ここ最近親父が新たにメイドを雇った。
すでに何十人もいるのに、だ。
しかもどうやら今度のは魔物というから親父のモノ好きには困ったものであるが俺には、まぁ、関係ないかな。長男の兄貴は店を継ぐ為汗だくになって働いて、三男である弟はその兄を見て自分も手伝えるようにと腕を着々とつけているから俺にとっては眩しく思える。

あ、俺? 俺は二男だからよ、なぁんもしなくていいのさ。

ただ日がな一日ぼーっとしたり、腐るほど大量に蔵書された家の書架に入り浸ったり、好きな時にメイドどもに一つ命令すりゃあ好きな時に飯を食えるしな。
こんなに楽な生活辞められるわけがねえよ。


―――コンコン


お、噂をすればってヤツか?
ふぅぅ、ちょいと腹が出張って歩きづらいなぁ。「待っていろ、いま開ける」とメイドどもにずっと命令ばかりしてるから命令口調の癖がついちまった。まぁ、毎度そのメイド共に嫌な顔されてるけどな。
おっとと、一昨日の服を踏んづけちまった。ぐっ、足の踏み場が……あっクソっ!? コレ昨日食ってたチーズじゃねぇか!　のわぁ!? こっちは一週間前の飲みかけのワインじゃねぇか、こんなとこにあったのか……もう飲まねぇけどな。

「誰だ? 」
「はい。私は旦那様より二男であるご主人に専属で使えるよう仰せつかったキキーモラのニーでございます」
「……なに?　」

(専属だと? 笑わせる。つまりは厄介払いだろ? んなもんわかってるっての )

―――ガチャｯ

「すまんな……ｯｯ!? 」
「扉を開けていただいてありがとうございま……まぁなんて掃除しがいのあるお部屋っ♪ 」
「ぁ、あぁ」
そう考えていた時期が私にもありました。う、うそだろ、おぃ。
確かにここは親魔物領につい最近なったとはいえまだまだ魔物はそんないないはずなんだぜ、おぃ。
なのに、やべぇよ凄い美人さんがきたよ。
想像していたドブスが一瞬で消え去ったわ。

比較的長身と言われている俺と同じ身長、所々ふわりとした羽の飾り(?)、長い尾羽の飾り(?)がついたスカートタイプのメイド服、白いキャップが如何にも清潔そうな印象だ。
そして何より……顔!!
幼い少女のような、いや違う、淑女になり立ての、いやいやそれも違う。
こう、何と言うか、あぁ、言葉が出ない。
整った眉はなだらかに外側へ流れる線を書き、閉じかけの瞳からは琥珀色の瞳が俺の後ろのゴミ部屋を嬉々として見つめている。小顔な彼女を見ていると…こう、あれだ。子犬が思い浮かぶ。

「……? どうされました、ご主人様?」
「ぇ、あ、いやなんでもない」
「そうですか? では早速お掃除させてください」
「お、おぅ」
刹那。そうまさに入室を許可した刹那だ。
彼女が魔物特有の人外の能力をフルに発揮して俺の横を瞬き程の時間で過ぎ去ったのは、まさにその表現がぴったりだ。そんな呆けている俺が後ろを振り返ろうとした時、こんどは背後から逆に室外へ抛り出されたナニカが横を通ったのだよ、鈍い風切音を響かせて。
しかもそれが一つ二つ、果ては三つと速度そのままで繰り出され廊下にいつの何か設置されていたキャビネット内に吸い込まれていくそれらはすごく良く見た物ばかりである。
だって俺の部屋のゴミだし。

「ふぅ、まずはゴミ出し終了です」
「は、はやいな」
「はぃ♪　これでも私達キキーモラの家事スキルの基本ですから♪」
(うおっ、眩しいっ!! 君の笑顔が眩しすぎるっ!!)
褒められて嬉しいのか彼女はにこっと俺に微笑んで尻尾(?)をふるりふるりと揺らして、まぁ犬みたいに見える。
というか尻尾、なのかアレは。いやいや、確かにゆらりと揺れるから尻尾なのだろうけど先端部分があとから揺れるのを見ると骨が入っているのかもしれない。でもなぁ、アレ、毛じゃないんのかなぁ羽毛なんかなぁ……???

「……そのぉ、おさわりになってみますか? 」
「えっ」
「先ほどから私の尻尾に注目されているので♪」
おぅ、シット。どうやら自然とガン見していたようだ、これは恥ずかしいな。
しかし彼女がそういうし、現にもうコッチへと歩きながらご自慢の尻尾をぎゅっと抱えて俺の前に来ているし。
そして目の前にそっと差し出された。

「……いいのか? 」
「はい、ご主人様の気が済むまで」
「では」
まず触ってみることにしよう。あぁ、なんというさらさらな具合か。確かに毛と羽が入り混じっている、さわさわとした感触とふわりとした感触がどちらもあるからだ。

「ぁ♪」
根本側は限りなく羽毛に近い。いままで一度も触ったことがないが、跳ねとはこうも軽いタッチで今にも折れそうな程に細くしなやかなのか。

「んっ♪」
羽毛のガウンは時々使うがあんなものの比ではない彼女の羽毛は触っていて本当に飽きることが無いな。
では真ん中ら片はどうなのだろうか、名残惜しいがそちらも触れてみよう。

「っぁ♪」
おぉ、なんということだ……こっちは毛並みがまるで犬のようにふさふさじゃぁないか!!
いや、彼女の場合ワーウルフのようにと言うのが正しいのか。そのザラリともサラサラとも言い難い、しかし骨が中に入っているため少しコリコリとした感触もある。
ためしにどこまで骨があるか彼女の尻尾を握りながら先端に移動してみようか。

「ぁっ、ひぃぁ♪ ぃんぅ♪」
こっ、こっ、こっ、こっ。骨と骨の間の段差と彼女の流れるような毛並みの尻尾を堪能しつつやってきたのは……尻尾全体の凡そ7割ほどと言ったところか。尻尾の先端までは本当に毛だけでできているようで簡単に手櫛ができるほどに手入れされている。ほのかに香水かなにかの匂いが漂うが、これは確かめるか。

「ひぅぅ!? ご、ごしゅじぃ、しっぽ、にぉぃ、かいじゃ……ふわぁぁ♪」
くんくん、なるほど彼女の尻尾からか。俺に障られている間も頻りにフリフリと左右に揺れる尻尾に堪らず顔を埋めてしまったが、公後悔等ない。彼女は俺専属だしな。
臭いを確かめたら味も試してみたくなった。実を言うと俺は動物が好きでね、家族に内緒で庭隅のとこによく来る野良猫(そういえば尻尾二本あったなぁ……)にエサを与えてはモフモフさせてもらっていたものだ。
ではでは、失敬。

「ひゃぁ! だ、だめですぅ、き、きたないで、すよぉ、ぁんぁぁ♪」
あむっ、んむっ、ちゅぅ……ふむ、なんというかアレだ。彼女の匂いを鼻と口で存分に味わえた感じだ。どんな匂いかと言うとそうだなぁ、日向に茂る芝生の香りかな。悪くない、寧ろ癖になりそうだ。
では匂いを堪能しつつ彼女の尻尾の感触を楽しませてもらうとするか。
今まで握った手をそのまま逆に流していけば……お、ぉぉ、この絶妙な抵抗感と時折チクチクする感触。マジでたまらない、何度もさせてもらおうか。

「ぁ、ぅぁ!? ご、ごしゅ、じ、んっ! だ、だめ、らめぇ、しっぽぉ、しこし、こぉらめぇぇ♪」
やばい、やばいやばい。癖になる、これは中毒になるっ!!
なんか彼女がやたら小刻みに震えているがまぁ気にしない。というかシコシコ擦る度にビクンと跳ねているし、どうしたというのだ?
……ん? なにかメイドハットがピクピクしているな。あ、こいつウルフ種だったな、ということは確かめねば。

―――ﾊﾞｯ!

「ぁ! あぅぅ、み、みみぃ…!!」
ぴこぴこしていたのはこれか、この若干先端が丸くなった髪の一部に見えてたこの垂れ犬耳か。時折ぴこっと跳ねる耳は髪と同じ栗色である。んなことぁいい、この耳も随分ふかふかの毛で覆われていやがるな、触らせてもらおうか。

「ぁひぃ♪　ん、んひぃ♪」
耳もビクン、体もビクン、そして尻尾もバサッ。彼女の反応は非常に面白い。
逆毛立つ尻尾を片手でコキコキしながら今度は耳もフニフニ触らせてもらっている。これはアレだ、猫の軟骨が入っているアレと同じ固さだが彼女の場合ふわっふわの短い毛で覆われているからふみゅっとした感触だ。
堪らない、これも癖になりそうだ。
……噛みごたえがありそうだ。

「ぃぁ!? みみぃ、か、かまなぃ、れぇくらしゃぃぃ♪♪」
しかし一々股間に響くような声を出すな、このメイドは。耳をかぷかぷ唇と歯で存分に味わい、手で彼女の尻尾とか弄って、うむ悪くない。全く以て至福な時である。
……くっ、甘い声を漏らしまくる彼女のせいか股間がいきり立っていやがるな。やたらズキズキして痛ぇ。

「ぁ、はぁん、ごしゅじん、さまぁ……どうぞ、わたしをおつかいくださぃ♪」
行き成りそう言うと彼女は長いスカートをまくり上げて俺の前に中身を露わにさせ、というかコイツ穿いてないのか!?
真っ白な人肌と太ももから先がハーピー種の鳥のような足のコントラストはもはや芸術の域といっても過言じゃないな。それにしても……

―――むわぁっ♪

「はぁはぁ、ずいぶん濡らしているんだなぁ? 」
「あぅ、ご主人様が……」
「俺のせいにするのか? 生意気だな、後ろを向け。オシオキだ」
「っ♪　は、はぃぃ♪」
あからさまになった彼女の股下はすでに水たまりができており、挙句に割れ目からはピトッピトッと溜めどなく流れているから雌特有の匂いが一気に部屋へ充満してしまった。
俺だって男だ、こんな極上の雌が誘ってて乗らないわけがない。
彼女からいったん距離をとり部屋に鍵をかけ、彼女にちょっと壁に手をついてもらう。勿論腰をこっちに突き出すようにして。
彼女の方も意味を理解してか自分の長い尻尾でスカートずり上げて如何にも準備万端だ、と今夏の割れ目を引くつかせてコッチへ熱っぽい視線を向けているのだからもう遠慮はいらないということだな?

「この棒でお前をオシオキしてやる」
「はぅん、なんてご立派な……♪」
「前戯はいらないな、いくぞ?」
折角めくってもらっているんだからそのまま彼女の好意に甘えさせてもらうように俺はがしりと彼女の桃尻を両手で鷲掴み、そのまま愚直な大きく肥え太ったムスコを彼女の蜜があふれ出ている恥丘の谷間へ宛がった。するとどうだ、ムスコに力を入れずとも勝手に彼女の中に吸い込まれていくじゃないか。くっ、さすがは魔物か、彼女の膣がすげぇ蠢いて……っ、あぁもう考えてる暇なんかねぇぇ!!!

「んぁ、ぅおおぉ、ぉぉ!!」
「あ、しゅ、しゅご、ぃぃ♪　」
ぬちゃりとした彼女の膣壁は俺のモノを全部呑み込み、その終端までノンストップで導いてくれた。そう、子宮口ってヤツに。自分でも驚きだ。

「おくぅ、しきゅぅ、コンコンっ、つつぃ、てりゅぅ♪」
「ぁあ゛ぁぉぉ!! 」
文字通り彼女の気持ちよすぎる穴に俺は何度も何度も出し入れしているわけだが、ぶっちゃけて言うと考えてる余裕すらない。今すぐにでも暴発してしまいそうだ。
さっさと出したい、彼女に対して目一杯に欲望をぶちまけたいっ!
だが建前でもコイツは俺のメイド、俺が先に果てるわけにはいかないという変なプライドもあってなかなかイケないでいるわけで。あぁ、もぅやばい、ヤバすぎる。し、仕方ないから目の前でちらつく彼女の尻尾をぼぅっと見て気を紛らわすか。
……ん? 尻尾?

―――ぎゅぅぅぅ!!

「ひゃぁぁ!?」
「をぉ!?」
や、やっぱりか、やっぱりそうなのか。ケモノ系魔物は尻尾が性感帯な種族が多いと聞いていたが……両手で握った瞬間彼女の雌穴が一気に狭まった。しかも蜜の量が増えたどころかぷしゃぁと吹き出したし、垂れた耳がぶわっと外に向かって膨らんでるし、間違いない。彼女は今とても敏感になっているっ!!
ならばこのまま尻尾をもって深くピストンし……む、むりだぁぁぁ!! もうでちまうぅ!!

「よ、よし、なかに、なかにだすぞぉ!!」
「あ、ありがとぅごじゃいましゅ、ありが、とう、ごじゃいましゅぅぅぅ♪♪ 」
白い本気汁が流れ出した彼女の股間にひときわ深く打ち付けて俺は我慢に我慢をしていた迸りを一気に解き放った。

―――ごぽっ、ごぽぽっ、こぽっ!!

「ふわぁ、あぁぁ♪　い、いっぱぃ、いっぱぃしゅぎてぇ、あ、あふ、あふれてましゅぅぅぅ♪」
「ぁ……ぁぁ……」
あぁ、やべぇ気持ちよすぎる、というか今までの自慰よりも遥かに多い量が出ていやがるよ、俺のムスコも大満足……だ……

「あふぅ♪　す、凄いですぅご主人様……えっ!? ご主人様ぁぁ!?」
あぁ、なんだろう、意識が遠のく、はぁ……きもちえがったぁ……これが気絶、ってやつかぁ。
俺が最後に見えたのは全身の毛が逆立って俺を抱き上げようとコチラを向いて手を差し出した彼女の姿だった。



………

……

…




「……ん?」
「あ、気が付かれましたか?」
聞きなれた生活音、嗅ぎ慣れた自分の部屋の匂い、でも違うものがある。
気絶を生れてはじめて体験した俺を覗き込む彼女の姿が眼前にきたからだ。てか近すぎ、離れろよ。

「近い」
「あ、す、すみません」
うむ、聞き分けがあってよろしい。尻尾がクタリとなっている彼女をちょっと放置して周りを見た俺はまぁ驚いたよ。だって家具から床、果ては天井まで散ひとつ残っていないほどに綺麗になっていたんだからね。改めて彼女のスキルの高さにマジぱねぇと思ったわ。
ベッドの隅には綺麗に畳まれた俺の服があるし……え、服!?

「ふむ、なぜおれは裸で寝ているのだ? 」
「あ、それは御召し物が汚れていたのでこちらで洗濯させていただきました」
洗濯に出したじゃなく洗濯した、だとかもう本当に半端ないわぁキキーモラのスキル。

「あのですね……」
「ん?」
顔に出さないようにして服を見つめたまま驚く俺に彼女はずっと視線に割り込むようにして顔を入れて、というか近い近いって。

「ご主人様は運動不足がたたってかちょっとスタミナが少ないというか」
「ストレートだな。それで? 」
「僭越ながら私、ニーがご主人様の健康を管理したいと思います。旦那様からは許可をいただいておりますので」
裏取りずみかよ。抜け目ないな、おぃ。まぁ彼女にだったらいかなぁ、とか思ってる俺か゛いるわけだが彼女は止めに殺し文句を言ってきやがった。



「もし許可していただくなら……私、何をされてもいいです……」



おいおいおいおい、そりゃ反則だよ。いやマジで反則だよ。そんな期待と熱が背籠った眼で上目づかいでジーっと見られながらそんなこと言うのはさ、反則だよ。
俺の中でたった今無条件降伏、無血開城しちゃったよこんちくしょう。

「そうか……ならよろしく頼む」
「っ! は、はぃ! 頑張りますっ♪」
おぉおぉ、あんなに尻尾バシバシ椅子に叩きつけて痛くないのかね?
ま、これから世話になるからちゃっと言っておくか。

「では改めて、よろしく頼むぞ……ニー?」
「っ♪　はぃ、よろこんでぇ♪」
彼女の眩しすぎる笑顔でなんだか達成できそうな気がしてきたよ。



【完】