外伝その5 不穏な影
―――――― ???
「へー、面白い話をしていますね〜。」
私は先程偵察に向かわせた腐兵に仕込んでおいた飛行型小型機から送られてきた私の探究心を擽る興味深い話を聞き、心酔していた所にキュラキュラとけたたましいキャタピラの音が部屋に鳴り響いた。
『ドクター、どうしましたか?』
「殺れ。」
ヒュンッ!
『危ない!!』
ドカン!!
「…チッ。」
私が差し向けたワームの一撃を3は回避した。
『ドクター、僕何か悪いことしましたか?』
…人が物を考えている時に限って、このポンコツは。
「消えろ。」
ヒュンッ!
『またですか!!』
ドカン!!
「チッ。」
再びワームに攻撃を差し向けたが、またしても回避された。まぁ、お遊びは此処までにして…。
「3。」
『はい、ドクター。』
「今すぐ捕獲部隊を集めなさい。」
『了解!』
キュルキュルキュルキュルキュルキュルキュルキュルキュルキュル。
3はキャタピラーを回転させて、捕獲部隊管轄隊長の『No.2』に連絡しに行った。…後は。
「174!」
「はい。」
スゥー。
部屋の入り口が開き、子供の稲荷の上半身が半泣きで顔を出した。
「174、お前も捕獲部隊と一緒にあの白髪の男を捕獲しなさい。もし捕獲出来たら、頭を撫でてあげますよ。」
「ほ、本当に!?」
先程の泣き顔から一変して笑顔になる。
「ええ。…但し!!彼を無傷に捕らえてくること。良いですね?」
「わ、分かったよ。」
174はおどおどとしながら答え、またドアの向こうに消えた。
「…ふふ、魔物娘のお腹から産まれた男の子。私が作った魔物には男の魔物が居ますが、全部カプセルから産まれた魔物ですからねー。…魔物娘の母胎から産まれた男の子。」
私は背中に装着している、ワームの一本に『魔物娘の出産』のデータを纏めた資料を取らせた。
資料を数枚捲り、目的のページを探す。
「有った。」
彼の存在は私が立てた仮説であるそのページの内容を、大きく書き換えることになるだろう。
『魔物娘との間には魔物娘しか産まれない。しかし亜種が産まれた経緯が有るため、更に詳しく亜種の生態を調べる必要がある。』
結局は親魔物派のお偉方の反対にあって有耶無耶になったこの研究課題、でも此方の反魔物派なら喜んで手伝ってくれる。
私は小型機に映る白髪の青年を見ていて、思わず頬が緩んだ。
「身体を末端から先端まで余すことなく調べてあげる。」
しかし相手はあの警察署…。
…流石に今は警備も厳重になって、入りにくくなっている確率も否めませんね。
まぁ、作戦の決行日は後で考えるとして。
ふふ、幾らか腐兵も向かわせましょうか。
それでもダメな時は私自ら出向くまで…いや、待てよ。
「そうだ!あの子も向かわせましょう。『彼』なら相手に不足ありませんし。」
戦闘データを取る良い機会になりそうですしね…。
私は『もう一人』が眠っている部屋へと足を向けた。
「へー、面白い話をしていますね〜。」
私は先程偵察に向かわせた腐兵に仕込んでおいた飛行型小型機から送られてきた私の探究心を擽る興味深い話を聞き、心酔していた所にキュラキュラとけたたましいキャタピラの音が部屋に鳴り響いた。
『ドクター、どうしましたか?』
「殺れ。」
ヒュンッ!
『危ない!!』
ドカン!!
「…チッ。」
私が差し向けたワームの一撃を3は回避した。
『ドクター、僕何か悪いことしましたか?』
…人が物を考えている時に限って、このポンコツは。
「消えろ。」
ヒュンッ!
『またですか!!』
ドカン!!
「チッ。」
再びワームに攻撃を差し向けたが、またしても回避された。まぁ、お遊びは此処までにして…。
「3。」
『はい、ドクター。』
「今すぐ捕獲部隊を集めなさい。」
『了解!』
キュルキュルキュルキュルキュルキュルキュルキュルキュルキュル。
3はキャタピラーを回転させて、捕獲部隊管轄隊長の『No.2』に連絡しに行った。…後は。
「174!」
「はい。」
スゥー。
部屋の入り口が開き、子供の稲荷の上半身が半泣きで顔を出した。
「174、お前も捕獲部隊と一緒にあの白髪の男を捕獲しなさい。もし捕獲出来たら、頭を撫でてあげますよ。」
「ほ、本当に!?」
先程の泣き顔から一変して笑顔になる。
「ええ。…但し!!彼を無傷に捕らえてくること。良いですね?」
「わ、分かったよ。」
174はおどおどとしながら答え、またドアの向こうに消えた。
「…ふふ、魔物娘のお腹から産まれた男の子。私が作った魔物には男の魔物が居ますが、全部カプセルから産まれた魔物ですからねー。…魔物娘の母胎から産まれた男の子。」
私は背中に装着している、ワームの一本に『魔物娘の出産』のデータを纏めた資料を取らせた。
資料を数枚捲り、目的のページを探す。
「有った。」
彼の存在は私が立てた仮説であるそのページの内容を、大きく書き換えることになるだろう。
『魔物娘との間には魔物娘しか産まれない。しかし亜種が産まれた経緯が有るため、更に詳しく亜種の生態を調べる必要がある。』
結局は親魔物派のお偉方の反対にあって有耶無耶になったこの研究課題、でも此方の反魔物派なら喜んで手伝ってくれる。
私は小型機に映る白髪の青年を見ていて、思わず頬が緩んだ。
「身体を末端から先端まで余すことなく調べてあげる。」
しかし相手はあの警察署…。
…流石に今は警備も厳重になって、入りにくくなっている確率も否めませんね。
まぁ、作戦の決行日は後で考えるとして。
ふふ、幾らか腐兵も向かわせましょうか。
それでもダメな時は私自ら出向くまで…いや、待てよ。
「そうだ!あの子も向かわせましょう。『彼』なら相手に不足ありませんし。」
戦闘データを取る良い機会になりそうですしね…。
私は『もう一人』が眠っている部屋へと足を向けた。
12/02/03 01:34更新 / 一文字@目指せ月3
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