招かれネコの恩返し
・・・
・・・・・
「と、言うわけなんだ。」
「そうでしたか、いえ僕はてっきり・・・」
「てっきり・・・なんだ?言ってみろマルク。」
「またいつものごとく店長が酔っ払って女性を誘って一晩過ごしたのかと。」
「・・・・・否定はせんが頻繁にはしておらんぞ。」
「まぁ過去のことはさておき、目の前の現実に向かいましょう。」
「とにかく俺は夕べは捨て猫を拾ってきただけだ、後は知らん。」
「泥棒猫の間違いでは?」
「知るか!てか腹減ったから何か買ってくる。帰ってこなくても気にするな。」
「あ!逃げる気ですね。」
「違う!旅に出るだけだ。」
「現実に目を向けてください!」
「現実ってこのワーキャットか!」
「ふにゃ?」
「おはようございま〜す。」
「シェリルか、おはよう。」
「あら?どうしたんですかその子?」
「・・・・・」
「・・・・・」
「あれ?みなさんどうしたんですか、黙っちゃって・・・・」
「にゃ〜お♪」
「あ、ワーキャットのお客さんですか、随分とかわいいですねぇ〜♪」
「ごろごろ……なーお」
「あ、あの?」
「うにゃー」
「お分かりいただけたかね?」
「あの、えと・・・どうしましょう?」
「にゃー」
「さて、どうしましょう?」
「とりあえず様子を見よう。」
「わぁ、ふさふさのしっぽだぁ。」
ふさふさ
「かわいいなぁ・・・・」
なでなで
「フーッ!」
「ひっ」
「ああ、うかつに触らないほうがいいですよ。先ほど僕も同じことして引っ掻かれましたから。」
「だいたい猫から化けるワーキャットなんて聞いたことないぞ。」
「猫ならともかくこれでは暴れられたら人間だけでは抑えきれませんね。」
「あのぅ、なんだか機嫌わるそうですけど・・・・」
「早速緊急事態かよ。」
「ふーっ……ごろごろ」
「お腹空いてるんじゃないんですか?」
「そういや夕べから何も食ってないし、コイツがいつ最後に食ったのかも知らんな。」
「店長、あたし市場で牛乳買ってきます。」
「ああたのむ。ひとまず飯を食わして大人しくしてもらおう。暴れて店の物壊されたらかなわん。」
「猫ってパン食べますかね?」
「ウチの猫は食わんがワーキャットなら大丈夫だろう。」
「お皿に牛乳入れましたよー」
「おお、すまんな。」
「ど・・・どうぞ。」
「・・・?」
「警戒してますね。」
「・・・・・・みにゃー」
ぴちゃぴちゃ
「おお!飲んだ飲んだ。」
「パンも食べますかなぁ・・・・」
そー・・・・・
「ふぎゃーっ!」
「ひゃぅ」
「ああ、食べてるときに頭上に差し出すと怯えるからこうするんだ。・・・・・・・・・一息つくのを待ってから、一口大にちぎってと・・・・」
「ふー」
「離れた位置にこう、差し出してやる。」
「・・・・・・にゃ?」
「食べやすい高さに手を置くとなおよろしい。」
「にゃー」
むしゃむしゃ
「おおーすごい。」
「結構食べますねぇ」
「やはり腹が減ってたんだろう」
「にゃー」
ぺろぺろ
「わ!まだあるから手を舐めるな。」
「ふにゃ?」
(見た目が人間なだけに色々と心臓に悪い・・・)
「で、どうするんだこれ?」
「このまま外に放り出すわけにはいかないでしょう。」
「だからといって店に置いとくのも問題だ。」
「にゃー、にゃー」
「ほれほれ、今大事な話してるんだからあっち行ってなさい。」
シッシ
「うー」
「あまり邪険に扱って暴れさせないでくださいね。」
「ともかく・・・だ、これはもう教会に預けたほうが得策だと思うんだが。」
「ちょ、ちょっと待ってください、いくらなんでも可哀想ですよぅ・・・・。」
「生憎だが亜人といえども意思の疎通ができんのではケモノと一緒だ。まぁ人を襲うようなモンではないから単にでかい猫扱いで保護してもらうよう言っておけばいいだろう。」
「それが無難なところですね。」
「とりあえずは文書にて経緯を書き記して保護してもらえるよう申請しておこう。このまま連れてっても追い返されるのが落ちだ。」
「では書類は僕が準備しておきますね。」
「頼む、シェリルはすまんが店のほうを頼む。」
「わかりましたぁ。」
「さて・・・そろそろ店じまいするか。マルク、教会のほうはどうだった?」
「とりあえず明日の朝一にでも使いのものを向かわせるとのことです。」
「そうか、ならば今日のところは連れて帰るとするか。」
「このまま置いとくわけにはいきませんからね。」
「まあ一晩くらいなら大丈夫だろう、じゃあ俺は帰るからな、戸締りは頼んだぞ。お疲れさん。」
「「お疲れ様でしたー。」」
「ただいま。」
「お兄ちゃんお帰り、あれお客さん?」
「迷い猫娘だ、一晩保護することにした。」
「にゃ〜ご。」
「へ〜そうなんだ。そのお姉ちゃんの名前は?」
「生憎だが見てくれは人間だが中身は猫だ。だから言葉が通じんのでわからん。」
「あれれ、じゃあ名前つけてあげようよ〜。」
「ふむ・・・・・・、ならばコイツは店で牛乳ばかり飲んでたからミルクとでも呼ぶか。」
「そっかぁ、よろしくねミルク!」
「にゃん!」
「ウチのルシェに友達ができたね。」
「喧嘩せんと大人しく友達になればいいがな。」
「にゃお?」
「まあいい、とりあえず俺は部屋に行くから。」
「ふにゃ〜お♪」スリスリ
「ええい、くっつくな!」
「はああ、やっと落ち着ける・・・。」
「にゃん、にゃんふにゃん♪」スリスリ
「前言撤回、落ち着けん。」
「・・・・・・・・ふみぃ」
「ん?部屋の隅っこで何してる?」
「・・・・・・・・・・・」フルフル
「なんだなんだ?」
チョロチョロ・・・・・・・・・・・
「っておいいいいいいいいいいいぃ!!こんなところでおしっこするなーー!!」
「にゃん♪」
「スッキリ♪って顔すんな!とにかく掃除しないと・・・。トイレの躾もせにゃならんのかまったく・・・・。」
「はあ、疲れた。これであと心配なのは。」
「お兄ちゃんご飯できたよー。」
「おお、今行く。そうかコイツの飯を用意せんとな。」
「にゃんにゃんにゃん」スリスリスリ
「片時も離れんなこいつは・・・。さて、適当に見繕ってと・・・・・ひとまず部屋で食うか。」
「ふう・・・」バタン
「ん?」
「にゃあ」
「ルシェか、ひとのベッドで寛ぐなよ。まあいい、それより飯を・・・・・・?」
「・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・」
「なんだお前ら?」
「・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・」
「まさか喧嘩とかしないだろうな?」
「ぎにゃーー!!」
「きしゃーー!!」
「ぬわーー!!やりやがったーー!!」
「おい!すまんがルシェをお前の部屋にいれて絶対出すな。残念なことに二匹の相性は最悪だ。初見で喧嘩始めやがった。」
「あーったく、ホイホイと喧嘩すんなっての!ともかくメシだメシ、いらん面倒ばっかで腹減ったっての。」
「ふにゃん。」
「ふにゃんじゃなくてさっさと食えよ、シチュー置いとくからな。」
「・・・・・・・・・」クンクン
「そうそう、シチューはうまいぞー。」
「うにゃ〜ご♪」ガツガツハグハグ
「ほらほらそんなにがっつくなって・・・・あーあ、こぼしまくってまた掃除だよ。」
「うにゃ?」
「体中ベトベトにしやがって、こりゃ風呂で洗わんといかんな。」
「誰が」
「俺が?」
「ふにゃん♪」
「・・・・・・・・」
「おーい、すまんがタオルお湯につけて絞ったの持ってきてくれ。・・・・・・・・よーしそしたら俺が押さえとくからコイツのベトベト拭いてやってくれ。それ今だ!」
「うにゃにゃにゃにゃ〜〜〜〜!!!!!」
「こら!暴れんな!!」
「ふぎゃあああぁぁぁっ!!!」
「はぁ、いろいろと疲れた・・・。時間も時間だし寝るか。」
「ふにゃあ・・・・・・はふ・・・・」
「そういや寝るときのことを考えてなかったな。こやつは俺のベッドで丸くなってるし。」
「ふにゅう・・・・」
「しかたない、居間で寝るか・・・」
「じゃあな、おやすみ」
グイッ
「・・・・・なぜ掴む?」
「ふにゅうう・・・にゃああああ!」
「駄目だ駄目だ、大人しく一人で寝てなさい。」
「にゃあああ、にゃあああ!」
「ええい、放しなさいっての!」ブンッ
バタン
「ふぅ、やれやれ・・・」
「にゃあああ!にゃあああ!!」カリカリ
「ドアを引っ掻くな、引っ掻いたところで開きやせんぞ」
「にゃー!!」ガチャ
「なにぃ!?」
「にゃおん♪」
「おい!今普通にドア開けて出てこなかったか!?」
「にゃんにゃん!」
「もういい、わかったから一緒に寝るよ。」
「にゃ〜ん♪」
「じゃあお前は床で寝てなさい。俺がベッドで寝るから」
「ふぎゃー!」
「なにイヤだって?じゃあベッドで寝なさい」
「ふにゃん」
「仕方ない、俺は床で寝るか。」
「ふぎゃー!」
「まさかそれも駄目と?まさか一緒にベッドで寝る気か?」
「うにゃん♪」
「・・・・・・・・」
「ふにゃ?」
「・・・・・・もういい、わかったから一緒に寝よう。だがあまりくっつくなよ。」
「にゃにゃにゃーん♪」
「にゃあにゃあ」
(いまさらしがみつかれたところで屁でもない)
「にゃーにゃー」ペロペロ
(頬を舐められたところで屁でもない)
「・・・・・」スンスン
(耳に息が当たろうと平常心)
「にゃ」クチャクチャ
(平常心平常心って!!)
「にゃあああああ!!耳の中を舐めるなー!」
「にゃん♪」
「いい加減大人しく寝ろ!バカモノ!」
「にゃん!」
「まったく・・・・・(あーびっくりした。新たな何かに目覚めるところだった・・・)」
「・・・・・・・・・・すぅ」
(ようやく寝てくれたか?しかし長い一日だった・・・)
「・・・・・・ふにゃぁ」ギュウ
(もうしがみつかれるのにも慣れたもんだ・・・。)
「・・・・・・ハァ・・・・・・・・ハァ・・・・」
(ん?何だこの感触?)
「うにゃあ・・・・・ふにゃ・・・・・・ふにゃあん・・・」
(何故にお前は股間を擦り付けてくる?)
「にゃあ!」ガバッ
「何故に覆い被さる?」
「にゃ〜〜ご〜」ギラギラ
「何故に獲物を狙う捕食者の目をする?」
「にゃ・・・にゃおーん」ダラダラ
「まさかとは思うが・・・・・・・・・発情期!?」
「うにゃおーーーーーーーーーー!!!!」クワッ
「ふぎゃにゃああああああああああっっっ!!!」
チュン・・・・・チュン・・・・・
(ようやく朝だ・・・・・・長かったな・・・・)
(ははっ・・・・・・・やった・・・・・やったよ・・・・・・)
(凌ぎきったよ・・・・・・・)
「すう・・・・すう・・・・・」
(いい気に寝やがって・・・・どんだけ舐め尽されたか・・・・・)
(ひとまず、軽く寝てから店に行くか・・・)
「おーっす。」
「あ、おはようございます店長。教会の方がもうお見えですよ。」
「やぁこれはどうも、朝早くからすみません。コイツが例のワーキャットなんですが・・・。」
「にゃあ!」
「どれどれ・・・・、あーこれはどうにもなりませんな。」
「へ?」
「いやこれはワーキャットといえども化け猫の類でしてね、本来ならば普通の猫なんですけれども猫のなんらかの感情が増大して魔力と交じり合って化けたものなんですよ。」
「はぁ・・・」
「まぁ悪意の類は感じられませんから恩返しか何かで化けたと思われます。」
「・・・・・そうですか。」
「解決方法としては気長に待って猫が恩を果たしたと思えば元の猫に戻りますよ。」
「するとこのまま待てと?」
「申し訳ありませんがそうするしかありませんな。」
「そんな〜・・・・・」
「ふにゃん♪」
「おい、一体いつになったらアイツは恩を果たすんだ?」
「そんなの僕にはわかりませんよ、まあネズミ除けになってるからいいんじゃないですか?」
「そうは言ってもまぁ・・・・」
「きゃああっ!店長またミルクちゃんがネズミ捕まえてます。」
「捨てて来いそんなの!!」
「にゃあ♪」
・・・・・
「と、言うわけなんだ。」
「そうでしたか、いえ僕はてっきり・・・」
「てっきり・・・なんだ?言ってみろマルク。」
「またいつものごとく店長が酔っ払って女性を誘って一晩過ごしたのかと。」
「・・・・・否定はせんが頻繁にはしておらんぞ。」
「まぁ過去のことはさておき、目の前の現実に向かいましょう。」
「とにかく俺は夕べは捨て猫を拾ってきただけだ、後は知らん。」
「泥棒猫の間違いでは?」
「知るか!てか腹減ったから何か買ってくる。帰ってこなくても気にするな。」
「あ!逃げる気ですね。」
「違う!旅に出るだけだ。」
「現実に目を向けてください!」
「現実ってこのワーキャットか!」
「ふにゃ?」
「おはようございま〜す。」
「シェリルか、おはよう。」
「あら?どうしたんですかその子?」
「・・・・・」
「・・・・・」
「あれ?みなさんどうしたんですか、黙っちゃって・・・・」
「にゃ〜お♪」
「あ、ワーキャットのお客さんですか、随分とかわいいですねぇ〜♪」
「ごろごろ……なーお」
「あ、あの?」
「うにゃー」
「お分かりいただけたかね?」
「あの、えと・・・どうしましょう?」
「にゃー」
「さて、どうしましょう?」
「とりあえず様子を見よう。」
「わぁ、ふさふさのしっぽだぁ。」
ふさふさ
「かわいいなぁ・・・・」
なでなで
「フーッ!」
「ひっ」
「ああ、うかつに触らないほうがいいですよ。先ほど僕も同じことして引っ掻かれましたから。」
「だいたい猫から化けるワーキャットなんて聞いたことないぞ。」
「猫ならともかくこれでは暴れられたら人間だけでは抑えきれませんね。」
「あのぅ、なんだか機嫌わるそうですけど・・・・」
「早速緊急事態かよ。」
「ふーっ……ごろごろ」
「お腹空いてるんじゃないんですか?」
「そういや夕べから何も食ってないし、コイツがいつ最後に食ったのかも知らんな。」
「店長、あたし市場で牛乳買ってきます。」
「ああたのむ。ひとまず飯を食わして大人しくしてもらおう。暴れて店の物壊されたらかなわん。」
「猫ってパン食べますかね?」
「ウチの猫は食わんがワーキャットなら大丈夫だろう。」
「お皿に牛乳入れましたよー」
「おお、すまんな。」
「ど・・・どうぞ。」
「・・・?」
「警戒してますね。」
「・・・・・・みにゃー」
ぴちゃぴちゃ
「おお!飲んだ飲んだ。」
「パンも食べますかなぁ・・・・」
そー・・・・・
「ふぎゃーっ!」
「ひゃぅ」
「ああ、食べてるときに頭上に差し出すと怯えるからこうするんだ。・・・・・・・・・一息つくのを待ってから、一口大にちぎってと・・・・」
「ふー」
「離れた位置にこう、差し出してやる。」
「・・・・・・にゃ?」
「食べやすい高さに手を置くとなおよろしい。」
「にゃー」
むしゃむしゃ
「おおーすごい。」
「結構食べますねぇ」
「やはり腹が減ってたんだろう」
「にゃー」
ぺろぺろ
「わ!まだあるから手を舐めるな。」
「ふにゃ?」
(見た目が人間なだけに色々と心臓に悪い・・・)
「で、どうするんだこれ?」
「このまま外に放り出すわけにはいかないでしょう。」
「だからといって店に置いとくのも問題だ。」
「にゃー、にゃー」
「ほれほれ、今大事な話してるんだからあっち行ってなさい。」
シッシ
「うー」
「あまり邪険に扱って暴れさせないでくださいね。」
「ともかく・・・だ、これはもう教会に預けたほうが得策だと思うんだが。」
「ちょ、ちょっと待ってください、いくらなんでも可哀想ですよぅ・・・・。」
「生憎だが亜人といえども意思の疎通ができんのではケモノと一緒だ。まぁ人を襲うようなモンではないから単にでかい猫扱いで保護してもらうよう言っておけばいいだろう。」
「それが無難なところですね。」
「とりあえずは文書にて経緯を書き記して保護してもらえるよう申請しておこう。このまま連れてっても追い返されるのが落ちだ。」
「では書類は僕が準備しておきますね。」
「頼む、シェリルはすまんが店のほうを頼む。」
「わかりましたぁ。」
「さて・・・そろそろ店じまいするか。マルク、教会のほうはどうだった?」
「とりあえず明日の朝一にでも使いのものを向かわせるとのことです。」
「そうか、ならば今日のところは連れて帰るとするか。」
「このまま置いとくわけにはいきませんからね。」
「まあ一晩くらいなら大丈夫だろう、じゃあ俺は帰るからな、戸締りは頼んだぞ。お疲れさん。」
「「お疲れ様でしたー。」」
「ただいま。」
「お兄ちゃんお帰り、あれお客さん?」
「迷い猫娘だ、一晩保護することにした。」
「にゃ〜ご。」
「へ〜そうなんだ。そのお姉ちゃんの名前は?」
「生憎だが見てくれは人間だが中身は猫だ。だから言葉が通じんのでわからん。」
「あれれ、じゃあ名前つけてあげようよ〜。」
「ふむ・・・・・・、ならばコイツは店で牛乳ばかり飲んでたからミルクとでも呼ぶか。」
「そっかぁ、よろしくねミルク!」
「にゃん!」
「ウチのルシェに友達ができたね。」
「喧嘩せんと大人しく友達になればいいがな。」
「にゃお?」
「まあいい、とりあえず俺は部屋に行くから。」
「ふにゃ〜お♪」スリスリ
「ええい、くっつくな!」
「はああ、やっと落ち着ける・・・。」
「にゃん、にゃんふにゃん♪」スリスリ
「前言撤回、落ち着けん。」
「・・・・・・・・ふみぃ」
「ん?部屋の隅っこで何してる?」
「・・・・・・・・・・・」フルフル
「なんだなんだ?」
チョロチョロ・・・・・・・・・・・
「っておいいいいいいいいいいいぃ!!こんなところでおしっこするなーー!!」
「にゃん♪」
「スッキリ♪って顔すんな!とにかく掃除しないと・・・。トイレの躾もせにゃならんのかまったく・・・・。」
「はあ、疲れた。これであと心配なのは。」
「お兄ちゃんご飯できたよー。」
「おお、今行く。そうかコイツの飯を用意せんとな。」
「にゃんにゃんにゃん」スリスリスリ
「片時も離れんなこいつは・・・。さて、適当に見繕ってと・・・・・ひとまず部屋で食うか。」
「ふう・・・」バタン
「ん?」
「にゃあ」
「ルシェか、ひとのベッドで寛ぐなよ。まあいい、それより飯を・・・・・・?」
「・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・」
「なんだお前ら?」
「・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・」
「まさか喧嘩とかしないだろうな?」
「ぎにゃーー!!」
「きしゃーー!!」
「ぬわーー!!やりやがったーー!!」
「おい!すまんがルシェをお前の部屋にいれて絶対出すな。残念なことに二匹の相性は最悪だ。初見で喧嘩始めやがった。」
「あーったく、ホイホイと喧嘩すんなっての!ともかくメシだメシ、いらん面倒ばっかで腹減ったっての。」
「ふにゃん。」
「ふにゃんじゃなくてさっさと食えよ、シチュー置いとくからな。」
「・・・・・・・・・」クンクン
「そうそう、シチューはうまいぞー。」
「うにゃ〜ご♪」ガツガツハグハグ
「ほらほらそんなにがっつくなって・・・・あーあ、こぼしまくってまた掃除だよ。」
「うにゃ?」
「体中ベトベトにしやがって、こりゃ風呂で洗わんといかんな。」
「誰が」
「俺が?」
「ふにゃん♪」
「・・・・・・・・」
「おーい、すまんがタオルお湯につけて絞ったの持ってきてくれ。・・・・・・・・よーしそしたら俺が押さえとくからコイツのベトベト拭いてやってくれ。それ今だ!」
「うにゃにゃにゃにゃ〜〜〜〜!!!!!」
「こら!暴れんな!!」
「ふぎゃあああぁぁぁっ!!!」
「はぁ、いろいろと疲れた・・・。時間も時間だし寝るか。」
「ふにゃあ・・・・・・はふ・・・・」
「そういや寝るときのことを考えてなかったな。こやつは俺のベッドで丸くなってるし。」
「ふにゅう・・・・」
「しかたない、居間で寝るか・・・」
「じゃあな、おやすみ」
グイッ
「・・・・・なぜ掴む?」
「ふにゅうう・・・にゃああああ!」
「駄目だ駄目だ、大人しく一人で寝てなさい。」
「にゃあああ、にゃあああ!」
「ええい、放しなさいっての!」ブンッ
バタン
「ふぅ、やれやれ・・・」
「にゃあああ!にゃあああ!!」カリカリ
「ドアを引っ掻くな、引っ掻いたところで開きやせんぞ」
「にゃー!!」ガチャ
「なにぃ!?」
「にゃおん♪」
「おい!今普通にドア開けて出てこなかったか!?」
「にゃんにゃん!」
「もういい、わかったから一緒に寝るよ。」
「にゃ〜ん♪」
「じゃあお前は床で寝てなさい。俺がベッドで寝るから」
「ふぎゃー!」
「なにイヤだって?じゃあベッドで寝なさい」
「ふにゃん」
「仕方ない、俺は床で寝るか。」
「ふぎゃー!」
「まさかそれも駄目と?まさか一緒にベッドで寝る気か?」
「うにゃん♪」
「・・・・・・・・」
「ふにゃ?」
「・・・・・・もういい、わかったから一緒に寝よう。だがあまりくっつくなよ。」
「にゃにゃにゃーん♪」
「にゃあにゃあ」
(いまさらしがみつかれたところで屁でもない)
「にゃーにゃー」ペロペロ
(頬を舐められたところで屁でもない)
「・・・・・」スンスン
(耳に息が当たろうと平常心)
「にゃ」クチャクチャ
(平常心平常心って!!)
「にゃあああああ!!耳の中を舐めるなー!」
「にゃん♪」
「いい加減大人しく寝ろ!バカモノ!」
「にゃん!」
「まったく・・・・・(あーびっくりした。新たな何かに目覚めるところだった・・・)」
「・・・・・・・・・・すぅ」
(ようやく寝てくれたか?しかし長い一日だった・・・)
「・・・・・・ふにゃぁ」ギュウ
(もうしがみつかれるのにも慣れたもんだ・・・。)
「・・・・・・ハァ・・・・・・・・ハァ・・・・」
(ん?何だこの感触?)
「うにゃあ・・・・・ふにゃ・・・・・・ふにゃあん・・・」
(何故にお前は股間を擦り付けてくる?)
「にゃあ!」ガバッ
「何故に覆い被さる?」
「にゃ〜〜ご〜」ギラギラ
「何故に獲物を狙う捕食者の目をする?」
「にゃ・・・にゃおーん」ダラダラ
「まさかとは思うが・・・・・・・・・発情期!?」
「うにゃおーーーーーーーーーー!!!!」クワッ
「ふぎゃにゃああああああああああっっっ!!!」
チュン・・・・・チュン・・・・・
(ようやく朝だ・・・・・・長かったな・・・・)
(ははっ・・・・・・・やった・・・・・やったよ・・・・・・)
(凌ぎきったよ・・・・・・・)
「すう・・・・すう・・・・・」
(いい気に寝やがって・・・・どんだけ舐め尽されたか・・・・・)
(ひとまず、軽く寝てから店に行くか・・・)
「おーっす。」
「あ、おはようございます店長。教会の方がもうお見えですよ。」
「やぁこれはどうも、朝早くからすみません。コイツが例のワーキャットなんですが・・・。」
「にゃあ!」
「どれどれ・・・・、あーこれはどうにもなりませんな。」
「へ?」
「いやこれはワーキャットといえども化け猫の類でしてね、本来ならば普通の猫なんですけれども猫のなんらかの感情が増大して魔力と交じり合って化けたものなんですよ。」
「はぁ・・・」
「まぁ悪意の類は感じられませんから恩返しか何かで化けたと思われます。」
「・・・・・そうですか。」
「解決方法としては気長に待って猫が恩を果たしたと思えば元の猫に戻りますよ。」
「するとこのまま待てと?」
「申し訳ありませんがそうするしかありませんな。」
「そんな〜・・・・・」
「ふにゃん♪」
「おい、一体いつになったらアイツは恩を果たすんだ?」
「そんなの僕にはわかりませんよ、まあネズミ除けになってるからいいんじゃないですか?」
「そうは言ってもまぁ・・・・」
「きゃああっ!店長またミルクちゃんがネズミ捕まえてます。」
「捨てて来いそんなの!!」
「にゃあ♪」
10/03/25 00:51更新 / 羽村コ〜ジ