序章 ー傭兵の日常ー
この国の男なら、誰しもが夢見る『竜騎士』。
あの気高く雄々しい竜に跨り、国の為に戦う。
この国の男たちはその姿に憧れ、自分も竜騎士になりたいと日々精進する者が多かった。
しかし、竜騎士になれるのは極数名である。
例えどれだけ武器の扱いに優れていても、どれだけ竜騎士としての知識を有していても、竜が主と認めない限り絶対だ。
俺も幼い頃にみた竜騎士達の天高く舞う姿を見て、自分もあんな風になりたいと思い、日々精進をしてきた。
誰よりも寸暇を惜しみ鍛え、血が滲む程に努力をしてきた。
勉強の方も一切手を抜かず、完璧とはいかなくとも十分な知識を手にした。
全ては竜騎士になりたいという夢を叶える為に。
…しかし、現実は残酷だった。
竜は俺に見向きもしなかったのだ。
つまり、俺は最初から竜騎士になれなかったということだった。
あれだけ努力をしたというのに。
あれだけ嫌な勉強も竜騎士になる為だと我慢してきたのに。
こうなって俺は自暴自棄になり、国を出てフラフラとした挙句、ただの傭兵となっていた。
そんなこんなで国を出てから早5年が経とうとしていた。
俺の名前はシェイン。
先程も説明したが、竜騎士になり損ねた、ただの傭兵である。
「…行くか。」
俺は泊まっていた宿屋から出てギルドお抱えの酒場へ向かい、依頼を確認する。
依頼は、レスカティエ教国からの依頼だ。
近々、魔物共がこちらに侵攻しつつある。
傭兵諸君には我ら教団の指示の元で、魔物の撃退、又は討伐をお願いしたいとのことだ。
報酬の方も見てみれば、金貨10枚となかなか美味しい仕事でもあるように思えるが…。
(…やはり魔物が相手だと相当らしいな。)
魔物は読んで字の如く、人々を無惨に殺す化け物以外にあり得ない。
俺も何度か命を狙われたが、竜騎士として努力してきたのが幸いだったのか、魔物を返り討ちにしてきた。
レスカティエ教国の奴らは俺のことをを知って、わざわざ俺にまで依頼をしてきたのだろう。
(しかし、報酬はなかなかのものだ。)
報酬の事を考えてみるとかなり危険も伴うがやる価値はある。
俺はその事を考えて、この依頼を受ける事にした。
それからすぐに宿屋に戻って荷物を持ち、俺はレスカティエ教国へ向かった。
…依頼を受けた傭兵の数は俺含め約100人。
魔物相手にこの数は少ないと思うが、相手が魔物だと聞いて身の危険を感知し、身を引いた傭兵も沢山居るだろう。
だが、それ位ならレスカティエ教国がなんとかしてくれるだろう。
なんと言っても、レスカティエ教国とは世界一の勇者産出国である。
俺みたいな傭兵とは違い、勇者とは神とやらの加護を受け、魔物を簡単に倒す力を誇る力を持っている奴らばかりだ。
正直、その勇者とやらが居れば何も傭兵如きが出る幕も無いかもしれないが、勇者達は最後の切り札みたいな感じなんだろう。
言わば出し惜しみとかいうやつかな?
…まあ、どうでもいいが。
それはともかく、それから俺たち傭兵は、教団騎士から今回の依頼の話と作戦を聞き、解散となった。
とりあえず今日は移動や説明を聞くのに疲れたので、レスカティエの宿屋で部屋を借りて、寝ることにした。
そこまでは何も変哲もない傭兵としての日常。
だがそれは、あの変わり果てたこの街を見るまではの話だった。
あの気高く雄々しい竜に跨り、国の為に戦う。
この国の男たちはその姿に憧れ、自分も竜騎士になりたいと日々精進する者が多かった。
しかし、竜騎士になれるのは極数名である。
例えどれだけ武器の扱いに優れていても、どれだけ竜騎士としての知識を有していても、竜が主と認めない限り絶対だ。
俺も幼い頃にみた竜騎士達の天高く舞う姿を見て、自分もあんな風になりたいと思い、日々精進をしてきた。
誰よりも寸暇を惜しみ鍛え、血が滲む程に努力をしてきた。
勉強の方も一切手を抜かず、完璧とはいかなくとも十分な知識を手にした。
全ては竜騎士になりたいという夢を叶える為に。
…しかし、現実は残酷だった。
竜は俺に見向きもしなかったのだ。
つまり、俺は最初から竜騎士になれなかったということだった。
あれだけ努力をしたというのに。
あれだけ嫌な勉強も竜騎士になる為だと我慢してきたのに。
こうなって俺は自暴自棄になり、国を出てフラフラとした挙句、ただの傭兵となっていた。
そんなこんなで国を出てから早5年が経とうとしていた。
俺の名前はシェイン。
先程も説明したが、竜騎士になり損ねた、ただの傭兵である。
「…行くか。」
俺は泊まっていた宿屋から出てギルドお抱えの酒場へ向かい、依頼を確認する。
依頼は、レスカティエ教国からの依頼だ。
近々、魔物共がこちらに侵攻しつつある。
傭兵諸君には我ら教団の指示の元で、魔物の撃退、又は討伐をお願いしたいとのことだ。
報酬の方も見てみれば、金貨10枚となかなか美味しい仕事でもあるように思えるが…。
(…やはり魔物が相手だと相当らしいな。)
魔物は読んで字の如く、人々を無惨に殺す化け物以外にあり得ない。
俺も何度か命を狙われたが、竜騎士として努力してきたのが幸いだったのか、魔物を返り討ちにしてきた。
レスカティエ教国の奴らは俺のことをを知って、わざわざ俺にまで依頼をしてきたのだろう。
(しかし、報酬はなかなかのものだ。)
報酬の事を考えてみるとかなり危険も伴うがやる価値はある。
俺はその事を考えて、この依頼を受ける事にした。
それからすぐに宿屋に戻って荷物を持ち、俺はレスカティエ教国へ向かった。
…依頼を受けた傭兵の数は俺含め約100人。
魔物相手にこの数は少ないと思うが、相手が魔物だと聞いて身の危険を感知し、身を引いた傭兵も沢山居るだろう。
だが、それ位ならレスカティエ教国がなんとかしてくれるだろう。
なんと言っても、レスカティエ教国とは世界一の勇者産出国である。
俺みたいな傭兵とは違い、勇者とは神とやらの加護を受け、魔物を簡単に倒す力を誇る力を持っている奴らばかりだ。
正直、その勇者とやらが居れば何も傭兵如きが出る幕も無いかもしれないが、勇者達は最後の切り札みたいな感じなんだろう。
言わば出し惜しみとかいうやつかな?
…まあ、どうでもいいが。
それはともかく、それから俺たち傭兵は、教団騎士から今回の依頼の話と作戦を聞き、解散となった。
とりあえず今日は移動や説明を聞くのに疲れたので、レスカティエの宿屋で部屋を借りて、寝ることにした。
そこまでは何も変哲もない傭兵としての日常。
だがそれは、あの変わり果てたこの街を見るまではの話だった。
15/05/22 03:50更新 / 放浪な風来人
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