてくれているからというのもあるが、自分のお金だと思えないというのが一番だった。これは村のみんなのお金であり、自分が生活できているのはみんなのおかげだからだ。
「お疲れさまでした」
「……うん……」
僕は地面に仰向けに倒れ、ノナさんに膝枕してもらっていた。徒手空拳での戦闘訓練は剣以上に使う筋肉が多いため、疲労も違うところに来たりする。
「強くなりたい。ここまでしてもらったみんなや、僕を見てくれているノナさんのために、もっと」
「焦ってはいけません。焦りは何も産みません。人間ですから、ある日突然急激に強くなったりはしませんから」
「わかってるんだよ……十分すぎるほどに」
ノナさんは僕の頭を撫でながら諭す。言ってることはわかるし、体で感じている。だけど、今この瞬間にも村に魔物が襲って来るかも知れないという恐怖と焦りは、訓練中の僕を苛む。
「大丈夫。ヒロさんは必ず強くなります。時間はかかるかもしれませんが、必ずや」
そういった彼女の瞳は、優しさの中にものすごく強い力を秘めていたように思った。
そして晩。晩御飯とお風呂を済ませると、お楽しみの時間。お風呂上がりで濡れた艶やかで長い金髪を揺らしながら、彼女はベッドに仰向けで転がる。
「朝は私が上でしたから、その……きゃんっ!?」
みなまで言わせず、僕は上から彼女に被さる。首筋に顔をうずめて、互の胸を強く抱きしめることで押し付けあう。
「んぅ……ヒロさん、キスぅ……」
「ん……」
そんな風に甘える彼女に答えないわけにはいかず、力を弱めて彼女と唇を合わせる。
「今夜は、何回してくれるんですかぁ……?」
「どちらかが力尽きるまで、かな?」
「うふふ……私、負けませんからね?」
甘える口調とは裏腹に、彼女が唇に吸い付いてからの口擊は凄まじいの一言だった。何回やっても、僕は彼女の技術にはとうてい及ばないことを思い知らされる。こうやってエロエロしい一日は終わり、また朝を迎えて同じことを繰り返す。しかし、いつになったら魔物退治、魔王退治の旅に出られるのか、それが今の僕の一番の心配だった。
14/05/07 02:09更新 / ☆カノン