連載小説
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恋文を届けに
 晴れた空でのんびりと雲が動く。
 どこまでも続きそうなのどかな道で、少し前に出会った旅人の男性から聞いた話を彼女は繰り返した。
「領主かぁ。あの子、そういうタイプじゃなかった気がするんだけどなぁ……」
 鍔の広い黒い帽子を人差し指で軽く押し上げ、何かを思い出すように空を仰ぐ。
 少しの間考えるように首を傾げていた彼女だったが、すぐに前方の道を見やった。
「ま、会えばわかるかな。今までもそうだったし」
 屈託なく笑うと、彼女は歩き出す。
 軽い足取りに、うなじの辺りで結ったさらさらの金髪が尻尾のように揺れた。
前編13/02/13 00:17
中編13/02/25 23:55
後編13/03/12 00:00
エピローグ13/03/19 00:39
おまけ13/03/19 00:39

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まろやか投稿小説ぐれーと Ver2.33