どこまでも続く砂の海の一角に、岩が突き出ている場所があった。だがよくよく見ればその岩は妙に角ばっており、砂に半ば埋もれた建物の残骸であることが分かるだろう。
　建物の名残は砂漠のあちこちに点々と顔を出しており、かなりの広範囲に建物があったことを示している。そう、この辺り一帯は遺跡なのだ。
　はるか昔、半年に一度雨季が訪れていた頃、この辺りにも人は住んでいた。だが、気候の変化による雨季の消滅と、徐々にどこからともなく吹き込んでくる砂に、支配者を含めたすべての人々は街を捨てることとなった。
　その後、街は幾度となく砂に埋もれ、風によって掘り起こされを繰り返しながら、幾度も太陽が天を巡るのを過ごしていた。
　そして、数度目か数十度目か、数える者もおらぬまま砂に埋まっては顔を出しを繰り返した遺跡に向け、二つの足跡が刻まれていた。
　一つは右と左の靴によって刻まれた、人間の物だ。しかしもう一つは砂の上に右に左に揺れる一本の線を刻んだ、足による物ではない足跡だった。
　風によって徐々に消えゆく足跡を追っていくと、街の名残の縁の辺りに二つの影があった。一つは砂色の布で身体を覆った人間で、もう一つは青黒い半人半蛇の魔物だった。
「やっとだ…やっと見つけたぞ…！」
　半人半蛇の魔物が、砂から顔を出す角ばった岩の群れに向け、感極まったように声を漏らした。
「砂漠に消えた、霞の町…ついに見つけたぞ…！」
「うん、そうだね」
　砂色の布に身を包んだ人間が、傍らの魔物の言葉に頷いた。布の下から響いた男の声は、どこか冷めていた。
「ククク、見た所ここのファラオは未だ目覚めておらぬ様子…！ならば私が先にこの街を支配し、美しい黒と赤で辺りを塗りつぶしてくれようぞ！」
「うん、そうだね」
　先ほどと全く同じ言葉を男は布の下から繰り返した。
「さあ、善は急げだ！手始めにその辺に眠っているであろう包帯ぐるぐるを叩き起こすぞ！」
　青黒い半人半蛇の魔物、アポピスはそう言うと、すぐそばにある砂から顔を出した建物の残骸に向けて蛇身を操り、近づいて行った。
「……」
　布をまとった男は一度背後を振り替えると、砂の上を進み始めた。


「…誰も、おらんかったな…」
　数時間後、太陽が地平線の下に沈み、月が顔を出す頃、アポピスは建物の合間に座り込んだまま呆然と呟いた。
「そりゃそうだ。伝承をまとめた本にたまに顔を出すだけだ。遺跡の管理者の話も出てこないような遺跡に、誰か残っていると思うか？」
　アポピスの向かい、たき火を挟んで座る男が、うなだれる魔物に向けて行った。
「いや、でも本当に道のりが過酷で、誰もたどり着けなかったとか…」
「『イブリオス帝４年』」
　男は傍らの荷物から手帳を出すと、ページをめくって文章を読み上げた。
「『七の月：遥か西の砂の都より多くの民が我が国へとやってきた。砂に埋もれつつある故郷を離れ、新たなる土地を目指したところ、我が国にたどり着いたらしい』…完全に街を捨てたって書いてあるな」
「ううううう…」
　男の言葉に、アポピスは声を漏らした。この遺跡を目指す間、幾度となく繰り返された一節ではあるが、アポピスはそのたびに眠る者はいると主張していたのだ。完全に自説が否定されてしまった今、アポピスには呻くことの他、何もできなかった。
「それで…お前はどうする？」
　ぱたん、と音を立てて手帳を閉じると、彼は向かいの魔物に尋ねた。
「俺は予定通りこの遺跡を調査するつもりだが、お前はどうする？」
　そう、男は遺跡の調査のため、アポピスはここに居ると思っていたファラオと言った魔物を自らの支配下に置くため、共に旅をしていたのだ。だが、ここが完全に無人の遺跡である以上、アポピスにはここに留まる理由は無かった。
「つ、次の遺跡を…」
「一人で行けるのか？」
　男の問いに、アポピスは青い肌に包まれた肩を震わせた。その意味はただ一つ。彼女一人では、砂漠を渡ることはできないのだ。
「仮に行けたとしても、そこのファラオが既に目覚めていたらどうする？」
「そ、その時は噛みついて毒パワー炸裂で…」
「『アバラン帝２年　４の月』」
　男は手帳を開き、内容を読み上げた。
「『アバラン帝即位一周年を祝うため、西の砂の国より王子がやってきた。しかし我が国と砂の国の友好を快く思わぬ悪漢が、王子を襲撃した。我が国の警備に紛れ込んでの襲撃だったが、砂の国から連れてきたという王子の警備によって悪漢は取り押さえられた。いや、砂の国の警備が雲を突くような悪漢を囲んで錫杖で叩いているのを、我が国の警備兵が引き止めたというところだ』」
　ぱたん、と手帳を閉じ、男は顔を上げた。
「噛みつけるといいな」
「うううううう」
　砂漠のどこの国の話かは定かではないが、少なくともどこかの国の警備兵の強さは、アポピスの心を萎えさせるに十分だったようだ。
「どうだ、ここいらで一つ、野望も忘れて静かに過ごしてみたらどうだ？」
「そ、そんなこと…」
「俺がここの調査を終えて、別の遺跡に向かうだろ？その先で、お前の野望を素直にかなえさせてくれるような遺跡が都合よくあらわれると思うか？」
「お、思う…わな…いやおも…」
「確率はかなり低い」
　どっちとも答えかねているアポピスに、男はそう言った。
「かなり辛いかもしれないが、叶わぬ夢を追いかけ続けるより、ここらで足を止めてもいいんじゃないか？」
「……もう寝る…」
　アポピスは搾り出すように言葉を紡ぎ出すと、たき火の側でとぐろを巻き、その上に身体を伏せた。
　両腕の上に顔を伏せているため、表情は伺えない。
「…お休み…」
　男は彼女に向けてそう言うと、日誌に筆を走らせた。
　しばしの間、木材が炙られて爆ぜる音が響く。
「…そうだ！」
　不意にアポピスが、がばと音を立てるような勢いで身を起こした。
「なければ作ればよいのだ！」
「何をだ」
「私が支配するべき王国を、今、この場所に作るのだ！」
「？」
　突然起き上がったアポピスの言動に、男は首をかしげた。
「だーかーらー！私が王国作る！そこを乗っ取る！万歳！」
　アポピスはとぐろを解き、たき火を迂回しながら男の方ににじり寄りながら、そうまくしたてた。
「分かる！？」
「分からない」
「何で！？」
　寒ければ服を着ればいい。そんな簡単な事実さえ分からないのか、というような顔でアポピスは男に吠えるように問いかけた。
「国を作ると言ったって、いったいどこから人を集めればいいんだ？発掘隊が集まればそれなりの人数になるとは思うが…」
「国民は後でいい！必要なのは、『ここが国だ！』って宣言する王様だけ！」
　確かにアポピスの言うことにも一理はある。聞くところによると、遠い昔に国民が国を捨て去り、唯一取り残されたファラオが一人で切り盛りしている遺跡があるという。それでも彼女はそこを国だと主張しているが、本人がそう主張するならそうなのだろうというのが学会の見解だった。
　アポピスのやろうとしていることは、それと似たことなのだろう。だが、一つだけ問題があった。
「国王…というかファラオはどうするんだ？」
「お前だ」
「そうか。いや待て」
　当たり前のような顔での即答に、男は一瞬その内容を理解しきれなかった。
「俺？」
「そうだ。今更他に人を連れてくるわけにもいかないし、ファラオを引っ張ってこれると思うか？」
　確かにそうだ。今この場にいるのはアポピスと彼だけ。アポピスが王になるとでも言いださない限り、男の方が王になるのは当たり前のことだった。
「いやいやいや」
　アポピスの論理に対し、男は首を振った。
「俺はまだ行きたいところとかあるから、この遺跡に留まる気はないぞ」
「視察とか言って他の国を見まわってもいいじゃない？」
「それもそうだけど、そもそも俺は王とか言う器じゃないし」
「すぐに私が乗っ取ってあげるから、お飾りでいいのよ」
　面と向かってお飾りと言われたことに、男はそれなりに心理的なダメージを受けた。実際のところ彼は研究者で、王になる気は一分もないことに変わりはないが。
「それじゃ、おめでとう」
「何だ急に」
「国王就任おめでとう、ええと…アポピス大帝国初代皇帝」
「俺の名前じゃないのか」
　国名の時点で誰が本当の支配者かモロ分かり過ぎることに、男は呻くように漏らした。すると、アポピスの表情にふと笑みが宿る。目を細め、口の端をわずかに吊り上げる、見る者の背筋をぞくりとさせるような淫靡な笑みだ。
「そして、私のために国を作ってくれてありがとう」
　アポピスがそう言葉を紡いだ直後、彼女の藍色の鱗に覆われた蛇体が跳ねた。男が一瞬衝撃を感じた直後、彼は自身の体に蛇体が巻き付いていることに気が付いた。
「何を…」
　言葉を紡ぐ間もなく男の唇にアポピスのそれが覆いかぶさる。
「んぅ…！？」
　突然のキスに男が目を見開くが、彼は抵抗らしい抵抗をしなかった。蛇体が男の腕を締め上げているうえ、彼女の唇の柔らかさが男の意識に食い込んでいくからだ。艶を帯びた粘膜が、男の唇を押し開き、唾液で濡れた柔らかな肉でくすぐる。
「ん…ちゅ…んむ…」
　この遺跡までの道中、幾度となく言葉を交わしたアポピスが、自身と唇を重ねている。男は彼女が嬉々として『遺跡を手に入れたらどうするか』『ファラオを見つけたらどうするか』を語ったことを思い出していた。そして、彼女が言葉を紡いでいた唇が、自分に触れている。
「ん…ぷはぁ…」
　アポピスが唇を離し、短く息を吐いた。興奮の熱と湿り気を帯びた吐息だった。
「はぁはぁ…ふふ、期待していてくれたの…？」
　彼女は荒く息を吐きながらも、蛇体を軽く波打たせ、ズボンの下で自己主張する屹立を確かめた。
「ここに来るまでの間、私とこういうことしたいって考えてたんでしょ…？」
「お、俺は…」
　男は一瞬言葉に詰まった。砂漠を横断しながら、アポピスに対して密かに劣情を抱いたことを否定しきれなかったからだ。昼間に砂漠を進む間、アポピスの揺れる乳房に目を奪われた。夜を過ごす間、横になったアポピスの腰から蛇体にかけての曲線がまぶたの裏に焼きついた。幾度となく、アポピスに触れたくなった。だが、そこで手を出してしまえば、遺跡にたどり着けないことは理解していた。だから、手を出さなかったのだ
「俺は…」
「私は期待してた」
　男が自身の心理を説明しようとしたところで、アポピスが口を開いた。
「最初は、ここを目指すだけだったけど、だんだんとあなたと一緒に旅をしているのが楽しくなってた。もう、遺跡なんかに着かなければいいってぐらい…でも、着いてしまった」
　アポピスの青みを帯びた指先が男の頬に触れ、そっとなでる。
「あなたは遺跡のため、私はアポピスとしての役割のため、一緒に行動していた。でも、それもおしまい…これからは、王様のあなたと一緒に居られる…！」
　アポピスが唇の端を釣り上げると、妙に鋭い歯が覗いた。アポピスが魔物であることを示す、蛇の牙だ。
　直後、アポピスは上体を倒し、男の首筋に唇を触れさせた。キスの間に感じていた粘膜の柔らかさの直後、彼は痛みを感じた。牙が首に刺さったのだ。アポピスの牙は男の血管に浅く潜り込むと、毒液を注入した。一瞬の冷たさの直後、男は体液が燃え上がるような熱を感じた。
「が…あぁ…！」
「…大丈夫…死にはしない…」
　アポピスは舌先で傷跡を軽く舐めて止血を行うと、男を安心させるように言った。しかし男の体は、蛇体の中でぶるぶると震えていた。
（な、何が…？）
　全身の血管の中を熱湯が巡るような熱と、冬の雪山にいるかのような悪寒が同時に襲う中、彼は自問した。だが、答えが出るよりも先に、体内の熱が股間に集まっていくのを感じた。
「そろそろ…か？」
　アポピスは蛇体を少しだけ緩めると、自身の鱗と男の衣服の間に手を差し入れ、屹立の様子を確かめた。彼のそこはアポピスが毒を注射する前に比べ、一回りは大きくなっている様だった。
「ふふ…さあ、王国共々、私の物になってくれ…！」
　アポピスが言葉を紡ぎ、ズボンの内側から屹立を取り出す。そして腰の位置を軽く動かすと、アポピスは自身の内側に男を迎え入れた。
　腰を密着させているため、男にはアポピスの陰部がどうなっているのか全く見えなかった。だが屹立を包み込む感触は男の意識に深く染み込み、自身がどのような責めを受けているのかと想像を膨らませた。
「お、おぉぉ…」
「内側で、小さな蛇に巻き付かれているようだろう？」
　アポピスの締め付けの強さは、彼女が例えた通り強かった。しかしただ強いだけでなく、胎内を満たす肉の柔らかさと相まって、強い快感をもたらしていた。
　張り出したカリ首を襞がなぞりあげ、浮かび上がる血管を膣肉が辿る。そして発達したアポピスの括約筋が屹立全体を締め付け、緩やかに揉んでいた。
「あぁ…私の中に…！」
　男が膣肉を感じる一方、アポピスもまた彼自身を感じていた。胎内に一緒に旅をしてきた相手がいるという事実とともに、肉体的な快感によってアポピスが軽く背筋を反らす。男に押し当てられていた乳房が押しつぶされ、シャツ越しに柔らかな肉の感触が伝わる。
「もっと、感じさせて…！」
　アポピスは両腕を男の背中に回すと、やや強めに彼を抱きしめた。同時に、蛇体が鱗の擦れる音を出しながら男を締め付ける。
　全身をアポピスに抱きしめられているという感触に、男は自身の興奮が限界に達するのを感じた。
「…！」
　屹立が数度脈打った直後、アポピスの膣内に白濁が迸った。尿道を押し広げて駆け上っていく粘液の感触に、彼は全身を痙攣させた。
「あ…熱…」
　腹の奥に叩き付けられる粘液の熱に、アポピスが声を漏らす。精液に籠った熱は、まるで男の屹立に集中していた熱が移ったかのようだった。だが、射精を経てもなお体内の熱は高まり、屹立はますます猛っていくばかりだった。
「はぁ、はぁ…！」
「あはぁ…こんなにたくさん…！」
　アポピスが臍の裏程に感じる熱に声を漏らした。魔物としての、雌としての本能を満たされる悦びに、その声は震えていた。
　だが、たった一度で満足するほど魔物の本能はつましいものではなかった。
「はぁはぁ…」
「あぁ…もっとぉ…」
　アポピスが上ずった声で男に囁き、腰を揺する。二人の性器の間から濡れた音が響き、男に刺激と快感をもたらした。
「うぁ…」
　屹立に絡み付く、濡れた肉の感触が彼の腰の奥を疼かせた。射精直後の敏感な状態にもたらされた快感は、もはや苦痛に近いものだった。本来ならば休憩をはさんでもらいたいところであったが、彼の肉棒やアポピスは次の一戦に向けて臨戦状態であった。肉棒は固く大きく、一度射精したと思えぬほどそそり立っており、アポピスの胎内は溢れ出す愛液と注がれた精液によってぬめっていた。
　屹立に粘液をまとった膣肉が絡み付き、濡れた音を立てる。
「う、うぅぅ…」
　滑る膣肉の感触に男が声を漏らすと、アポピスは男を抱きしめながら続けた。
「がんばってね…私の王様…」



　翌日。火の消えたたき火の傍らに、男とアポピスが横たわっていた。
　二人とも着衣は乱れ、肌には砂がへばりついている。アポピスの顔は至福に満ちており、男の方はいくらかの疲労が滲んでいるようだった。
「うぅ…」
　差し込む朝日に、男が呻きながら目を覚ます。そして身を起こすと、彼はアポピスの姿に目を見開いた。
「そうか、俺…」
　傍らに横になり、寝息を静かに重ねるアポピス。彼女の様子に、彼は昨夜のことを思い出した。
　アポピスの力によるものか、疲労は溜まれども枯れることなく、幾度となく行為を繰り返すことができた。だがやがて限界が訪れ、どちらからともなく眠りに落ちたのだ。
「いや、そうじゃない」
　回数やいつ眠ったかなどどうでもいいのだ。重要なのは、アポピスによって王に祭り上げられ、そのまま身体を重ねてしまったことだ。
「…どうしよう」
　結婚、統治、諸外国へのあいさつ回り。そんな言葉がぐるぐると脳裏を回転する。もはや遺跡調査などしている場合ではない。
「ん…んぅ…」
　するとアポピスが低く呻いて、目を擦りながら身を起こした。
「ふぁぁ…おはよう、国王…」
「やっぱり国王なのか…」
　昨夜の出来事が落胆のテンションによるものではないと認識させられ、男は肩を落とした。
「あああ…勢いに任せておいてなんだが、一体何からすればいいのか…」
「そうだな、まずは遺跡調査をして、この国をよく知らないとな」
「その後は？」
　遺跡調査をしたところで、王としての公務が忙しければ発表の機会もないだろう。そう考えていた男とは裏腹に、アポピスはこう言った。
「その次は諸外国の視察をして、結果のどこかに報告して…」
「…それって、前の通りではないのか？」
　研究者としての日常と変わらない、王としての日常とやらに、男はそう尋ねていた。
「そうだが？」
「そうだがって」
「だいたい統治しようにも、この国には何もない」
　並ぶ建物跡を示しながら、アポピスは続けた。
「二人であちこちを見て回って、それからこの国を支配してもいいじゃないか」
　アポピスと二人での日々。研究者としての日々の後、男を待っているであろう日常に、彼は少しだけ心を動かされた。
「…それもそうだな」
　二人の願いがかなうなら。それでいいじゃないか。
　男はそう結論付けた。

■作者メッセージ
　未婚のファラオさんのいる国に流れ着いて、ファラオさんの相談役みたいな顔で収まりつつファラオさんをレズ開発した上で傀儡にしてしまうアポピスさんの話を当初考えていたけど、エロシーン短めの上に長すぎるという致命的な欠点があったため没にしました。
　でも大臣やらが出席する重要な会議で、末席にいるアポピスさんが何か発言するんですよ。内容的には結構無茶苦茶（『ラミア種族への市民税を下げよう』とか）だから、大臣たちが反対するんだ。でも最終決定権はファラオさんにあるから、「陛下、ご決断を！」とか裁決を求められるんだよ。
　そしたらアポピスさんが無言でファラオさんを見ながら、唇を軽く舐めるんだ。たったそれだけのジェスチャーでファラオさんふにゃふにゃになって、「アポピスの言うがままにせよ」とか言っちゃうのよね。
　そしてその夜はアポピスさんによるご褒美タイム。
　そんなＳＳのアップロードを希望します。