海賊稼業も楽じゃない
「実にいい天気だな、航海士よ」
「船長、いい加減に僕の名前覚えて下さいよ」
「悪いな、俺は四文字以上の名前は覚えられない体質なんだ」
「単に覚える気がないだけでしょう! なんで航海士って単語は覚えられるのに、人の名前は覚えないんですか!」
「そんなに俺に名前を覚えてもらいたいのか? 航海士、お前ちょっと気持ち悪いぞ」
「ぶっ飛ばすぞ」
その時、航海士の腹が間抜けな音を立てた。
「船長、お腹がすきました」
「奇遇だな。俺もだ」
「いや、俺もだじゃなくて。腹減ったなら何か作って下さいよ」
「それはコックに頼め」
「コックがいないから船長に言ってるんじゃないですか!」
「なぜいないんだ?」
「いなくなったんですよ! 僕達が美味しくいただくはずの食事を作るコックが逆に美味しくいただかれたからです!」
「そういえばそうだったな。あれはどう見ても美味しそうじゃなかったが、実際どうなんだ?」
「知りませんよ! お持ち帰りしたセルキーに聞いて下さい!」
「相手はセルキーだったか?」
「そうですよ! 船の横にひょっこり顔を出したセルキーを見て、船長がセルキーはツンデレらしいぞなんて言うからです!」
「言っただけだ。それを聞いたコックがツンデレ万歳! とか言いながら勝手に海に飛び込んで行っただけだぞ。俺のせいじゃない」
「どう考えてもあんたのせいでしょうが! 大体、この船に乗っていた連中は弱すぎです!」
「何を言っている。あいつらは数々の修羅場をくぐり抜けてきた猛者達だぞ。その証拠に今日まで敵船との戦いでは無敗だ」
「意思が弱いって言ってるんですよ! 魔物には完敗してるじゃないですか! おかげで、この船に残っているのは僕と船長だけですよ!」
「調子に乗って魔物のいる海に来たのが失敗だったな。平均してEカップ以上とは、凄まじい戦闘力だ。おかげで、船員達が我先にと海に飛び込んで行ったな」
「単に胸が好きなだけじゃないですか! どこが猛者ですか! これじゃ、単なるおっぱい好き集団ですよ!」
「おっぱいを嫌いな男はいない。よって、あいつらを責める権利は誰にもない」
「何ちょっといいこと言ったみたいな顔してんですか! 台詞の前半部分だけで台無しですよ!」
「では聞くが航海士よ、お前はおっぱいが嫌いなのか?」
「……大好きです」
「この話はここまでにしよう。そろそろ不毛だ。それで、なんの話だったか」
「食事の話です」
「おお、そうだったな。しかし、この船に食糧は残ってたか?」
「ないですね。船員が減っていく度に、食いぶちが減ったから、今日から一食の量が増えるぞと船長がのたまったからです」
「過去のことは海に流せ、航海士よ」
「じゃあ、流す代わりに食事を用意して下さい」
「仕方ないな。どれ、久しぶりに釣りでもするか」
「お願いします。できれば大物を」
「任せておけ。今日はでかいのが釣れる気がする。ちょっとホオジロザメでも一本釣りするとしよう」
「そんなの釣れるわけないじゃないですか! 食事にするどころか、逆に食事にされますよ!」
「俺は今日はフカヒレの気分だ。異論は認めない」
「そんなもん食べたことないでしょうが! もういいです! 僕が釣りますから、船長は進路を見てて下さい!」
「わかった、サメは諦める。では航海士、釣りは任せよう。食べたいものも、クジラの刺身に譲歩してやろう」
「そんな傲慢な譲歩があってたまるか! いいから船長は進路を見てて下さい!」
ぷんぷんしながら航海士は倉庫から釣り竿を持ってくると、釣り針を海に投げ入れた。
「まったく、あの船長は……っておおっ!? でかい! いきなり大物か!?」
「ああーん♥ 釣られちゃった〜♪ 今度はお兄さんの股の針で私を刺して♥」
海面から現れたのは魚ではなくメロウだった。釣り針は彼女の水着に引っ掛かっている。
「船長、言葉を話す半人半魚が釣れました」
「よし、リリースだ」
「了解」
素直に指示に従い、航海士は糸をハサミで切った。
「ちょっと〜! 私といいことしましょうよ〜!」
「戦闘力Dか。悪くないが、俺達の敵ではないな」
「ですね。最低でもE以上でないと」
その後、何度も釣りを試みる航海士だったが、まったく釣れる気配はなかった。
「船長、この辺りではまったく釣れる気がしないんですが」
「ふむ、仕方ない。ここはやはりプランBにしよう。駄目だった場合は、プランCも検討する」
「いや、待って下さい。僕、プランBもCも聞いてないですよ」
「プランBはサメだ」
「だから、そんなもん釣れるわけないでしょうが! プランCはクジラですか!? だったら最初から検討の余地なんかないですからね!」
「釣れない魚より釣れるクジラだ。贅沢を言うな」
「クジラ自体釣れないって言ってんですよ! 少しは常識を考えろ!」
「海賊に世の中の常識など不要だ。航海士、お前はちょっと真面目すぎるぞ」
「船長がおかしいんですよ! 大体―」
その時、船を大きな衝撃が襲った。
「っ!? なんだ、まさか岩礁か!?」
「知らん海だが、それはないだろう。だが、可能性がないともいえん。航海士、確認するぞ」
さすがの船長も今は真剣な顔だ。
「了解。さっそく船底に行きましょう」
「待て。俺達は二人しかいないんだ。ここは分担した方が効率的だ」
「それもそうですね。では、どうしますか?」
「うむ。航海士、お前は船底を調べろ。俺は甲板で待機する」
「僕に押し付ける気満々じゃないですか! 少しでも見直して損しましたよ!」
「何を言う。誰かが進路を見ていないといけないだろう。航海士のくせに、そんなことも分からんのか」
「船長に言われると滅茶苦茶腹が立つんですけど! 大体、進路に障害物は見えません! これなら、しばらくは見てなくても大丈夫です! そういうわけだから行きますよ!」
「やれやれ。仕方ないな」
渋々といった感じで、船長と航海士は船底に降りて行った。だが、どこにも穴は空いていなかった。
「おかしいですね。あれだけの衝撃なら、確実に穴が空いたはずですが」
「しかし、俺と航海士で二回は確認したが、どこにも穴はなかった。それは事実だ」
「ええ。だからおかしいんです。あの衝撃は一体なんだったのか……」
「結論は一つだ」
「船長は分かったんですか?」
「ああ。そういうわけだから航海士、釣り竿を持って甲板に行くぞ」
「は? どういうことですか?」
「ぶつかったのはクジラに違いない。よってプランCだ。よかったな航海士。食事が向こうからやってきたぞ」
「プランCじゃねーよ! いい加減サメやクジラを釣ることから頭を離せ!」
しかし、船長は釣り竿を持って看板に行ってしまった。
「船長! 馬鹿やってないでいい加減に―」
「航海士、これをどう思う?」
「どれだけ頑張ってもクジラは釣れません!」
「釣りじゃない。見ろ航海士。船がまったく進んでいない。それだけでなく、やたらと海面が近い」
「なっ!?」
「困ったぞ。これはさすがにクジラを釣ってる場合じゃないな」
「まだクジラ釣る気でいたのかよ! いい加減に現実を見ろ! 船が沈んでるんですよ!」
「穴がないのになぜ沈む。おかしいだろう」
「だから、その不思議なことが起こってんですよ! って、まだ沈んでく! 船長、本格的にやばいです! なんとかして下さい!」
「無理だ。祈れ」
「諦めてんじゃないですか!」
航海士が叫んだと同時に、ついに船は海に沈んだ。海に投げ出された二人はぷかぷかと海を漂いつつ、顔を見合わせる。
「無事のようだな、航海士。俺の祈りがきいたようだ」
「んなわけないでしょ。それより、これからどうするんです? 海のど真ん中に放り出されて、状況は絶望的なんですけど」
「そうだな。船のない海賊など、ただのチンピラだ。早めに新しい船を調達せねば」
「船より先に今の状況を心配しろ! このままじゃ、確実に海の藻屑ですよ! どうすんですか!」
「泳ぐしかないだろう。後は神頼みだ。行くぞ、航海ぶっ!?」
「船長!?」
航海士の目の前で、船長がいきなり海に引きずり込まれた。
「ちょっと船長!? 一体うおっ!?」
慌てて船長がいたところを探ろうとする航海士。そこで何かが体に絡みついてきたのだ。
「クラーケン!?」
引きずり込まれた海の中にいたのはクラーケンだった。部下なのか、隣りにはスキュラもいる。
「ん〜、大きい船なのに誰もいないと思ったら二人かぁ。少数精鋭ってやつかしら〜。じゃあ、私の好みはこっちかなぁ」
船長と航海士を見比べ、クラーケンが選んだのは船長だった。
「じゃあ、あっちの男はあたしにちょうだい!」
「いいわよぉ」
絡みついていた足が外れた。しかし、すぐに寄ってきたスキュラに航海士は捕まってしまう。
「航海士、どうやらこれまでだな。お互いにこれからは海中の住人だ」
「ちょっ、ちょっと船長! それはこの際いいですけど、相手を交換して下さい! 僕はクラーケンのお姉さんの方がいいです!」
「ふははははっ! 残念だったな航海士! 戦闘力が脅威のGであるパイオツカイデーなお姉さまは俺をご所望だ! お前は戦闘力たったのDであるその娘と乳繰り合うがいい!」
「あら〜、あなた、船長なのぉ? 私の目に狂いはなかったわぁ。お友達との挨拶はもういいかしら〜?」
「いえいえ、あれは友達じゃないです。その辺で拾った下っ端Aなんで」
「船長、てめぇぇ!」
「ちょっとあなた! Dカップのどこが不満なのよ! 言っておくけど、あなたが揉んだり、あたしを孕ませたりすれば、もっと大きくなるんだからね! さあ、さっそく子作りをしに行くわよ!」
「ちょ、戦闘力Dは駄目だって! アウトだから! 嫌だ〜!」
憤慨した様子のスキュラに、航海士は連れていかれた。
「さ、私達もいきましょ〜」
クラーケンも船長を連れて、ぐんぐん潜って行く。そして海底に到達すると、口から墨を吐き出し、辺りを覆ってしまう。
「不思議だ。景色は見えないのに、お姉さまはよく見える」
「ふふ、これで二人きりよ〜。船長さんは私だけを見てくれなきゃねぇ♥」
「最初からお姉さんしか見てませんから、ご安心を」
「あらぁ、嬉しいこと言ってくれるわね〜。 そんなこと言われたら興奮しちゃうじゃない♥」
クラーケンの足が船長に絡みついていき、彼女自身も船長へぴったりと密着するように抱きつく。
「おお、なんという弾力……! これが戦闘力Gか……!」
「ふふ、おっぱいが好きなの〜?」
「大好きです。お姉さんのは最高だ」
「じゃあ、たっぷり堪能してねぇ。 私も船長さんのアレ、堪能させてもらうわ〜」
クラーケンが豊満な胸をぐりぐりと押し付けつつ、足で器用に船長のズボンを脱がしていく。そしてすぐに、船長のアレが露わになった。
「さすが船長さん、立派なモノを持ってるわねぇ♥ とっても素敵よぉ♥」
解放された肉棒にクラーケンの足が巻きつき、ゆっくりと扱き始めた。それに合わせて、クラーケンもぎゅうぎゅうと胸を押し付けように体を揺する。
「ふふ、船長さんのおちんちん、固くて触り心地がいいわぁ♥ 体付きもしっかりしてるし、本当にいい男ねぇ♥」
「あ、あの、お姉さん……! 褒めてくれるのは嬉しいんですが、おっぱいと足のダブルで責められて、息子が今にも暴発しそうです……!」
「あらぁ、それは駄目よぉ。船長さんの精子は、全部お姉さんのマンコに出してくれなきゃ。私もそろそろ船長さんが欲しいし、挿れちゃうわねぇ♥」
言ったと同時にクラーケンが腰を動かし、船長の肉棒の先端に彼女の大事な部分があてがわれた。そのまま間を置かずに、肉棒が温かなぬめりの中へと呑み込まれていく。
「やぁん♥ 船長さんが入ってくるわぁ♥」
「ちょ、お姉さん……! 中、締め付けすぎ……!」
「だって、船長さんのおちんちんが擦れて気持ちよすぎるんだもの♥ 体が勝手に欲しがっちゃうのよぉ♥」
獲物を呑みこんでいく蛇のように、クラーケンの膣が肉棒を締め付けながら奥へと迎え入れていく。そして先端が少し固い未知のものにぶつかった瞬間、船長は大量の精液をぶちまけた。
「んぁぁぁぁっ♥ お腹の中に温かいのが……いっぱい……!」
少しの隙間もないくらいにクラーケンが両腕と全ての足で船長に抱き付く。船長が射精する度にその体が小刻みに震え、膣がもっと欲しいと催促するように収縮する。それに呼応するように、船長は溜まっていた精を吐き出し続けた。
「すごすぎる……」
長々と続いた射精が終わり、脱力する船長。どこかやり遂げた顔だ。
「じゃあ、もう一回戦いってみましょうか♥」
「え」
「船長さんは満足したかもしれないけど、私はまだ満足できてないわぁ。だ、か、ら。船長さんの子種、もっと私のお腹に注いで?」
甘えるような声で囁かれたと同時に、船長にとってはとんでもない破壊力を持つ巨乳をこれでもかと押し付けられ、肉棒が硬度を取り戻していく。
「やぁん♥ また大きくなったわね♥ ねえ船長さん、船長さんが頑張って私を孕ませてくれれば、このおっぱいももっと大きくなるわよぉ。そうなったら船長さんも嬉しいでしょ〜? だからね、もう一回エッチしましょ?」
「喜んで!」
二つ返事で了承した船長は、復活した肉棒をクラーケンの身体を膣ごと持ち上げる勢いで突き上げていく。
「ひぃん♥ 船長さんのおちんちん、とっても逞しいわぁ♥ もっとずんずん突いてぇ♥」
「任せて下さい!」
「や、あっ♥ そこはダメよぉ♥ あん♥」
「そんな声出されたら、もっとやっちゃいますよ!」
「んっ♥ もう、変態さんなんだから♥ お仕置きしちゃうわよぉ♥」
「男は皆、変態という名の紳士です! お仕置きして下さい!」
船長がお願いすると同時に、腰の辺りにクラーケンの足が巻き付き、拘束していく。それによって船長の腰を動けなくさせると、膣内が一気に収縮してぎゅうっと密着した。
「お、おおっ……! これは、すごっ……!」
「ほらほらぁ♥ 今度は私が責める番よぉ♥」
クラーケンがぐいぐいと腰を捻り、その度に先端が膣奥とぶつかり、そこが吸いついてくる。それは完全にオスから精を搾り取る動きだった。
「ちょ、お姉さん、それは反則……!」
「ふふ、また大きくなったわね〜♥ そろそろかしらぁ?」
「すいません、もう限界です……! ふ、ぉぉぉぉっ!」
「はぁぁぁぁっ♥ また出てる♥ いいわぁ、すごくいい♥」
「まだまだ、ですよ……!」
「すごい、まだ出るのね♥ 船長さんの白墨で、私の子宮が白く染められちゃってるわぁ♥」
嬌声を上げながらも、クラーケンの膣は貪欲に精を絞ろうと蠢く。船長はそれに呼応し、精を放ち続けた―。
一ヶ月後―。
「やんっ! もう、ちょっ、激しいんだから♥」
「こうされるのが好きなんでしょう!? あなたは変態ですからね!」
「お〜、見事に乳繰り合っているようだな」
「っ!? え!? 船長!?」
「おう、久しぶりだな、航海士」
「ちょっと! なんで爽やかな笑顔で当然のように夫婦の時間を覗き見してんですか!?」
「船長権限だ」
「ただの覗きじゃないですか! 大体、奥さんはどうしたんですか!?」
「ここにいるじゃないか」
「はぁい。元気だった? 下っ端Bさん」
「下っ端じゃねぇよ! 僕は航海士だ!」
「違う。元航海士だ。いつまで海賊気分でいるつもりだ。まったく、元航海士は女々しいやつだな」
「なんですか? 船長は僕に喧嘩を売りに来たんですか?」
「言った傍からこれだ。これだから下っ端は嫌なんだ。すぐ喧嘩腰になる。お前みたいなやつがいたから、俺達は壊滅したんだ」
「人のせいにすんな! 僕達が壊滅したのはあんたのせいでしょうが!」
「今では満足している」
「そこは反省しとけよ! 確かに満足はしていますけど!」
とある海賊団の末路はこんな感じだ。彼らは今日もどこかの海底を賑わわせていることだろう。
「船長、いい加減に僕の名前覚えて下さいよ」
「悪いな、俺は四文字以上の名前は覚えられない体質なんだ」
「単に覚える気がないだけでしょう! なんで航海士って単語は覚えられるのに、人の名前は覚えないんですか!」
「そんなに俺に名前を覚えてもらいたいのか? 航海士、お前ちょっと気持ち悪いぞ」
「ぶっ飛ばすぞ」
その時、航海士の腹が間抜けな音を立てた。
「船長、お腹がすきました」
「奇遇だな。俺もだ」
「いや、俺もだじゃなくて。腹減ったなら何か作って下さいよ」
「それはコックに頼め」
「コックがいないから船長に言ってるんじゃないですか!」
「なぜいないんだ?」
「いなくなったんですよ! 僕達が美味しくいただくはずの食事を作るコックが逆に美味しくいただかれたからです!」
「そういえばそうだったな。あれはどう見ても美味しそうじゃなかったが、実際どうなんだ?」
「知りませんよ! お持ち帰りしたセルキーに聞いて下さい!」
「相手はセルキーだったか?」
「そうですよ! 船の横にひょっこり顔を出したセルキーを見て、船長がセルキーはツンデレらしいぞなんて言うからです!」
「言っただけだ。それを聞いたコックがツンデレ万歳! とか言いながら勝手に海に飛び込んで行っただけだぞ。俺のせいじゃない」
「どう考えてもあんたのせいでしょうが! 大体、この船に乗っていた連中は弱すぎです!」
「何を言っている。あいつらは数々の修羅場をくぐり抜けてきた猛者達だぞ。その証拠に今日まで敵船との戦いでは無敗だ」
「意思が弱いって言ってるんですよ! 魔物には完敗してるじゃないですか! おかげで、この船に残っているのは僕と船長だけですよ!」
「調子に乗って魔物のいる海に来たのが失敗だったな。平均してEカップ以上とは、凄まじい戦闘力だ。おかげで、船員達が我先にと海に飛び込んで行ったな」
「単に胸が好きなだけじゃないですか! どこが猛者ですか! これじゃ、単なるおっぱい好き集団ですよ!」
「おっぱいを嫌いな男はいない。よって、あいつらを責める権利は誰にもない」
「何ちょっといいこと言ったみたいな顔してんですか! 台詞の前半部分だけで台無しですよ!」
「では聞くが航海士よ、お前はおっぱいが嫌いなのか?」
「……大好きです」
「この話はここまでにしよう。そろそろ不毛だ。それで、なんの話だったか」
「食事の話です」
「おお、そうだったな。しかし、この船に食糧は残ってたか?」
「ないですね。船員が減っていく度に、食いぶちが減ったから、今日から一食の量が増えるぞと船長がのたまったからです」
「過去のことは海に流せ、航海士よ」
「じゃあ、流す代わりに食事を用意して下さい」
「仕方ないな。どれ、久しぶりに釣りでもするか」
「お願いします。できれば大物を」
「任せておけ。今日はでかいのが釣れる気がする。ちょっとホオジロザメでも一本釣りするとしよう」
「そんなの釣れるわけないじゃないですか! 食事にするどころか、逆に食事にされますよ!」
「俺は今日はフカヒレの気分だ。異論は認めない」
「そんなもん食べたことないでしょうが! もういいです! 僕が釣りますから、船長は進路を見てて下さい!」
「わかった、サメは諦める。では航海士、釣りは任せよう。食べたいものも、クジラの刺身に譲歩してやろう」
「そんな傲慢な譲歩があってたまるか! いいから船長は進路を見てて下さい!」
ぷんぷんしながら航海士は倉庫から釣り竿を持ってくると、釣り針を海に投げ入れた。
「まったく、あの船長は……っておおっ!? でかい! いきなり大物か!?」
「ああーん♥ 釣られちゃった〜♪ 今度はお兄さんの股の針で私を刺して♥」
海面から現れたのは魚ではなくメロウだった。釣り針は彼女の水着に引っ掛かっている。
「船長、言葉を話す半人半魚が釣れました」
「よし、リリースだ」
「了解」
素直に指示に従い、航海士は糸をハサミで切った。
「ちょっと〜! 私といいことしましょうよ〜!」
「戦闘力Dか。悪くないが、俺達の敵ではないな」
「ですね。最低でもE以上でないと」
その後、何度も釣りを試みる航海士だったが、まったく釣れる気配はなかった。
「船長、この辺りではまったく釣れる気がしないんですが」
「ふむ、仕方ない。ここはやはりプランBにしよう。駄目だった場合は、プランCも検討する」
「いや、待って下さい。僕、プランBもCも聞いてないですよ」
「プランBはサメだ」
「だから、そんなもん釣れるわけないでしょうが! プランCはクジラですか!? だったら最初から検討の余地なんかないですからね!」
「釣れない魚より釣れるクジラだ。贅沢を言うな」
「クジラ自体釣れないって言ってんですよ! 少しは常識を考えろ!」
「海賊に世の中の常識など不要だ。航海士、お前はちょっと真面目すぎるぞ」
「船長がおかしいんですよ! 大体―」
その時、船を大きな衝撃が襲った。
「っ!? なんだ、まさか岩礁か!?」
「知らん海だが、それはないだろう。だが、可能性がないともいえん。航海士、確認するぞ」
さすがの船長も今は真剣な顔だ。
「了解。さっそく船底に行きましょう」
「待て。俺達は二人しかいないんだ。ここは分担した方が効率的だ」
「それもそうですね。では、どうしますか?」
「うむ。航海士、お前は船底を調べろ。俺は甲板で待機する」
「僕に押し付ける気満々じゃないですか! 少しでも見直して損しましたよ!」
「何を言う。誰かが進路を見ていないといけないだろう。航海士のくせに、そんなことも分からんのか」
「船長に言われると滅茶苦茶腹が立つんですけど! 大体、進路に障害物は見えません! これなら、しばらくは見てなくても大丈夫です! そういうわけだから行きますよ!」
「やれやれ。仕方ないな」
渋々といった感じで、船長と航海士は船底に降りて行った。だが、どこにも穴は空いていなかった。
「おかしいですね。あれだけの衝撃なら、確実に穴が空いたはずですが」
「しかし、俺と航海士で二回は確認したが、どこにも穴はなかった。それは事実だ」
「ええ。だからおかしいんです。あの衝撃は一体なんだったのか……」
「結論は一つだ」
「船長は分かったんですか?」
「ああ。そういうわけだから航海士、釣り竿を持って甲板に行くぞ」
「は? どういうことですか?」
「ぶつかったのはクジラに違いない。よってプランCだ。よかったな航海士。食事が向こうからやってきたぞ」
「プランCじゃねーよ! いい加減サメやクジラを釣ることから頭を離せ!」
しかし、船長は釣り竿を持って看板に行ってしまった。
「船長! 馬鹿やってないでいい加減に―」
「航海士、これをどう思う?」
「どれだけ頑張ってもクジラは釣れません!」
「釣りじゃない。見ろ航海士。船がまったく進んでいない。それだけでなく、やたらと海面が近い」
「なっ!?」
「困ったぞ。これはさすがにクジラを釣ってる場合じゃないな」
「まだクジラ釣る気でいたのかよ! いい加減に現実を見ろ! 船が沈んでるんですよ!」
「穴がないのになぜ沈む。おかしいだろう」
「だから、その不思議なことが起こってんですよ! って、まだ沈んでく! 船長、本格的にやばいです! なんとかして下さい!」
「無理だ。祈れ」
「諦めてんじゃないですか!」
航海士が叫んだと同時に、ついに船は海に沈んだ。海に投げ出された二人はぷかぷかと海を漂いつつ、顔を見合わせる。
「無事のようだな、航海士。俺の祈りがきいたようだ」
「んなわけないでしょ。それより、これからどうするんです? 海のど真ん中に放り出されて、状況は絶望的なんですけど」
「そうだな。船のない海賊など、ただのチンピラだ。早めに新しい船を調達せねば」
「船より先に今の状況を心配しろ! このままじゃ、確実に海の藻屑ですよ! どうすんですか!」
「泳ぐしかないだろう。後は神頼みだ。行くぞ、航海ぶっ!?」
「船長!?」
航海士の目の前で、船長がいきなり海に引きずり込まれた。
「ちょっと船長!? 一体うおっ!?」
慌てて船長がいたところを探ろうとする航海士。そこで何かが体に絡みついてきたのだ。
「クラーケン!?」
引きずり込まれた海の中にいたのはクラーケンだった。部下なのか、隣りにはスキュラもいる。
「ん〜、大きい船なのに誰もいないと思ったら二人かぁ。少数精鋭ってやつかしら〜。じゃあ、私の好みはこっちかなぁ」
船長と航海士を見比べ、クラーケンが選んだのは船長だった。
「じゃあ、あっちの男はあたしにちょうだい!」
「いいわよぉ」
絡みついていた足が外れた。しかし、すぐに寄ってきたスキュラに航海士は捕まってしまう。
「航海士、どうやらこれまでだな。お互いにこれからは海中の住人だ」
「ちょっ、ちょっと船長! それはこの際いいですけど、相手を交換して下さい! 僕はクラーケンのお姉さんの方がいいです!」
「ふははははっ! 残念だったな航海士! 戦闘力が脅威のGであるパイオツカイデーなお姉さまは俺をご所望だ! お前は戦闘力たったのDであるその娘と乳繰り合うがいい!」
「あら〜、あなた、船長なのぉ? 私の目に狂いはなかったわぁ。お友達との挨拶はもういいかしら〜?」
「いえいえ、あれは友達じゃないです。その辺で拾った下っ端Aなんで」
「船長、てめぇぇ!」
「ちょっとあなた! Dカップのどこが不満なのよ! 言っておくけど、あなたが揉んだり、あたしを孕ませたりすれば、もっと大きくなるんだからね! さあ、さっそく子作りをしに行くわよ!」
「ちょ、戦闘力Dは駄目だって! アウトだから! 嫌だ〜!」
憤慨した様子のスキュラに、航海士は連れていかれた。
「さ、私達もいきましょ〜」
クラーケンも船長を連れて、ぐんぐん潜って行く。そして海底に到達すると、口から墨を吐き出し、辺りを覆ってしまう。
「不思議だ。景色は見えないのに、お姉さまはよく見える」
「ふふ、これで二人きりよ〜。船長さんは私だけを見てくれなきゃねぇ♥」
「最初からお姉さんしか見てませんから、ご安心を」
「あらぁ、嬉しいこと言ってくれるわね〜。 そんなこと言われたら興奮しちゃうじゃない♥」
クラーケンの足が船長に絡みついていき、彼女自身も船長へぴったりと密着するように抱きつく。
「おお、なんという弾力……! これが戦闘力Gか……!」
「ふふ、おっぱいが好きなの〜?」
「大好きです。お姉さんのは最高だ」
「じゃあ、たっぷり堪能してねぇ。 私も船長さんのアレ、堪能させてもらうわ〜」
クラーケンが豊満な胸をぐりぐりと押し付けつつ、足で器用に船長のズボンを脱がしていく。そしてすぐに、船長のアレが露わになった。
「さすが船長さん、立派なモノを持ってるわねぇ♥ とっても素敵よぉ♥」
解放された肉棒にクラーケンの足が巻きつき、ゆっくりと扱き始めた。それに合わせて、クラーケンもぎゅうぎゅうと胸を押し付けように体を揺する。
「ふふ、船長さんのおちんちん、固くて触り心地がいいわぁ♥ 体付きもしっかりしてるし、本当にいい男ねぇ♥」
「あ、あの、お姉さん……! 褒めてくれるのは嬉しいんですが、おっぱいと足のダブルで責められて、息子が今にも暴発しそうです……!」
「あらぁ、それは駄目よぉ。船長さんの精子は、全部お姉さんのマンコに出してくれなきゃ。私もそろそろ船長さんが欲しいし、挿れちゃうわねぇ♥」
言ったと同時にクラーケンが腰を動かし、船長の肉棒の先端に彼女の大事な部分があてがわれた。そのまま間を置かずに、肉棒が温かなぬめりの中へと呑み込まれていく。
「やぁん♥ 船長さんが入ってくるわぁ♥」
「ちょ、お姉さん……! 中、締め付けすぎ……!」
「だって、船長さんのおちんちんが擦れて気持ちよすぎるんだもの♥ 体が勝手に欲しがっちゃうのよぉ♥」
獲物を呑みこんでいく蛇のように、クラーケンの膣が肉棒を締め付けながら奥へと迎え入れていく。そして先端が少し固い未知のものにぶつかった瞬間、船長は大量の精液をぶちまけた。
「んぁぁぁぁっ♥ お腹の中に温かいのが……いっぱい……!」
少しの隙間もないくらいにクラーケンが両腕と全ての足で船長に抱き付く。船長が射精する度にその体が小刻みに震え、膣がもっと欲しいと催促するように収縮する。それに呼応するように、船長は溜まっていた精を吐き出し続けた。
「すごすぎる……」
長々と続いた射精が終わり、脱力する船長。どこかやり遂げた顔だ。
「じゃあ、もう一回戦いってみましょうか♥」
「え」
「船長さんは満足したかもしれないけど、私はまだ満足できてないわぁ。だ、か、ら。船長さんの子種、もっと私のお腹に注いで?」
甘えるような声で囁かれたと同時に、船長にとってはとんでもない破壊力を持つ巨乳をこれでもかと押し付けられ、肉棒が硬度を取り戻していく。
「やぁん♥ また大きくなったわね♥ ねえ船長さん、船長さんが頑張って私を孕ませてくれれば、このおっぱいももっと大きくなるわよぉ。そうなったら船長さんも嬉しいでしょ〜? だからね、もう一回エッチしましょ?」
「喜んで!」
二つ返事で了承した船長は、復活した肉棒をクラーケンの身体を膣ごと持ち上げる勢いで突き上げていく。
「ひぃん♥ 船長さんのおちんちん、とっても逞しいわぁ♥ もっとずんずん突いてぇ♥」
「任せて下さい!」
「や、あっ♥ そこはダメよぉ♥ あん♥」
「そんな声出されたら、もっとやっちゃいますよ!」
「んっ♥ もう、変態さんなんだから♥ お仕置きしちゃうわよぉ♥」
「男は皆、変態という名の紳士です! お仕置きして下さい!」
船長がお願いすると同時に、腰の辺りにクラーケンの足が巻き付き、拘束していく。それによって船長の腰を動けなくさせると、膣内が一気に収縮してぎゅうっと密着した。
「お、おおっ……! これは、すごっ……!」
「ほらほらぁ♥ 今度は私が責める番よぉ♥」
クラーケンがぐいぐいと腰を捻り、その度に先端が膣奥とぶつかり、そこが吸いついてくる。それは完全にオスから精を搾り取る動きだった。
「ちょ、お姉さん、それは反則……!」
「ふふ、また大きくなったわね〜♥ そろそろかしらぁ?」
「すいません、もう限界です……! ふ、ぉぉぉぉっ!」
「はぁぁぁぁっ♥ また出てる♥ いいわぁ、すごくいい♥」
「まだまだ、ですよ……!」
「すごい、まだ出るのね♥ 船長さんの白墨で、私の子宮が白く染められちゃってるわぁ♥」
嬌声を上げながらも、クラーケンの膣は貪欲に精を絞ろうと蠢く。船長はそれに呼応し、精を放ち続けた―。
一ヶ月後―。
「やんっ! もう、ちょっ、激しいんだから♥」
「こうされるのが好きなんでしょう!? あなたは変態ですからね!」
「お〜、見事に乳繰り合っているようだな」
「っ!? え!? 船長!?」
「おう、久しぶりだな、航海士」
「ちょっと! なんで爽やかな笑顔で当然のように夫婦の時間を覗き見してんですか!?」
「船長権限だ」
「ただの覗きじゃないですか! 大体、奥さんはどうしたんですか!?」
「ここにいるじゃないか」
「はぁい。元気だった? 下っ端Bさん」
「下っ端じゃねぇよ! 僕は航海士だ!」
「違う。元航海士だ。いつまで海賊気分でいるつもりだ。まったく、元航海士は女々しいやつだな」
「なんですか? 船長は僕に喧嘩を売りに来たんですか?」
「言った傍からこれだ。これだから下っ端は嫌なんだ。すぐ喧嘩腰になる。お前みたいなやつがいたから、俺達は壊滅したんだ」
「人のせいにすんな! 僕達が壊滅したのはあんたのせいでしょうが!」
「今では満足している」
「そこは反省しとけよ! 確かに満足はしていますけど!」
とある海賊団の末路はこんな感じだ。彼らは今日もどこかの海底を賑わわせていることだろう。
13/05/26 23:38更新 / エンプティ