『彼の災難、彼女の幸喜』 |
反魔物領の青年商人は悩んだ。 今の街から親魔物領までの道、商品を届けるルートは二通りあるから。 魔物が出てくるが近道な山岳路か、反魔物領だけ通る遠回りな平地の道か。 しかし、青年はお世辞にも気が長いとは言えない。 ……後々後悔すると知らずに青年は近道である山岳を選んだ。 どうせ出てくるのはハーピーとかだろう、とタカをくくって。 青年はある程度の魔物娘の知識を持っていた。 ハーピーやラミアなどの比較的親魔物領で良く見かける彼女らの対処法はお手の物である。 長年の証人としての知識だ。 しかしまぁ…… 「くくくっ、中々人が来なかったから引っ越そうと思ったけど……馬鹿がいたもんだね」 「ひ、ひぃぃ」 満月が昇りあと少しで道を抜ける、そんな岩肌が迫る峡谷に差し掛かったときだ。 なんとも魔物らしいセリフを吐き、空からバサリと蝙蝠の翼をはためかせて降りてきたのは豊満な胸を薄い布で覆っている魔物であった。 もっと特徴を上げるとならばアヌビスのような漆黒の爪をむき出しにした同色の黒い手足、黒い肉球、人肌と手足の間の毛は白い。 背中からはサキュバスを思わせる蝙蝠の羽根、しかし頭には小振りなワーキャットよろしく黒い耳があるだけで朱色の長めに伸びる髪から角は生えていなかった。 そしておっぱい。大事なことなので二度言いました。 また、股座も薄い布で覆われていてその尻側、尻尾の先端には彼女の手程の塊みたいなものがついていた。 生憎青年はこの魔物の事を全く知らないが、所見の者に恐怖を与えるには十分だろう。 だって口に何かの動物の小腸がだらりと胸元まで垂れてるんだもの。 それをクチャリクチャリとジパング人が良くやるサキイカなるものを咀嚼するような感じで噛んでいるのだからこれほどの恐怖はないであろう。 魔物娘は人を襲わないとはもう知っているけれどこれは怖い、と青年は思った。 「ん〜? 何人の胸ジロジロ見てんだ?」 「いや良いおっぱいだと……ハッ!?」 「へぇ〜、アンタもしかして童貞?」 その瞬間、青年の背筋に悪寒が走る。 だって彼女の目がギラリと光りだしたんだもの、ギラリと。 満月を背にしているはずの彼女が、爛々と輝く瞳が逆光で真っ暗な顔のあたりで。 「ほほぅ、図星か」 「あ、あわ、あわわっっ!?!?」 「ペッ……ふふふ、今夜はラッキーだなぁ! アンタは不幸かもしれんがな!!」 咀嚼していたモノを路肩に吐き捨て、口を拭うことなく彼女は瞬く間に跳躍し青年を押し倒しマウントポジションをとる。 青年はなすすべなく倒れ込むのだが、固い地面の感触の後に顔面に感じるふにゃりとした感触があり青年はハッと気づく。 ―――俺、おっぱいに顔パフされてね!? 正解。押し倒した彼女の方が身長が高いため必然的に彼女の胸に顔を埋める形になったのだ。 その事実を理解した途端に彼の体は大歓喜の声を上げて棒を起こしあげ、「俺はここだぞぉ」と自己主張。 おっぱいは正義。 「んぉ? なんだもう臨戦態勢じゃねぇか、この童貞君」 「はぅん!?」 「ほらほら、邪魔な服はブッ裂いてやるよ?」 彼女は左手をそっと青年と自分の間に割り込ませ、人差し指で引っ掻くように青年のズボンをなぞったところでピタリと止めた。 激しく怒張するペニスが裂かれた下着とズボンを押しのけて彼女に挨拶するのはそれとほぼ同時だ。 「おぉ♪随分元気だなぁ」 「あぅ」 「くはは、んじゃぁコイツでまずは」 彼女が上体を上げて尻尾帆青年の前まで持ってきて、その時青年は見た。 尻尾の先端がクパァと透明な液を垂らしながら大きく口を開けるのを。 また周りの突起からは薄紫の液が垂れているのがまさか淫毒とは青年は思うまい。 「お、俺、く、食われる…のか?!」 「ん? あぁ、確かに食うぞぉ〜くくくくっ、そぉれ♪」 「ひぃあぁぁ!?」 彼女の背中から回されわざわざ青年の眼前で開いたそれを静かに後ろへ戻し、かわりに上体を倒して彼の耳元で息をかける様につぶやく彼女。 そして言い終わるや彼女と彼の体の間にそれを当て、腹側から一気にそそり立つ棒へ毒針を逆立て互いの腹にさしながら深々と差し込んだ。 しかし童貞だった彼に対してそれは些か刺激が強すぎるものである。 故に一往復するだけで2度も射精するのは仕方のないこと。 「な、なんだよぅ、一往復しないでもうでちまったのかよぉ♪」 「ぅ、ぅぁ、ぁ」 「く、くく、ひ、一言も喋れな、いかぁ♪」 前後に動く搾精壺は彼女の秘所も一緒にぐしぐしと擦り、彼に至っては針に刺され毒を盛られ肉壺に蠢かれ一往復ごとに精を放つ始末。 そんな状態で一言も喋ることかなわず、彼は彼女のなすがままである。 「ほ、ほらっ、大好きな、おっぱ、いでも」 「ぁうぐっ!? んっ、んまっ」 「きゅぁ♪ ふ、太くなったぁ♪ や、やばぁい、ますます好みぃ♪」 彼が失神寸前で口をパクパクとさせているのを見て、彼女はしたり顔。 そのまま最初押し倒した時のように彼女が彼へと覆いかぶさるのだが、いつ脱いだのか大きな張りのある肌色の塊をさらしていた。 そのまま片側のピンク色した小振りな突起を彼のだらしない口へとねじ込んでみれば、彼女の想像をはるかに超えた乳愛撫能力をもった彼に彼女は大変満足そうである。 だって片手を彼の首に回しておっぱいに密着させつつ、もう片方の手の肉球をハムハムして身悶えているんだもの。 その間も彼女の尻尾によるダブル愛撫は継続されて、暫く峡谷に男女の声が響き渡った。 「あ、あぁっ、ピクっ、てぴくってぇ、イ、イキそ、うなのっね♪」 「ん、んんっ、んぅんっ!!」 「い、いいよぉ!! 何回で、も、何十回っ、でもぉ、くふん♪ ぶ、ぶっぱなし、なよっ♪」 結合部の尻尾からは飲みきれなかった精液が漏れ出し、彼女の秘所からは愛液が吹き出して彼の股下をたどり地面に大きな水たまりをつくり、彼に交互に吸われ続ける乳首は真っ赤に充血して勃起している。 手の肉球だってしゃぶり過ぎてふにゃふにゃだ。 そんな彼女はまた敏感に彼の何十回かわからない射精を感じ取って尻尾の肉壁をギュギュッと締め上げて彼にそれを促し、彼もその何十回も味わっている肉壺へと瞬く間に精を注ぎ込んだ。 「あふぁ♪ い、いいよぉ、気に入っちゃったぁ♪ アナタを夫にすりゅぅ♪」 「……」 「あふぇ? ぁ、気絶して、りゅ♪」 心持、彼女の下腹部がぷっくりしている気がする。 彼女の眼鏡にかなった彼は神経が危険信号を出して気絶させたようだが、未だ息子は怒髪天であり彼女の肉壺に震えていた。 「あふぅ♪ 巣にいこぅ♪ 繋がったままぁ♪」 ―――今一人の人間がマンティコアに抱えられて満月の輝く空へと消えていった……。 【完】 |
|
どうも、ジャックリーです。 いやぁ〜中々ツボを押さえられてアップテンションな私ですが… ハハッ、眠気と疲れには勝てなかったよ… さて、いかがでしょうか? 感想お待ちしております! 13/06/19 06:30 じゃっくりー |