読切小説
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骨折り損の幸せ儲け
さてさてすっかり遅くなってしまったな・・・昼頃には着くと思ったがこれだと夕方くらいになりそうだな。
依頼人を待たせるのはあまり好ましくないが、遅くとも明日には着くと伝えてあるから早い部類に入るだろう。
しかしここんとこ平和だったから討伐系の仕事なんて久々だな、アレ採ってきて欲しい、コレ届けてほしいだのチンケな仕事ばかりだから腕が鳴るねえ。

ところで・・・・・・・

「おい!いつまでついて来る気なんだ」

「だからオレはダーリンと結婚する!夫婦だから一緒なのは当然!」ムフー

「ムフーじゃないから。大体俺は結婚とか興味無いし嫁とか欲しいとも思ってないの!」

「だったらオレが欲しくなるようにしてやる!」ムフフー


まったく何度言っても聞かないんだから・・・。こんなんだったら相手してやんないでほっとけばよかったな・・・・・。





〜数時間前〜


やれやれ・・・こんなところで追い剥ぎかね?あまり芳しくないねぇ・・・。
例え追い剥ぎにしてもこっちの見た目で襲うのも無駄だとおもわないのかねぇ・・・・・、ほぼ手ぶらなんだし。
ま、あーだこ−だ言ってても先進まないから早々にご退場願いますかね。

「ともかく・・・・来なよ。」

「殺す!・・・・・・・・ふんっ!!!」ブオンッ

「おっと!!!」ヒョイ

いきなり斧振り回すってか!?随分物騒だこと・・・・。

「オイオイ勘弁してくれよ、来いとは言ったけどそんな馬鹿でかい斧で来いとはいってないぞ。」

「問答・・・・無用!!」

あーもうまったく言うこと聞かないんだから・・・・ん?
そういやあちらさん、すっぽりと被ったフードとローブでわからんかったがなんだか人間じゃなさそうだな・・・。
足がどー見ても人間の足じゃなくて動物系だな・・・ぅおうっ!意外と振り筋いいなー、まっすぐすぎるけど。ってことはあんだけの怪力じゃミノタウロスあたりか?いやしかしかわいいお顔ですこと。
ミノタウロスだとするとこないだのオークみたいにぅわお!・・・・・オークみたいにケツ叩き地獄乱舞じゃ効きそうにないなあ・・・。しゃーねぇ・・・・・偶には気合入れてやってみっか・・・・・・・・・・疲れるのやだよ・・・・。

「オラァッ!」ブンッ

「ほっ、ちょいさっ」ガシッ

「なに!?」グググ

おっと、いくら力んでも無駄だぜがっちりと右腕を極めてるから下手に動くと骨イクよ。しっかしこんな危なっかしいのいつまでも振り回されたんじゃ俺は困らんけど他の通行人が困るわな。いやしかしホントでかい斧だこと、こりゃ腋極めたくらいじゃ離してくれそうもないな。ホントに折るか?

「クッ・・・・グググヌノオオオオオォォォッ!!!!」





ミチミチブチィッ




「---------!!!!!!!!!!!」


あーあ、いわんこっちゃない、こりゃ伸びただけじゃなくて切れたな・・・・。さてここでどう出るかでこれからの対応が変わるんだが・・・。

「まだやるかい?」

「うぅっ・・・くっ、・・・これ・・・・っしきでっ!」

まだやる・・・・・・・と、オーケイ解ったそっちがその気ならばこっちも本気でぶつかってやらにゃ失礼だわな。

「んかぁ!!」

俺の中でカチリと音を立てて普段は回らない歯車が合わさり回り始める。血が沸きドクンドクンと大きな音を立てて全身に力が注ぎ込まれる。

「それじゃあ、1本いただきます!」ビュン

「!?」

言い切るのと同時に地面を這うような低さからのタックル、狙うは足。立ち状態からいきなりの高速低空タックル、相手には何が起こったか解らない。気がつけば足を抱えられて飛ばされているのだ。
タックルの勢いて相手を転がし足を絡めつつ背後に回り後ろから抱きしめるように腕を前に回す。両手の指を強く脇腹に押し込み肋骨の内側の方へ指を押し曲げる。これだけでも相当の激痛だろう、だが本番はここからだ。

「それじゃまず1本」

押し込んだ指が肋骨を内側から外側へ押し出すように圧力を掛ける。そして押し込まれなかった親指が肋骨の1本を中へ強く押し込む。

パキッ

軽い音が鳴り響き声にならない悲鳴が木霊する。暴れようにも足を絡めて仰向けになり俺の上に乗っけてるんだ、もがくしかできないし空いている手も片方だけじゃ背中へ攻撃も無理だ。後はもう・・・・・・・

「2本目」

パキッ

「3本目」

パキッ
















「お、ようやく起きたか。」

「う・・・・ここは?」

「近くにあった廃屋だ、まったく運ぶの大変だったよ。」

「・・・・・!!、そうだ骨・・・・・?」

「ああ折れた骨や腕は治癒魔法で治しといてやったよ。普通に動けるし痛みもないはずだ。」

「どうして治してくれたんだ?」

「生憎と俺は相手が人間だろうが魔物だろうが無益な殺生は好まん、ただ殺さない代わりに向かってくるかぎり何本でも骨を折る、治してやってでも折る。」

「そう・・・・か・・・・・」

「まぁそんなに卑屈になるこたないさ。さて、んじゃ俺は先を急ぐからここでお別れだ。これからは誰これかまわず襲うんじゃないぞ、じゃあな。」

「なあ、ちょっと待ってくれよ。」

「ん?どうした」

「オレはアンタに惚れた、ついてってもいいか?」

「ふむ、(弟子とかとる気はないんだが・・・・まあいいだろう)好きにしたらいいさ。」

「本当か!?やったぁ、あいがとうダーリン!」ムギュゥ

「(ダーリン?)熱烈な感謝表現はありがたいんだが何故に胸を押し付ける?」

「硬いこと言うなって、もう夫婦なんだしさ。」

何!?夫婦?ついてくってソッチの意味かよ!

「悪いが今の話は無かった事にしてくれ、んじゃさいなら!」ダッ

「あ!ちょっと待ってくれよダーリン!」




はぁ・・・はぁ・・・冗談じゃない、確かにカワイイかもしんないけどミノタウロスが嫁じゃ絶対に体がもたん。いままでさんざん骨を砕いてきたけど俺が腰砕けになっちまう・・・・・・・・・・。ん?何だあの土煙は?こっちに向かってくるぞ。


「ダーーーーーーーーリーーーーーーーーーンーーーーーーー♪」

うおぉ!なんだあの速さ!?俺の全力タックルよりも速え!てかしまった、こんなんじゃ逃げるの間に合わn・・・・・


ドゴオオオォォォン!!!!!!


ナイ・・・・・ス・・・・・・・タッ・・・・・・・・クル・・・・・・・・・ゲフン










「ああもういつまでたってもしつこいなお前は!」

「だからオレはダーリンのヨメなんだから一緒なのは当たり前なの!それに好きにしろと言ったのはダーリンの方だろ」

「確かに言ったがそんな意味だとは思わんかったわ!・・・・・ええぃクソッ、もうどうにでもなりやがれ!!」

「よしその意気だダーリン、またオレを骨抜きにしてくれよな♪」

「うるさいよコンニャロメ!揉み扱いてホルスタロウスにしてやる!」


まぁこんなのも悪くはないかな?
10/04/05 01:38更新 / 羽村コ〜ジ

■作者メッセージ
特に深く構築してなかったんで展開とかグダグダですみません。エロ入れようと思ったけれどコレじゃ入れようがなくて諦めました。次からはエロ入れたいと思います。
因みに私はネタ元となった「奇人」さんがお気に入りです。

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