読切小説
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スリー・カード
ある村に、教会があった。
そこには、親を亡くした子供たちと神父が住んでいた。
そんな子供たちの中に悪ガキというのが居て
神父様に隠れては
悪さばかりしており、神父様もほとほと手を焼いていた。

そんな、ある日、悪ガキが山へ栗拾いに行きたいと駄々をこねた。

「大自然の中で汗水を垂らし労働に勤しめば修行になるだろう」
と神父様は考え山へ行くことを許可した。
が、魔物が出るという噂があったため、
神父様は何日か前に泊めた
「旅の行商人の女性」
から宿代の代わりにもらった護身用の3枚の札を出すと、悪ガキに持たせた。

しばらく、すると悪ガキは栗拾いに行くのが面倒くさくなり
いつもイジメている少年を捕まえ代わりに行ってこいと命令した。
少年は行きたくなかったがイジメられるぐらいなら栗拾いの方がましだと思い素直に代わりを引き受け三枚の御札をもらい山へ向うことにした。

教会を出る前に山の天気は変わりやすいので古い傘と暗くなってもいいように提灯を持っていく。

山に来た少年は意外と楽しい栗拾いに夢中になってしまい日が暮れてしまった。
提灯に火をつけ山道を下る。

すると何処からか笑い声が聴こえ、ミノタウロスが現れた。
ミノタウロスは品定めするように少年を眺めるとニヤニヤしながら少年を捕まえる為に手を伸ばしてきた。
少年は咄嗟に1枚目の札を投げた。
すると少年の持っていた提灯が目が眩むほど輝きミノタウロスは転倒した。

少年はその隙に逃げた。
しばらくして視力が回復したミノタウロスは少年を追いかける。
追い付かれそうになった少年は
「あの魔物から逃げ切りたい!!」と強く念じて
2枚目の札を天高く投げた。
すると、今度は凄まじい風が吹いて少年は天高く飛ばされて行った。
なるほど、あの魔物も空は飛べないだろう。
だが、少年も空は飛べない。
ミノタウロスからは逃げ切れるだろうがこのあと自分はミンチよりひどい状態になってしまうんじゃないか?と絶望した。
その瞬間、背中の傘がバサッと開くと落下傘の役目を果たしヒラヒラと無事に教会の近くに着地した。
あと少しで教会である。まわりにはミノタウロスの気配は無い。
でも、何か視線を感じる。
暗闇を照らそうとするが先程まであったはずの提灯と傘が無くなっている。
混乱している少年に暗がりから女の子が声をかけてきた。
恐る恐る暗がりを見ると異形の姿の可愛い女の子が二人立っていた。

二人の正体は
「提灯おばけ」

「唐傘おばけ」
である。

あのお札の魔力と少年の道具への愛情が結び付き魔物化したらしい。
「不束モノですがどうか末長くヨロシクおねがいしますね?ご主人様♪」
「さっき頑張ったからお腹が空いちゃいました〜主さま?お情けをくださいませ♪」
そういうと二人は茂みに少年を連れ込み……搾り取った。

フラフラになりながら教会へ戻ってくると門の前で悪ガキが待ち構えていた。
美少女二人に取り囲まれいる少年に驚き、イライラしながら何があったか訊いてきた。
少年は今までの出来事を悪ガキに説明した。
すると悪ガキは

「そんな便利なお札だったのか♪」

と少年から最後のお札を取り上げると何処かへ行ってしまった。


それから、女の子を二人も連れて朝帰りした事を神父様に叱られたり、悪ガキが行方不明になり大捜索したりで少年は多忙な日々を過ごすはめになるが順風満帆な生活を過ごしましたとさ。


めでたしめでたし






〜おまけ〜
村外れの悪ガキの秘密基地。
「あんな可愛い女の子と仲良くなれるアイテムだったとはな〜」
悪ガキは少年の話を都合のいいように解釈した。
「オレの事が好みな美女を俺様の前につれてきておくれ!!」
悪ガキはそう叫ぶと札を地面にたたきつけた。
すると札から煙がもくもくとあがり悪ガキの前にはショタコンを拗らせ欲求不満で婚期を逃し焦っている魔物娘が現れ……

おしまい
16/01/01 17:00更新 / コピペリカン

■作者メッセージ
勢いで書いてしまった。
そのうち修正いれます。
元ネタは 三枚の御札

※登場人物は全員18歳以上です(マテ

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