8話 嫌よ嫌よも好きのうちかどうかは微妙
まずは味について、そんなに悪くない事は意外だった。むしろお代わりと言いたい位の味だった。
・・・・・・ん?
薬が腹に入ったかと思うと、即効性なのだろうか腕の痛みが消えた。
ほう、これはすごいと感心していると、ふと体が妙に熱くなっているのを感じた。
体にも力が入っていく。滋養強壮効果もあるのか?
「イナミ様、これは一体なんですか?」
「ん〜?何かしらね〜♪」
だめだ、この人絶対何か企んでる。まさかこれは・・・毒か!?いや、俺の知ってる限り一時的に身体能力を向上させて、かつ人を死に至らしめるような毒は知らない。
そう言えばこれを渡すときイナミ様なんか楽しそうだったな・・・。一体何を飲ませたんだ?
イナミ様の方を見てみると、イナミ様はゆっくりと歩いてきていた。
「い、イナミ様?」
「ん〜?何かな?スグロ君」
「何で近付いてくるんです?」
「なんとなく♪」
そう言うと、俺の隣に座り頬をつんとつつく。その途端、えも知れぬ快感が全身を駆け巡った。
「っひゃん!?」
「効いてきたみたいね♪」
「ちょっ!効いてきたって何ですか!?何を飲ませいひゃあ!」
もふもふの尻尾が俺の体に触れる度に背中がビクンと跳ねる。
まさか、あの薬は・・・。ふと股間の方を見るとムスコが猛々しく・・・。空気呼んでおくれよこの親不孝者・・・。いやこいつ、しっかり読んでるな。(色んな意味で)
「〜♪」
「い、イナミ様!何媚薬なんか飲ませてるんですかあひゃあ!?」
「?にーちゃん、どうしたの?おかおまっかだよ?」
「な、何でもない、何でもないふぁあ!」
「??」
いかんこのままでは『食われ』る!こ、この状態を打破するには・・・。駄目だ、良い考えが生まれない。
せめてこの幼子の前で醜態を晒す訳には・・・!その思いだけで何とか理性を保たせる。しかしこれもそう長くは続かないだろう。
助けを求めようとクノーのほうを見ると、クノーはズンズンと近付いてきていた。
そうか、イナミ様を止めようとしてくれてええええ!?
「ふふ、面白そうだな。私も混ぜてくれよ♪」
何・・・だと・・・?
クノーはイナミ様の隣に座ると、俺のシャツを捲り上げる。
「ちょちょちょちょ!クノーまで何を!?」
「ん?大丈夫だって、すぐに終るから」
「そう言う問題じゃなくて!」
こうなりゃ頼みはあの三人だけ!頼むから止めて!
少し前にいるサイの方を見ると、顔は無表情のままだが、どこか嬉しそうな様子で近付いてきた。
駄目だ、この人もヤる気だよ!!
「にーちゃんのおなか…」
足の上にいたルルナが露になった俺の腹をフンフンと嗅ぐ。もはや、かかる息でさえ背筋がゾクゾクとする。・・・もう駄目かも。
の、残る頼りはシャーリー、君だけだ!さあ、君が常識人な事を証明してくれ!
そう思い襲い来る快感の波に我慢しながらシャーリーのほうを振り向く。しかしそこにシャーリーはおらず。
しかしどこに行ったのかはすぐに分かった。・・・俺の背中だ。
「す、スグロさんが悪いんですからね?」
ピットリと張り付いたシャーリーは小さな声で呟いた。俺が何したって言うのさああああ!!
「♪」
「ひみゃぁっ!?」
突然、ルルナが俺の腹をペロリとなめた。
・・・もう無理。もう自制が効かなくなってきた。せめて、せめてこうなる前に逃げたかった・・・。
・・・逃げる?・・・逃げる!?
なんて事だ、俺はあまりの快感にこんな当然の事に気付かなかったらしい。そうさ、よく言うじゃないか、にげるが勝ちよお!
「みんなストーップ!」
「?」
俺の叫び声で全員の手が止まる。
よし、後は立ち上がってあのドアに走っていくだけだ!
・・・っと、その前に。
ふっ飛ばされてはいけないので足に乗っていたルルナを床に降ろす。ルルナは?をうかべたまま、為すがままに降ろされてくれた。
「すまん、今は無理なんだああああああ!!」
「!?」
俺はそのまま勢い良く立ち上がり、サイの隣をすばやく駆け抜けた。
これで何とか逃げ切れるはず!さっきのは男としては嬉しいが、故に羞恥プレイには耐えられん!
「うおおおおおおお!」
一直線にドアへと向かう。ドアまで後10m、と言う時。
「パ、パライズ!」
「な!?みぎゃん!!」
後ろでシャーリーの声が聞こえたかと思うと、突然体から力が抜けた。走る勢いをそのままに床へ倒れる。
何事かと思ったが原因はすぐに分かった。真後ろにいるシャーリーが魔法を使ったらしい。
「んふふ、逃げちゃ駄目ですよぉ?」
後ろから嫌に含みのある笑いと共にシャーリーが近付いてくるのが分かる。動けないので耳を欹てると、どうやら他の皆様も来ているようだ。
オーケーまずは落ち着いてくれ。そう言いたかったが口まで麻痺しているようで動かない。
「スグロ君は男の子なんだから、こういうときは素直に受けてもいいのよー?」
イナミ様の声が聞こえる。たぶんニコニコ笑っているのだろうが今の俺にはもはや脅迫の言葉にしか聞こえない。
「にーちゃんたおれたよ?」
「・・・大丈夫・・・スグロは丈夫だから・・・」
ルルナのあどけない声とサイの呟く声が聞こえる。いや丈夫ってこういう事を指すんではなくてですね・・・。
「フフフ・・・そろそろ食べごろかな?」
クノーに至っては何か危険発言出てるし。そうか、俺は食われるのか。たぶん性的な意味でだろうけど。
ごろんと転がされ、仰向けにされる。
そこに見えたのは、完全に惚けているシャーリーにサイ、ニコニコと黒い笑顔を、ほんのりと赤くなった頬でこちらに向けているイナミ様、もはや目が狩人の状態のクノーだった。ちなみに、ルルナは俺の顔の真横にいた。
その光景を見た瞬間、俺は彼女たちが「魔物」と呼ばれている理由が分かった気がした。
「あ、声出ないと辛いですか?今治してあげますね♪」
ふと後頭部が少し持ち上がり、温かくなった。シャーリーの顔が見えたあたり、膝枕でもしてくれたのだろうか。
できれば口だけでなく体も治して頂きたい。
動かぬ口の代わりに強くその念を送ってみる。無論、無駄だったのは言うまでも無い。
「リバイタ!」
シャーリーが呪文を唱えると同時に顔に力が入る。
「ッぷはぁ!・・・はー・・・はー・・・」
じ、地味に苦しかった・・・。
「これで大丈夫ですよね♪」
シャーリーがにこりと笑う。しかし頬は真っ赤に染まり、目は完全に惚けていた。
「しゃ、シャーリー?」
「何ですか?」
「と、とりあえず落ち着いて・・・」
「♪」
「わひゃぁっ!?」
また強い快感が背筋を伝う。どうやらルルナが頬を舐めたようだ。
わ、わざとなの?わざとなのか?でも悪気が無いせいで怒れない・・・。
「そろそろ良いかな?」
傍にいたクノーが俺に跨ろうとする。
「うわ、ちょ、やめ・・・んぅ!?」
クノーが跨ろうとするのを止めようと声を発しようとした刹那、シャーリーの顔が近付いてきて唇を奪われた。
「ちゅっ、んん……はむっ」
「んっ、んむ……!?」
俺、ファーストキスなんですけどおおおお!?いやまあ、シャーリー可愛いし嫌って訳じゃないけど、せめて普通にキスしたかった・・・。
「・・・ぷあっ。やっと大人しくなってくれましたね♪」
シャーリーは重ねた唇を剥がすと、まるで子供を撫でるように俺の頭を撫でてくれた。
もはや抗っても無駄だ、諦めがでてきた。ありがたく受け止めよう・・・!
おっとその前に。
「ルルナにパサラちゃん」
「なに?にーちゃん」
「なーに?」
「ルルナ、俺(っていうかパサラちゃんたち)の家に干し肉あるから食べても良いぞ。それとパサラちゃん、このこの面倒よろしく」
「ほーい」
「ほんと!?」
「おう、この家を出て右の角を曲がった所だ」
ルルナたちは嬉しそうに尻尾を振りながら走ってドアに向かっていった。
「あらあら、一緒にすればいいのに」
「俺を犯罪者にするつもりですか」
「さあ、どうでしょう?基、ここにはそんな法律は無いわ♪」
も、もうどうにでもしてください・・・。
ニコニコと笑うイナミ様。逃げ場が無いと悟った今、一つ目標と言うか決心と言うか何と言うか。
もはや出来るのはこの行為の間に死なない様にする事だと、そう痛感した。
・・・・・・ん?
薬が腹に入ったかと思うと、即効性なのだろうか腕の痛みが消えた。
ほう、これはすごいと感心していると、ふと体が妙に熱くなっているのを感じた。
体にも力が入っていく。滋養強壮効果もあるのか?
「イナミ様、これは一体なんですか?」
「ん〜?何かしらね〜♪」
だめだ、この人絶対何か企んでる。まさかこれは・・・毒か!?いや、俺の知ってる限り一時的に身体能力を向上させて、かつ人を死に至らしめるような毒は知らない。
そう言えばこれを渡すときイナミ様なんか楽しそうだったな・・・。一体何を飲ませたんだ?
イナミ様の方を見てみると、イナミ様はゆっくりと歩いてきていた。
「い、イナミ様?」
「ん〜?何かな?スグロ君」
「何で近付いてくるんです?」
「なんとなく♪」
そう言うと、俺の隣に座り頬をつんとつつく。その途端、えも知れぬ快感が全身を駆け巡った。
「っひゃん!?」
「効いてきたみたいね♪」
「ちょっ!効いてきたって何ですか!?何を飲ませいひゃあ!」
もふもふの尻尾が俺の体に触れる度に背中がビクンと跳ねる。
まさか、あの薬は・・・。ふと股間の方を見るとムスコが猛々しく・・・。空気呼んでおくれよこの親不孝者・・・。いやこいつ、しっかり読んでるな。(色んな意味で)
「〜♪」
「い、イナミ様!何媚薬なんか飲ませてるんですかあひゃあ!?」
「?にーちゃん、どうしたの?おかおまっかだよ?」
「な、何でもない、何でもないふぁあ!」
「??」
いかんこのままでは『食われ』る!こ、この状態を打破するには・・・。駄目だ、良い考えが生まれない。
せめてこの幼子の前で醜態を晒す訳には・・・!その思いだけで何とか理性を保たせる。しかしこれもそう長くは続かないだろう。
助けを求めようとクノーのほうを見ると、クノーはズンズンと近付いてきていた。
そうか、イナミ様を止めようとしてくれてええええ!?
「ふふ、面白そうだな。私も混ぜてくれよ♪」
何・・・だと・・・?
クノーはイナミ様の隣に座ると、俺のシャツを捲り上げる。
「ちょちょちょちょ!クノーまで何を!?」
「ん?大丈夫だって、すぐに終るから」
「そう言う問題じゃなくて!」
こうなりゃ頼みはあの三人だけ!頼むから止めて!
少し前にいるサイの方を見ると、顔は無表情のままだが、どこか嬉しそうな様子で近付いてきた。
駄目だ、この人もヤる気だよ!!
「にーちゃんのおなか…」
足の上にいたルルナが露になった俺の腹をフンフンと嗅ぐ。もはや、かかる息でさえ背筋がゾクゾクとする。・・・もう駄目かも。
の、残る頼りはシャーリー、君だけだ!さあ、君が常識人な事を証明してくれ!
そう思い襲い来る快感の波に我慢しながらシャーリーのほうを振り向く。しかしそこにシャーリーはおらず。
しかしどこに行ったのかはすぐに分かった。・・・俺の背中だ。
「す、スグロさんが悪いんですからね?」
ピットリと張り付いたシャーリーは小さな声で呟いた。俺が何したって言うのさああああ!!
「♪」
「ひみゃぁっ!?」
突然、ルルナが俺の腹をペロリとなめた。
・・・もう無理。もう自制が効かなくなってきた。せめて、せめてこうなる前に逃げたかった・・・。
・・・逃げる?・・・逃げる!?
なんて事だ、俺はあまりの快感にこんな当然の事に気付かなかったらしい。そうさ、よく言うじゃないか、にげるが勝ちよお!
「みんなストーップ!」
「?」
俺の叫び声で全員の手が止まる。
よし、後は立ち上がってあのドアに走っていくだけだ!
・・・っと、その前に。
ふっ飛ばされてはいけないので足に乗っていたルルナを床に降ろす。ルルナは?をうかべたまま、為すがままに降ろされてくれた。
「すまん、今は無理なんだああああああ!!」
「!?」
俺はそのまま勢い良く立ち上がり、サイの隣をすばやく駆け抜けた。
これで何とか逃げ切れるはず!さっきのは男としては嬉しいが、故に羞恥プレイには耐えられん!
「うおおおおおおお!」
一直線にドアへと向かう。ドアまで後10m、と言う時。
「パ、パライズ!」
「な!?みぎゃん!!」
後ろでシャーリーの声が聞こえたかと思うと、突然体から力が抜けた。走る勢いをそのままに床へ倒れる。
何事かと思ったが原因はすぐに分かった。真後ろにいるシャーリーが魔法を使ったらしい。
「んふふ、逃げちゃ駄目ですよぉ?」
後ろから嫌に含みのある笑いと共にシャーリーが近付いてくるのが分かる。動けないので耳を欹てると、どうやら他の皆様も来ているようだ。
オーケーまずは落ち着いてくれ。そう言いたかったが口まで麻痺しているようで動かない。
「スグロ君は男の子なんだから、こういうときは素直に受けてもいいのよー?」
イナミ様の声が聞こえる。たぶんニコニコ笑っているのだろうが今の俺にはもはや脅迫の言葉にしか聞こえない。
「にーちゃんたおれたよ?」
「・・・大丈夫・・・スグロは丈夫だから・・・」
ルルナのあどけない声とサイの呟く声が聞こえる。いや丈夫ってこういう事を指すんではなくてですね・・・。
「フフフ・・・そろそろ食べごろかな?」
クノーに至っては何か危険発言出てるし。そうか、俺は食われるのか。たぶん性的な意味でだろうけど。
ごろんと転がされ、仰向けにされる。
そこに見えたのは、完全に惚けているシャーリーにサイ、ニコニコと黒い笑顔を、ほんのりと赤くなった頬でこちらに向けているイナミ様、もはや目が狩人の状態のクノーだった。ちなみに、ルルナは俺の顔の真横にいた。
その光景を見た瞬間、俺は彼女たちが「魔物」と呼ばれている理由が分かった気がした。
「あ、声出ないと辛いですか?今治してあげますね♪」
ふと後頭部が少し持ち上がり、温かくなった。シャーリーの顔が見えたあたり、膝枕でもしてくれたのだろうか。
できれば口だけでなく体も治して頂きたい。
動かぬ口の代わりに強くその念を送ってみる。無論、無駄だったのは言うまでも無い。
「リバイタ!」
シャーリーが呪文を唱えると同時に顔に力が入る。
「ッぷはぁ!・・・はー・・・はー・・・」
じ、地味に苦しかった・・・。
「これで大丈夫ですよね♪」
シャーリーがにこりと笑う。しかし頬は真っ赤に染まり、目は完全に惚けていた。
「しゃ、シャーリー?」
「何ですか?」
「と、とりあえず落ち着いて・・・」
「♪」
「わひゃぁっ!?」
また強い快感が背筋を伝う。どうやらルルナが頬を舐めたようだ。
わ、わざとなの?わざとなのか?でも悪気が無いせいで怒れない・・・。
「そろそろ良いかな?」
傍にいたクノーが俺に跨ろうとする。
「うわ、ちょ、やめ・・・んぅ!?」
クノーが跨ろうとするのを止めようと声を発しようとした刹那、シャーリーの顔が近付いてきて唇を奪われた。
「ちゅっ、んん……はむっ」
「んっ、んむ……!?」
俺、ファーストキスなんですけどおおおお!?いやまあ、シャーリー可愛いし嫌って訳じゃないけど、せめて普通にキスしたかった・・・。
「・・・ぷあっ。やっと大人しくなってくれましたね♪」
シャーリーは重ねた唇を剥がすと、まるで子供を撫でるように俺の頭を撫でてくれた。
もはや抗っても無駄だ、諦めがでてきた。ありがたく受け止めよう・・・!
おっとその前に。
「ルルナにパサラちゃん」
「なに?にーちゃん」
「なーに?」
「ルルナ、俺(っていうかパサラちゃんたち)の家に干し肉あるから食べても良いぞ。それとパサラちゃん、このこの面倒よろしく」
「ほーい」
「ほんと!?」
「おう、この家を出て右の角を曲がった所だ」
ルルナたちは嬉しそうに尻尾を振りながら走ってドアに向かっていった。
「あらあら、一緒にすればいいのに」
「俺を犯罪者にするつもりですか」
「さあ、どうでしょう?基、ここにはそんな法律は無いわ♪」
も、もうどうにでもしてください・・・。
ニコニコと笑うイナミ様。逃げ場が無いと悟った今、一つ目標と言うか決心と言うか何と言うか。
もはや出来るのはこの行為の間に死なない様にする事だと、そう痛感した。
11/07/26 13:45更新 / 一文字@目指せ月3
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