『誰得・・・・これ・・・パ〜ト3』

「では島安芸(しま あき)警部補。態々遠方から宵ノ宮市への着任、ご苦労である。」
「はっ!」
「未だ慣れないであろう長旅からの疲れを癒してもらう為に今日及び明日は休暇とする。」
自分は・・・いやオレはちょっと色々な事情があって反魔物派市町村からこの街、親魔物派の最新鋭の街・宵ノ宮市へと左遷された身だ。

どんな事情か?・・・教えられないな!
・・・まぁあえて言うなら魔物娘は悪くないですよ、と公の場で発言しただけなんだがね。

ここに至るまでの経緯をさらりと言うと、こうだ・・・



ー/ー/ー/ー/ー/ー/ー/ー/ー/ー


電車に揺られて移動してここでの拠点の公営住宅に入り荷解きをしていたら早々に市役所へ呼び出されて役所に言ったらまぁ驚いた。

市役所の両隣に裁判所と警察署ですよ? 

しかも連絡通路でその3棟が全て繋がっていて・・・どれだけ外に出たくないんだよ?









・・・と思ってた時期が私にもありました。










市役所の受付嬢の五尾の妖狐で左薬指に指輪をはめている【古里瀬 陽】と名札のついた人に案内された市長室。
その扉の上にある木札を見てまぁ吃驚。

『宵ノ宮市最高裁判官裁判長・宵ノ宮市市長・宵ノ宮警察庁長官【禮前】』

・・・え、何この人?? どんだけ職務が好きなの? 馬鹿なの?
と心の中で愚痴を漏らしていざ入ってみるとまぁこれまた吃驚。
見るからに厳しそうなつり眉毛に凛とした表情でパリッとのりがしっかりした黒のスーツとスラックスを着た女の人が先程まで政務をしていたであろう書類の山が折り重なった机から徐にゆっくり立ち上がりコチラを見ながら話しかけてきたその人が市長なのは確実だが・・・

「はじめまして、島安芸警部補。私がこの街の治安全般を仕切っている黒妖狐の禮前だ。・・・ふぅ、休憩ついでに少し話し相手になってくれないか?」
「へ? は、はぁ・・・」
やたらと小さいのは術で小さくしているのだろう黒い尻尾を九本、ちんまりと腰につけて長く艶やかな腰まである黒い髪は日の光を反射しておりその頂点には天を突くように悪事一つ聞き逃さんと立つ一対の耳。
・・・黒い妖狐さんですか!?

「む? ・・・あぁ、私みたいな黒い妖狐は珍しいかな? まぁここいら一帯で黒毛の妖狐は私の血縁だけだからね。」
「は、はぁ・・・」
あまりの驚きで上官だというのにまともに返事ができないで居た自分をフフ、と小さく笑いながら凝り固まっていた肩をマッサージしつつ自分が思っていたことを的確に見抜いて質問を返してきたよこの人。
そのままオレ達は応接のソファへと腰を下ろすとここまで案内してくれた受付嬢の人が気を利かせてお茶を出してくれて「ありがとう。」と一言言う禮前様に習って礼を述べて茶を受け取る。
終始笑顔のこの受付嬢の人・・・凄く可愛いんですが?

「血縁といっても娘は三人、孫が二人だけだがな。」
いや、多くないですか!?
というか孫っ!?

「い、一体いつから生きているんですか・・・」
「ん? ざっと400年か?」
・・・え?
4、400年??
まだ侍のいた時代ですよね???

「まぁ、私みたいな妖狐はざらだ。まだこれでも若い部類だからな。500歳の子沢山の妖狐一家・・・たしか今年で娘が50人目の住民登録だったな。その他には真っ白な毛並みの1200歳の妖狐一家も居るし。興味があるならここから徒歩で15分位の北にある口逢神社にいってみなさい。」
わぁお、妖狐シティ♪
って口逢神社って全国的に有名じゃないですか・・・古参の神社として。
子沢山とか、見てみt・・・


ん? 待てよ?
そういえばこの市役所の受付嬢さんの苗字と同じ人と8人もすれ違ったぞ?
しかも全員妖狐・・・あれれ? まさか・・・っ!?


「あのぅ、もう戻っていいでしょうか?」
「ん? あぁ、すまないな陽。戻っていいぞ。」
「はい、禮前様。」
陽と呼ばれた妖狐さんは折り目正しく一礼すると市長室を去っていく。

「・・・もしかしてその子沢山一家の苗字って・・・」
「む? 感がいいな。そうだ、【古里瀬】だ。ウチの市役所でも10人ほど、警察署で5人、裁判所で2人、消防で1人いる。あと小中高大学校にそれぞれ教員として2人ずつだな。まぁ他にも古里瀬苗字の人はいるが一人の例外なくこの家族の血縁だよ。」
「・・・は?」
いやいやいやっ!? おかしいだろう!?
あ、ま、まさかその人数から察すると『あの建物』って、まさか?!

「え、えっと・・・ここに電車で来る途中に見える馬鹿でかい敷地の家が・・・」
「あぁ、古里瀬さんのところの家だな? アレだけでかいと何かと大変そうだったな・・・」
マジですか。
電車でここに来る途中で路線駅区間二つ分にあたる1kmかけてずーーっと見えてた白い大きな大豪邸と緑豊かな敷地がまさか一家族のお家とは・・・
しかもその駅の名前が【古里瀬・北】【古里瀬・南】。
もうドンダケー?!

「さて・・・休憩は終わりにしよう。」
「あ、は、はい。」
ゆるりとした表情をしていた禮前さんは接客用のソファから腰を上げて再び作業机に向かいコツコツと作業を行う。
うん、仕事のオン、オフがしっかりしている人っていうのはこういうことだろう。

「・・・あぁ、そうだった。島安芸警部補!」
「はっ!」
禮前様は作業の手を止めてオレに向き直ったかと思うと再び椅子を立ちオレの目の前3歩分まで歩いてきてビシッと敬礼の体勢で喋るもんだからオレもそれに反射的にビシッと敬礼をしてしまったよ。



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・・・そして冒頭になる訳だ。

「・・・はぁ、どれだけ妖狐好きな街だよ。」
禮前様の簡易略式の任命式が終わった後市役所を出て街へ向かって歩いて行く。
折角の休暇だし、引越ししたてでまだ日用品や細かい備品、食料を買いだめよう。
思い立ったが吉日。
社宅という自宅のすぐ傍のスーパーへと急いで足を運んだよ。
・・・しかし食料売り場の豆腐コーナー、30ある豆腐系商品のうち18が油揚げですぜ?

「おぉ、尻尾のある種族が多いからかブラシも多い・・・」
柔らかい人用、固い人用、ウェーブタイプ、カールタイプ・・・
ブラシの品並びだけで8種。
・・・あれれ? ここってスーパーだよな???

まぁ結局そのスーパー『霞ーかすみー』ではちょうど昼の特売セールをしていた時だったので目的のモノを全部買っても予算より1000円以上お金がういたので個人的に好きでこれだけ狐系魔物娘が多ければ絶対にはずれは無いであろう稲荷寿司を買って自宅に帰ることにした。






したのだが・・・






「うぇぇぇん! おがぁ゛ざぁ゛ぁ゛ーーん゛!」






あぁ、迷子ですかい?
道の真ん中、ではなくて横断歩道が近くにある公園の入り口で両目を押さえて大声で泣くどう見てもオレの腰より低い身長の女の子・・・いやキツネの魔物の娘がいるわけで。

まぁオレは腐っても警官。いくらプライベートでもしっかりと警察としての心構えは出来ているつもりだ。

「嬢ちゃん? どうした、迷子か?」
「う゛ぇ゛ぇ゛ん・・・う゛ぇ゛?」
買い物袋を両手にぶらさげたままという些かしまりのない格好ではあるものの、その泣き止まないキツネの女の子へ近寄っていって声をかけることにしたのさ。

クリッとした蒼い目が声をかけたオレを見上げてキョトンとしているよ。
近くで見たこの子・・・見た目はロリ。だれがどう見てもロリ。で頭の耳近辺に二房のサイドテールを結うようにかかる紅いリボンが金の髪に良く映える。
そのリボンには頭上にピンとたった耳と同じくらいに大きな鈴をつけていて、その鈴がまたその娘のちっこい紅いチャイナ服にまたあっているんだよなぁ・・・

「グスッ・・・お、お兄さん・・・だれ?」
「んぁ? あぁ失礼、オレは宵ノ宮に新たに赴任した・・・まぁ島安芸っていう警察だよ。」
「あ♪ 禮前のお姉さんの後輩さんですかー?」
おいおい、さっきの泣きは嘘かい!?
そう思うくらいに表情が変わったよ、この子。
てか、市長をお姉さんって・・・。

「えっと、ま、まぁ・・・そうだね。」
「あたし、古里瀬 庸(こりせ よう)です。姉妹で40女の10歳の妖狐でして絶賛迷子中です・・・」
あぁ、やっぱり迷子か・・・。
まぁ見た目どおりの年齢じゃしかたない、のか?

・・・あれ? 古里瀬?? しかも40女!?

「えっと・・・でっかい豪邸の?」
「おぉ! お兄さん良く知ってますね♪」
やっぱりね、思ったとおりだよっ!
はぁ、結構社宅から近いからなぁ・・・
送っていってもいいか?

「わかった。お家まで連れて行けばいいのかな?」
「よろしくお願いします・・・方向音痴なので・・・」
おぅ!? シュンとした耳と尻尾・・・なんだろう・・・グッとくる

「ただ・・・」
「ただ?」
「今の時間は誰も家に居ないうえに鍵を失くしてしまいまして・・・」
うぇーぃ! ドジっ娘属性だよ、ってかぁぁ!?
うむむ・・・いたしかたない。
これも職務の一環だし…禮前様の所へとんぼ返りをするか。

「じゃ、じゃあ一度警察署へ行こうか?」
「・・・うん♪」
おぅ、ま、眩しぃっっ!
そんなキラキラした目でこっちを見ないでぇぇ!
・・・くそぅ、笑顔が超かわいいぞコノヤロー。

「じゃぁ・・・」
「あ、あの・・・手を握ってもいいですか?」
・・・ちょ、おまっ、その上目遣いはやめてって!
お、堕ちる、おちちゃうっっ!
まだロリコンっていわれたくなぁ〜いのよぉ〜っ。

「ま、まぁそれ位なら・・・」
「・・・っ♪」


・・・ギュッ♪


恐る恐るオレの左手に小さな小さな庸ちゃんの手がやんわりと握り締められて、庸ちゃんの尻尾もリラックスしているのかゆったりと一定のリズムで揺れている。
そして庸ちゃんの顔へと視線を移せばジーッとオレを見つめて微笑んでいる顔があってなんというか・・・やべぇ、オレロリコンだったのか・・・?

「さ、さぁ警察署に行こうかっ!?」
「はいッ♪」
だーかーらー! その笑顔はヤメテクレーっっ!

終始笑顔の庸ちゃんを連れて市役所の隣の警察署まで歩く中そこいらの人らから暖かい目で見られたよ。
だが半分以上魔物さんでしたけどね!



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「・・・い、今なんと?」
「だから『庸ちゃんは島警部補がみろ』、と伝言がありまして。あと『拾得物の管理はキチンと責任を持ってやるように』とも。」
「わーぃ♪ よろしくね? お兄さん♪」
警察署入って受付嬢のワーウルフさんに禮前様へ取り次いでもらったところ、この有様だよ。
いや、待て、本当に。
第一に庸ちゃんはモノじゃねぇ。
そして明らかに投げたように感じるのはオレだけか?

そして庸ちゃん。
うれしいのは分かったから、だからね?

オレの足にぎゅ〜って抱きつくのはやめてくれないか?

そして太陽の様な笑顔で覗き込まないで。トぶ。・・・主に理性が。

「はぁ・・・分かりました。島警部補、責任を持って古里瀬家へ拾得物をお届けいたしますっ!」
任された仕事はきっちりとしますよっ、と。
まぁ、どう転んでも雰囲気的に絶対押し付けられるだろうがねっ!
下で足に未だ抱きついて「むふふ〜♪」と時折満足げな庸ちゃんがいて締まらないが敬礼してきっちりと受けた俺は若干重い足取りで警察署を後にした。

「・・・んで庸ちゃん。どこにいk」
「お兄さんのうちぃ♪」
「・・・」
ほわっつ? ぱーどぅん??

「え、お、オレんち???」
「うん♪・・・・だめ?」
ぐぅぅ!?
だからその上目遣いはダメだって、あと人差し指咥えるの反則。

「そ、それでいいのなら・・・」
「♪」
おぅふ。
曇り空が一気に快晴の陽気になりました。




・・・ぐぅ〜〜・・・




「ぁっ・・・」
「庸ちゃん?」
表情が晴れてから数秒もたたずして庸ちゃんのお腹が可愛くないて訴えてくると耳ペタになって少し屈んで恥ずかしがってお腹を押さえちゃった。


・・・かわいい♪


「うぅ〜さっきからお兄さんの買い物袋からいい匂いがするんですが・・・」
「へ? あぁ、稲荷寿司買ったからね。」
おいおい、そんな涎ダラダラに垂らしてこっちをみないでくれよ。
しかも妙に笑顔だし。

「う〜、お兄さんの家まで我慢ですっ!」
あ、我慢するんだ。
もう少ししても(袋を)見つめられていたら稲荷寿司をあげようとしたけど、まぁ我慢するならいいか。

まぁ、ず〜〜〜っと警察署の前にいるのも迷惑なので移動しましたよ、っと。
・・・移動の間ずっと今度は背中に抱きつかれてしまったのはヒミツダヨ?




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「わ〜、結構広〜い♪」
「はは・・・そいつぁどうも。」
庸ちゃんのうちと比べるのはどうかと思うよ?
こちとらただの2LDKの社宅だし。
というよりも鍵を開けて入って部屋主よりも先に靴を脱ぎ散らかして走り出すのは如何なものかと。

「庸ちゃん、ご飯にしよ?」
「はーい♪」
うん、素直で宜しい。
市役所へ呼び出される前に展開しておいたテーブルへ稲荷寿司などを置いて残りを冷蔵庫に仕舞っていく。
・・・あ、牛乳買い忘れた。

また後で『霞ーかすみー』に行ってくるか。

「おっと、庸ちゃん。まずは手を洗ってきなさいね。」
「あ、はーい♪」
ちょっと纏めて買いすぎたからちょ〜っと整理に時間がかかりそうなので庸ちゃんには洗面所にて手洗いをさせておくことにした。
「がらがらがら〜♪」って聞こえてくるからうがいもしているんだろう。
本当によく出来たいい娘だよ。

「・・・よし、収納完了。」
「お兄さぁん、洗ってきました♪」
「よし、そうk・・・・っ!」
収納が終わって声をかけられ後ろを向いてアラ吃驚。
何故か顔や服かビチャビチャに濡れている庸ちゃん。

何故!?

「なんでそんなに濡れてるの?!」
「えぅ・・・台へ届かなかったのでお風呂場で・・・」
失念してました。
そうだよね、庸ちゃん背が低いから踏み台がわりの物が無いと洗面台に届かないものね。
でもだからって風呂場・・・。

「と、とりあえず服乾かすから・・・えっと・・・あ、あった。これに着替えておきなよ。」
「はぁーい♪・・・・うんしょっと。」


・・・まてまてまてまてぇぇぇぇい!!!


「あ、あのね庸ちゃん!? ここじゃなくてお風呂場で着替えてっ!?」
「ぇぅ?  お兄さんなら・・・見てもいい、よ?」

ドゥクシッ!
な、なんて恐ろしいことを言いなさるっ!
とりあえず私はロリコンじゃないけど流石にそれは・・・。

ヘタレがっ、とか聞こえてきそうだけどここは紳士的に注意を(以下略。

「というよりも・・・見てほしいなぁ・・・ね♪」
「・・・」
なんだろう、今までの自分が全否定された気分だ・・・
こんな可愛い子がロリなわけがない。

今の庸ちゃんの姿を表現するとだな。

服は脱げてその服とオレが渡した畳んであるYシャツを膨らみかけた胸元でぎゅっと抱いていて真っ白のぱんちゅが日の光に反射して眩しい。
眉尻を下げてあきらかに誘っている表情で時折腰をクネッと捻り、それと共に尻尾もふわりと揺れる。
勿論耳はペタンだ!

「・・・」
そんな庸ちゃんにオレは・・・
















「さ、さぁまずは服を着替えてからご飯にしようか♪」
はい、逃げました。












むぅ、とちょっと不満げな表情だった庸ちゃんだったけど暫くしないうちに着替えて戻ってきたので少し気まずい空気の中遅めの昼食と相成ったわけですな。

・・・へ、ヘタレ言うなっ!!

ただその服もぶかぶかのYシャツが膝まで覆って尻尾がシャツの下から半分ほど出ているというだけで実質一枚隔ててさっきの半裸となんら変わりないけどその一枚が重要ですよね?
庸ちゃんは先程のことを受けて自重してくれているみたいでシャツのボタンは一番上以外閉めてくれている。

その後は引越しの荷解きを庸ちゃんが手伝ってくれたおかげで2日がけでやる予定だった作業を夕方までに終わらせることが出来た。
その時の庸ちゃんの才女ぶりには驚いたけどね。
言った通りの配置へ物を置いていく理解の早さ、お店の展示品並みの服の畳み方の美しさ、自分の尻尾を使ってまでの掃除の手際の良さ、果ては晩飯の下拵えをするとか・・・

あれ? 晩飯の下拵え??

「あ、安芸さん。母達から今日は誰も居ないから明日まで暫く世話になって貰いなさいと連絡がありまして・・・」
「さ、さいでっか・・・オレは別に構わんが・・・」
どんだけ放任主義なの?
あと引越しを手伝ってくれているうちに庸ちゃんからの呼ばれ方が安芸さんに格上げ(?)されてました。
さらに言うと引越しの片付けが終わった際に良さげな空き箱があったのでちょっと補強して臨時の踏み台として庸ちゃんに使ってもらっているんだが・・・温州みかんの箱って意外とシュールな・・・。

そのまま時が過ぎて夕飯時。

出されたメニューを見てまた吃驚。

肉じゃが、ほうれん草のおひたし、ほかほかご飯、わかめの味噌汁。

お見事としかいえない家庭の和食がきっちり二人前できているではないですか!
改めて庸ちゃんの才女っぷりに脱帽ですよ。

『いただきまーす』
「いや〜庸ちゃんは立派なお嫁さんになれるね!」
「ふふ、安芸さんのお嫁さん以外になる気はないですけどね♪
軽く褒めたつもりだったけど・・・なんか熱視線を感じる。
主に目の前の妖狐からッッ!

ちょっと背筋がゾクッときて怖かったので「あはは・・・」と笑って誤魔化して箸を進めていったよ。
どれも絶品だった。

そして。

「ご馳走様でした。凄くおいしかったよ!」
「はいッ、お粗末さまでした♪」
うぁあ、尻尾すっごいブンブン振れているよ。
それにしても近頃の10歳ってのは技能スキルがパナいな、主に料理スキルが。
さてと、風呂洗うかな。

「あ、お風呂でしたら先に洗っておきましたので。」
「なんと!?」
ちょうど食器も台所へ片付け終わったところ、どこかへ行っていた庸ちゃんがタイミングよく帰ってくるとこの回答。
これが良妻スキルか!?

「そ、それで・・・ですね? 背中を洗わ・・・」
「ひ、一人でするから、ね?」
何かを期待して上気したとても10歳とは思えない妖狐は頬を両手で押さえて恥らいながらオレに対して言うけど、何かそれを許したら人間として何かを失いそうなんだ。
だから悪いと思いながらも断ったんだけど、失敗した。

「っ・・・ぃ・・・いーやーでーすーぅ! 一緒に入りたいんですぅっっ!」
ぅぁぁ・・・初めて見た。



妖狐の駄々っ子。



床にベタ〜ッと寝そべって両手両足をブンブン。更に尻尾も左右にブンブン。
やべぇ、和む♪・・・じゃなかった。
うむ〜、どうしようかな?

「わかったよ。じゃあお願いするね。」
「はいッ! 分かりましたッ♪ では先に入っていてください。」
「お、おう。」
うん、見事な切り替えの早さだ。
ちょうど庸ちゃんのチャイナ服も乾いたかどうか確認するのも兼ねて風呂に行きますか。

脱衣所へ向けて歩き扉を潜ったあたりで一度振り返ると嬉しそうに携帯電話で誰かと話す庸ちゃんが・・・なんかすっごい不安になってきたけど。

それはさておきまず浴室に入って湯の張り具合を確認。
・・・うんちょうどいい温度と量。まぁ自動だしね。

それを確認したら着替えの服を持ってきて脱衣してそのまま洗濯機へ服と下着を投げ入れて、レッツお風呂タイム。
蓋を開けて手桶に湯を汲んでまずは肩口から一気に湯をかけて、次に頭から一気にかける。
これを数回繰り返すと湯気がいい感じになって浴室があったまるのよ〜♪
それから手にシャンプーを取って頭をシヤカシャカ洗っていると・・・

(がらがら・・・・)

お、庸ちゃんが来たか。
しかし何でだろう、衣擦れ音が妙に生々しい。
というよりも庸ちゃんに逢ってからというもの、妙に庸ちゃんといると心臓が高鳴っていくんだよな・・・?
特にこの社宅に入ってからというもの心臓の高鳴っていく時間が更に多くなったのだけど・・・??
・・・まさかね。

「お待たせしました、安芸さん。」
「お、庸ちゃん丁度良かった。今頭洗い終わったところだよ。」
「そうですか♪ それでは背中から流させていただきますね♪」
洗っていた泡だらけの髪をかけ湯で一気に流して泡を落とし目の前の鏡に目をやって後ろを確認・・・って、え?




ロリ妖狐は全裸です☆




「んなにぃ!? タオルは? タオルはどうしt・・・はぅう!?」
「もぅ・・・安芸さんガチガチじゃないですかぁ〜♪ まずはお背中流しますから・・・ちょっとお静かに、ね?」
注意をしようと首を捻ろ・・うとして後ろから異常なほど勃起している愚息をキュッと掴まれてしまいなんとも気の抜けた声を出しちまったよ・・・。
そんなのお構い無しに両手でニギニギと愚息を握る庸ちゃんの手つきは子供ではなく女のソレであった。
そしてさっきまで弄っていた手を片方オレの頬に添えて無理なく後ろへ顔を向かせると丁度庸ちゃんの蒼い目と視線が重なって・・・オレは意識を失った。 




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安芸が意識を手放してすぐのこと。
安芸は少し前屈みになる形で風呂椅子に座り両手をダラリと垂れ下げて足をM字のように開いた状態で気を失うと庸はその安芸に覆いかぶさるように全身泡にまみれさせて背中に抱きつく。
ただ如何せん背が小さい為に安芸が座っているのに対して庸は背伸びしてやっと安芸の首まで洗えるのだ。
必然的につま先で立ってプルプル震えながらの御奉仕になるわけで。

「はぁ♪ すっごいおっきい♪ ママの使っていたバイブよりおっきいなぁ♪」
泡をたっぷりつけた体全体で大好きになった年が離れた彼の大きな背中をキニュッキニュッといろんな部位を擦り付けて恰も安芸は自分のものとでも言わんばかりにマーキングをするが如く洗い続けている。
さらには背中から再び手を回して『今まで妖狐の妖気を大量に浴び続けた』安芸の股間を弄ってその感触を確かめて微笑みながら尚も激しく体をこすりまくる。
やがて背中の感触に満足した庸は背中から擦りながら横へとズレて行き安芸の右腕にまわって肩から指先まで丁寧に洗う。

「はっ♪・・・うんっ♪・・・やだぁ♪・・い、いつもよりぃ♪・・・お、オナるよりぃ♪・・き、きもちぃ♪」
全身タワシをしている庸も中々の感度を持っているみたいで洗っていた筈の安芸の腕を跨ぐようにして両足で挟み込み毛がまだ生えていないピタリと閉じられた隙間のない縦スジを腰の前後動を使って安芸の腕に擦り付けて刺激する。
さらには腕を抱きとめる形で更に密着する。

背中ですでに刺激が十分だったのか庸の乳首や淫核はそれはもう痛い位に膨れていて今にも破裂しそうであった。
この感じ易さ、母からの強い遺伝のせいだろうか?

「んしょ、んしょっ・・・・あわ、わわ、わわわわっっ!?」
肩には抱きとめた上半身で、指先は下半身で。
ただ洗っているのは10歳の女の子であり、体力もそれなりしかない。
段々疲労の見え始めた庸は爪先立ちがつらいようで尚のことガクガクと足が揺れると不意に足が自身の纏った泡で床の上で滑ってしまい安芸の腕に抱きついたままひざがガクンと折れてしまう。
その折れた足に付随するように上半身もズリッと勢いよく下がる。
庸からは見えないが安芸が気絶し脱力したために掌が外に且つ上に向けており
そこへ勢いそのままに庸の縦スジが・・・

ニュルン♪ ・・・プチュン♪

「ひゃ?!・・・・っっ〜〜〜!!?」
声が出ない悲鳴のかわりに庸は全身の毛という毛を逆立ててその不意に訪れた痛みに耐えているがその間にも庸の股間からはツツー、と純潔の証である破瓜の血が安芸の手を経由して自身の内股を伝って床へと落ちていく。
やがてその激痛の余波が引いて行くと涙を堪えていた庸が自身におきたこの痛みの原因を探ろうとお尻側から自分の女の子の部位まで恐る恐る指を這わせると自然と納得してしまった。
指が、安芸の中指と人差し指が狙ったかのように深々と根元まで庸の女の子の部分に刺さっているのだから。

「わ、わたし・・・安芸さんに処女・・・あげちゃった・・・えへへっ♪」
先程の痛みはどこへやら。
その事実を認識した途端ただの痛みがスッと引いていきとても充実した感情が庸を満たしていく。
今まで感じたどの感情よりも暖かいそれはじんわりと庸の中でどんどん溢れてくる。

「うぅ、は、初めて出会って声を・・・っくっ・・・かけられた時から・・・ヒグッ・・・す、好きで・・・イッグ・・・したぁ・・・っっ」
気絶しているので聞こえるはずもない安芸に、より一層強く腕にしがみついて細々とやっと出しているような声量で、処女喪失の断続的な未だにやってくる痛みに耐え涙を流しながら、咽びながらも幸せそうな表情で告白を囁いて顔を腕に擦り付けて尻尾を振る庸。

それを薄っすらと見やる視線に気付かずに。

「(・・・まいったね、どうも・・・)」
実は安芸、腕に抱きつかれて処女を事故とはいえ奪ってしまったところで目が覚めてしまっていたのだ。
気まずい、実に気まずい。
なんといっても自分の知らないうちに庸ちゃんをキズモノにしたことが。

「ふぅ・・・ぅぅ・・・大好き・・・です・・・クァッ♪」
「(あぁ・・・やべぇ・・・クラクラするし・・・体が熱い・・・っ・・・)」
どうしよう、と安芸が考え事に耽っていると不意に指の感覚がヌチャっという音と喘ぎ声付きで生暖かい感覚が徐々に遠退いていくことにハッと気付く。
呼吸が落ち着いた庸を見る限り痛みが引いたのであろうがそのまま折れている足に力を入れて愛しい安芸の指を引き抜かんと体を上にずらすも痛みの代わりに今度は強烈な快感が庸を蝕んでいき挙句にはその波が膣を収縮させてしまい尚のこと抜けにくくなってしまっている。

「ハァハァ・・・安芸さぁん♪・・・大好きですぅ・・・♪」
「・・・オレもだよ。」
「っっ!?」
安芸は耳元で延々と囁かれる愛の告白と腕に伝わるからだの感覚、さらには幼いとはいえ妖狐の濃密な淫気に当てられて段々と理性が欠乏していきとうとう本能が理性の枠を侵して体の支配を乗っ取ってしまった安芸は黙っていることが出来なくなって庸の告白に返事を返すようにして口を挟む。
まだ起きないと思っていた庸は予想外の速さで起きた安芸に、更に告白を受けたことでまた処女喪失の時のように全身の毛が逆立ってしまう。

「好きだから・・・こうしてもいいよな?」
「ふ、ふぇっ!? あぅん♪ ら、らめぇぇっ!? お、おまんこ♪ヒャン♪かきまわさ♪アゥン♪ないれぇ♪」
本能の赴くままになった安芸は庸の膣に指を入れたままもう片手で驚きのあまり硬直してしまった庸の体を持ち上げて鏡へ顔を向かせる様に自分の股座に座らせて膣に入ったままの指を適度に出し入れしつつ時折広げたり関節を折ったりして激しく処女を失いたての庸の膣を攻め立てる。
庸の方ももう痛みがないのかその姿は淫蕩な雌の顔になっていた。
庸は恥ずかしさからか顔を両手で隠そうともするもその快楽にふやけた瞳、雌としての本能がその行動を拒むようにして手を顔の少し前で止めさせる。
狐特有のピンと立った耳が更に天に向かって伸び、尻尾も愛しの安芸と自身の間に潜り込ませて時折ビクンビクンと揺れ動く。
だらしなく開けられた健康的な八重歯が覗く口からは喘ぎ声と涎が庸の体へとおちて胸から下へ伝っていきその銀の雫の軌跡は今安芸と唯一繋がっている女性器で愛液と破瓜の血と合流し、それらは安芸の腕を伝って浴室の床へと流れ落ちる。

淫気が密集する風呂場では少女の堕落した声とピチャピチャと水音だけが響く。

「あぅう♪ 安芸、さぁん♪ あ、安芸さんのがぁ♪ほ、ほしいれすぅ♪ 指、だけじゃあぁ♪ せ、せつな、いですぅ♪」
「なんだ? 何が欲しいんだ? 言わないとわからないよ?」
「うぅ♪ お、おちんぽ♪ 安芸さんのぉ♪ 極太でかち、んぽがぁっ♪ ほしぃ、ですぅ♪」
トロトロな思考の庸はもう雌としての本能が疼いて疼いて仕方ないようで存外激しく攻め立てている安芸の手をそっと掴んで動きを抑制しようとするもその動きは止まらない。
蕩けながらも庸は男女としての契りがしたいと大きな声で安芸に言うも安芸はにやけてはぐらかし、もう一度淫語を幼い少女から言わせる鬼畜ぶり。
それでも愛しい安芸の為、何より自分が快楽を貪りたいと体が要求してくる庸はもう理性なんてなかった。

「よぉし、何処にほしい?」
「お、おまんこっ! おまんこにくだs・・・・・はぁぁん♪」
淫語を言い切ったことで安芸が手の動きを止めて指を引き抜くと粘り気のある愛液がまるで離れたくないと指に絡まったまま空中に銀の橋を描く。
もう庸のソコはしとどに溢れており破瓜の血ですらもう薄っすらとしか残らない量だった。
そしてその溢れている愛液を浴びていたのは指と床だけではない。
安芸の痛い位に反り返った愚息もまた庸の淫気がたっぷりと詰まった愛液のシャワーを浴びていたのだった。
その愚息を片手で握り入り口の場所を問う安芸に庸は安芸の膝上という不安定な場所にも関わらず自身の淫唇を大きく両手を使ってくぱぁと広げておねだりする。
安芸自身も待ちきれなかったようで庸がおねだりを言い切る前に愚息を深々と庸の膣へと差し入れて快楽を享受しようと激しく腰を振り始めた。

「ぅあっ♪ いいっ♪ き、きもちぃぃれすぅぅ♪」
「まったくっ! なんて、淫乱な、処女マンコだっ!」
パチュンパチュンと湿り気を帯びた音が浴室の中で反響して殊更淫らな音にし、二人の本能をさらに加速させる。
背中を預けるように安芸に凭れ掛かり手を安芸の首へと巻きつかせ宛らオナホのように動かされる庸はこれ以上にないくらい快楽におぼれた表情で安芸の激しすぎる愛を受け付けていた。
子宮口を何度もノックする安芸の巨根は更に固さを増す。

「だいしゅきぃ♪ あきしゃん、だいしゅきれしゅぅ♪」
「あぁ、オレもっ、大好きだっ! 庸、愛してるぞっっ!」
「わ、わらしもぉ♪ あいしてぇ、ましゅぅぅ♪」
繋がりだけじゃ満足できない二人は顔を向け合い深い深い交わりをキスで行う。
絡み合う舌がまるで意思を持つように互いの口内を貪り、愛し、慈しみあい、快楽におぼれていく。

激しい打ちつけは早くも両者に限界をもたらす。

庸という肉穴に腰を打ち付けていた安芸だが愚息が段々と膨れていき脈動を始めるとそれを繋がっている庸も敏感に感じ取り尚のこと強く深く繋がろうと腰をタイミングを合わせて振ることで限界をさらに早めてしまう。

「ぐぅぅ! だ、出すぞ?! 孕む位にっ!」
「だしてぇ♪ あきしゃんの子ぉ♪ はりゃむくらいにぃぃぃ♪」
「ぐぅぅぅ!!!?」
限界はあっさり訪れた。
パンパンに晴れ上がった安芸の愚息は一番奥に当たった瞬間、庸の方も合わせて腰を落としたがためになんと子宮口をこじ開けて入ってしまう。
そのまま子宮口を抜けた愚息は文字通り一番奥にて大量の迸りを庸の子宮へと吐き出し、それでも収まりきらなかった子種は膣を逆流し結合部から潮吹きのようにあふれ出す。

「ふわぁぁぁ♪」
そのあまりの圧力に庸は毛が逆立つと尿道からおしっこを、膣からは愛液と精液を、口からは快楽に堕ちた喘ぎ声を吐き出した。


「ハァハァ・・・あきしゃん・・・だいしゅき・・・♪」
「ハァハァ・・・あぁ、オレもだよ・・・♪」
快楽の波が大きすぎて全身の力が抜け切ってしまった庸は未だ根元まで入りきってない安芸の愚息しか接点がなくそれに支えられているという、傍から見ると安芸の愚息に貫かれているような状態のまま今度は庸が気絶してしまった。

つられて安芸もそのまま気絶してしまったのはご愛嬌ということで。



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その後・・・。

風呂場にて意識を取り戻した安芸は己のしたことに激しく罪悪感を覚えて暗くなっていたがいつの間にか隣まできていた庸に謝られてしまう。
だが安芸も男であり、好きになった庸の泣き顔なんて見たくもないので将来結婚することを誓う。

「まぁ・・その・・・庸。オレはオマエから見てかなりの叔父ちゃんだが・・・こんなオレでも傍にいてくれるか?」
「勿論♪・・・でも歳の差って言っても10歳だよね? なら大丈夫♪ お姉ちゃん達の中では30歳差なんてざらだもん。」
告白はオッケー。
でも問題は古里瀬の家への事後報告だったが・・・

『まぁ♪ 良かったじゃない庸っ!』
『これでまた孫の顔が早く見れるな♪』
と軽いノリで承諾されました。
しかもヤりまくって子供が出来たらこっちで世話するから大丈夫、とバックアップまでされる始末。

また上司の禮前様に報告するも・・・

『随分手が早いのだな・・・まぁそれは何より、おめでとう。・・・え、犯罪じゃないか? 大丈夫だよ島警部補。この街では普通だ。
と。

こうして古里瀬家に新たな住人が増えたとさ。


【完】

はい、jackryの俺得第三弾!
これを書くにあたりこの情熱の元となったもの・・・実は堕落の乙女の解説の中の妖狐ちゃんですw
かわいいよね! 妖狐ちゃん!(ハァハァ

いかがでしょうか?(´・ω・`)


11/11/15 23:16 じゃっくりー

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