(66)アントアラクネ
闇の中、男はむき出しの土の上に仰向けになり、何かに組み伏せられていた。
両手両足を、広角に覆われた四本の手足が押さえ込み、肉棒を柔らかで温かな物が包み込んでいる。
もう、見ずとも闇の中に身を潜める魔物の姿を、男は思い描くことができた。
ジャイアントアントの姿を模したアラクネ、アントアラクネだ。
ジャイアントアントに似た姿でありながら、怠惰を好む。そして、ジャイアントアントの獲物を連れ去り、肉欲の宴に耽るのだ。
男とアントアラクネがいるのは、ジャイアントアントの巣の一角、もはや作ったことさえも忘れ去られた食料庫だった。
固められた蜜が、少し手を伸ばせば届く場所にあり、それをカジるだけで腹が満たされた。
だが、男はアントアラクネに組み伏せられているため、指先こそ届くものの、蜜の塊を口元に運ぶことはできなかった。
「はぁ、はぁ、はぁ・・・んっ・・・!」
闇の中、アントアラクネの高い吐息とあえぎ声が響き、男の屹立を包む肉の感触が蠢く。
にゅるにゅると折り重なる襞が、愛液とともに屹立に絡みつき、腰を上下させる彼女の動きにあわせて、肉棒の表面を擦った。
柔らかな粘膜は、男の屹立の凹凸にあわせて柔軟に形を変え、浮かび上がる血管や、張り出したカリ首にまとわりついた。
温もりを帯びた柔らかな穴に包まれているだけでも心地よいというのに、アントアラクネの腰の動きは快感に拍車をかけた。
にゅるにゅると肉がうごめき、屹立に絡みつき、甘い快感の刺激をそそぎ込んでいく。
そそぎ込まれる快感に、男の体は自然と震え、腰の奥が小さくけいれんし、尿道を白濁が駆け上っていった。
「ぐ、ぅ・・・!」
男のうめき声とともに、白濁がアントアラクネの腹の奥へとそそぎ込まれていく。
「あぁぁぁぁんっ!」
腹の奥を熱する粘液の感触に、彼女は軽く身をのけぞらせながら声を上げた。
白濁の勢いが彼女を絶頂へと突き上げ、絶頂による体のわななきが男の屹立を責め立てる。
責めては責められを繰り返し、互いの絶頂を高め合いながら、二人はしばし忘我の極地に至った。
そして、男の屹立がついに限界を迎え、びくびくと震えども汁一滴出なくなったところで、男の絶頂がやんだ。
「はあ、はぁ、はあ・・・!」
男は荒く呼吸を繰り返し、射精後の疲労感とけだるさに身を任せた。
「ねえ・・・もっとぉ・・・」
しかしアントアラクネは、男の疲労にも構わず、そう甘いささやきを紡いでねだった。
だが、彼女の腰の動きに膣が締め付けを増し、萎えて柔らかくなった肉棒を女陰から押し出した。
「あら・・・?もうだめなの?」
男の手足を押さえ込んだまま、残る手を伸ばして肉棒に触れ、その柔らかさを確かめながらアントアラクネは男に問いかけた。
無論、男は荒く呼吸を重ねるばかりで、返答する余裕はなかった。
「・・・ざーんねん・・・休憩時間ね・・・」
彼女は心底残念そうにつぶやくと、闇の中に手を伸ばし、二人の傍らに積み上げられた塊の一つを掴んだ。
真っ暗なため、色はよくわからないが、リンゴほどの大きさのそれを口元へ運ぶと、彼女は軽くかじった。
もぐもぐと、口の中で噛み転がしていくうち、固かったそれが粘りを取り戻し、いつしかさらさらとした蜜になっていく。
「んー・・・」
彼女は上半身を倒すと、闇の中男の顔を探り当て、彼の唇に自信のそれを重ね合わせた。
そして、口内の蜜を、唾液でも飲ませるかのように男の唇の間にゆっくりと注ぎ込んでいく。
「んぐ・・・!」
男はアントアラクネの接吻に、唇の間から声を漏らしたが、口内を満たしていく甘い蜜にいつしか言葉を失った。
そして、反射的に彼はのど奥を痙攣させ、注ぎ込まれていく蜜を飲み込んでいく。
さらさらとした甘い液体は、彼ののどを滑り落ち、胃袋へ入っていった。そして腹の中で、何かの反応が起こったのかぼんやりとした熱が生じる。
腹に生じた熱は、彼の心臓の鼓動にあわせて徐々に全身に広がっていった。
胴体はもちろん、アントアラクネに押さえ込まれている手足に力が戻り、股間では疲れ果てて萎えていたはずの肉棒が徐々に勃起していく。
そして、びくびくと脈動しながら小さく揺れる屹立が、彼女の腹の先端を擦った。
「ぷはぁ・・・」
口内に残る蜜を、唾液で洗いまとめて、唾液ごと男の口内に注ぎ込んでから、アントアラクネが口を離した。
「ん・・・元気になったね・・・」
腹の先端に触れる屹立の熱を感じながら、彼女はどこか期待したような口調でそう紡いだ。
「それじゃあ・・・休憩おしまい・・・」
「そ、そん・・・あぁぁ・・・!」
ジャイアントアントの蜜により肉体は元気になったものの、立て続けの射精により彼の意識には披露が残っていた。
だが、アントアラクネは彼の訴えに耳を貸さず、彼の肉棒を穴の中へと迎え入れていった。
屹立がひしめき合う軟らかな肉をかき分け、その全身に襞を絡ませる感触に、男は身悶えした。
しかし力を取り戻した四肢は、変わらずアントアラクネの手足に押さえ込まれ、逃れることはできなかった。
見る見るうちに射精感が高まり、彼の腰の奥が震え出す。
腰の奥の痙攣は、そのまま肉棒の脈動につながり、アントアラクネの膣壁を押し返した。
びくびくと脈動し、自身の膣を押し広げる感触に、彼女は嬌声を上げた。
そして、男の屹立が再び限界に達し、彼女の胎内に精を迸らせた。
「あぁぁっぁぁぁっんっ!」
「うぁぁぁぁ・・・!」
喜びのにじむ嬌声をアントアラクネが上げ、魂を引き抜かれていくかのような悲鳴を男が漏らした。
そして、男の射精が止み、しばし二人の動きが止まる。
絶頂の余韻を楽しみ、けだるさが体の中から抜けていくのを待っているのだ。
「ふふ、よかったわ・・・」
アントアラクネは闇の中そう囁くと、続けた。
「まだ、頑張れるよね・・・?」
「も、もう・・・」
男が震え声と共に首を振るが、彼の屹立は固いままだった。
今し方飲まされた蜜の効果が、まだ残っているためだ。
そして蜜の効果が切れても、まだ蜜の塊はあたりに沢山ある。
男が解放されるのは、いつの頃だろうか。
闇の中、甘く、心地よい、地獄に男はいた。
両手両足を、広角に覆われた四本の手足が押さえ込み、肉棒を柔らかで温かな物が包み込んでいる。
もう、見ずとも闇の中に身を潜める魔物の姿を、男は思い描くことができた。
ジャイアントアントの姿を模したアラクネ、アントアラクネだ。
ジャイアントアントに似た姿でありながら、怠惰を好む。そして、ジャイアントアントの獲物を連れ去り、肉欲の宴に耽るのだ。
男とアントアラクネがいるのは、ジャイアントアントの巣の一角、もはや作ったことさえも忘れ去られた食料庫だった。
固められた蜜が、少し手を伸ばせば届く場所にあり、それをカジるだけで腹が満たされた。
だが、男はアントアラクネに組み伏せられているため、指先こそ届くものの、蜜の塊を口元に運ぶことはできなかった。
「はぁ、はぁ、はぁ・・・んっ・・・!」
闇の中、アントアラクネの高い吐息とあえぎ声が響き、男の屹立を包む肉の感触が蠢く。
にゅるにゅると折り重なる襞が、愛液とともに屹立に絡みつき、腰を上下させる彼女の動きにあわせて、肉棒の表面を擦った。
柔らかな粘膜は、男の屹立の凹凸にあわせて柔軟に形を変え、浮かび上がる血管や、張り出したカリ首にまとわりついた。
温もりを帯びた柔らかな穴に包まれているだけでも心地よいというのに、アントアラクネの腰の動きは快感に拍車をかけた。
にゅるにゅると肉がうごめき、屹立に絡みつき、甘い快感の刺激をそそぎ込んでいく。
そそぎ込まれる快感に、男の体は自然と震え、腰の奥が小さくけいれんし、尿道を白濁が駆け上っていった。
「ぐ、ぅ・・・!」
男のうめき声とともに、白濁がアントアラクネの腹の奥へとそそぎ込まれていく。
「あぁぁぁぁんっ!」
腹の奥を熱する粘液の感触に、彼女は軽く身をのけぞらせながら声を上げた。
白濁の勢いが彼女を絶頂へと突き上げ、絶頂による体のわななきが男の屹立を責め立てる。
責めては責められを繰り返し、互いの絶頂を高め合いながら、二人はしばし忘我の極地に至った。
そして、男の屹立がついに限界を迎え、びくびくと震えども汁一滴出なくなったところで、男の絶頂がやんだ。
「はあ、はぁ、はあ・・・!」
男は荒く呼吸を繰り返し、射精後の疲労感とけだるさに身を任せた。
「ねえ・・・もっとぉ・・・」
しかしアントアラクネは、男の疲労にも構わず、そう甘いささやきを紡いでねだった。
だが、彼女の腰の動きに膣が締め付けを増し、萎えて柔らかくなった肉棒を女陰から押し出した。
「あら・・・?もうだめなの?」
男の手足を押さえ込んだまま、残る手を伸ばして肉棒に触れ、その柔らかさを確かめながらアントアラクネは男に問いかけた。
無論、男は荒く呼吸を重ねるばかりで、返答する余裕はなかった。
「・・・ざーんねん・・・休憩時間ね・・・」
彼女は心底残念そうにつぶやくと、闇の中に手を伸ばし、二人の傍らに積み上げられた塊の一つを掴んだ。
真っ暗なため、色はよくわからないが、リンゴほどの大きさのそれを口元へ運ぶと、彼女は軽くかじった。
もぐもぐと、口の中で噛み転がしていくうち、固かったそれが粘りを取り戻し、いつしかさらさらとした蜜になっていく。
「んー・・・」
彼女は上半身を倒すと、闇の中男の顔を探り当て、彼の唇に自信のそれを重ね合わせた。
そして、口内の蜜を、唾液でも飲ませるかのように男の唇の間にゆっくりと注ぎ込んでいく。
「んぐ・・・!」
男はアントアラクネの接吻に、唇の間から声を漏らしたが、口内を満たしていく甘い蜜にいつしか言葉を失った。
そして、反射的に彼はのど奥を痙攣させ、注ぎ込まれていく蜜を飲み込んでいく。
さらさらとした甘い液体は、彼ののどを滑り落ち、胃袋へ入っていった。そして腹の中で、何かの反応が起こったのかぼんやりとした熱が生じる。
腹に生じた熱は、彼の心臓の鼓動にあわせて徐々に全身に広がっていった。
胴体はもちろん、アントアラクネに押さえ込まれている手足に力が戻り、股間では疲れ果てて萎えていたはずの肉棒が徐々に勃起していく。
そして、びくびくと脈動しながら小さく揺れる屹立が、彼女の腹の先端を擦った。
「ぷはぁ・・・」
口内に残る蜜を、唾液で洗いまとめて、唾液ごと男の口内に注ぎ込んでから、アントアラクネが口を離した。
「ん・・・元気になったね・・・」
腹の先端に触れる屹立の熱を感じながら、彼女はどこか期待したような口調でそう紡いだ。
「それじゃあ・・・休憩おしまい・・・」
「そ、そん・・・あぁぁ・・・!」
ジャイアントアントの蜜により肉体は元気になったものの、立て続けの射精により彼の意識には披露が残っていた。
だが、アントアラクネは彼の訴えに耳を貸さず、彼の肉棒を穴の中へと迎え入れていった。
屹立がひしめき合う軟らかな肉をかき分け、その全身に襞を絡ませる感触に、男は身悶えした。
しかし力を取り戻した四肢は、変わらずアントアラクネの手足に押さえ込まれ、逃れることはできなかった。
見る見るうちに射精感が高まり、彼の腰の奥が震え出す。
腰の奥の痙攣は、そのまま肉棒の脈動につながり、アントアラクネの膣壁を押し返した。
びくびくと脈動し、自身の膣を押し広げる感触に、彼女は嬌声を上げた。
そして、男の屹立が再び限界に達し、彼女の胎内に精を迸らせた。
「あぁぁっぁぁぁっんっ!」
「うぁぁぁぁ・・・!」
喜びのにじむ嬌声をアントアラクネが上げ、魂を引き抜かれていくかのような悲鳴を男が漏らした。
そして、男の射精が止み、しばし二人の動きが止まる。
絶頂の余韻を楽しみ、けだるさが体の中から抜けていくのを待っているのだ。
「ふふ、よかったわ・・・」
アントアラクネは闇の中そう囁くと、続けた。
「まだ、頑張れるよね・・・?」
「も、もう・・・」
男が震え声と共に首を振るが、彼の屹立は固いままだった。
今し方飲まされた蜜の効果が、まだ残っているためだ。
そして蜜の効果が切れても、まだ蜜の塊はあたりに沢山ある。
男が解放されるのは、いつの頃だろうか。
闇の中、甘く、心地よい、地獄に男はいた。
12/10/29 21:20更新 / 十二屋月蝕
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