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ーー【傾国】第二章・賽は投げられたーー |
「・・・・なぁ焔。」
「・・・何さ、長海。」 先ほどの拝命からすぐの廊下で親衛隊長である長海は役割的に侍従長となる焔に歩きながら・・・しかし声を静かにして問うた。 「『計画』のことなんだが・・・」 「・・・それについてアタシから言いたいことがあるから。・・・・あとで部屋にいくよ。」 「・・・そうか・・・」 ・・・硬い靴音が響く廊下ではそれ以上声を発することは無かった・・・・ そして二人は『ある部屋』の前で立ち止まり・・・ 「・・・『葛篭姫』、長海でございます。」 「・・・同じく、焔でございます。」 声を静かに上げて中にいる葛篭姫に来訪を告げた。 「・・・・どうぞ、両名ともお入りください。」 重々しい音を上げながら静かに開いた扉の奥から静かに答えた葛篭姫に 「「・・・失礼いたします。」」 二人は静かに返事をして中へ入り・・・・扉を閉めた。 「・・・ふふっ、久しぶりね。焔、長海。」 「それはこっちもだよ。葛篭。」 「相変わらずだね、この頑固者が。」 部屋に入った瞬間に崩れた言葉になる三人。幼馴染らしい挨拶をする葛篭に微笑みで返す長海と呆れ顔で返す焔。 「・・・お父様から聞いたのね?」 「・・・あぁ。」 「・・・ついさっきね。」 若干暗い顔になる二人。 「それで・・・あたしらが葛篭の身の回りと護衛をすることになったから・・・」 「挨拶を・・・ってね。」 「そうですか・・・二人ともごめんなさい。」 ふっ、と微笑んで何事も無かったの用に今回護衛と侍従をすることを話始めた長海らに葛篭は腰を曲げて謝罪をした。 「いいよ。謝んなくて。」 「葛篭がわるいわけじゃないんだからさ。」 「・・・それでも・・・私の我侭に付き合っているようなものですし・・」 首を振りそれを制する長海、気にするなという焔に葛篭は尚も謝罪しようとするが・・・ 「昔から我侭言い放題の葛篭が・・・ククッ。」 「何を今更・・・と。フフッ。」 「まぁ!! 酷いではないですか!・・・うふふっ。」 長海らに一蹴されてクツクツ笑われれば葛篭はちょっと涙目になりながら抗議するも・・・・しまいには三人とも大声で笑い始めた。 ・・・その笑い声は廊下まで響いていた・・・ 「・・・・っと。長居しすぎたみたいだ。」 「あぁ、それじゃあたしらは戻るよ、葛篭。」 「えぇ、明日からよろしくお願いします。」 そして暫くが過ぎ、長海がお暇を促す言葉を発し、それに乗る焔。そして『個人の顔』から『王族の顔』に戻った葛篭は二人によろしくと声をかけた。 「任されよ。葛篭姫。」 「それでは、失礼いたしまする。」 そしてそれを『臣下の顔』で答える二人。 ・・・・三人は笑顔のままだった。 ・・・・・・・・・ ・・・・・ ・・・ そして時間が進み、場所は移り・・・・ここは長海の屋敷。 夜遅く、殆どの者が寝静まった静寂の夜中・・・・ 長海は自室の窓辺に座り『月見酒』にて・・・・焔を待っていた。 すると壁を叩く音が2度響き・・・・ 「長海、あたしだよ。」 「おう、入ってこいよ、焔。」 そしてそれ程待たずして焔が来室し、酒を中断して扉を開けて出迎える長海。 そして入ってきた焔は・・・・ 白い襦袢を着崩し、結わいている髪を流して、微笑んいた・・・・たた妖艶な雰囲気を身に纏って・・・ 「・・・今日『も』やるのか?」 「・・・うん。そのあと・・・話があるの。」 と言うと長海に凭れ掛かる焔に腰に手を回して抱きとめる長海。 ・・・・二人は体の付き合いの関係だった。しかし籍は入れていない。何故と以前に長海が問いたことがあったが・・・ 『・・・・抜け駆けは・・・ダメだから・・・』 と、長海にとっては意味の分からない返答をされた。 ・・・そして・・・ 「ハムッ・・ン・・・アッ・・・・・ハァン・・・」 「ンッ・・・チュパッ・・・ン・・・レロ・・・」 どちらからとも無く舌を貪り始めた。 「ンクッ・・・ぷはぁ・・・胸も・・・いじって・・・」 「・・・ぷはぁ・・・あぁ・・・」 焔は徐に着物を肌蹴させて・・・葛篭姫と引けを取らない程のきれいな形の豊乳をさらけ出した。長海はその両胸を両手で、片方ずつ愛撫し始める。 形を変えていく焔の胸は握れば握るほど沈み込みそうだった。 そして頂点の二つのつぼみを・・・軽く捻った。 「っはぁぁん♪ い、いい♪ ち、乳首ぃ♪ もっとぉ♪」 「フフッ・・・こう・・・かっ!!」 柔らかい餅のように形を変える乳の先端を優しく摘んだ長海に焔が涎を垂らしながらもっとと懇願し・・・長海はその先端を・・・ 軽く抓った。その瞬間焔は・・・ 「っいぃ♪ あはぁぁっ♪」 ・・・体が振るえ、尻尾が逆毛立ち・・・軽くイったようだった。 「ハァハァ・・・ちょ、長海ぃ♪・・・も、もう・・・我慢できないよぉ♪」 「あぁ・・・オレもだ・・・・っ」 長海の部屋の寝具に背中から倒れこんだ焔に己のはちきれんばかりの怒張を見せ付け・・・ 「きてぇ♪長海ぃ♪」 と両手の中指で割れ目をくぱぁと広げ、・・・・大洪水をおこしている秘秘所を見せ付けた。 「いくぞ・・・」 割れ目に自身の怒張をあてて・・・一気につく。 「あはぁ♪ キタァ♪ 子宮口ィ♪ ズンズン♪ ついてくるぅ♪」 怒張を蜜つぼがくわえ込み距離のある前後運動を始めた長海にご満悦の焔。 正常位のまま速度を上げ・・・・・ 激しく肌を打ち付ける音が部屋に響き・・・ 「アッ♪アッ♪もうっ♪いくっ♪」 「くぁっ、おれ、も、だっ」 そして一番深くつながった時・・・ 「だっだすぞぉぉぉ!!」 焔の中で長海の怒張が爆ぜて、精子を焔の子宮にコレでもかと打ち込み、満たしていく。 「っはぁぁぁぁぁん♪ 精子におぼれるぅぅぅ♪」 二人はほぼ同時に達して、焔は潮を吹いた。 それから何回戦かのち・・・ 長海と焔は寝具の上で寝ていた。 「・・・いつも思うが・・・やっぱりエロいな・・・焔は・・・」 「あらら? ・・・褒めても何も無いわよ♪」 微笑んだ挙句嬉しそうに七本の尻尾を振っといて言うことか・・・と長海は心の中で思った。 「・・・例の『計画』のことだけど、王様は『手段を問わず』っていってたわよね・・・」 「・・・あぁ、オレもそう言う風に記憶している。」 ・・・ふと焔の雰囲気が真面目になり、長海もそれを察して真面目に答える。 「・・・あたしの計画、きいてくれない?」 「・・・・」 長海は無言で頷く。 「あたしの策は2つ・・・『身代わり』と『篭絡』よ。」 「っ! ・・・まさか・・・おまえ・・・」 策を聞いた瞬間に長海は焔が何をしたいか察してしまい制止をしようと声を上げようとするが・・・ 「長海・・・よく考えてみて? 葛篭は男性経験なんてないのよ? ・・・そんな葛篭を長海はなんとも思わないの? ・・・・あたしは嫌よ。だったら・・・私が『写し身』の術で『葛篭になりきって』身代わりになるわ。そして・・・」 「・・・」 焔が計画の全容を話し始め、長海は静かに聴いていた。 「妖狐の力を最大限に使って・・・・国を傾けさせてみせる。」 「・・・姫には・・・いったのか?」 「いいえ。まだよ・・・」 決意の瞳に対してあくまでも冷静に答える長海。さらに焔は・・・ 「そして長海には・・・『侍従長の葛葉(クズハ)』を守ってもらいたいの。」 「『葛葉』?・・・・・・!! ・・・お前・・・まさか・・・」 「姫には悪いけど・・・・明日から『わたしが姫になるわ』。」 一瞬背筋がゾッとする長海。・・・妖狐の・・・・焔の本気に・・・・ ・・・・・・・・・ ・・・・・ ・・・ そして次の日・・・ 支度を整えた葛篭姫と焔と長海は楼坑城城門前の四頭引きの馬車の前でたたずんでいた。 その馬車には御者がいない・・・ 「それでは・・・・行ってまいります、お父様・・・いえ・・・瑠璃王様。」 「・・・葛篭・・・」 外向けように着替えた服と埃よけの布を羽織瑠璃王と向き合い『別れの』挨拶をする葛篭。対して涙を流し、それに答えられない瑠璃王。 「・・・それでは行きましょう。焔、長海。」 「「はっ。」」 その瑠璃王の様子を見やり・・・振り返って出発を促す葛篭に短く肯定の返事をする正装姿の長海と侍従服に身を包んだ焔。 長海は御者の座席に座り手綱を握った。そして焔は馬車の扉を開け、跪き頭を垂れて姫の乗車を待った。 ・・・・姫に付き添うのはたったの二人だけであった・・・ これは史厳からの約令に『姫の従者は二人までとする』と表記されていたからである。 そして姫は乗車し、続いて焔も乗車した。それを確認した長海は視線を瑠璃王に向けると・・・ ・・・・コクン ・・・コクン 互いに頷きあった。 「はぁっ!」 っと小気味よい音で馬に鞭を入れて出発する葛篭一行。 「・・・頼んだぞ・・・お前たち・・・」 そう呟く瑠璃王の瞳は葛篭一行が見えなくなるまで・・・・地平のかなたを見ていた・・・ ・・・・・・・・・ ・・・・・ ・・・ ・・・ここは道中の馬車の中。ある程度進むと焔が葛篭に語りかけてきた。 「葛篭。」 「・・・な、なにかしら? 焔?」 ・・・その声は不安の表れだろうか・・・かなり震えていた。 「葛篭って昔から料理とか掃除とかすきだったわよね・・・」 「・・・?・・・・え、えぇ・・・好きですが・・・」 意味不明な質問に戸惑うが、きっと自分の緊張を解す為にしているのだろうと独自に解釈して返答していく葛篭・・・ 「裁縫は?」 「そ、それなりには・・・」 「化粧は?」 「姉様や母様のおかげで其れなりには・・・」 「(・・・何故『従者』のやるような事ばかりきくのかしら・・・)」 いくつか質問に答えていくうちに芽吹き始めた疑問・・・ 「・・・・好きな男性は?」 「っ!! ・・・・い、いまも変わっていません・・・」 「葛篭・・・処女よね?」 「っ!! ・・・・あ、あたりまえで・・・す・・・?」 不意に眠気が襲ってきて最後の質問に答えきれず・・・ 静かに崩れていく葛篭・・・ ・・・眠った葛篭に近づき・・・焔は一言だけ 『ごめんね・・・葛篭』 そういうと葛篭の服と自分の服を脱がし始めた。 ・・・その焔の腰にはなにか粉の入った小さな麻袋があったが『それ』を外へ投げた。 その袋に餌と思い群がる小鳥たちが・・・・次々に倒れて・・・眠っていった・・・ ・・・そして服を着替え終えた焔。焔の侍従服は葛篭・・・『葛葉』にはちょうどいいみたいだが・・・葛篭の服をきた焔は九部丈になっていた・・・ちょっと身長が高すぎるようだ・・・ 焔は懐から符術の紙を取り出し・・・ 『転写。焔から葛篭へ。』 と、囁くと同時に符が光だし・・・・黄金色の髪が黒くなり、耳と尻尾が無くなって、瞳が瑠璃色に変わっていき、徐々に焔の身長が葛篭のソレに近づいていって・・・ そして光が止むと・・・そこにいたのは『葛篭と瓜二つの黒髪の少女』がいた。 「よぉうまくいったか?『葛篭姫』さま。」 「えぇ、上出来です。」 スッーと連絡窓が開いて中に声を掛ける長海に、焔は満面の笑みで答えた。 「・・・ん・・・あれ・・・私は・・・」 「おきましたか? 『葛葉』さん」 「っ!? ・・・あ、え、・・・わ、私がいる?」 薬の効果が切れて起き上がった葛篭にやさしく語りかける焔。その姿を見た瞬間、葛篭は混乱してしまった。 「・・・ふふ。落ち着いて『葛篭』。あたしよ。」 「へ? ほ、焔? 」 「そうですよ。」 その混乱した姫に焔と長海は救いの手を出した。 「な、なんで私にばけているのですか?」 「・・・もう察しがついているんじゃないの?」 「・・・」 心を見透かされて沈黙してしまう葛篭。 そんな葛篭に長海は・・・ 「・・・葛篭。これは君の父である瑠璃王からの命でもあるんだ。」 「お父様の・・・命・・・ですか・・・」 「そっ。まぁ、あたし達の独断でもあるけどね。」 クックックッと声を殺して笑う焔。 「・・・一体どんな・・・」 「・・・『中から史厳を崩せ』・・・だよ。」 「・・・そんな命を・・・でも・・・ほむr」 焔の名を言いかけた葛篭だが、それは焔の人差し指で止められた。 「いいたい事はわかるわ。でもね、これはある種・・・『戦争』なの。・・・欲望渦巻く中に葛篭は・・・荷が重過ぎるわ。」 「・・・」 「でも・・・それでもあたしを・・・あたし達を心配するなら・・・葛篭も一緒に『覚悟』してほしいの。」 黙って聞く葛篭に諭すように話す焔。続けて焔はこういった・・・ 「その覚悟は・・・『葛篭という名前で国に対して酷いことをしても決して葛篭自身は心を折らないこと。』・・・意味はわかる?」 「・・・焔が私の名で史厳を疲弊させるんですね・・・」 「そう・・・」 ・・・暗い空気が馬車中に漂うが・・・さきに沈黙を破ったのは・・・葛篭だった。 「・・・分かりました。その覚悟・・・・背負います。」 「分かったわ。・・・・あたしはこの覚悟を持って修羅となるっ・・・」 「・・・」 その様子を外から手綱を引いて見ていた長海は大空を仰いで・・・・・ 『賽は・・・投げられた・・・か・・・』 その呟きは遠くに憎き敵国【史厳】の首都が見えてきた頃だった・・・・ 【続】 |