12話 地雷原の中で暮らしている気がする
「なぁ、クノー・・・」
「何だ?」
「何で、俺なんだろうな・・・」
「さ、さぁ・・・」
「・・・・・・・・・」
イナミ様の神社へ向かう途中、なんとなくクノーに尋ねてみた。
まあ、勿論この答えも予想の範疇なわけで・・・。
あぁ本当、何で俺なんだよ・・・。
「き、気を落とすなって。それだけ評価されてる訳だしさ」
クノーが優しく肩を叩いて慰めてくれた。
「でもさ、何をそんなに評価されたんだろう?」
「う〜ん・・・。・・・あ、昨日の奴隷屋討伐じゃないか?」
「でも、それだけで討伐依頼が名指しで来る?」
「・・・・・・」
そう、討伐以来とはギルドで受けられる依頼の中で最も危険なモノの一つで、この系統の依頼を受ける条件はただ一つ、『腕っ節』があるか否か。当然、たかが人間の奴隷屋一人を片付けただけでは到底無理な依頼なのである。
「ハァ・・・」
そうこうしている内に神社に着いた。
相変わらず寂れたイナミ神社。そろそろ改築した方が良いんじゃないか?
草も生え放題、鳥居も色が所々はげウチの近くにあった神社くらいはある大きさの社も、柱や瓦が欠けていたりと一歩間違えば誰も居ないんじゃないかと思えるほど荒れている。
その社の中から声が聞こえた。イナミ様の声と、聞き慣れない女の人の声。
多分その聞きなれない声の主が、魔王軍騎士団長であり今回俺に討伐依頼を名指しで依頼してきた変わり者なのだろう。
俺とクノーが社に入ろうと襖に手を掛けようとした、その時。
「ラドンさんに言って、その依頼を取り消してもらってくるわ!」
「もぶっ!?」
スターンと大きな音と共に襖が勢いよく開く。
と、同時に視界が真っ暗になり、顔に柔らかい感触が押し当たった。
こ、これは・・・。
「あら?スグロ君?クノー?」
「い、イナミ様・・・?」
「・・・・・・」
「あらあら、スグロ君ったら大胆ねぇ。」
「・・・・・・」
イナミ様は俺が胸に挟まっている事を気にも留めない様子で、と言うか更に腕で俺の後頭部を押し付けてきていた。
快感で頭が真っ白になっているのを放置していると、隣から強い殺気が来ているのが見えないながらも感じられた。
このままだと何かまずい!!
「んー!んー!」
俺が暴れ始めると、イナミ様はすぐに手をどけて胸から離してくれた。
「ッぷはぁ!」
「んもぅ、もっと楽しめば良いのに・・・」
「・・・・・・」
殺気の来ていた方向を見てみると、クノーが冷ややかな視線を俺に向けていた。
「何か・・・スイマセン」
「?何を謝ってるんだ?私は何も怒ってないぞ?」
嘘だ・・・絶対怒ってる・・・。
その鳥をも射殺せそうな視線が何よりの証拠じゃないか・・・。
と、ともかくそれよりも!
「イナミ様、依頼を取り消すって・・・?」
「あ、そうそう。今回の依頼、いくらなんでも危険すぎるから取り消しを・・・。」
「・・・・・」
「・・・・・」
俺とクノーは思わず顔を引き攣らせながら見合わせた。
「ま、まさか・・・もう受けちゃったとか・・・?」
イナミ様も俺達と同じように顔を引き攣らせながら訊ねてくる。
俺達は黙って頷いた。
「何だ?」
「何で、俺なんだろうな・・・」
「さ、さぁ・・・」
「・・・・・・・・・」
イナミ様の神社へ向かう途中、なんとなくクノーに尋ねてみた。
まあ、勿論この答えも予想の範疇なわけで・・・。
あぁ本当、何で俺なんだよ・・・。
「き、気を落とすなって。それだけ評価されてる訳だしさ」
クノーが優しく肩を叩いて慰めてくれた。
「でもさ、何をそんなに評価されたんだろう?」
「う〜ん・・・。・・・あ、昨日の奴隷屋討伐じゃないか?」
「でも、それだけで討伐依頼が名指しで来る?」
「・・・・・・」
そう、討伐以来とはギルドで受けられる依頼の中で最も危険なモノの一つで、この系統の依頼を受ける条件はただ一つ、『腕っ節』があるか否か。当然、たかが人間の奴隷屋一人を片付けただけでは到底無理な依頼なのである。
「ハァ・・・」
そうこうしている内に神社に着いた。
相変わらず寂れたイナミ神社。そろそろ改築した方が良いんじゃないか?
草も生え放題、鳥居も色が所々はげウチの近くにあった神社くらいはある大きさの社も、柱や瓦が欠けていたりと一歩間違えば誰も居ないんじゃないかと思えるほど荒れている。
その社の中から声が聞こえた。イナミ様の声と、聞き慣れない女の人の声。
多分その聞きなれない声の主が、魔王軍騎士団長であり今回俺に討伐依頼を名指しで依頼してきた変わり者なのだろう。
俺とクノーが社に入ろうと襖に手を掛けようとした、その時。
「ラドンさんに言って、その依頼を取り消してもらってくるわ!」
「もぶっ!?」
スターンと大きな音と共に襖が勢いよく開く。
と、同時に視界が真っ暗になり、顔に柔らかい感触が押し当たった。
こ、これは・・・。
「あら?スグロ君?クノー?」
「い、イナミ様・・・?」
「・・・・・・」
「あらあら、スグロ君ったら大胆ねぇ。」
「・・・・・・」
イナミ様は俺が胸に挟まっている事を気にも留めない様子で、と言うか更に腕で俺の後頭部を押し付けてきていた。
快感で頭が真っ白になっているのを放置していると、隣から強い殺気が来ているのが見えないながらも感じられた。
このままだと何かまずい!!
「んー!んー!」
俺が暴れ始めると、イナミ様はすぐに手をどけて胸から離してくれた。
「ッぷはぁ!」
「んもぅ、もっと楽しめば良いのに・・・」
「・・・・・・」
殺気の来ていた方向を見てみると、クノーが冷ややかな視線を俺に向けていた。
「何か・・・スイマセン」
「?何を謝ってるんだ?私は何も怒ってないぞ?」
嘘だ・・・絶対怒ってる・・・。
その鳥をも射殺せそうな視線が何よりの証拠じゃないか・・・。
と、ともかくそれよりも!
「イナミ様、依頼を取り消すって・・・?」
「あ、そうそう。今回の依頼、いくらなんでも危険すぎるから取り消しを・・・。」
「・・・・・」
「・・・・・」
俺とクノーは思わず顔を引き攣らせながら見合わせた。
「ま、まさか・・・もう受けちゃったとか・・・?」
イナミ様も俺達と同じように顔を引き攣らせながら訊ねてくる。
俺達は黙って頷いた。
11/10/15 20:29更新 / 一文字@目指せ月3
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