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ーー【傾国】第三章・偽りの初夜ーー |
ここは史厳城の地下。
葛篭たちが来る前・・・・そこでは『肉欲の宴』が催されていた・・・ 「「「コフー・・・コフー・・・」」」 「はぁっ♪ んっ♪ ぁぁぁぁっ♪」 「いぐぅぅぅ♪ まだいぐぅぅぅぅぅぅ♪」 あちらこちらから聞こえる噴出音・・・・ ・・・・そしてどこかから聞こえる排尿の残滓の音・・・・ 猿轡された何十人という男達が一心不乱に『天井から吊るされた』女達を犯していた。・・・人間の女もいれば魔物娘もいた。 その女達の目からは光が失せて、涎や愛液や尿等を垂れ流し、中には腹が膨れていたり、母乳を滝のように流すものもいた。その女達の様子は・・・・快楽のことのみ考える人形のようだった・・・ こうしてる間にもあちらこちらから嬌声や体液のにおいが漂っているくらいである。 そのとき・・・ その熱気の篭った部屋に勢いよく、ソレこそ扉が壊れるのではないかという勢いで開けて入ってくる男がいた。 ・・・いかにも武人みたいな黒い鎧に身を包んだ白髪交じりの髪の男は部屋を 見回し、顎鬚をこすりながらニカッと笑い・・・ 「ははっ! 兵達よ! たのしんでいるかぁ?・・・といってもヤッててきこえんか・・・はーっはっはっはっ 」 ・・・と、この肉欲の部屋に図太い声で笑い声を響かせていた。 彼の名は『史厳帝王』その人である。 ・・・そして開け放たれた扉からひょっこりと女性が一人・・・顔を覗かせていた。 「帝王様・・・もう楼坑からの使者が着いてしまうというのに・・・何をなさっているのですか?」 「おぉ!! これはこれは・・・忘れておったわっ!! いつも済まぬの『季夫人』よ。」 そう、彼女が『季夫人』。史厳帝王の第一王后である。 「なぁに、ワシの『お古』がちゃんと使われているか見ておきたくてのぉ」 と、クックックッと忍び笑う史厳帝王。 ・・・そう、今まさに天井から吊るされ、犯されている彼女達・・・実は『元・妻』たちである。 殆どの者が敗戦国の者及び人質であるが、帝王はこのように『飽きたら』すべて地下に放り込んで兵達の慰め者の『道具』にするのである。 兵達が猿轡をしているのは『道具』を傷つけさせない為であり、長く持たせるためでもあった。 この国の兵士達はこの為に働いているといっても過言なくらいであり、ゆえにいつも士気が高いのである。 「・・・まったく・・・早く準備を為さって下さいな。」 「おぅっ・・・・・では諸君存分に楽しめよ・・・はーっはっはっはっ・・・・」 ・・・鉄の重々しい音と共に・・・・その部屋に扉が閉じて・・・その部屋に『蓋』をした・・・ ・・・・・・・・・ ・・・・・ ・・・ ところ変わって楼坑国の馬車の中・・・ 「いい? 葛篭はこれから侍女の一人として・・・『葛葉』として生活してもらうわね。」 「わかりま・・・かしこまりました、『葛篭姫』。」 「・・・よし、もうすぐ城門だ。・・・・覚悟はいいか? 二人とも・・・」 「「(・・・・・コクン・・)」」 頷き返したのを確認した長海は・・・前を向き城門を開かれるのを待った。 そして時待たずして・・・ 重々しい鉄の大扉が・・・首が痛くなるほど見上げる高さの城門が全開になった。 「(・・・歓迎されているみたいだな・・・一応は・・・)」 そんなことを思いながら長海は手綱を握り直し進んだ。 そして何十人という人が整列している大広場前の大階段の最下段に馬車を止め、足場を出し、中から葛葉が出てきて・・・ 「さぁ、『葛篭姫』さま、お手を・・・」 「有難うございます。『葛葉』さん。」 手を差し出し、下車のお手伝いをした葛篭・・・もとい葛葉。 そしてふわりと手を添えて・・・五段しかない段をゆっくりと、優雅に、しかし清楚に降りていく焔・・・ 「おお・・・」 「お美しい・・・」 「なんと優雅な・・・」 ・・・整列している左右の列からそう小声で聞こえてくる。 そして階段を上るためにゆっくりと歩き出す焔、それに一歩下がって右側から付き添う葛葉、そして反対側から同じく一歩下がって付き従う長海。 三人は一段一段踏みしめてゆっくり上っている・・・ 焔は目を閉じて少し顔を下げてゆっくりと・・・ 葛葉は顔を正面に向けて意思のつよい瞳を輝かせながら・・・ 長海は柄には触っていないものの、いつでも剣を抜けるように最小限の注意を回りに向けながら・・・ そして五十段近くの大階段を大階段を上りきると・・・ 「ようこそ、楼坑国の姫君の葛篭姫。ワシがこの国史厳の帝王、史厳帝王である。遠路はるばるご苦労であった。」 と、ふてぶてしく焔達を迎える史厳帝王。 「・・・これは、帝王自らお出迎えいただきまして感謝の言葉もございません。」 と、微笑みながら礼をとり腰を折る焔。・・・だが彼女の内心は・・・・ あぁ・・・はやく・・・コロシテやりたい・・・ ・・・黒かった。 焔が腰を折るのと同時に後ろの二人はひざまづいて頭を垂れていた。 「ふむ・・・よくできた姫君ではないか・・・それに・・・従者もなかなかの美人のようだ・・・クックックッ」 「(っ!? )あら、史厳帝王様? そういたしますと私は従者よりも劣る・・・ということになってしまいますが・・・」 と、葛葉に危害が及びそうなのを察知した焔が咄嗟に注意を逸らすべく史厳王に対してほほえんで嫌味をやんわりと言う。すると・・・ 「ほぅ!! 言うではないかっ。・・・はっはっはーっ、ますます気にいったっ!!」 どうやら史厳帝王は焔のその強気が気に入ったようで・・・ 「今宵の歓迎会の後、ワシの部屋に来い!!」 と、行き成りの夜伽を命じられた・・・ この大人数の前で・・・である。 ざっと見ただけでも百人は下らないという中でである。 周りの重臣達は「またか・・・」とか「やれやれ、帝王も人が悪い」だの囁いているが誰一人として諌言しようとしない。 また、史厳帝王の脇と後ろにいる王妃王后側からは「新参なのに・・・」や「可愛そうに・・・」などの声も聞こえた・・・ そしてソレを・・・夜伽を命ぜられた焔は・・・ 「・・・はい・・・畏まりました。」 ・・・・肯定の意を示した。 「ほぅ、これは楽しみだ・・・・はーっはっはっはっ・・・」 大きな笑い声を上げながら奥に引っ込んでいく帝王・・・ つられて引っ込む季夫人とその取り巻き達・・・ その後、他の女官達が・・・次に重臣達が・・・ そして自分達だけになった所へ・・・ 「それでは葛篭様と侍女様・・・コチラが後宮にございます。従者の方々は後ほど来る者の指示に従ってください。」 と、案内役であろう娘がやってきて焔を連れて行ってしまった。 そして言われたとおり待っていると・・・ 「それでは楼坑国の従者様はコチラへお願いします。」 と別の娘が案内をしはじめたのでそれに従う長海であった。 ・・・・・・・・・ ・・・・・ ・・・ ここは後宮の一室。十二畳は有ろうかという広い部屋に豪華な寝具と装飾品が所狭しと並んでいた。 「では、歓迎会のお時間までゆるりとしてください。それでは失礼いたします。」 と、娘は一礼して部屋を出て行った。 「・・・ずいぶん豪華ですね・・・」 「えぇ・・・楼坑と比べると・・・ね」 楼坑は質素倹約を信条として『贅沢に使うなら民の為に』という格言すらある。 それに比べてこの部屋・・・黄金や宝石をあしらい、寝具の天蓋には名工の手によるものであろう彫刻がコレでもかと掘り込まれていた。 「・・・でも来る途中で見た民達は苦も無く幸もなくという感じでしたね・・・」 「・・・それでも下の民達の生活は危ういものではあったけどね・・・」 そんな国情勢を語り合う二人の姫であった。 ・・・場所は変わって・・・ 「・・・どうでしたか? 」 「いえ・・・いたって普通の姫君でした・・・」 後宮のとある場所にて先ほどの案内娘に語りかける女性が一人・・・季夫人だ。 「・・・間者に調べさせた結果を見る限り『あそこまで気は強く』なかったはず・・・」 「・・・『変わり身』でしょうか? 」 「分からないわ・・・引き続き監視を続けて頂戴。」 すると案内娘は『御意。』と言い残し姿を消した・・・ 「・・・絶対に尻尾をつかんでやる・・・葛篭姫め・・・」 その呟きは沈みかかった夕日に消えていった・・・ 対して長海はというと・・・ 後宮へすぐ駆けつけられるくらい近い北の兵宿舎。 「・・・・質素なとこで育ったからかまわないが・・・」 「何々? どうかした? 」 「なんで女がいるんだ・・・しかも・・・」 部屋自体は寝具に座椅子に机・・・と質素であるが元々楼坑国育ちの為不憫は感じなかった。そんな長海を悩ませる原因・・・それは・・・ 「なぜ、反魔物領に『鼠女(ラージマウス)』がいるんだ・・・」 「んぅ〜? だってアタシココに住んでるんだよ?」 「いや、だから・・・はぁ〜・・・」 そう寝具の下からひょこっと顔を出している彼女に頭を悩ませていた・・・ 「・・・もぅいいや・・・」 「ねぇねぇ、お兄さんどっからきたの?」 色々と諦めて寝具に横になる長海。ソレを上から覗き込むネズミ・・・ ・・・のちにこのネズミが鍵を握っているとはまだ誰も思うまい・・・ ・・・・・・・・・ ・・・・・ ・・・ そして夜になり滞りなく歓迎会は進み、夜も深まる闇の中・・・ひとつの蝋燭の明かりが帝王の寝室の前で止まった・・・ 「史厳様・・・葛篭でございます・・・」 「おぉ・・・待ちわびたぞ・・・入るがよい。」 「それでは・・・失礼いたします・・・」 金属製の扉をゆっくりと開け、そして僅かな衣擦れの音の後、再びゆっくりと・・・・小気味よい金属音をたてて扉が完全に閉まった。 「ぉぉ・・・美しい・・・」 そう呟く史厳帝王の前・・・扉の前には窓から月明かりが差し込みはじめて・・・しっとりと濡れたような黒髪が光を受け、真っ白の肌がさらされ、幻惑的な微笑みでたたずむ葛篭姫に扮した焔がいた。 「お呼びいただき、有難うございます。」 「・・うむ・・・・さぁ・・・はよう・・・こちらへ・・・」 焔はゆっくりと・・・歩を進めながら着物を崩していき・・・史厳帝王のまえにつく頃には・・・一糸まとわぬ姿になっていた。 「さぁ・・・・こちらへ・・・」 「・・・失礼いたします。」 そういうと焔は寝具の上に乗って史厳帝王の下へ赤子の四足歩行のように・・・胸を揺らしながら・・・目を潤ませて・・・甘い吐息を吐きつつ・・・・魅惑的に近寄っていった。 「・・・ゴクリ・・」 「さて・・・帝王さま・・・最初はどのようにすればよろしいのですか?」 ニコッと・・・その笑顔だけで一体何人の男が落ちるだろうという魅了の瞳で・・・帝王に聞いた焔。 あまりの魅力に二の句が告げなかった帝王だが、焔の質問でわれに返り・・・ 「で、では・・・まずはしゃぶって貰おうかのぉ・・・」 と寝具に掛かっていた薄い掛け布を捲ると・・・己の怒張が姿を現した。 「まぁ・・・なんてご立派な・・・」 と言葉にするも・・・「はん。長海の方が遥かにでかいし。」と心では蔑んでいた。勿論顔には出さない。 「さぁまずは・・・くわえt「ハムッ。」っくぁぉ?!」 何か喋ろうとしたが怒張を口に咥えられて強制的に言葉を中断されてしまった。 「はむっ・・・む・・・んく・・・レロレロ・・・・」 「おぉぉ・・・・なんという性技じゃ・・・」 さすが妖狐だけあって主導権は渡さないようである。帝王もなすがままになってしまっている。 (こいつ・・・色んな匂いがついてやがる・・・下種野郎が・・・っ) ・・・焔は帝王から多種多様な種族の匂いをかぎ分けてしまい、物凄く不快になるが・・・顔には出さない。 「くっ、もうでてしまう・・・くぁぁっ!」 焔が口を離した瞬間にちょうど爆ぜた。が、勢いはそれほど無く、量もさほどでは無かった・・・ 「きゃん♪ 帝王さま・・・濃ゆいです・・・・♪」 思ってることが実は真逆なこととは露知らず・・・帝王は・・・ 「・・・ハァハァ・・・ふむ・・・では・・・次は・・・・・・ここでしてもらおうかの・・・」 と、徐に手を伸ばし・・・ 「はっ・・あぁぁん♪ そんな弄らないでくださいまし・・・♪」 焔の秘所を右手で弄り始めた帝王。あらかじめ長海との夜を思い出しながら尺八をしていたのですでに秘所は潤んでいた。 暫く水音を響かせて弄っていた帝王だが、回復の遅かった怒張が再び復帰して・・・ 「ではゆくぞ。尻をこっちにむけるんじゃ。」 「はい〜♪ 初めてなので・・・お願いします」 と、支配欲が強そうな男が好きそうな言葉で誘う焔。そしてその怒張はゆっくりと焔に埋まっていった・・・ 「あっはっ・・・・♪」 掛け布を口に含み痛・・・そうな演技をする。勿論処女膜なんて無いが妖力を応用して愛液を赤く変色させ、膣を収縮して恰も膜があるように思わせる・・・妖狐の焔ならではの性技によって・・・ 「っく、そうら・・・貫通したぞいっ」 そして一定の抵抗を与えて・・・一気に力を抜く。すると処女膜を破ったかのような感覚になる。勿論擬似血液を流すのを忘れない。 「っぁ・・・こ、これで・・・帝王さまの・・・もの・・・なのですね・・♪」 と、上気した顔と荒い息遣いで喋る焔。・・・勿論本心ではない。 そしてそんな思惑なんて知らない帝王は・・・ 「はっはっはーっ。初やつめぇっ。もっとせめたててくれるわぁっ!!」 ・・・気分は高揚していた。そして激しく攻め立てていく。 「あっ♪はっ♪すごぃ♪」 「そらっ、そらっ」 肌と肌の打ちつける音が激しくなっていき・・・ 「くぅっ! もぅでそうじゃ・・・・」 「はぁん♪・・・だめですぅ♪」 限界を知らせる帝王に焔は膣を全体的にすぼめることで・・・・射精させなくした。 「くぉっ!? き、きつい・・・」 「もっとぉ♪ かんじさせてぇ♪」 そして甘え声で帝王に続きを促す・・・・ それに答えて帝王は再び激しく攻め立ていき・・・ そして・・・・ 「も、もう・・・もたぬっ! 」 「あっ♪きっ♪ きてっ♪くださいっ♪ ませぇ♪」 「ふぐぅぅっ・・・・・っぁぁぁぁっ!!」 寝具のそばにいると聞こえてくるのではないか、という位の音をたてて勢いよく飛び出す白い情欲。 その情欲を膣で受け止める焔・・・・すると少し焔がポヤッと光ったが元に戻った・・・一体焔がナニをしたのだろうか・・・ 「ハァハァ・・・最高だったぞ・・・・葛篭よ・・・ハァハァ・・・」 「ハァハァ・・・あ、ありがとう・・・ございます・・・ハァハァ」 焔は汗を輝かせて返答する。・・・・ひどく妖艶に・・・・ (・・・念のために保険もかけるか・・・) ふと、焔の雰囲気が少し変わるが帝王は先ほどの交わりで疲れてしまい気付かない。 「・・・帝王さま・・・今・・・あなたの中で・・・一番はどなたですか・・・」 「・・・むぅ? ・・・ははっ、嫉妬しておるのか? そんなもの・・・季ふj・・・・!!」 焔の問いかけに顔を向け『目を合わせて』答えようとした帝王は季夫人の名を言おうとした瞬間に・・・焔の『青いはずの瞳が黄色く光り』帝王は頭の中に霞が掛かったかのように自我の意識がハッキリしない感覚に陥った。 「私・・・帝王さまのことが・・・好きなんですの・・・」 「・・・そうか・・・ならば・・・明日から・・・ソナタを・・・」 『史厳の第一王后にしてやろう・・・・』 その発言を聞いた焔は口元を手で覆い・・・ 「帝王さまっ・・・有難うございますっ・・・」 と、涙を流し・・・・『微笑んでいた』・・・・ 【続】 |