連載小説
[TOP][目次]
休日03

「よし、行こうか」


ボクが休日にいつも行く所
そこはというと...




ーーーーーーーーーーーーーーー




たくさんの機器が設置され
大きいものから小さいものが
その場でかなりの音を発し
ボクを興奮させてくれる


ここは、天国だろうか。


「お〜い?アオ?
戻ってこ〜い?お〜い?
ここはただのゲーセンだぞ〜」

「なに!?そうだったのか
ボクには天国に見えたよ」

「ゲーム好きなのはわかるが
ゲームに集中しろよ?」

「してもしなくても
こんなレースゲーム
キミに負けないよ?」

「くっそぉぉおおおっ!」



こいつはゲーム仲間の
藍羽シンジでボクの次に
ゲームが上手い



「よし、1位だ」

「だぁああっ!負けた!
ちぃ...次は勝つぜ...」

「キミがボクに勝つのは偶然
でも、負けるのも悪くない」

「へっ、言ってろよ
そのうち悔しがらせてやるよ」

「楽しみにしてるよ」

「そういえば、アオ知ってるか?
最近現れたっていうやつ
凄腕プレイヤーがいるって」

「いや、知らないな」

「なんでもプレイヤーネームが
ディアボロ、でその名の通り
人間技じゃない悪魔のような
スコアを叩き出しまくってるってよ」

「へぇ」

「まぁ、俺からしてみたら
ここにも化けモンはいるけどな」

「え?ここにもいるのかい?」

「オメーの事だよ」

「そりゃあどうも♪」

「褒めてねーから!!」

「そうなのかい?」

「お前本当に変人だよな...」




ーーーーーーーーーーーーーーー




「あ〜...飽きた
ゲームしたりないよ〜」

「ゲーセンのゲームを
ほぼ制覇した奴のセリフかよ
さんざんやったろ!汗」

「え〜...ん?」

「なんだアイツ?
やけにゲームに集中してんな」

「シンジ、あれ」

「プレイヤーネーム...
ディアボロ...!?」

「見た所、魔物娘だね」

「冷静に解説してんなよ...
なるほど、スコアの高さにも
納得がいったぜ」

「ボクと同等...
いや、それ以上のスキルかも」

「そうなのか...?
って、おい!どこいくんだ」

「どこって、帰るけど」

「はぁ?あんなプレイヤーが
いるのに、尻尾巻いて逃げるのか?」

「確かに彼女は凄い
だけど、本気のボク程じゃないよ」

「...!
そういえば、そうだったな」

「アナタ達、さっきから
そこで何を話しているの?」

「え」

「え?」

「何をしているの?」

「飽きたから帰ろうとしてました」

「コイツのゲームに
付き合わされてました」

「あら、そうなの?
だったらワタシとの
ゲームに付き合ってくれないかしら?
天才無敗ゲーマーアオギリ君?」

「ボク無敗じゃないよ」

「たまにオレに負けてる」

「というか何故
ボクの名前を知ってるんだ?」

「アナタは彼の唯一の
パートナーなのでしょう?
聞いているわよ
『あの二人には挑むな』って」

「ボクらそんな噂立ってるんだ」

「どおりで俺らの周りは静かな訳だ」

「それで、勝負の方はどうなのかしら?
受けてくれるのか、逃げるのか」

「じゃあ、逃してください
ボクもう帰りたいです」

「受けるのね、ならさっそく...
待って、今なんて??」

「おいっ、アオ」

「帰らせてください
お金もなくなってきたので」

「待って!お金ならワタシが
出すから!お願い!ね?」

「え〜?やだ」

「あ〜始まったよ」

「お願い!一回でいいから
ワタシ、貴方と勝負するために
ここまで来たの!だから...」

「勝負してやれよアオ」

「わかったよ」

「ありがとう...!
じゃあ、さっそく♪」

「その代わり本気で
行かせてもらうよ」

「望む所よ!」

「じゃあ、俺審判ね」



ーーーーーーーーーーーーーーー



「はい、おしまい
これで気が済んだでしょ?」

「ウソ...!?」

「結果発表しまーす
10vs0で、アオの勝ち
容赦ねーなぁ?」

「言ったでしょ?
もう飽きたって」

「このワタシが...?
一勝もできなかった...?」

「じゃあ、さようなら」

「俺もそろそろ帰りますかね
じゃーなーアオ、また今度」

「またねーシンジー」

「まって...待ってよ!」

「はい?」

「なんで...」

「まだ勝負するんですか?」

「...っ!
えぇ!そうよ!
まだゲームは残ってるわ!
ワタシと勝負しなさい!!」

「...仕方がないですね〜」

「ワタシは絶対勝つわ!」


ーーーーーーーーーーーーーーー


「どうかしら?
このスコアは?」

「ボクの方がスコア高いよ」

「え」


ーーーーーーーーーーーーーーー


「どうかしら?
このスピードは?
アタシの方が早いでしょう?」

「ボクとっくにゴールしてる」

「え?」

「遅い遅い」


ーーーーーーーーーーーーーーー


「どうかしらこの景品の数!」

「ボクの方が多いよ?」

「そんな!?」


ーーーーーーーーーーーーーーー


「言わなくてもわかるだろうけど...」

「うぅ...」

「まぁ、キミはよく頑張ったよ
でも、まだまだやり込みが
足りてないね」

「なんで勝てないのよ...」

「別に負けてもいいんじゃない?」

「ワタシは勝たなきゃいけないのよ
貴方に勝たなきゃ...意味がないのよ...」

「キミ、名前は?」

「え?あ、ワタシは
デーモンのティア・ホロヴィよ」

「ティアさんね
とても楽しかったよ
普通の人にならだいたい勝てる
でもボクには及ばないよ
まだまだだね」

「うぅ...確かに...」

「良ければだけど
また勝負してくれるかな?
キミとなら、退屈のしない
ゲームができるかもって」

「それって...?」

「またこのゲーセンで待ってるよ
あ、シンジも一緒だけどいいかな?」

「うん、うん!
また勝負しましょう!
次は絶対勝ってみせるから!」

「ボクも暇じゃないから
週末にしか対戦はできないよ?」

「それでもいい!
その方がどれだけ強くなったか
わかるでしょう?」

「じゃあ、また」

「待って!そういえば
貴方の名前は?」

「ボク?ボクは
蒼桐カツミって言います」

「アオギリ..カツミ....
覚えておくわ♪」

「...?
それでは、さようなら」

「えぇ、またね♪」



ゲームをやっててあそこまで
テンションが上がったのは
いつ以来だろう...
ここに来る楽しみが増えてよかったと思う



思ったとおり...♪
彼に勝って、その上で
契約を結ぶ...ふふっ
頑張るぞ〜♪
いつ勝てるかわかんないけど
17/02/18 02:02更新 / 紫酔染香*・ω・)ゞ
戻る 次へ

■作者メッセージ
ここまで読んでくださりありがとうございます
感想意見などありましたら参考にさせていただきます。

アオギリ君の休日編でした。

TOP | 感想 | RSS | メール登録

まろやか投稿小説ぐれーと Ver2.33