連載小説
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第十五話 勇者と仲間
冷たいシャワーを浴びて
幼い肌を乾かすと
お気に入りの浴衣を羽織る

「ん〜。少し切りすぎたか?」

まるでミニスカート
いくら小さくなったからって裾を切りすぎてしまった

「まぁ、でもこっちの方が動きやすくていいか。それに…」

このミニ浴衣こそ!かわいさの具現ではないか!!
ふはははははは…
さて…
私はニアの用意してくれたパンツではなく
クローゼットの隅に潜ませた箱を開ける

「ふふ…浴衣幼女と言えばこうでなくてはな…(ニヤリ)」

中には赤、白、黒のさまざまな

褌!

ふははははは
ジパング男児…いや、女児たるものコレでなくてはな!
私は選りすぐった子供用フンドシ達の中から、純白の逸品をチョイスした
少し食い込むぐらいで締めるのがポイントだ
ふ、ふふふ…ハァハァ
や、ヤバいな
これ、後で精写してもらおう…
もちろん私の部屋に、それも隠し扉の裏の“コレクションルーム”に飾るのだ
ふ、ふはははは!
最早私は犯罪に手を染める裏ルートの逸品を必要としないのだ!
だって自分が幼女なのだからな!
くははははは!
望めばいつでも膨らみかけ
見たければいつでもナイスロリだ!
ふ、ふはははははははは!
私は無敵艦隊を手に入れたも同然!
今の私に勝てぬものなどない!!

……まぁ、それでもほかの幼女は欲しいけど…


「ほほぉ…。お主、なかなかいい趣味を持っておるのう…」
「なっ!?その声は!?」
「ふぉふぉ。フンドシに超ミニ浴衣とは…お主、できるな!!」
「ふふ。これを分かるバフォ、貴女もなかなかのものだ…」

「「ふぉっふぉっふぉっふぉっふぉっ!!」」


「って、おいおい。なぜ貴女が堂々と私のバスルームに入ってきておるのだ?」

私は浴衣の帯を結びながら尋ねた

「ふぉふぉ。壁にミザリー、障子にメアリー。そして後ろにバフォメ〜ッツ♪」
「なんと…。出来るな!?」
「お主もな…」

私とバフォメットはアイコンタクトでお互いの意志を理解した
いや、決して口にするといろいろと法的にヤバいからとかではないぞ
そのスキルを使い街中のロリを温かく見守る趣味…なんて断じてないぞ

「ん?ぐぐ…指が三本では結びづらいな…」
「どれ、貸してみぃ」
「あ、すまないな…。ふむ。見事なものだな…。素晴らしい指使いだ」
「ふぉふぉ。お主もすぐに慣れるじゃろうて」
「ところで、どうしたのだ?」
「ふむ。お主達がお楽しみの間に、城の中が何やらまずいことになっておるのでな、それを伝えに来たのじゃ」
「なんだ?不味いこととは?」

尋ねながら私はフンドシを閉めようと浴衣を捲った
と、その時だった

「しぇ、シェルク様!たいh……ブッ!」
「ぎゃぁぁぁ!な、な!いきなり入ってくるなっ!」
「(たら…)ふぁ!ふぉ、ふぉれふぁふひふぁへんへひはっ!(こ、これはすみませんでした)」

ニアが鼻を押さえてドアを出て行く
私は素早く
しかし正確に褌を締めると

「もうよいぞ」
「は、はい…」

鼻の下に少し血の跡が残ったニアが再び入ってきた

「なんだ?どうしたのだ?」
「そ、それが、あ…すみません…」

私は身体を拭いた布でニアの鼻をぬぐってやった

「あ、あの。リリムのクリステア様が…その…」
「なんだ?クリス姫が何かしでかしたのか?」
「は、はい…。その…大変申し上げにくいのですが…」
「構わん。申せ」
「は、はい…。それが…場内で兵をその…襲って…」
「なにぃっ!?襲ってはならぬと約束したではないか!」

私は驚きバフォメットを見た

「いや、ちゃんと合意は得ておったのじゃ。もっとも、ただの人間がリリムの誘惑を振り切れるわけもないがの…
「なっ?しかし魔力は封じたはずだぞ!?」
「誰に言っておるのじゃ?あやつはあれでも魔界の姫じゃぞ?」
「な…まさか…」
「どうやら意識的には魔力を操れぬ様じゃが、無意識に動いてしまう分の魔力は少量じゃが封印を逃れ出ておるようじゃな。全く、恐ろしい魔力量じゃ…」
「な、なんと…。ハッ!ニア!クリスは今どこに!?」
「バラガスさんの部屋にいると…」
「そうか。おい!バフォ、ニア!すぐに向かうぞ!」
「ふぉふぉ。間に合えばよいなぁ」
「はい!」

私は慌てて2人を連れてバラガスの部屋へ向かった










そこにはあまり見たくない光景が広がっていた…
幸せな笑みを浮かべた兵たちが10人余り、死屍累々と転がり…
そして…

「ば…バラガス…カロリーヌまで…」

私は言葉を失った
殺風景な
壁には武器などが飾られた
いかにもバラガスらしい部屋
その簡素なベッドの上
筋肉質なバラガスの身体と、正反対に女性として成熟したカロリーヌの美しい肢体が何とも言えないコントラストだ
彫刻にすればさぞ素晴らしい作品になりそうだが…きっと黒とピンクのカーテンの向こうに飾られる事だろう
つまりはバラガスがカロリーヌに襲われていた
いや、襲われているというよりも、むしろお互いに愛し合っている
まるで先ほどの私とニアのように…
いいなぁ…
って違う違う!
よく見ろ!自分
カロリーヌのアレ…

――ボイン

いつもよりも二回りほど大きくなった胸
うむ。いいおっぱいだ
ってちがう!
そっちもだけど

――ピクピク
――ふっさふっさ

あの耳としっぽ
それにあの角と

――もふもふ

下半身全体に生えた白黒のツートンカラーの毛皮
これは…

「ほほぉ。ホルスタウロスでこれほどの魔力を持つとは…。あの娘もなかなかの実力のようじゃのう」

隣でバフォメットの関心の声が聞こえた

「か、カロリーヌ…お前…」

「あぁ〜ん。バラちゃ〜ん。うれしぃ〜。わたしうれしいのぉ〜〜。あぁ〜。モォ〜〜だめぇ〜。イクぅ〜〜〜」
「くっ!カロリーヌ…お、おれも…うぐぁ!…」

聞いてないし…

「ふふ。みんな幸せそうね。よかったぁ〜」

そしていつの間にか私の隣にこの惨劇を作り出した本人が何食わぬ顔で立っていた
しかもそのきれいな肌はどことなく艶を増したようになっている
しかもこの魔力…
封印されているはずなのに、明らかに上位のサキュバスクラスの魔力が漏れ出ている
私と戦った時、もしクリスがこれほどの力を付けていたならば、私は手も足も出なかったことだろう…
……でも、今は出すけどな!

――ぽかしっ!

「痛っ!な、何するのよぉ!?」











しばらくして、落ち着いたみんなを集め、大会議室で円卓を囲んでいた

「えっと…。では、被害者は述べ14名、内2人はバラガスとカロリーヌ…。で、間違いないのか?」
「うん。私も確かそれぐらいしかヤってないわ」

あっけらかんと答えるクリス

「はぁ…魔物化したのがカロリーヌ一名だったのが不幸中の幸いか…」
「モォー!シェルクちゃん!私、別に不幸じゃないわよぉ〜!やっとバラちゃんにも思いを告げられたんだからぁ〜!それにね、この身体、すっごくきもちいいんだからねぇ〜!」

ぷりぷりと怒るカロリーヌ
その横でいつもは荒々しいバラガスが、面目ないといった感じで小さくなっていた

「あぁ〜。もう。分かった分かった。それではバラガスとカロリーヌ以外の兵たちはもう戻っても良いぞ」

「「「「はい!」」」」

先ほどまであれほど腑抜けていた奴らとは思えないほどいい返事だ
どことなくその顔にはやる気が満ちている

「ふふ…。魔物とはいえ、姫に相手をしてもらえたのだ。一生の誇りにするがいい」

「「「「はい!!」」」」

兵達は嬉しそうに帰って行った

「えへへ。みんな嬉しそうでよかったわ。私も幸せ。じゃ、私もこれで」
よし、一旦ストップ

――ガシ

「え?」

私は体よく逃げようとした姫を捕まえる

「ふふふ…。せっかくデレ期に突入してもらったところ悪いんだが、後でお仕置きだ」
「えぇ〜〜!?なんでぇ〜〜!?私大切な捕虜なんでしょ?」
「ふふ…。女の捕虜、特に姫がどういう扱いを受けるのか、熱く教えてやろうではないか…」
「ふぉふぉ。お主もワルよのぅ…」
「バフォ!貴様も同罪だ!!!」
「な、なんでじゃ!儂はちゃんとお主に伝えに行ったではないか!」
「しかし敢えて止めなかったのだろう?」
「力を封印されていて仕方なかったのじゃ!」
「いいから!」
「良くないのじゃ!」
「ゴホン…。決してこれは私的な興味ではない。ジパングには連帯責任というものがあるのだ。私は仕方なくだな…ふふ……」
「口元がにやけておるのじゃ!」
「あぁ〜あぁ〜。聞こえな〜い」
「むきぃぃぃぃ!!!力が封印されておらねばこんな奴には…」
「ふはははは!いい気味だな。バフォよ」
「捕虜の不当な扱いは国際法で罰せられるのじゃ!」
「ならばそんな口が叩けなくなるまで可愛がってやる…」
「いやじゃぁぁぁぁ!!だ、誰か!この悪魔を止めるのじゃぁぁぁぁ!!」

バフォが私に掴まれながらも必死で抵抗する
しかし

「ちぇいっ!」

――ズビシ

「あふんっ…(ぐったり…)」

私の手刀の一撃で大人しくなった
ふふ
聞き分けの良いロリは好きだぞ
まぁ
悪くても好きだがな

「さて、カロリーヌ。すまないが、2人を私の部屋に運んでくれ」
「えぇ〜?いいんですかぁ〜?」
「大丈夫だ。魔物化、しかもホルスタウロスとなったお前なら今のこの2人に腕力では負けはせんよ」
「いや、そうじゃなくてぇ〜。捕虜なのにぃ〜?」
「構わん。ふふ…」
「(ガクガク)…」
「ん?どうした?クリス姫」
「に、人間って恐ろしいのね…」
「えぇ〜?そんなことないよぉ〜?クリスおねぇちゃん♪」
「(ガクガクブルブル)」

大人しくなった2人はカロリーヌに連れて行かれた

「ふぅ…。まったく…」
「……おい」
「ん?おお、居たのか。ふふ。バラガス元帥ともあろう者がずいぶんと大人しかったではないか」
「あ、いや…。その…。すまなかった…」

バラガスは頭を下げた
私は正直驚いた
この男が頭を下げるところなど見たことがなかったからだ

「今なら、お前が魔物をあれほど恐れ、そしてあれほど買っていた理由がわかる…」
「ふふ。クリスにヤられたのか?それとも魔物化したカロリーヌか?」
「………あまりいじめるなよ…」

どうやら両方のようだ

「ふふ。人間の男のお前では抗えなかったであろう?」
「あ、ああ…。どんなに強い相手であっても戦い抜く自信はあった…。しかし、アレは…」
「手も足も出なかったか?」
「すまん……」

申し訳なさそうに頭を下げるバラガス

「はぁ…。アレでまだ魔力を封印してあるのだから、リリムとは何とも恐ろしい魔物だな。いや、何とも可愛い姫ではあるが…」
「いや…カロリーヌの方が俺は怖かったぞ…」
「ふふ。しかしお前も満更ではなかったようではないか」
「……うるせぇ…」

自分もあれほどニアに迫っておきながらよく言うわ

と、仮面の下で誰かが言う
私は苦笑を隠した

「しかし意外だな…。ずっと一緒にいたはずなのに、私は全く気付かなかったぞ…」
「俺もだ…。カロリーヌの奴があんなに…。こんなことなら…」
「ほぅ…。お前もカロリーヌを好いていたのか…」
「なっ!?ば、馬鹿野郎!そ、それはあいつが……。あぁ!もう!うるせぇよ…」
「いや。しかし、私から言うべきはまずこれだったな」
「ん?なんだ?」

私はバラガスの前まで歩いていき
そして

「すまなかった!!」

私は手足を伏し、頭を地につけ謝罪した

「私は大馬鹿者だった!お前たちの気持ちも考えず!挙句このような姿にされてしまった!お前たち臣下あっての王だというのに、私はそれを失念していたのだ!すまぬ!」

私は全ての気持ちを込めて謝った
あの時バラガスに言われたことはまさにその通りだ
そして、ニアに諭されて気づいた
きっと許しては貰えぬだろう
しかし…わたしにはこうすることぐらいしか

「はぁ…。頭を上げてくれよ王様よぉ」
「しかしっ!」
「家来に頭下げるみっともねぇ王様がいるかよ」

横に目をそらしながら言うバラガス
こいつらしい仕草だった

「あん時は俺も言い過ぎた…。俺の使える主はおめぇしかいねぇ…」
「……そ、そうか…ありがとう…」

嬉しさがこみ上げた
不覚にも口元が緩んでしまう

「勘違いするんじゃねぇぞ。他に俺の上に立てる奴がいねぇから仕方なくついて行ってやるだけだ。じゃなかったら誰がおめぇみたいな性格悪い女について行くかよ…」
「ありがとう…。バラガス」
「ふん。うっせぇよ…」

私は何と幸せな王だろうか…
これほど私の事を思ってくれる臣下たちがいる
そして、あれほど私を愛してくれるニアがいる
きっと私は世界一幸せな王なのだろう

――ホロ

「ぅわっ!?な、なな何泣いてやがんだよ!?馬鹿か?」
「ああ。私はバカなのだ。大馬鹿者だ。こんなに幸せなことに、今の今まで気づけなかったのだ」
「……ほら、泣くんなら勝手に部屋で泣きやがれ。ガキの泣き顔なんざ見たくねぇんだよ。あの平伏は見なかったことにしてやるから」
「ふふ、あれはジパングに伝わる土下座という正式な謝罪の姿勢だ。何も恥じるようなことではないさ」
「そうかよ。いいから戻りやがれ」

――ファサ

バラガスが不意に私の頭に上着を掛けてきた

「ん?これは…」
「泣き顔なんか下の奴らに見られんなよ。俺らの王が本当は泣き虫のバカ女だってバレちまう」
「ああ。ああ。そうだな。すまない」
「馬鹿、そこは「ありがとう」って言っとくところだ」
「ああ。…ありがとう。バラガス」

バラガスとは長年旅をしてきたはずだった
しかし
こうして向き合えたのは
きっと初めてなのだ
ああ
全てはニアの言ってくれた通りだった
私は初めから
一人などではなかったのだ
ただ、皆に背を向け、がむしゃらに剣を振っていただけだったのだな…



私は穏やかな気持ちで自室に戻り

そして

バフォとクリスに素敵なお仕置きをしてから眠った

12/07/17 08:08更新 / ひつじ
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■作者メッセージ
ああ、また今回もダメだったよ…あいつはどこまで行ってもロリコンだからなぁ…
ロリコンロリ勇者とロリコンロリババアのコンビが今後世界で暗躍しそうです
つか、この勇者自分大好きやのぅ

シェルク「違うぞモフモフ!私は私が好きなのではない!可愛いものが好きなのだ!偶然にも自分がかわいい魔物になってしまったからだなぁ…」

ああ、この勇者は魔王がロリだったらきっと世界の半分と魔王をもらって世界を滅ぼすに違いない…
いまさらですが、ウチのバフォ様はロリでババアなだけにとどまらず、重度のロリコンです
なんたってロリ魔女集団の長ですからね
彼女たちを愛するあまり彼女はロリコンになってしまったのか
彼女がロリコンなあまり彼女たちがロリになってしまったのか
今となっては知るすべはありません
ただ一つ言えるのは…合法ロリって反則じゃね!?
マジロリな上に合法とかしかも魔物でケモノとか
ハァハァ
だめだ、もうスリスリしたいプニプニしたい
ハァハァ

あ、忘れてました
バラガス兄さんがツンデレ野郎のカテゴリに入りました
バラガス兄さん可愛いよバラガス兄さん
カロリーヌさんがホルスタウロスになりました
お〜っぱい!お〜っぱい!ヽ(*´∀`)ノ

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