毎年7月21日はオナニーの日!
薄暗い部屋の中に、一人の少年がいた。部屋の扉に鍵をかけ、窓には厚手のカーテンが下ろされている。外光を遮られたやや薄暗い部屋の中、彼は机に向かっていた。
「はぁはぁ…」
荒く息を吐きながら、少年は机の上に広げられた書籍に目を向けつつ、小さく体を揺らしていた。股間でいきり立つ分身を握りしめる手を上下させているからだ。
彼は、自らを慰めていた。
「はぁ、はぁ…」
少年の視線の先、机の上で広げられていたのは、何の変哲もない本だった。文字ばかりが並び、裸婦画はおろか挿絵一つ入っていない本だ。ただ、広げられているページの文字を見ると、不意の雨に登場人物の女性が濡れ、衣服が肌に絡み付いている様子が三文にわたって記述されているのが分かる。少年は、その描写をもとに登場人物の女性を脳裏に描き上げ、衣服が濡れたことで露になった彼女の曲線を夢想していたのだ。
文章から脳裏に映像を描き上げる彼の集中力は尋常ではないが、彼としては本意ではなかった。金もなく年齢も足りない彼では、自身の性欲のはけ口として女はもちろん、裸体の描かれた書籍を買うこともできない。少年の抑えきれぬ性欲を少しでも発散しようとした、苦肉の策なのだ。
女性の裸体など見たことのない彼にとって、想像できるのは衣服の上から思い描ける体の大まかな曲線ばかりであった。おかげで衣服越しにうっすらと透けて見える乳房の先端は、少年の薄い胸板に着いている物と全く同じで、股間に至ってはぼやけていた。
見たい、見てみたい。少年は脳裏に描き上げた女性に迫ろうとするが、彼女の秘所を見ることはできなかった。少年の見たことのない物を描くことなどできないからだ。よって少年は身体の曲線だけで自身の興奮を煽り、自らを慰めることとなったのだ。
「はぁはぁはぁ…」
少年の呼吸が荒くなり、徐々に右腕の動きも早くなっていく。少年の限界が近いからだ。彼の脳裏では濡れた衣服に身を包んだ女性が、自身の体を強調するように、身体を軽く揺すって見せた。女性の乳房が揺れ、少年の興奮が高まり、限界が近づく。
その瞬間だった。
バタン!
不意に大きな音を立て、施錠していたはずの扉が開いた。
「っ!?」
不意の物音に少年が顔を扉の方に向けると、ちょうど三つの人影が部屋に雪崩れ込んでくるところだった。最後の一人が後ろ手に扉を閉めると、三人は少年と向かい合うように横一列に並んだ。
金髪のポニーテールに赤髪のショート、そして黒髪のロングの三人組だ。歳の頃は十代半ばほどで、身長は少年より一回り大きいぐらいだ。三人とも丈の短いスカートとシャツを身に着けており、太ももやへそを惜しげもなく晒していた。やたら露出度の高い、同年代の少女たちの格好に少年は目のやり場に困るが、そんな悩みなどたちどころに消えてしまった。三人ともこめかみのあたりから角を生やし、腰の後ろほどに尻尾と蝙蝠のような羽を広げていたからだ。
「お待たせしました!」
「寂しい夜のお友に!」
「オナニー応援隊、サキュバスチームでーす!」
「「「こんにちわー!」」」
三人は最後に口をそろえてそう言うと、ポーズを取った。彼女たちの手に持ったポンポンがこまかく振られ、小さく音を立てる。
「え、えっと…」
少年は三人を前に困惑した。突然の乱入に驚いたのはもちろん、三人の名乗りが理解できなかったからだ。
彼女たちの言葉を信用するならば、三人はオナニー応援隊とやらなのだろう。だが、オナニー応援隊とはいったい?疑問符が少年の脳裏で乱舞する。
「………お待たせしました!」
しばしの間をおいて、中央に立っていた金髪の少女が再び口を開いた。
「寂しい夜のお友に!」
「オナニー応援隊、サキュバスチームでーす!」
「「「こんにちわー!」」」
「こ、こんにちは…」
三人の再度の名乗りに、少年は戸惑いつつもそう応えた。応えなければいけないような雰囲気だったからだ。
「はい、私たちは青少年の健全な性生活を目指す、オナニー応援隊です!」
どうやら彼女たちも少年の返答を待っていたらしく、ポーズを解きながら解説を始めた。
「思春期の性欲と知識の不足による、間違ったオナニーや犯罪まがいの行為を防ぐため、オナニー応援隊はいます!」
「今日は、あなたのオナニーを応援するためにやってきました!」
「「「私達で、正しく気持ちよくすっきりと!」」」
三人が同時に声を上げた直後、左右の赤髪と黒髪が素早く移動し、少年の隣に立った。
「え?」
「準備完了!」
「オナニー応援!」
「スタート!」
突然の彼女たちの行動に、少年は左右に顔を向けるが、三人は構うことなく声を上げた。
「「「そーれそれそれ!」」」
掛け声とともに、金髪の少女が踊り始めた。
「がんばれチンポ!」
足を交互に高々と上げ、短いスカートの内側を惜しげもなく少年に晒す。少年の目は、ちらちらと現れては消える純白の布地に釘づけになった。
「つよいぞチンポ!」
左右に立つ赤髪と黒髪の少女が、声を上げながら手に持ったポンポンを振る。少年の目は金髪の少女に釘づけになっていたが、鼻腔は敏感に二人分の甘みを帯びた汗の匂いを嗅ぎ取っていた。
「がんばれチンポ!」「つよいぞチンポ!」
「がんばれチンポ!」「つよいぞチンポ!」
「がんばれチンポ!」「つよいぞチンポ!」
三人の掛け声が、金髪の少女の見えては隠れを繰り返す下着と揺れる乳房が、左右に立つ二人の汗の香りが、少年の意識に染み込んでくる。
三人が乱入した時から混乱し通しだった少年の精神が、徐々に落ち着いてくる。いや、落ち着くというより逆に揺れ動き始めていた。目の前で同年代の少女が下着を晒し、汗の匂いを振りまき、異性の性器を指す言葉を連呼しているのだ。性欲旺盛な年頃の少年にとって、興奮しないのは無理だった。
「がんばれチンポ!」「つよいぞチンポ!」「ビンビンチンポ!」
「がんばれチンポ!」「つよいぞチンポ!」「ビンビンチンポ!」
ふと気が付くと、三人の繰り返す言葉に新たなものが加わっていた。そこで少年はようやく、彼の分身がいつの間にかそそり立っているのに気が付いた。
先ほどの自慰を中断された際に、力を失っていたそこは、見事なまでに復活を遂げていた。
「ビンビンチンポ!」「シコシコチンポ!」
「ビンビンチンポ!」「シコシコチンポ!」
三人が、少年に向けて語りかける。シコってもいいのよ、と。
少年は無意識のうちに自身の分身を握りしめていた。そして揺れ動く金髪の少女の乳房や、ちらちらと覗くスカートの奥の下着、交互に掲げられる太もも、うっすらと汗を滲ませる腹を凝視しながら、手を動かし始めた。
「シコシコチンポ!」「がんばれチンポ!」「つよいぞチンポ!」
少年が自慰を開始したのに合わせ、三人も連呼する言葉を変えた。
「シコシコチンポ!」「がんばれチンポ!」「つよいぞチンポ!」
「シコシコチンポ!」「がんばれチンポ!」「つよいぞチンポ!」
少年は三人の言葉に背を押されながら、右手を動かした。
「はぁ、はぁ、はぁ…!」
少年の呼吸が荒くなり、赤髪と黒髪の少女の体臭が鼻腔を何度もくすぐっていく。脳裏が若い少女の匂いに満たされ、意識がぼやけていく。ぼやけると言っても気を失う類のぼやけ方ではない。理性だけが薄らいでいくのだ。その一方で、彼の感覚は鋭敏になって行った。彼の視線は金髪の少女の全身を舐め回すように移動し続け、その姿を余すところなく脳裏に焼き付けようとしていた。そして焼き付けられた金髪の少女に、少年は自身の分身を擦り付ける想像をしていた。
「がんばれチンポ!」「つよいぞチンポ!」「シコシコチンポ!」
三人分の声を聴きながら、少年は笑顔で踊る金髪の少女を汚していた。上下左右に揺れ動く乳房に、屹立を押し当てる。すべすべとした衣服の布地が少年の屹立を包み込む。そして今だ触ったことのない、おそらく柔らかいのであろう乳房に、少年は容赦なく指を沈み込ませ、自身の分身を挟み込んだ。金髪の少女は笑顔のまま少年を受け入れ、口を開いた。
「がんばれチンポ!」
次の瞬間、少年の脳裏で金髪の少女の姿勢が変わった。床に膝をつき、尻を高々と掲げる姿勢だ。彼は這いつくばって尻を上げる少女の後ろに立つと、短いスカートを遠慮なくめくりあげた。そして露になった純白の下着と、丸くて大きな彼女の尻に、屹立を押し当てた。彼女の体温が屹立に伝播する。すると金髪の少女は首をひねって少年を見上げ、口を開いた。
「つよいぞチンポ!」
続けて景色が変わり、少年と金髪の少女は正面から抱き合っていた。少年は背筋を丸め、金髪の少女の胸元に顔を埋めていた。柔らかく温かな乳房の感触と汗の香りが少年の顔を包み込んでいる。しかし、それ以上に少年の意識を虜にしていたのが、屹立を挟み込む彼女の太ももだった。適度に引き締まった太ももの弾力が、彼の肉棒を挟みこんで、緩やかな快感をもたらしていた。
「シコシコチンポ!」「がんばれチンポ!」「つよいぞチンポ!」
意識の中で金髪の少女と抱き合う少年に、三人の声が降り注ぐ。既に室内は少女たちの汗の香りで満たされており、むせるようだった。少年の意識が曖昧になり、三人に対する警戒心や最初の戸惑いは跡形もなく消え去り、ただただ少女たちの若い肉体が作り出す、男を誘う色香に蝕まれていた。少年の分身を直接的に刺激してるのは、彼の右手である。だが、少年にはもはや金髪の少女どころか、左右に並ぶ赤髪と黒髪の二人も加わった三人が一緒に刺激してくれているような気分になっていた。
目に映る金髪の少女の肉体。
鼻腔をくすぐる赤髪と黒髪の少女の匂い。
耳朶を打つ三人の掛け声。
「がんばれチンポ!」「つよいぞチンポ!」「シコシコチンポ!」
三人の言葉が少年を後押しし、興奮を煽り立て、ついに限界に至らせた。
少年の手の中で、大きく肉棒が脈打ち、金髪の少女に向けて精液を迸らせていた。
「わ…!」
少年の射精に、金髪の少女は一瞬目を丸くする。しかし大きな弧を描いて足元に飛び散った白濁に退くことなく、彼女は足を大きく開き、腰を突き出した。
「がんばれチンポ!すごいぞチンポ!」
懸命に精液を迸らせる少年に向け、彼女は応援の声を上げた。
「がんばれチンポ!すごいぞチンポ!」
「とどくよチンポ!もうちょいチンポ!」
赤髪と黒髪の少女も、少年に欠ける言葉を変えた。もっと精液を迸らせれば、金髪の少女に届く。彼女の秘所に、精液が届く。もっと勢いよく、もっとたくさん射精するんだ。
彼女たちは、そう少年を煽り立てていた。
「はぁ、はぁは…ぁ…!」
少年は射精する肉棒を懸命に扱き上げ、ついに精液の最後の一滴、荒い呼吸の最後の一息までも搾り出して、ついに全身を弛緩させた。
怒張していた肉棒が一瞬のうちに力を失い、尿道に残っていた射精の残滓を鈴口から滲ませた。
少年のオナニーが終わったのだ。
「おつかれさまー!」
「すごーい!こんなに飛んだー!」
「百点です!」
床に飛び散った白濁と少年を交互に見ながら、三人の少女がポンポンを揺らしつつ口々に賞賛の言葉を並べた。確かに、床を濡らす粘液は、少年の人生で初めてと言ってもいいほどの量だった。下手すれば、数回分の射精を一度にしたかのような量だった。大量射精の疲労に身を委ねつつも、少年は満足感を覚えていた。
「それじゃあ頑張ってくれた君には!」
「ご褒美のチュー!」
その言葉の直後、赤髪と黒髪の二人が、少年の両頬に顔を寄せ、唇をチョンと当てた。頬に残る体温の感触に少年が目を見開くと、二人は素早く少年の側を離れ、金髪の少女の左右に立った。
「オナニー応援隊サキュバスチーム!」
「今日の活動はここまで!」
「私達で気持ちよくなってくれたかな!?」
「「「またねー!」」」
三人は口々にそう言うと、ポンポンを握ったままの手を軽く振って少年に挨拶し、扉を開いて出て行った。
そしてあとには、少年だけが取り残された。
「…な…なんだったの…?」
射精を迎え、意識が妙に冷静になった少年は、ようやくそう呟いた。
オナニー応援隊。名前は分かるが、一体なんだったのだろう。
「あ…」
少年はふと、あることに気が付いて声を漏らした。
部屋の扉、扉枠の木材が、一部欠けているのだ。鍵がかかっている扉を、とんでもない力で押したせいで、扉枠の方が壊れたのだ。
「修理…しないと…」
その前に床の精液を掃除する必要もあったが、オナニー応援隊を名乗る三人の少女に対する怒りは湧かなかった。
彼女らにオナニーを手伝ってもらったからだ。
ありがとう、オナニー応援隊。
「はぁはぁ…」
荒く息を吐きながら、少年は机の上に広げられた書籍に目を向けつつ、小さく体を揺らしていた。股間でいきり立つ分身を握りしめる手を上下させているからだ。
彼は、自らを慰めていた。
「はぁ、はぁ…」
少年の視線の先、机の上で広げられていたのは、何の変哲もない本だった。文字ばかりが並び、裸婦画はおろか挿絵一つ入っていない本だ。ただ、広げられているページの文字を見ると、不意の雨に登場人物の女性が濡れ、衣服が肌に絡み付いている様子が三文にわたって記述されているのが分かる。少年は、その描写をもとに登場人物の女性を脳裏に描き上げ、衣服が濡れたことで露になった彼女の曲線を夢想していたのだ。
文章から脳裏に映像を描き上げる彼の集中力は尋常ではないが、彼としては本意ではなかった。金もなく年齢も足りない彼では、自身の性欲のはけ口として女はもちろん、裸体の描かれた書籍を買うこともできない。少年の抑えきれぬ性欲を少しでも発散しようとした、苦肉の策なのだ。
女性の裸体など見たことのない彼にとって、想像できるのは衣服の上から思い描ける体の大まかな曲線ばかりであった。おかげで衣服越しにうっすらと透けて見える乳房の先端は、少年の薄い胸板に着いている物と全く同じで、股間に至ってはぼやけていた。
見たい、見てみたい。少年は脳裏に描き上げた女性に迫ろうとするが、彼女の秘所を見ることはできなかった。少年の見たことのない物を描くことなどできないからだ。よって少年は身体の曲線だけで自身の興奮を煽り、自らを慰めることとなったのだ。
「はぁはぁはぁ…」
少年の呼吸が荒くなり、徐々に右腕の動きも早くなっていく。少年の限界が近いからだ。彼の脳裏では濡れた衣服に身を包んだ女性が、自身の体を強調するように、身体を軽く揺すって見せた。女性の乳房が揺れ、少年の興奮が高まり、限界が近づく。
その瞬間だった。
バタン!
不意に大きな音を立て、施錠していたはずの扉が開いた。
「っ!?」
不意の物音に少年が顔を扉の方に向けると、ちょうど三つの人影が部屋に雪崩れ込んでくるところだった。最後の一人が後ろ手に扉を閉めると、三人は少年と向かい合うように横一列に並んだ。
金髪のポニーテールに赤髪のショート、そして黒髪のロングの三人組だ。歳の頃は十代半ばほどで、身長は少年より一回り大きいぐらいだ。三人とも丈の短いスカートとシャツを身に着けており、太ももやへそを惜しげもなく晒していた。やたら露出度の高い、同年代の少女たちの格好に少年は目のやり場に困るが、そんな悩みなどたちどころに消えてしまった。三人ともこめかみのあたりから角を生やし、腰の後ろほどに尻尾と蝙蝠のような羽を広げていたからだ。
「お待たせしました!」
「寂しい夜のお友に!」
「オナニー応援隊、サキュバスチームでーす!」
「「「こんにちわー!」」」
三人は最後に口をそろえてそう言うと、ポーズを取った。彼女たちの手に持ったポンポンがこまかく振られ、小さく音を立てる。
「え、えっと…」
少年は三人を前に困惑した。突然の乱入に驚いたのはもちろん、三人の名乗りが理解できなかったからだ。
彼女たちの言葉を信用するならば、三人はオナニー応援隊とやらなのだろう。だが、オナニー応援隊とはいったい?疑問符が少年の脳裏で乱舞する。
「………お待たせしました!」
しばしの間をおいて、中央に立っていた金髪の少女が再び口を開いた。
「寂しい夜のお友に!」
「オナニー応援隊、サキュバスチームでーす!」
「「「こんにちわー!」」」
「こ、こんにちは…」
三人の再度の名乗りに、少年は戸惑いつつもそう応えた。応えなければいけないような雰囲気だったからだ。
「はい、私たちは青少年の健全な性生活を目指す、オナニー応援隊です!」
どうやら彼女たちも少年の返答を待っていたらしく、ポーズを解きながら解説を始めた。
「思春期の性欲と知識の不足による、間違ったオナニーや犯罪まがいの行為を防ぐため、オナニー応援隊はいます!」
「今日は、あなたのオナニーを応援するためにやってきました!」
「「「私達で、正しく気持ちよくすっきりと!」」」
三人が同時に声を上げた直後、左右の赤髪と黒髪が素早く移動し、少年の隣に立った。
「え?」
「準備完了!」
「オナニー応援!」
「スタート!」
突然の彼女たちの行動に、少年は左右に顔を向けるが、三人は構うことなく声を上げた。
「「「そーれそれそれ!」」」
掛け声とともに、金髪の少女が踊り始めた。
「がんばれチンポ!」
足を交互に高々と上げ、短いスカートの内側を惜しげもなく少年に晒す。少年の目は、ちらちらと現れては消える純白の布地に釘づけになった。
「つよいぞチンポ!」
左右に立つ赤髪と黒髪の少女が、声を上げながら手に持ったポンポンを振る。少年の目は金髪の少女に釘づけになっていたが、鼻腔は敏感に二人分の甘みを帯びた汗の匂いを嗅ぎ取っていた。
「がんばれチンポ!」「つよいぞチンポ!」
「がんばれチンポ!」「つよいぞチンポ!」
「がんばれチンポ!」「つよいぞチンポ!」
三人の掛け声が、金髪の少女の見えては隠れを繰り返す下着と揺れる乳房が、左右に立つ二人の汗の香りが、少年の意識に染み込んでくる。
三人が乱入した時から混乱し通しだった少年の精神が、徐々に落ち着いてくる。いや、落ち着くというより逆に揺れ動き始めていた。目の前で同年代の少女が下着を晒し、汗の匂いを振りまき、異性の性器を指す言葉を連呼しているのだ。性欲旺盛な年頃の少年にとって、興奮しないのは無理だった。
「がんばれチンポ!」「つよいぞチンポ!」「ビンビンチンポ!」
「がんばれチンポ!」「つよいぞチンポ!」「ビンビンチンポ!」
ふと気が付くと、三人の繰り返す言葉に新たなものが加わっていた。そこで少年はようやく、彼の分身がいつの間にかそそり立っているのに気が付いた。
先ほどの自慰を中断された際に、力を失っていたそこは、見事なまでに復活を遂げていた。
「ビンビンチンポ!」「シコシコチンポ!」
「ビンビンチンポ!」「シコシコチンポ!」
三人が、少年に向けて語りかける。シコってもいいのよ、と。
少年は無意識のうちに自身の分身を握りしめていた。そして揺れ動く金髪の少女の乳房や、ちらちらと覗くスカートの奥の下着、交互に掲げられる太もも、うっすらと汗を滲ませる腹を凝視しながら、手を動かし始めた。
「シコシコチンポ!」「がんばれチンポ!」「つよいぞチンポ!」
少年が自慰を開始したのに合わせ、三人も連呼する言葉を変えた。
「シコシコチンポ!」「がんばれチンポ!」「つよいぞチンポ!」
「シコシコチンポ!」「がんばれチンポ!」「つよいぞチンポ!」
少年は三人の言葉に背を押されながら、右手を動かした。
「はぁ、はぁ、はぁ…!」
少年の呼吸が荒くなり、赤髪と黒髪の少女の体臭が鼻腔を何度もくすぐっていく。脳裏が若い少女の匂いに満たされ、意識がぼやけていく。ぼやけると言っても気を失う類のぼやけ方ではない。理性だけが薄らいでいくのだ。その一方で、彼の感覚は鋭敏になって行った。彼の視線は金髪の少女の全身を舐め回すように移動し続け、その姿を余すところなく脳裏に焼き付けようとしていた。そして焼き付けられた金髪の少女に、少年は自身の分身を擦り付ける想像をしていた。
「がんばれチンポ!」「つよいぞチンポ!」「シコシコチンポ!」
三人分の声を聴きながら、少年は笑顔で踊る金髪の少女を汚していた。上下左右に揺れ動く乳房に、屹立を押し当てる。すべすべとした衣服の布地が少年の屹立を包み込む。そして今だ触ったことのない、おそらく柔らかいのであろう乳房に、少年は容赦なく指を沈み込ませ、自身の分身を挟み込んだ。金髪の少女は笑顔のまま少年を受け入れ、口を開いた。
「がんばれチンポ!」
次の瞬間、少年の脳裏で金髪の少女の姿勢が変わった。床に膝をつき、尻を高々と掲げる姿勢だ。彼は這いつくばって尻を上げる少女の後ろに立つと、短いスカートを遠慮なくめくりあげた。そして露になった純白の下着と、丸くて大きな彼女の尻に、屹立を押し当てた。彼女の体温が屹立に伝播する。すると金髪の少女は首をひねって少年を見上げ、口を開いた。
「つよいぞチンポ!」
続けて景色が変わり、少年と金髪の少女は正面から抱き合っていた。少年は背筋を丸め、金髪の少女の胸元に顔を埋めていた。柔らかく温かな乳房の感触と汗の香りが少年の顔を包み込んでいる。しかし、それ以上に少年の意識を虜にしていたのが、屹立を挟み込む彼女の太ももだった。適度に引き締まった太ももの弾力が、彼の肉棒を挟みこんで、緩やかな快感をもたらしていた。
「シコシコチンポ!」「がんばれチンポ!」「つよいぞチンポ!」
意識の中で金髪の少女と抱き合う少年に、三人の声が降り注ぐ。既に室内は少女たちの汗の香りで満たされており、むせるようだった。少年の意識が曖昧になり、三人に対する警戒心や最初の戸惑いは跡形もなく消え去り、ただただ少女たちの若い肉体が作り出す、男を誘う色香に蝕まれていた。少年の分身を直接的に刺激してるのは、彼の右手である。だが、少年にはもはや金髪の少女どころか、左右に並ぶ赤髪と黒髪の二人も加わった三人が一緒に刺激してくれているような気分になっていた。
目に映る金髪の少女の肉体。
鼻腔をくすぐる赤髪と黒髪の少女の匂い。
耳朶を打つ三人の掛け声。
「がんばれチンポ!」「つよいぞチンポ!」「シコシコチンポ!」
三人の言葉が少年を後押しし、興奮を煽り立て、ついに限界に至らせた。
少年の手の中で、大きく肉棒が脈打ち、金髪の少女に向けて精液を迸らせていた。
「わ…!」
少年の射精に、金髪の少女は一瞬目を丸くする。しかし大きな弧を描いて足元に飛び散った白濁に退くことなく、彼女は足を大きく開き、腰を突き出した。
「がんばれチンポ!すごいぞチンポ!」
懸命に精液を迸らせる少年に向け、彼女は応援の声を上げた。
「がんばれチンポ!すごいぞチンポ!」
「とどくよチンポ!もうちょいチンポ!」
赤髪と黒髪の少女も、少年に欠ける言葉を変えた。もっと精液を迸らせれば、金髪の少女に届く。彼女の秘所に、精液が届く。もっと勢いよく、もっとたくさん射精するんだ。
彼女たちは、そう少年を煽り立てていた。
「はぁ、はぁは…ぁ…!」
少年は射精する肉棒を懸命に扱き上げ、ついに精液の最後の一滴、荒い呼吸の最後の一息までも搾り出して、ついに全身を弛緩させた。
怒張していた肉棒が一瞬のうちに力を失い、尿道に残っていた射精の残滓を鈴口から滲ませた。
少年のオナニーが終わったのだ。
「おつかれさまー!」
「すごーい!こんなに飛んだー!」
「百点です!」
床に飛び散った白濁と少年を交互に見ながら、三人の少女がポンポンを揺らしつつ口々に賞賛の言葉を並べた。確かに、床を濡らす粘液は、少年の人生で初めてと言ってもいいほどの量だった。下手すれば、数回分の射精を一度にしたかのような量だった。大量射精の疲労に身を委ねつつも、少年は満足感を覚えていた。
「それじゃあ頑張ってくれた君には!」
「ご褒美のチュー!」
その言葉の直後、赤髪と黒髪の二人が、少年の両頬に顔を寄せ、唇をチョンと当てた。頬に残る体温の感触に少年が目を見開くと、二人は素早く少年の側を離れ、金髪の少女の左右に立った。
「オナニー応援隊サキュバスチーム!」
「今日の活動はここまで!」
「私達で気持ちよくなってくれたかな!?」
「「「またねー!」」」
三人は口々にそう言うと、ポンポンを握ったままの手を軽く振って少年に挨拶し、扉を開いて出て行った。
そしてあとには、少年だけが取り残された。
「…な…なんだったの…?」
射精を迎え、意識が妙に冷静になった少年は、ようやくそう呟いた。
オナニー応援隊。名前は分かるが、一体なんだったのだろう。
「あ…」
少年はふと、あることに気が付いて声を漏らした。
部屋の扉、扉枠の木材が、一部欠けているのだ。鍵がかかっている扉を、とんでもない力で押したせいで、扉枠の方が壊れたのだ。
「修理…しないと…」
その前に床の精液を掃除する必要もあったが、オナニー応援隊を名乗る三人の少女に対する怒りは湧かなかった。
彼女らにオナニーを手伝ってもらったからだ。
ありがとう、オナニー応援隊。
13/07/21 15:32更新 / 十二屋月蝕