二匹目。〜誑かし欺き騙す蛇〜前編
「困りましたねぇ」
僕の名前ははルーゴ
旅をしながら詩を作っております
前までは組織にいたから
なんともありませんでしたが
いざ居場所を失ってしまうと、
何をしていいのやら。
「適当に街にでも行きますか」
ーーーーー港町ーーーーー
「港町って奴ですか
とりあえず、宿は...」
「おや?お兄さん
見かけない顔だね〜
旅の人かしら?」
「えぇ、宿を探してまして」
「宿ならそこら辺に
たくさんあるじゃない?」
「...そういう所じゃなく
普通の宿を探してまして」
「へー、じゃあ普通の宿に
私と入ろうよ♪」
「結構です、では」
「む〜」
やはり一人でいると
標的にされるものですね
「さてと、仕事もしますかね
食べ物がないのは困りますし」
筆と紙を取り出して
彼は『詩』を作り出す。
「〜♪」
(ざわざわ、ざわざわ)
(何あの人の詩...)
(凄く切ない...でもこれは)
(恋の...詩...?)
だいぶ寄ってきましたね
さてと
「皆さん、僕の詩はどうでしたか?
気に入っていただければ幸いです
よければ、どうかお恵みをください」
「良い詩でした」
「感動したよ」
「凄く切ない..」
「あっ...!」
(あの人さっきの...)
「おや、またお会いしましたね」
「貴方も、詩好きなのね」
「好きというか得意というか」
「宿を探してたんじゃないの?」
「えぇ、でも僕お金持ってなくて」
まぁ、僕の首になら大金は
かかってるんですが
「ならワタシの所に来ない?」
「う〜ん、でももうだいぶ
お金頂いちゃいましたし」
「別にいいじゃない?
宿代払わなくてもいいわよ?」
「体で払えと言われても
困りますので」
「随分と疑っているのね
大丈夫、何もしないわ」
「・・・、それならお邪魔させてもらいます」
「えぇ♪どうぞ」
「そういえば、名乗っていませんでしたね
僕はルーゴと言います」
「ワタシはメロウのコトナ
よろしくね♪」
「えぇ、よろしく」
ーーコトナの家ーー
「ここがワタシの家よ」
「海の中に住んでいると
思っていましたが
なるほど、家の中にまで
水路を引いているんですね」
「えぇ、地上では車椅子
に乗らないと移動できないから」
「これは面白い」
「でしょ?ところで」
「はい?」
「貴方はここへ何をしに
来たのかしら?」
「特に用はありません
僕は各地を回って詩を
作っているだけなので」
「じゃあ、ここからまた
別の街に行っちゃうの?」
「そうですねぇ」
逃げてるのもあるんですけどね
「それじゃ、せっかくの
お客さんだし、今日は
張り切っちゃおうかな〜♪」
「変な食材はいれないで
くださいよ」
「わかってるわよ♪」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「出来たわよ〜♪」
「これは...!」
豪華とまでは行かない
だが、凄く美味しそうだ
「さ、召し上がれ♪」
「えぇ、それでは」
一瞬彼女は何が起こったか
わからなかっただろう
「毒入りなんていりません」
そう言って僕は
テーブルをひっくり返したのだから
16/02/27 14:37更新 / 紫酔染香*・ω・)ゞ
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