異世界勇者は自称勇者!?
「世界」 それは決してひとつではない。普通の人々には知るよしもないが、それこそ星の数ほど存在する。 魔物や魔法はおとぎ話の中にしかない世界、魔法とほぼ変わらないことを技術の力で成し遂げてしまった世界、それ以前に価値観、生死観すら根本的に違う世界・・・ もちろん魔物や魔法がごく普通に存在する世界もあり、それも数多く、そしてそれぞれ千差万別だ。 しかし図鑑世界のように魔物達が女性の姿をとり、人とともに歩む道をとろうとしている世界はかなり珍しい部類にはいるだろう。 この話の最初の舞台は図鑑世界とは別の世界、魔物達が本来のイメージ通りに凶悪で醜悪な姿を持ち、人間は餌、もしくは殺戮対象としかみなさない文字通りの絶対悪として君臨する、図鑑世界で言う旧魔王時代に近い世界から始まる。 そしてこの世界の「物語」は終わろうとしていた。「勇者」が数々の苦難とおびただしい量の犠牲や悲劇を乗り越え、遂に魔物の頂点、魔王を討ったことで・・・。 ・・・・・だが、世界の物語は終わっても、彼、勇者の物語は終わってなどいない。 「彼」にとっての物語はむしろ、ここから始まろうとしていた・・・。 |
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