読切小説
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おめでとう!!ゾンビは ワイトに しんかした!!


「今日も出たな魔物め!!覚悟しろ!!」

わたしが話しかけると、男の人はいつものようにわたしにこわいかおをむけてきた。

どうして?わたしはただ、仲良くしたいだけだよー。

「口をきくな、人を食らう悪の権化め!!喰らえ……『輝光翔波』!!」

おとこのひとが右手に細くて光るなにかを持って、大きな声をあげる。

悲しい気持ちになったわたしをめがけて、細くて光る何かからおおきな光がでてきて、私を飲み込んだ。

あぁ、これで明日も、この男の人を探さなきゃいけないなー。

私はそんなことを考えながら、自分の肩から右うでがはずれてしまうのを見ていた。


起きた時には、おそらはまっくらだった。
自分でもよくわからないけど、きっと私はバラバラになっていたんだと思う。
だって、今日も服がぼろぼろになって、下に落ちていたんだから。

また、ふくを探さないと……
これも、いつもと同じ。男の人を探して、やっと見つけたと思ったら私はバラバラにされて、また男の人を探す。

なんでこんなことしてるんだろう、って思ったこともあるけど、すぐにどうでもよくなった。
私はこうしなきゃいけないような、そんな気がするから。

でも、私はあの人にさわるどころか、近づくことだってできない。
だから、バラバラになった後はいつも、どうしよう、何かしなきゃいけないのかな、って考える。

どうしよう、どうしよう。

けど、どうしよう、っていくら言っても、なにかわかったことはない。

だから、どうしようっていうのはあきらめて、またいつも通り男の人に会いにいこう。

今日も、そう思ってたんだけど……

「…………」

今日は、起き上がった私のとなりに誰かが立っていた。
全身がまっしろで、顔の半分がさわるとかたそうな、ぼんやりとした子だった。

「…………」

ぼんやりとした子は、私の肩の後ろをじーっと見てる。
何かあるのかな?そう思って私も振り返る。

すると、そこにはさっきの男の人とはちがう男の人が歩いていた。
私たちの事なんか知らん顔して、男の人は歩いていく。

「……うわぁっ!?」

なんとなく、その男の人の事を見ていると、急に男の人がたおれた。
となりをみてみると、あの子がいない。
ぼんやりした子だったのに、すごい速さで男の人をつかまえちゃったみたい。

「な、なんだこの骸骨!!女の子みたいな顔しやがって……うわぁっ、何すんだ!!」

ぽい、ぽいっ。
男の人をつかまえたぼんやりしてた子(がいこつ、って名前なのかな?)は、何かをつかんでは投げ、つかんでは投げて。
私の方に飛んできたそれが、男の人の服だって気がついた時には、男の人は私みたいに服が全部なくなっていた。

でも、変なの。
男の人、私とちがって変なぼうを足と足の間につけてるのに、がいこつさんはとろうとしない。

「ふ、服返せ!!返せ……うぁぁぁっ!!」

がいこつさんが変なぼうをぺろってなめると、男の人は大きな声を出した。
とれないのかな、あれ。
がいこつさんはおしりを男の人の顔につけながら、おいしそうになめている。

なんでだろう。
見てると私も、あれがやりたくなってきちゃった。

「…………(クイックイッ」

そんな風に考えてると、がいこつさんがいいよ、って言ってくれた。
本当は、手をふっただけだけど、口にしなくても間違いなく言ってくれたと思う。

すごいな。
がいこつさん、私の頭の中、見えちゃうのかな。

「う、うわぁぁっ!?今度は、ゾンビ……!?」

だから、私もがいこつさんみたいにしてみることにした。
男の人の足の間にすわって、べろをつき出す。

「や、やめろぉ!!これ以上、されたら……!!」

男の人が何か言ってるけど、私には聞こえなかった。
だから、私はベロを男の人のぼうにつけて、下から上に一気に動かした。

「あっ……あぁぁぁぁ……!!」

どぴゅっ、どぴゅっ。
変なぼうから、白いものがいっぱい出てきて、私の顔にかかった。
それはとっても熱くて、だけどすっごく良いにおいをしていて。
ベロの上にのったそれを、そっと口の中に入れてみる。

……おいしい。
食べ物なんて、食べたことなかった。
なのに、その言葉は、しぜんと頭の中にうかびあがってきたように、はっきりと思った。

だから、がいこつさんは変なぼうを男の人からとらなかったんだ。
変なぼうからは、おいしいものがいっぱい出てくるから。

……だけど、何でだろう。
おいしいのに、すっごくおいしいっておもえない。
これがほしいのに、これとはちがう何かがほしい。

でもこれはきっと、男の人からしかとれないのに……

あ。そうだ。

私は立ち上がって、がいこつさんと男の人にバイバイをする。

「…………(グッ」

任せろ、だって。
がいこつさん、今のかっこよかった。

「おい、俺を置き去りにするな!!おい、待ってくれ、助けてくれぇぇぇぇぇ……!!」

男の人がなにか言ってたけど、私はもうあの男の人をふりかえらなかった。
あの人は、きっとがいこつさんにこれからいっぱい白いのを出してくれるんだろう。

私がほしいのは、ちがう。私がほしいのは、いつもキラキラしてるあの人からだ。
声をかけても遊んでくれなくて、私をバラバラにしちゃうあの人から白いのが欲しいんだ。

あの人から、白いの……たくさん、欲しい……



次の日、私はすぐにあの男の人と会うことが出来た。
何故かはわからないけど、良い匂いがする方に向かって歩いていったら、自然と会うことが出来たのだ。

「お前……あの魔物、なのか……!?」

いつもと違って、私が声をかけたら男の人は私を驚いた表情で見つめてきた。
いつも怒った顔しか見たことがなかったから、なんだかとても新鮮だ。
そう言えば、男の人は私より大きい筈なのに今日は私よりもなんだか小さい。それに、今日の私は何だか頭がすっきりしているような気がする。
何でだろう。今日は、わからない事が多いなぁ。

「くっ……大きくなったからって、僕に勝てると思うなぁ!! 『輝光翔波』!!」

でも、ここから先は同じだ。いつも通りあの人は剣を取り出して、私に光の衝撃波を放ってくる。

あぁ、やっぱりこうなるのかー。今日は、なんだか大丈夫な気がしたんだけどなー……

そして、私が後悔するのも待たず、彼の攻撃が私を直撃した。



もくもくもく……
……あれ?なんだろう、この煙。邪魔だなー。

「……ば、馬鹿な!!僕の輝光翔波が効いてないなんて!?司祭様が、これさえあればドラゴンだろうと一撃だと言っていた攻撃を……!!」

煙を払うと、男の人は私の前に相変わらず立ったままだった。空を見ても、時間が経過してる様子がない。

……あれ?私、バラバラになってない?
なんでだろう。男の人、手加減してくれたのかな?

でも……よくわからないけど、これはチャンスだ。

「くっ……来るなぁぁぁぁ!!」

私が男の人を目指して歩くと、男の人は剣を振り回して私に光線を出鱈目に打ってくる。
だけど、加減しているみたいだったから、私はそれをまとめて手ではたいた。

うーん。何で、何回も手加減した光線を打ってくるのかな?

私はもう、良い匂いをかぎ続けて我慢できないのに……あ、そうだ。

「くそっ、何で、効かない……!!うわぁぁぁっ!?」

ぴょーん。
私は一気にジャンプして、昨日骸骨さんがやってたみたいに一気に男の人を地面に押し倒した。

「ぐがっ、離、せ……!?なんだ……力が、抜ける……」

すると、男の人はなぜだか手がだらーんとしちゃって、大きな声も出さなくなった。
うん。やっぱり、あんまり五月蠅いと私もご馳走を楽しめないし……よいしょっと。

「よ、鎧が……主神様の、加護が……お前、何て事を……」

男の人の悔しそうな声も、全身が火照った私には聞こえない。

「み、見るな……じろじろ見るなぁ……」

そして私は、待ち望んだ男の人の変な棒……おち●ちんへと、二度目の出会いを果たした。

……そっか。これ、おち●ちんっていう名前だったんだ。

頭に浮かんできたその名前が、とっても可愛く感じる。
むわん、って広がってくるその匂いが、私の鼻から入って全身を心地よい感覚で満たした。

食べたい。早く、食べよう。

「はっ!?あ、ううっ!?」

骸骨さんのエスコートがなくとも、私は躊躇いなく男の人のそこを口の中に入れていた。
それは、温かさはそのままに、硬く、深く、私の喉の中に入り込んでくる。

すっごく、あったかい。

私が一度、死んでいるからだろうか。おち●ちんから、とろけてしまいそうな熱を感じる。
その下にある袋はビクンビクンと震えて、私の中に白いの――――精液を、発射する準備をしようとしているのがわかる。

早く、早く。私の口いっぱいに、あの美味しいの欲しい。

本能の赴くままに、私は必死でおち●ちんを舐めた。
幸せになれる、あの匂い。それが私の口の中に強く広がったかと思うと、袋だけじゃなくおち●ちんまで、口の中でビクンビクンと強く震えだして――――

「ぐうっ……!!我慢が、もう……!!」

〜〜〜っ!?〜〜っ♪♪〜〜〜っっ♪♪♪♪

どぷっ、どぴゅるっ。

勢いよく、精液が私の口の中を余すところなく汚した。
それを私はごくり、ごくりと夢中になって喉の奥へと飲み下す。

精液が私の喉を通過して潤して行く度に、昨日とは比べものにするのがおこがましい程の甘さが私の味覚を刺激して。
それが胃の中へ入って全身に巡ることがとてつもなく嬉しくて。

放心状態になっている男の人のおち●ちんからやがて精液が枯れても、私は舐めることを止めなかった。

それだけの魅力がこの精には溢れて、これを摂取することによって私は全て満たされたような心地に――――

――――くちゅり。

その時、私の耳に、精とはまた違う粘液が擦れ合わさるような音が届く。
それと同時に、私は自分の身体のどこが一番火照っていたのかを、理解することになった。

その場所は、今まで何をする為にあるのかもわからなかった箇所。
私の足と足との間にはあるけれど、男の人には存在しない、小さな裂け目。
でも、今の私には、その場所は下にもう一個口が生えてきたみたいに、男の人のおち●ちんを必死に欲しがっているように見えた。

「はぁっ……はぁっ……僕が、この僕が……」

でも、あれだけ激しく私の中に精をくれたおち●ちんは、男の人の表情と同じくらい元気がなくて。
私の喉を刺し貫こうとしていた時のような覇気は、今はもうどこにも見られなかった。

多分……駄目だ。これじゃ、私の下の口は、満足なんてできない。
私はまだ、足りないのに。これだけ、あなたを欲しがっているのに……

せめてもう一度、私を溶かしてしまいそうなあの熱を感じたくて。
私はそっと、彼の肉棒に手を伸ばした。

「ぁっ……うぅっ……!!」

ビクン!!ビクン、ビクン!!

その瞬間、私の手の中で大好きな匂いと熱が、取り戻されていくのを感じた。

これは……私の、力……?

今、私の中から何かが出ていって、それからどんどんおち●ちんが大きくなっていったような気がした。

でも……今は、そんなことどうでもいいや。

ぼたぼたと、私の秘裂からは透明な液体が滴って地面に落ちる。
下腹部の熱が、もう限界だ、早くしてくれ、と私の中で騒ぎ立てる。

その期待に応えるように、私は裂け目に男の人の亀頭を押しつけた。
それが、熱を伴って私の期待を最大限まで高めてくれたのを確認した後に……私は、重力に逆らうのを止めた。

ぁっ……ひぁぁぁぁぁぁ♪♪♪♪

挿入れられた物が擦れて、私の奥に抉るかのようにぶつかって。
目の前に火花が飛び散って、背筋をゾクゾクするものが駆け抜けていって。
愛を見せつける為の液体が、結合部より赤い液体と一緒に飛び出して。

流れ込んでくる、知識。
肉棒、膣壁、処女膜、破瓜、子宮、精子、魔力、魔界、不死者、ワイト……

だけども私は、それら全てを知ることを放棄した。
私の全てを語るには、たった一つだけの言葉があれば充分だった。

好き……好き、好きぃ!!初めて、会った時からっ……あなたの事が、大好きぃ!!

引いて、挿入れて、引いて、挿入れての繰り返しの中で、その言葉だけを口にし続ける。

これで、男の人が心底嫌そうな顔をしていたら、私には止まる余地があったのかもしれない。
だけど、私は名前すら知らない男の人は、私が動くのに合わせて私の中に腰を叩きつけてくれて。
情欲にまみれた顔で、私の事を見上げてくれて。
私の中に芽生えた知性は、それだけで根こそぎ吹き飛んでいきそうだった。

それから再び、精の奔流が私の中に溢れてきても、私は止まらない。
最愛の人と一つになれた事を喜んで、ゾンビ以上に理性のない獣に成り下がって。

私は、ひたすらに腰を振り続けた。



それで……どうして、私をいつもバラバラにしたの?

あれから、どれだけ時間が経ったんだろう。
男の人が疲れて寝ちゃって、私はそっとその横で寝顔を眺めて。
太陽が昇ってきてから男の人が起きてきて、私は思いきってずっと思っていた疑問を聞いてみることにした。

「なんでって……魔物は、人を食う恐ろしい化け物だからだ。司祭様から……ずっと、そう聞かされてきた」

私が思っているよりもずっと素直に、男の人は答えてくれた。
だけど、それを聞いていると、私は寂しくなる。

私達は、そんな事しないよ。だって、私達は人間の事が大好きなんだから。……それとも、私はそんな風に見える?

「……いや。悔しいけど……見えない」

そっぽを向いて答える、男の人。照れてるのかな。だとしたら……嬉しいな。

「そもそも、ゾンビなんて顔が見えなきゃ普通の人にしか見えないんだ。だから……あの時、倒れてるお前を助けちゃったんだし」

そう。目が覚めたら記憶も何もなくて、歩いていたらいつの間にか倒れてた私を、あなたは助けてくれた。その後、すぐにバラバラにされちゃったけど。

でも、その時のあなたの、口とは裏腹の辛そうな表情が忘れられなくて、その顔を笑わせてあげたくて。
何もない私に……その日から、生きる意味ができた。

「それから、僕はお前につきまとわれる事になっちゃった訳だけど……お前は、僕でいいのか?僕は、お前を何回も殺そうとしたんだぞ?」

うん。だって、そのおかげで、今はこうやってちゃんと話ができるようになったから。大好きな、あなたと。

「……はぁ。これは、僕の負けかなぁ。今はもう、好きになってくれて嬉しいなんて思っちゃってるし……」

男の人、顔を赤くしてる。それが、すごく嬉しい。
この人と一緒なら何でも出来る気がする。例えば、魔界を作ったりとか……

……あれ、何でだろう。今なら本当に、すごく簡単にできちゃいそう。

よぉし、そうと決まれば。

「……ねぇ、どうして突然腕を掴んだりなんか……ぐっ、また、力が抜けて……」

ビンビンになって、すごく美味しそう。この力、すっごく便利だなぁ。

「うっ、また……!?昨日の今日で、まだ足りないのかよ……!!」

私、ここに魔界を作りたい。私みたいなアンデッドがみんなで一生楽しく暮らせるような、そんな所を作ってみたい。

「それと、これに……何の関係が……」

だから……いっぱい、ちょうだい?私、それさえあれば、作ってみせるから。
いっぱいの、エネルギーがあれば……あぁん♪

「あぁもう!!勇者だった僕が、何でこんなこと……!!わかったよ、僕もそんな世界を作ってみたいから付き合ってやる!!」

ありが、と……♪♪旦那、様……ぜったい、いいまかいを、作ろうね……♪♪あぁん♪




――――『不死者の国』は、こうして今日も増え続けるのでしたとさ。
めでたしめでたし、だね。

13/08/15 22:37更新 / たんがん

■作者メッセージ


どうも、一ヶ月毎の更新ペースでやることがすっかり夢となってしまったたんがんでございます。

新キャラクターのワイトさん、ゾンビさんから進化できる可能性があると聞いてこんなタイトルが思いついてしまい、元がゾンビなら進化してもおっとりしたままなのがいいなぁ、というたんがんの100%欲望の赴くままに書いてみたらこのような文になってしまいました。

夫欲しさに一回の精の摂取でワイト化というフリーダムな内容でしたが、いかがだったでしょうか?

それでは、ここまでお読みいただき、ありがとうございました。

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