第九章 未来を仰ぐ者二人:ドラゴニア城B
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ドラゴニア城スイートルーム。その名に相応しいとても豪奢な造りの部屋だった。
呈の尾すら全て乗るほどの、天蓋付きダブルキングサイズベッドを中心に、絢爛豪華な調度品の数々が部屋を飾っている。どれも上質な魔界銀などの鉱物など、おそらくこのドラゴニアで採れた最上級品質の原材料を、熟練の細工師らが加工したものだろう。ドラゴニア城が魔界であるからという理由だけでなく、それら全ての調度品、ベッドそれ自体に濃密な魔力が含まれており、桃色の薄い霧を部屋に立ち込ませていた。
部屋に入り、それを意識した途端、おれの頭の中は桃色の靄に包まれ、呈のことだけを考えてしまうようになる。
股間に信じがたいほどの熱と力が入り、痛いばかりに膨らんでいた。この衝動を赴くまま、隣の一匹の雌竜にぶつけたい。そんな蕩けた欲望がおれの全身を支配した。
そして、スイートルームの濃密な魔力に充てられたのはおれだけじゃなかった。
呈もおれを見つめて、淫靡な笑みで舌なめずりすると一人先んじてベッドへ行く。そして、おれを誘うように両手を広げてベッドへと腰かけ、寝転んだ。
白いシーツすらも敵わない美白の蛇。桃色の霧に彩られる呈に引き寄せられるおれはまさに食虫植物に飛び込む虫のようなもの。虫との圧倒的な違いは、おれ自身の意思で食べられたいと思ってしまっていることだ。
「はぁはぁ、呈……はぁああ」
鼻息が荒くなってしまう。呈が綺麗すぎて、可愛すぎて、美しすぎてもう早く食べられたい。
白無垢ドレスに身を纏った白蛇。花弁のようなドレスに潜り込んで、自ら食べられたい。
「お風呂入ってないけど、いいかな?」
「いいよそんなの。もう我慢できないっておれ。呈ああ、呈ッ、呈ッ」
「ああんんっ、スワローがぼくの指舐めてるっ、ちゅぱちゅぱって」
「ふーっ、ふーっ、ちゅぶぶ、はぁ、呈の指美味しい、爪の中も指の間も」
「あはっ、スワローの熱い舌でぼくの指ドロドロになっちゃうよぉ。んんっ! ぼくのちっちゃなおっぱいもみもみ、イイ! イイよっ! もっと揉んでぇ!」
舌を指先から、指の間、手の甲から手首、腕へと這わせていく。しっとりした舌触りに甘い香り。頭の奥が痺れていく感覚。もっと、もっと欲しい。
そのまま呈に圧し掛かり、おれは身体を柔らかな呈の白無垢ドレスに沈める。シルクのような心地いい肌触り、微かな起伏の呈のおっぱいの揉み心地は至福の一言。ドレスの上から手を這わせ、手の甲にびんびんになった突起を感じて、ますます興奮した。
「あぁんっ! スワロー、そこ腋だからぁ、汚いよぉ」
「汚く、ないっ、はむ、れろっ。甘酸っぱくてつるつるで美味しい」
腋を閉じようとする呈の腕の中に顔を潜り込ませる。鼻に呈の腋が密着して息を吸うと呈の匂いにおれの鼻腔は満たされた。もうそれだけで吐精してしまいそうなほど、おれのペニスは張り詰めている。
「んっ、あはぁ、乳首、くりくりってぇ……」
もう我慢できず、服をずらして呈のおっぱいを露にする。白い肌に玉のような汗を垂らす魅惑のおっぱい。起伏の頂点にある桃色の果実をおれは真っ先に頬張り舌で転がした。
呈の腰に腕を回し、身体全体を押し付ける。呈もおれの頭ががっしりと掴んでおっぱいにおれの顔をめり込ませる。
カリッ。
「あんっ! イイよっ! スワローぉ! もっと噛んでぇぼくのおっぱいっ!」
ミルクなんて出てないのに呈のおっぱいはとても甘い。それに汗も混じって甘酸っぱい。美味しい。美味しい。脳味噌がどんどん溶かされる。呈の甘い蜜毒に犯される。
はぁ、呈、呈、呈!
腰をぐいぐいとこすりつける。勃起したおれのペニスを服の上から呈のドレスに擦り付ける。堪らないもっと。
「ふふっ、解放してあげるね」
呈のしなやかな指がジッパーを下ろしていった。おれの股間がひやりとした空気に触れたのも束の間。
「ッ! うああ、柔らかくて、すごっ、包まれ、る……!」
呈の折り重なった柔らかいドレスのスカートに、おれの屹立したペニスが沈み、呑み込まれていく。シルクのような触れ心地の優しい布地がおれのペニスの皮を、まるで自在な指のように這わせて剥いていき、露になった弱点丸出しの亀頭を包み込んだ。
呈がゆっくりと腰をくゆらせると、スカートの溝が揺れて上下左右から甘い快楽の抱擁をペニスに注いでいく。
この動作だけで腰砕けになったおれは呈にしがみついて、首元に顔を埋めた。
顔をあげると淫靡に頬を紅潮させ、舌なめずりする呈がいる。長い二股割れの舌が伸ばされたかと思うと、おれの唇をこじ開けて中を犯してきた。その長い舌に吸い寄せられるように、おれの唇は呈に奪われ、すぐにぐちゅぐちゅと激しい水音を響かせる。
「むぐっ、て、い、んむっ、むりゅれろっちゅちゅっ」
顔の左右を両手で掴まれ、もう離さないと言わんばかりに唇とその中、舌と歯、喉奥を貪ってくる呈。二股の細い舌先、肉厚な舌体、涎に塗れた呈の舌におれの口内は激しく凌辱される。
上も下も犯され、脳髄が快楽信号を全身へと届ける。もう自由になる身体などなく、呈にしがみついて口内を貪られる快楽を享受するほか、おれの取れる行動はなかった。
「んんんんんんっっ!! ぐむっんんんんんんんんっ!!」
目の前に火花が散る。快楽の暴風が昇り詰める。呈に煽られた欲望の汁が、狭い道を抉るように進みながら這いあがっていく。このままだと出してしまう。白熱の欲望を放出してしまう。呈の白無垢ドレスを汚してしまう。駄目だ。呈の花嫁衣裳を。おれの汚いもので……。
最後の理性で堪えようとぐっと股間に力を込めた。だが。
「ぷはっ、ぼくの白い花嫁衣裳、スワローの白濁ミルクでドロドロに……スワローの色に染め上げて」
そんな言葉を耳に囁かれた瞬間、おれの理性は呈に屈服した。理性が呈をドロドロにしたいと望んだ。
一瞬の我慢は、より一層白濁した欲望を勢いよく放つためのものにしかならなかった。
「……! ……! ……!」
ビュルビュルドビュドビュドプドプ。耳に届くほどの射精音。よりドレスに染み込ませるためにおれは腰を深く押し付ける。
呈の白無垢を汚している。おれの白濁で汚させられている。背徳感と屈服感。呈にどうしようもなく溺れて切ってしまっている自分に、言葉にならないほどの満足をおれは覚えていた。
でも、もっと、もっと出したい。呈に食べて欲しい。
「はぁはぁ、呈、もっとぉ」
懇願するように呈にしがみつく。いつものおれなら絶対に出さないような媚びに塗れた声。呈の前でしか漏らさない下卑た声。
「うん、うん! スワロォもっとぼくを求めてっ!」
それなのに呈はおれから身を離した。おれの身体の下に尾は這わせたまま、妖艶な笑みでおれを誘うようにスカートを少しだけ摘まみ上げる。
「ふふっ、探して、ぼくの大事なところ。ぼくの尾を登っていけば辿り着けるよ」
「はぁはぁ……呈っ!」
呈の白い艶々の鱗で覆われた尾をおれは這う。ツルツルで若干の張りがある愛おしい呈の蛇腹。頬擦りし、キスを降らせながら、呈の愛しい蛇体を味わいながら蜜園を目指していく。
「あはぁ、スワローの、ふふ、ペニスがぼくの尾を擦ってるよ。気持ちいい? ぼくの蛇腹気持ちいい?」
柔らかい弾力性のある呈の蛇腹に、おれのイッたばかりのペニスが擦れる。
「キュッキュッてペニスのカリ裏が引っかかってるねぇ。堪らないかな? また出したくなってきた?」
頭が痺れる。早く蜜園に行きたいのに、この蛇腹の魅力がおれを足止めする。かけたい、ぶっかけたい。おれの精液を呈の白い蛇腹にぶちまけたい。
もう蜜園のことは忘れて、おれは腰を振っていた。猿みたいに快楽で餌付けされたおれはもう蛇腹に精液をかけることしか考えられない。
「呈、もうっ、出るっ!」
「しょうがないなぁ。ふふ、出して。ぶっかけて、スワローのミルク」
「うあっ! あっ!」
ぶちまけた。液体というよりも固体のような何かがおれの鈴口をこじ開けて通り抜けていく。
普通なら訪れる虚脱感も、全然訪れない。一向に萎えない。呈にもっと精液をぶっかけて、食べてもらいたい啜ってもらいたい貪ってもらいたい。
「ああ、呈もっと、まだもっと呈」
しがみつくように呈の尾に抱き付いてゆっくりと這い登る。イッて精液で汚れたぺニスを呈の蛇腹に擦り付けながら、匂い付けをするように。
そうだ匂い付け。呈はおれの、おれだけのもの。食べられていいのはおれだけ。貪られていいのはおれだけ。
だからつける。おれの匂いを。精液に塗れたペニスで呈の鱗の一枚一枚に染み込ませていく。
「くはっ、呈っ!」
「ああんっ! もう、ふふっ、すごいなぁ、これだけ出してるのに全然……ううん、出せば出すほど大きく、匂いも強くて、濃くて、あはっ、ぼく好みのペニスになってってる」
「呈っ、呈の蛇の身体を、白い鱗を、おれのでっ!」
「いいよっ、つけながら来て。真っ白な蛇を、白濁な蛇に作り替えてっ! 自分の尾の匂いで発情しちゃうように、スワローを食べたくて仕方なくなる淫乱な身体に作り替えてっ!」
「っぁ!」
一擦りごとに精を吐き出す。快楽に身体が痺れてもおれの本能は呈の蜜園を目指して這っていた。おれの這った痕に、精液に塗れた呈の蛇体を残しながら。
「はぁはぁ、っ! 呈の、やった、呈の中に」
そうしてようやく呈のスカートの裾まで辿り着いた。
「ふふっ、お疲れ様ぁ、ぼくの下半身、スワローの精液でもうドロドロだよぉ」
「ふぅふぅ、いいか? 呈、いいよなっ!?」
「いいよ、スワロー……ぼくに、食べられて?」
呈はスカートの裾を上げ、おれは大口を開けた蛇の中へ自ら顔を突っ込む。
呈の匂いで充満していた。
「ッッッ!!」
それだけで軽くイってしまっていた。ぶぴゅっと精液を吐き出したのがわかる。それくらい刺激的で甘美な、スカートの密閉した中に押し込まれた呈の匂い。
蒸れた汗と、それに混じってオマンコ汁の甘ったる蜜の香りがおれの鼻腔を通って脳を蕩けさせる。深呼吸しかできない。おれの吸う空気全てを呈がもたらすものにしたいくらいだ。
「呈、呈のオマンコ、舐めたい……吸いたい! たっぷりの汁飲みたい!」
スカートという呈の大口に、おれは自ら身体を沈めていく。食べられてもいい。食べられたい。その先に甘美な蜜が待っているのだから。
そして、薄暗い捕食者の口を潜って、おれはついにおれの全てを貪る蜜穴に辿り着いた。
強烈な雌の匂い。舌を突き出して、おれはその蜜穴にむしゃぶりつく。
ぷっくりとした陰唇とキスをする。下唇を秘唇に滑り込ませ、薄いビラビラを甘噛みしながら舌で舐めしゃぶる。芳醇な蜜を舌で味わいながら、もっと欲しいおれは奥へ奥へと舌をこじ入れた。
「んんっ、イイッ! あっはぁはぁ、くひぃ!? ぼくのオマンコヒダ、一本一本丁寧に舐められてっ、んふぅ!」
無数の粒ヒダを舌で転がしながら、その間の溝をなぞるように舐めていく。生暖かい膣内に舌がきゅうきゅうと締め付けられ、ヒダの一粒一粒が吸い付いてきて、染み出る蜜汁に舌が溺れさせられる。
「じゅるるるるっ、じゅぶっじゅずずずずずずっ!」
鼻で呈のクリトリスを弾きながら額が呈のお腹に押し付けた。ぐいぐいとちょうど子宮のある位置をおれは刺激する。そうするとどんどん蜜が溢れるのだ。お尻に手を回して愛撫すればなおのこと染み出てくる。
「あんんっ!? そこお尻の穴ぁ! んっふぅ、あはぁ、ああイイ……駄目な穴なのに、スワローにお尻の穴撫でられるの気持ちいいよぉ……んひぃっ!?」
つぷっと指をお尻の穴に挿入する。すると膣内に挿れていた舌がさらにきゅうぅっと締まった。いまだ。いまが一番、呈が快楽に昇りつめやすい瞬間だ。
おれは呈の桃尻を思い切り揉みしだきながら尻穴を指で穿ち、同時にクリトリスを上歯で噛みながら、呈のオマンコを思い切り吸い上げた。中にあるもの全てを吸いつくす勢いで、頬をへこませて呈のオマンコ汁を飲み下す。
「くひぃ!? いいいいいぃあぁああああああああああああああっっ!?」
嬌声。
瞬間、呈の腰は大きく浮いて、大量の蜜を弾けさせておれの顔面に思い切りぶちまけた。透明な液に混じって淡い黄金色の汁がおれの目を鼻を口をびしょびしょに汚す。呈の甘酸っぱささと生臭さ、それと仄かな苦みの混じった至高の飲み物におれの思考は蕩け堕ちた。
おれの興奮は一気に最高潮へと高めさせられた。
スカートを一気にまくり上げ、呈の身体に上に圧し掛かる。腰と腰を触れ合わせ、幾度射精しても一向に萎える気配のないペニスを、それどころかこれまでで最大に勃起しているペニスを、呈のひくつくオマンコにあてがった。
「っ!」
「あっ!」
呈の許しも得ずにおれは思い切り腰を振り下ろす。先ほどまで生暖かったはずのオマンコは炎のように熱く、舌が幾重にも重なっているように肉厚で、おれのペニスを根本まで一気に呑み込んだ。
「かっ、はっ、はっ、ぐぅっ……!」
「あひっ、くひっ、あっあっあはっ、あひぃっ」
尋常じゃない締め付け。根本から亀頭まで吸い出すように脈動し、ぷりぷりの肉ヒダが全方位からおれのペニスに強烈な刺激の乱打を食らわせる。
その快楽を最大限に味わうためにおれは腰をゆっくりと持ち上げて、振り下ろした。
「んっほぉおお!?」
呈の快楽に悲鳴にも似た嬌声が、紅に濡れる唇から漏れる。涎で顔中濡らす呈の唇におれはむしゃぶりついた。
「んおおおおっ、んんっ、ふんんっんんふぅ、じゅぷれろろろんふほおおおおっ!!」
獣のような嬌声を響かせる呈の唇をおれは貪る。いや貪られている? どっちでもいい。腰を振るって、呈の赤ちゃん部屋をノックしながら、呈の長くいやらしい舌をしゃぶるのは最高だ。
陰唇が根本をきゅうきゅう締め付けて、陰嚢をオマンコの涎がにゅるにゅるにするのもたまらない。ペニスの竿だけじゃなく、陰嚢から先まで全て呈のオマンコ唇でしゃぶられているような感触。こんな蜜壺に溺れないはずがない。何より、昇り詰める快楽の爆発を抑えておけるはずがない。
陰嚢に溜まった精液をおれは全て尿道の上へと押し上げていく。こんなにも気持ちいい思いをさせてくれた呈にお礼をしないといけない。
「ぷはぁっ! ご褒美ぃご褒美ちょうらいっ! ごちそう! スワローのペニス! 精液! オチンポミルクぅ、ぼくの子宮にごくごくさせれぇ飲ませれぇ! ぷりぷり肉マンコに白濁ミルクをぶっかけてぇええ!!」
ギリギリまで引き抜いたペニス。鈴口が呈の蜜穴から抜ける寸前まで引き抜いたそれを、呈の懇願と同時に思い切り振り下ろした。
潰れる子宮口とおれの亀頭。気が狂うほどの快楽におれの精液は尿道をこじ開けて昇り、ドロドロに発酵したそれは呈の子宮口を犯した。
お互い白目を剥きながら、身体をピンっと伸ばし、腰を密着させる。硬直した筋肉は次第に弛緩し、おれは呈の身体に全てを預けた。シルクな触り心地の白無垢ドレスと、いやらしくすべすべな肌触りの腕がおれを優しく抱き留めてくれる。
陰嚢の中の精液を全部出し切った。誇張でもなんでもなく、本当に出し切った。魔物になったおれはこのくらいなら魔力をコントロールしてできるようになっていた。ここで全て出し尽くしてしまいたいくらい、呈の膣内は心地よく、それに呈を気持ちよくさせてあげたかったのだ。
だけど、おれの頭を優しく撫でてくる呈の表情はとても淫らで、娼婦すら裸足で逃げ出すほどの、病的なまでの快楽に支配された笑みを浮かべていた。
全く満足していない。むしろこれからだと言わんばかりの淫乱な笑み。
どこまでも魅入られているおれは、呈の望むがまま全てを差し出すことを決めていた。精液がもう尽きていたのだとしても、彼女の膣内を満たすために何でもする。腰を振るい、陰嚢を刺激し、精を増産する。呈のこの淫靡な笑みをいつまでも見ていられるなら、おれに向けてくれるのなら、おれは何だってするのだ。
「はぁあぁ呈ぃ、おれはお前のものだからぁ、だからぁ」
「うふっ、あははっ、ふふ、わかってるよぉスワローぉ……こんなので終わらないよ、スワローが精液全部出し切ったからって終わらないよ、終わらせるもんか。ぼくの蒼い魔力をいっぱいいーっぱい注いで、精液たっぷり作らせてあげる。ぼくが望むだけ作らせて、その全部をぼくが貪ってあげる。スワローが望むように終わることのない快楽を味わわせてあげる。だからドロドロに蕩けてもう何も考えられなくなるくらい、ぼくの身体に精液を吐き出して! その全部をぼくが丸呑みにしてあげるから……!」
「ああああ、呈ぃぃ!」
嬉しい早く、もっとおれを食べてくれ!
呈がおれを抱き締めたまま一回転。呈がおれの上に乗る。蛇体まで含めた呈の重さはすごく心地よく、いつまでも乗っていて欲しいくらいだ。
だけど。
「くぅっ!? 呈っ!?」
なんで、なんで抜くんだ!? このままもっとするんじゃあ。
「ふふっ、こういうのはどうかなぁ?」
呈はおれの股の間に座り込んだ。肘を立てて軽く身体を起こすと、呈はちょうどのその顔をおれのペニスの位置まで持ってきていた。
察して、期待でペニスが膨らむ。
「あはっ! お掃除フェラって言うんだったっけ? それをしてもらえるって思って興奮したのかな?」
「ああぁ、呈」
「そんな切なそうな顔しないで、スワローぉ。お掃除フェラってぼくにとってはむしろごちそうなんだよ? スワローの白濁汁まみれのペニスをお口いっぱいに頬張れるんだから」
長い二股の舌を垂らす。その先から少し白く泡立った涎を、どろぉっとペニスの先っぽに垂らした。
「んぅっ!」
もうそれだけで精液がどんどん生産される。というかイっている。出ない精液の代わりに透明の我慢汁がピュッピュッと飛び出て、呈の頬を濡らした。
「うふふ、いただきまぁす……あむ、じゅぶっ、じゅる、ちゅる、じゅずずずずずずじゅるるるるじゅぶぶっ! あむ、ああは、れろっ、んふぅ、じゅるるっれろっ!」
卑猥な水音をこれでもかと響かせて、おれの耳を犯していく呈。ハートになったようにすら見える呈の瞳から、おれは視線を離せない。目も犯されているかのようだ。
大きくグラインドしてペニスを扱く呈のフェラに、精液の出ない絶頂を何度も迎えさせられていた。
もはや脳の回路が焼ききれてしまいそうなほどの快楽。休む暇どころか絶頂を迎えながら次の絶頂を迎えるという連続の絶頂に、ベッドを掴んで歯を食いしばって堪えるしかなかった。
「ぷはぁぁっ! うふふ、綺麗になったねぇ、スワローのペニス。どれくらいイッたかな? 五回? 十回? もっとかな? 精液あったら、ぼくの顔真っ白で目も鼻も見えないくらいだったかもねぇ」
想像してぞわっとする。おれの精液塗れになった呈の顔。鼻提灯を膨らませて、恍惚に浸る呈の表情。そんな顔におれがする。させられる。したい。させてほしい。
「いいよ、スワロー。いっぱいぼくの顔を汚せるようにイイことしてあげる。んっ、れろぉ」
呈が長い舌を出す。細く、先が二股に割れ尖った舌。その割れた二股がねじる様に絡み合い、細いネジのような舌へと変化した。当然柔らかい。うねうねと蠢いて、どろどろの涎に塗れている。
その尖った先が、おれのペニスの鈴口にあてがわれた。
まさかと思い、おれは懇願する。
「挿して、挿して呈! それおれのに挿入れてっ!」
拒絶ではなく、懇願だった。
「もちろんっ!」
ズプゥッ!!
身体が跳ね上がった。セックスとは別種の快楽におれは一瞬で思考回路が焼ききれた。身体の内側から快楽を感じる部位を鷲掴みにされて握りつぶされている感覚。
精液が通るよりも圧倒的に分厚く、呈の柔く尖った舌は暴力的な快楽をもたらしながらおれの尿道をぐりぐりとほじって奥へ奥へと潜っていく。ペニスを見れば明らかに勃起しているときよりも膨らんでいた。呈の舌の形がはっきりと浮き出ていて、根本へとどんどん進入していっているのがわかる。ただ快楽を与えているのではない。改造している。おれのペニスを呈好みのものに改造しようとしてくれているのだ。
「ははっ」
ほんっとう、嬉しい……! 魔力による変化で、とかじゃなくて呈の舌で直接弄って開発してもらえるなんて、そんな最高な話あるか? 呈好みのペニスにされるとか嬉しすぎるだろっ!?
「着いたよスワロー。ぼくの舌がスワローの精液作るところ」
「はぁ、はぁはぁ……何を、してくれるんだ?」
期待におれの胸は膨らんでいた。
「うふふ、ここで、ペニスの中の奥で、舌先から蒼い炎をたぁっぷり弾けさせたら、どうなるかなぁ?」
法悦の笑みを浮かべる呈。おれもその言葉を聞いて、理解して、多分呈と同じ表情を浮かべていた。
蒼い炎に内側から犯される。そうなればどうなる? 外から注ぎ込まれても、呈のことしか考えられなくなって、呈という水に浸っていなければおかしくなってしまうのに。
内側から、しかも精液の作る場所にそんな蒼い炎を直接注ぎ込まれたら。いや、その炎で精液を作らされたら、おれはどうなる?
「呈! ああ、呈っ!」
懇願した。
「早く、早くちょうだい! 蒼い炎をおれのにいっぱい注いでくれ!」
「あはっ、おかしくなっちゃうけど、いいの?」
「いい! いいから! 呈に溺れたいんだ! 呈の水にずっと浸ってたいんだ! だからお願いだからっ! もう焦らさないでくれっ! 呈でおかしくなりたいんだっ!」
「わかったぁ……はぁあああ」
呈の口から蒼い炎の魔力がどんどん舌先へと伝っていくのが目に見えた。それが鈴口を通った瞬間、目の前がフラッシュする。もはや肘で身体を起こしていられず、なすがままを受け入れるしかなかった。
そして、一気に根本まで生暖かい呈の口内に包まれる。直後、おれのペニスの内と外で焼けるような炎が灯った。
「うぎっ、んんんんんんっひっぃ!?」
尿道をほじられることの比ではない。射精している感覚が連続して重なって襲ってくる。
おれの精巣が取り返しのつかないモノに変わろうとしている。呈の望むがままに反応して悦びのまま精を漏らす、そんな都合のイイモノになろうとしている。
射精の快楽が止まらない。出てないのに止まらない。気持ちいい。気が狂う。気持ちいいけど終わらない。出したい。吐き出したい。ぶちまけたい。
「呈ぃっ! おれぇ、おれっ!」
「もう少し、んんっ! これれぇ、最後っ!」
一際大きな蒼炎が迸った瞬間、勢いよく呈の細い舌が尿道から引き抜かれた。宙を舞う呈の長い舌。たっぷりの涎を弾いて、おれの顔を濡らす。
あれ? 出ない? 引き抜かれた瞬間出るんじゃ、あれ? あれ?
「呈、おれっ、呈ぃ!」
「……」
呈の尾がおれを無理矢理起こし、呈の顔面にペニスの尿道を向けさせる。その顔は愉悦に歪んでいた。おれの全てを支配した上位者の笑み。理解した。呈がおれのペニスの権利を握っている。呈の許可なくしておれはもう射精できない。
おれは完全に呈のモノとなった。
でも呈は優しい。おれにお預けなんてさせない。
「ぶっかけて」
呈の二股の舌がちょんっとペニスの先に触れた。頭が白濁に染まった。
スライムのような粘り気のある白濁の汁が呈の顔面に勢いよくぶっかかった。顔だけじゃない。雪のような銀髪も、竜灯花のかんざしも蒼い耳も白濁に汚されてしまう。
「出して出して。いっぱい出して。止めちゃ駄目。もうずぅーっとぼくに掛け続けるの。ぼくが良いって言うまで射精は止まらないの。ふふっ、止めてなんて言ってあげないけどねぇ……ふふごぷっ、ごくごくっんぐぐっ」
五秒十秒経っても勢いの衰えない射精に、呈は大口を開いて喉に直接流し込んでいく。ペニスに口をつけなくてもその勢いで精液は呈の喉奥へと直接ぶつかっていった。
ペニスから弾ける精液、口の端から漏れた精液は顎を伝い、首元に落ちてドレスの内側、胸の中へと滴り落ちていく。綺麗な白無垢ドレスが、呈の柔肌が、呈の内側までおれの精液が満たしていく。
なんという充足感。呈を幸せにしてあげられているということへの確かな満足。おれはペニスを振るい、呈のより広い部分を白濁で汚そうと精液を撒き散らせる。
「んくんっ、ぷはぁ! すごいよぉ、すっごいスワローの精液喉に絡まって美味しぃ……ふふっ、いいよお、もっとぶっかけて、ぼくの下ろし立ての白無垢ドレスをいっぱいスワローの精液で彩ってぇ! ぼくをもっとスワローの色に染めて綺麗にしてぇ! あははははははははっ!!」
身体を揺らしておれが吐き出す精液を一心不乱に浴びる呈。ドロドロの精液で身体中を濡らし、染め上げるその淫靡な姿はまさにおれの理想のヤマトナデシコ。
もっともっと綺麗に、呈をおれ好みのヤマトナデシコに。
「ここに挿入れたらぼくはもっとスワロー好みの雌竜になれるよ」
呈が寝転がり、腰を持ち上げて両手でぱっくりとオマンコを広げた。先ほど注いだ精液がごぷりと膣穴から泡立って溢れる。あまりの背徳的な光景に頭がくらりと来る。
「ほらぁ、ぼくの雄竜なんだからぁ、早く挿入してぇ! ぼくにいっぱい精液ごちそうしてぇ! 孕むくらい注ぎまくってぇぇ!!」
おれだけの雌竜にこんなおねだりをされて、雄竜のおれが我慢できるわけがない。我慢なんてするはずがない。本能に全てを預ける。
白濁塗れの呈を抱き締めておれは思い切り、腰を打ち付けた。照準しなくてもそこに入るのが決まり切っているかのように、オマンコのキツキツな肉がおれのペニスを包み、呑み込み、奥へと一気に誘う。精液とオマンコ汁が混ざり合った潤滑油がオマンコの肉ヒダに絡まり、おれのペニスを甘ったるく扱いてきた。
射精はもうすでにしている。さっきから止まらない。子宮口に押し付けてたっぷりと飲ませる。いやもう、じれったい。このまま奥に!
「ぐひぃ!? 刺さって! ペニスがぼくの子宮のお口に突き刺さって!?」
「呈っ呈っ! もっと奥にぃっ」
「いいよぉお! スワローのペニスいいよおおお! おおおほほおほおおおお!! んひっ! ぼくが上ぇええ!」
尾を上手く使い、呈に騎乗位されると、その蛇の蛇体全体重を込めた腰を一気に振り下ろしてきた。
ぐちゅ!
子宮の潰れる音
ちゅぷっ!
子宮口がペニスを飲む音。
ぶちゅんっ!
子宮の奥に鈴口がキスする音。
それを腰全体で感じ、おれの視界は再び真っ白の電光に瞬く。
根本をオマンコの陰唇でぎゅうっと締め付けられ、オマンコの無数のイボヒダに竿を撫でられ、亀頭を子宮がきゅぷっと包み込み、精がどんどん吸いつくされていく。
壊れた蛇口のようにおれのペニスからは精が漏れ出て、呈の子宮の限界を超えて精液を注いでいく。お腹で膨れ上がった呈の子宮を感じた。一層興奮しておれはもっと精を搾り出そうと、力を入れてペニスを勃起させる。
完全な色狂い。呈の子宮におれの子種を注ぐことしか頭にない。
呈も同じ。おれの精を貪り啜ることしか頭にない。
「スワロー……もう離れたくないよね?」
「うん。呈っ、おれっ、このまま呈の膣内に……居たい……!」
「あはっ……ぼくがぁ、スワローの大事なものずぅっと守ってあげるねぇ」
尾がおれの手を足を絡めとり、呈の身体に隙間もないほど密着させる。おれと呈自身の首にも巻き付き、キスをしたまま身じろぎ一つ取れない体勢。
そのまま、目の端で呈の尾が固結びされるのが見えた。
さらに蒼炎が視界を蒼く染め上げる。思考が蕩ける。
ああ、もうおしまいだ。
おれはもう呈から離れられない。
死ぬまで呈に精を放ち続ける雄竜で、呈は死ぬまでおれの精を受け続ける雌竜だ。
足は尾とぐるぐるに絡まり合い、腰から胸に至るまで隙間なく密着。キスしたまま首が尾で巻き付かれ、唾液と鼻水と歓喜の涙でお互いを汚し合う。快楽により高まった熱で精臭の混じる汗をお互いに擦り付け合う様は、まさに蛇の交尾。蛇竜の交わり。お互いの境界全てが塗り潰され一つとなるこのひとときは法悦を越える悦楽の極致。
幸せで、幸せで、幸せで。
この瞬間のためにおれは生きてきたのだと、生まれてきたのだと確信した。
呈という最高の雌竜。おれだけのヤマトナデシコ。それと溶け合う最高の時間。
汗、唾液、鼻水、涙、尿、愛液、精液。あらゆる汁に塗れておれたちは混じり合う。
全身を性感帯、ペニスやオマンコと同じ粘膜と化して接合するおれたちはただただ、この甘く刺激的で退廃的な時間を享受した。
貪り、貪られる愛の営みは、ただひたすらに続いた。
―5―
それから一週間。おれたちは絶頂で身体を幾度となく震わしながらも、一度も離れることなく交わり続けた。
唐突にそれが終わりを迎えたのは、ある驚くべき知らせが届いたからだった。
おれらのこの一週間の交わりがドラゴニアの皆に水球を通して見られていた、という知らせではない。それももちろん驚いて徹底抗議したけども(デオノーラ様に「模範的な交わりだったぞ」と褒められて有耶無耶にされた)、それを圧倒的に凌ぐ驚きの知らせだった。
「喜んでスワロー! あなた、妹ができるわよ!!」
母さんがおめでたになった、という知らせだった。
その後はてんやわんや。妹を迎える準備に大忙しで母さんも父さんも大変そうだった。でも、ようやく授かった子宝。その忙しさを母さんと父さんはとても楽しんでいた。
「呈ちゃんのおかげかもね。だって、番いの儀のあとのセックスですぐに孕んだ感じがしたもの」
おれに他の女を寄せ付けないための蒼い魔力。その側面には、その女性に別の出会いを結ぶ力があった。もしかしたら、これもそうなのかもしれない。
親に子を巡り合わせるという奇跡的な力。
なんて、少しロマンチストが過ぎるだろうか。
でも、母さんと父さんの喜ぶ表情を見られたのだから、そんな考えも悪くないと思えた。
産まれた妹の名は「リアラ」と名付けられた。
リアラに対して、呈に抱くのとは別種の可愛いと思う感情が沸いて止まらなかった。記憶にあった妹を想う感情のソレを同じなのだろう。ちょっぴり呈に嫉妬されたのがこれまた嬉しかった。
妻もできた上に妹まで。つくづくおれは恵まれている。記憶の中のおれたちだった頃にはどれほど求めても手にできなかった幸せだ。
このかけがえのない日々をおれは絶対に手放さない。守り抜く。呈と一緒に。
そうして、四年近い月日が流れた。
ドラゴニア城スイートルーム。その名に相応しいとても豪奢な造りの部屋だった。
呈の尾すら全て乗るほどの、天蓋付きダブルキングサイズベッドを中心に、絢爛豪華な調度品の数々が部屋を飾っている。どれも上質な魔界銀などの鉱物など、おそらくこのドラゴニアで採れた最上級品質の原材料を、熟練の細工師らが加工したものだろう。ドラゴニア城が魔界であるからという理由だけでなく、それら全ての調度品、ベッドそれ自体に濃密な魔力が含まれており、桃色の薄い霧を部屋に立ち込ませていた。
部屋に入り、それを意識した途端、おれの頭の中は桃色の靄に包まれ、呈のことだけを考えてしまうようになる。
股間に信じがたいほどの熱と力が入り、痛いばかりに膨らんでいた。この衝動を赴くまま、隣の一匹の雌竜にぶつけたい。そんな蕩けた欲望がおれの全身を支配した。
そして、スイートルームの濃密な魔力に充てられたのはおれだけじゃなかった。
呈もおれを見つめて、淫靡な笑みで舌なめずりすると一人先んじてベッドへ行く。そして、おれを誘うように両手を広げてベッドへと腰かけ、寝転んだ。
白いシーツすらも敵わない美白の蛇。桃色の霧に彩られる呈に引き寄せられるおれはまさに食虫植物に飛び込む虫のようなもの。虫との圧倒的な違いは、おれ自身の意思で食べられたいと思ってしまっていることだ。
「はぁはぁ、呈……はぁああ」
鼻息が荒くなってしまう。呈が綺麗すぎて、可愛すぎて、美しすぎてもう早く食べられたい。
白無垢ドレスに身を纏った白蛇。花弁のようなドレスに潜り込んで、自ら食べられたい。
「お風呂入ってないけど、いいかな?」
「いいよそんなの。もう我慢できないっておれ。呈ああ、呈ッ、呈ッ」
「ああんんっ、スワローがぼくの指舐めてるっ、ちゅぱちゅぱって」
「ふーっ、ふーっ、ちゅぶぶ、はぁ、呈の指美味しい、爪の中も指の間も」
「あはっ、スワローの熱い舌でぼくの指ドロドロになっちゃうよぉ。んんっ! ぼくのちっちゃなおっぱいもみもみ、イイ! イイよっ! もっと揉んでぇ!」
舌を指先から、指の間、手の甲から手首、腕へと這わせていく。しっとりした舌触りに甘い香り。頭の奥が痺れていく感覚。もっと、もっと欲しい。
そのまま呈に圧し掛かり、おれは身体を柔らかな呈の白無垢ドレスに沈める。シルクのような心地いい肌触り、微かな起伏の呈のおっぱいの揉み心地は至福の一言。ドレスの上から手を這わせ、手の甲にびんびんになった突起を感じて、ますます興奮した。
「あぁんっ! スワロー、そこ腋だからぁ、汚いよぉ」
「汚く、ないっ、はむ、れろっ。甘酸っぱくてつるつるで美味しい」
腋を閉じようとする呈の腕の中に顔を潜り込ませる。鼻に呈の腋が密着して息を吸うと呈の匂いにおれの鼻腔は満たされた。もうそれだけで吐精してしまいそうなほど、おれのペニスは張り詰めている。
「んっ、あはぁ、乳首、くりくりってぇ……」
もう我慢できず、服をずらして呈のおっぱいを露にする。白い肌に玉のような汗を垂らす魅惑のおっぱい。起伏の頂点にある桃色の果実をおれは真っ先に頬張り舌で転がした。
呈の腰に腕を回し、身体全体を押し付ける。呈もおれの頭ががっしりと掴んでおっぱいにおれの顔をめり込ませる。
カリッ。
「あんっ! イイよっ! スワローぉ! もっと噛んでぇぼくのおっぱいっ!」
ミルクなんて出てないのに呈のおっぱいはとても甘い。それに汗も混じって甘酸っぱい。美味しい。美味しい。脳味噌がどんどん溶かされる。呈の甘い蜜毒に犯される。
はぁ、呈、呈、呈!
腰をぐいぐいとこすりつける。勃起したおれのペニスを服の上から呈のドレスに擦り付ける。堪らないもっと。
「ふふっ、解放してあげるね」
呈のしなやかな指がジッパーを下ろしていった。おれの股間がひやりとした空気に触れたのも束の間。
「ッ! うああ、柔らかくて、すごっ、包まれ、る……!」
呈の折り重なった柔らかいドレスのスカートに、おれの屹立したペニスが沈み、呑み込まれていく。シルクのような触れ心地の優しい布地がおれのペニスの皮を、まるで自在な指のように這わせて剥いていき、露になった弱点丸出しの亀頭を包み込んだ。
呈がゆっくりと腰をくゆらせると、スカートの溝が揺れて上下左右から甘い快楽の抱擁をペニスに注いでいく。
この動作だけで腰砕けになったおれは呈にしがみついて、首元に顔を埋めた。
顔をあげると淫靡に頬を紅潮させ、舌なめずりする呈がいる。長い二股割れの舌が伸ばされたかと思うと、おれの唇をこじ開けて中を犯してきた。その長い舌に吸い寄せられるように、おれの唇は呈に奪われ、すぐにぐちゅぐちゅと激しい水音を響かせる。
「むぐっ、て、い、んむっ、むりゅれろっちゅちゅっ」
顔の左右を両手で掴まれ、もう離さないと言わんばかりに唇とその中、舌と歯、喉奥を貪ってくる呈。二股の細い舌先、肉厚な舌体、涎に塗れた呈の舌におれの口内は激しく凌辱される。
上も下も犯され、脳髄が快楽信号を全身へと届ける。もう自由になる身体などなく、呈にしがみついて口内を貪られる快楽を享受するほか、おれの取れる行動はなかった。
「んんんんんんっっ!! ぐむっんんんんんんんんっ!!」
目の前に火花が散る。快楽の暴風が昇り詰める。呈に煽られた欲望の汁が、狭い道を抉るように進みながら這いあがっていく。このままだと出してしまう。白熱の欲望を放出してしまう。呈の白無垢ドレスを汚してしまう。駄目だ。呈の花嫁衣裳を。おれの汚いもので……。
最後の理性で堪えようとぐっと股間に力を込めた。だが。
「ぷはっ、ぼくの白い花嫁衣裳、スワローの白濁ミルクでドロドロに……スワローの色に染め上げて」
そんな言葉を耳に囁かれた瞬間、おれの理性は呈に屈服した。理性が呈をドロドロにしたいと望んだ。
一瞬の我慢は、より一層白濁した欲望を勢いよく放つためのものにしかならなかった。
「……! ……! ……!」
ビュルビュルドビュドビュドプドプ。耳に届くほどの射精音。よりドレスに染み込ませるためにおれは腰を深く押し付ける。
呈の白無垢を汚している。おれの白濁で汚させられている。背徳感と屈服感。呈にどうしようもなく溺れて切ってしまっている自分に、言葉にならないほどの満足をおれは覚えていた。
でも、もっと、もっと出したい。呈に食べて欲しい。
「はぁはぁ、呈、もっとぉ」
懇願するように呈にしがみつく。いつものおれなら絶対に出さないような媚びに塗れた声。呈の前でしか漏らさない下卑た声。
「うん、うん! スワロォもっとぼくを求めてっ!」
それなのに呈はおれから身を離した。おれの身体の下に尾は這わせたまま、妖艶な笑みでおれを誘うようにスカートを少しだけ摘まみ上げる。
「ふふっ、探して、ぼくの大事なところ。ぼくの尾を登っていけば辿り着けるよ」
「はぁはぁ……呈っ!」
呈の白い艶々の鱗で覆われた尾をおれは這う。ツルツルで若干の張りがある愛おしい呈の蛇腹。頬擦りし、キスを降らせながら、呈の愛しい蛇体を味わいながら蜜園を目指していく。
「あはぁ、スワローの、ふふ、ペニスがぼくの尾を擦ってるよ。気持ちいい? ぼくの蛇腹気持ちいい?」
柔らかい弾力性のある呈の蛇腹に、おれのイッたばかりのペニスが擦れる。
「キュッキュッてペニスのカリ裏が引っかかってるねぇ。堪らないかな? また出したくなってきた?」
頭が痺れる。早く蜜園に行きたいのに、この蛇腹の魅力がおれを足止めする。かけたい、ぶっかけたい。おれの精液を呈の白い蛇腹にぶちまけたい。
もう蜜園のことは忘れて、おれは腰を振っていた。猿みたいに快楽で餌付けされたおれはもう蛇腹に精液をかけることしか考えられない。
「呈、もうっ、出るっ!」
「しょうがないなぁ。ふふ、出して。ぶっかけて、スワローのミルク」
「うあっ! あっ!」
ぶちまけた。液体というよりも固体のような何かがおれの鈴口をこじ開けて通り抜けていく。
普通なら訪れる虚脱感も、全然訪れない。一向に萎えない。呈にもっと精液をぶっかけて、食べてもらいたい啜ってもらいたい貪ってもらいたい。
「ああ、呈もっと、まだもっと呈」
しがみつくように呈の尾に抱き付いてゆっくりと這い登る。イッて精液で汚れたぺニスを呈の蛇腹に擦り付けながら、匂い付けをするように。
そうだ匂い付け。呈はおれの、おれだけのもの。食べられていいのはおれだけ。貪られていいのはおれだけ。
だからつける。おれの匂いを。精液に塗れたペニスで呈の鱗の一枚一枚に染み込ませていく。
「くはっ、呈っ!」
「ああんっ! もう、ふふっ、すごいなぁ、これだけ出してるのに全然……ううん、出せば出すほど大きく、匂いも強くて、濃くて、あはっ、ぼく好みのペニスになってってる」
「呈っ、呈の蛇の身体を、白い鱗を、おれのでっ!」
「いいよっ、つけながら来て。真っ白な蛇を、白濁な蛇に作り替えてっ! 自分の尾の匂いで発情しちゃうように、スワローを食べたくて仕方なくなる淫乱な身体に作り替えてっ!」
「っぁ!」
一擦りごとに精を吐き出す。快楽に身体が痺れてもおれの本能は呈の蜜園を目指して這っていた。おれの這った痕に、精液に塗れた呈の蛇体を残しながら。
「はぁはぁ、っ! 呈の、やった、呈の中に」
そうしてようやく呈のスカートの裾まで辿り着いた。
「ふふっ、お疲れ様ぁ、ぼくの下半身、スワローの精液でもうドロドロだよぉ」
「ふぅふぅ、いいか? 呈、いいよなっ!?」
「いいよ、スワロー……ぼくに、食べられて?」
呈はスカートの裾を上げ、おれは大口を開けた蛇の中へ自ら顔を突っ込む。
呈の匂いで充満していた。
「ッッッ!!」
それだけで軽くイってしまっていた。ぶぴゅっと精液を吐き出したのがわかる。それくらい刺激的で甘美な、スカートの密閉した中に押し込まれた呈の匂い。
蒸れた汗と、それに混じってオマンコ汁の甘ったる蜜の香りがおれの鼻腔を通って脳を蕩けさせる。深呼吸しかできない。おれの吸う空気全てを呈がもたらすものにしたいくらいだ。
「呈、呈のオマンコ、舐めたい……吸いたい! たっぷりの汁飲みたい!」
スカートという呈の大口に、おれは自ら身体を沈めていく。食べられてもいい。食べられたい。その先に甘美な蜜が待っているのだから。
そして、薄暗い捕食者の口を潜って、おれはついにおれの全てを貪る蜜穴に辿り着いた。
強烈な雌の匂い。舌を突き出して、おれはその蜜穴にむしゃぶりつく。
ぷっくりとした陰唇とキスをする。下唇を秘唇に滑り込ませ、薄いビラビラを甘噛みしながら舌で舐めしゃぶる。芳醇な蜜を舌で味わいながら、もっと欲しいおれは奥へ奥へと舌をこじ入れた。
「んんっ、イイッ! あっはぁはぁ、くひぃ!? ぼくのオマンコヒダ、一本一本丁寧に舐められてっ、んふぅ!」
無数の粒ヒダを舌で転がしながら、その間の溝をなぞるように舐めていく。生暖かい膣内に舌がきゅうきゅうと締め付けられ、ヒダの一粒一粒が吸い付いてきて、染み出る蜜汁に舌が溺れさせられる。
「じゅるるるるっ、じゅぶっじゅずずずずずずっ!」
鼻で呈のクリトリスを弾きながら額が呈のお腹に押し付けた。ぐいぐいとちょうど子宮のある位置をおれは刺激する。そうするとどんどん蜜が溢れるのだ。お尻に手を回して愛撫すればなおのこと染み出てくる。
「あんんっ!? そこお尻の穴ぁ! んっふぅ、あはぁ、ああイイ……駄目な穴なのに、スワローにお尻の穴撫でられるの気持ちいいよぉ……んひぃっ!?」
つぷっと指をお尻の穴に挿入する。すると膣内に挿れていた舌がさらにきゅうぅっと締まった。いまだ。いまが一番、呈が快楽に昇りつめやすい瞬間だ。
おれは呈の桃尻を思い切り揉みしだきながら尻穴を指で穿ち、同時にクリトリスを上歯で噛みながら、呈のオマンコを思い切り吸い上げた。中にあるもの全てを吸いつくす勢いで、頬をへこませて呈のオマンコ汁を飲み下す。
「くひぃ!? いいいいいぃあぁああああああああああああああっっ!?」
嬌声。
瞬間、呈の腰は大きく浮いて、大量の蜜を弾けさせておれの顔面に思い切りぶちまけた。透明な液に混じって淡い黄金色の汁がおれの目を鼻を口をびしょびしょに汚す。呈の甘酸っぱささと生臭さ、それと仄かな苦みの混じった至高の飲み物におれの思考は蕩け堕ちた。
おれの興奮は一気に最高潮へと高めさせられた。
スカートを一気にまくり上げ、呈の身体に上に圧し掛かる。腰と腰を触れ合わせ、幾度射精しても一向に萎える気配のないペニスを、それどころかこれまでで最大に勃起しているペニスを、呈のひくつくオマンコにあてがった。
「っ!」
「あっ!」
呈の許しも得ずにおれは思い切り腰を振り下ろす。先ほどまで生暖かったはずのオマンコは炎のように熱く、舌が幾重にも重なっているように肉厚で、おれのペニスを根本まで一気に呑み込んだ。
「かっ、はっ、はっ、ぐぅっ……!」
「あひっ、くひっ、あっあっあはっ、あひぃっ」
尋常じゃない締め付け。根本から亀頭まで吸い出すように脈動し、ぷりぷりの肉ヒダが全方位からおれのペニスに強烈な刺激の乱打を食らわせる。
その快楽を最大限に味わうためにおれは腰をゆっくりと持ち上げて、振り下ろした。
「んっほぉおお!?」
呈の快楽に悲鳴にも似た嬌声が、紅に濡れる唇から漏れる。涎で顔中濡らす呈の唇におれはむしゃぶりついた。
「んおおおおっ、んんっ、ふんんっんんふぅ、じゅぷれろろろんふほおおおおっ!!」
獣のような嬌声を響かせる呈の唇をおれは貪る。いや貪られている? どっちでもいい。腰を振るって、呈の赤ちゃん部屋をノックしながら、呈の長くいやらしい舌をしゃぶるのは最高だ。
陰唇が根本をきゅうきゅう締め付けて、陰嚢をオマンコの涎がにゅるにゅるにするのもたまらない。ペニスの竿だけじゃなく、陰嚢から先まで全て呈のオマンコ唇でしゃぶられているような感触。こんな蜜壺に溺れないはずがない。何より、昇り詰める快楽の爆発を抑えておけるはずがない。
陰嚢に溜まった精液をおれは全て尿道の上へと押し上げていく。こんなにも気持ちいい思いをさせてくれた呈にお礼をしないといけない。
「ぷはぁっ! ご褒美ぃご褒美ちょうらいっ! ごちそう! スワローのペニス! 精液! オチンポミルクぅ、ぼくの子宮にごくごくさせれぇ飲ませれぇ! ぷりぷり肉マンコに白濁ミルクをぶっかけてぇええ!!」
ギリギリまで引き抜いたペニス。鈴口が呈の蜜穴から抜ける寸前まで引き抜いたそれを、呈の懇願と同時に思い切り振り下ろした。
潰れる子宮口とおれの亀頭。気が狂うほどの快楽におれの精液は尿道をこじ開けて昇り、ドロドロに発酵したそれは呈の子宮口を犯した。
お互い白目を剥きながら、身体をピンっと伸ばし、腰を密着させる。硬直した筋肉は次第に弛緩し、おれは呈の身体に全てを預けた。シルクな触り心地の白無垢ドレスと、いやらしくすべすべな肌触りの腕がおれを優しく抱き留めてくれる。
陰嚢の中の精液を全部出し切った。誇張でもなんでもなく、本当に出し切った。魔物になったおれはこのくらいなら魔力をコントロールしてできるようになっていた。ここで全て出し尽くしてしまいたいくらい、呈の膣内は心地よく、それに呈を気持ちよくさせてあげたかったのだ。
だけど、おれの頭を優しく撫でてくる呈の表情はとても淫らで、娼婦すら裸足で逃げ出すほどの、病的なまでの快楽に支配された笑みを浮かべていた。
全く満足していない。むしろこれからだと言わんばかりの淫乱な笑み。
どこまでも魅入られているおれは、呈の望むがまま全てを差し出すことを決めていた。精液がもう尽きていたのだとしても、彼女の膣内を満たすために何でもする。腰を振るい、陰嚢を刺激し、精を増産する。呈のこの淫靡な笑みをいつまでも見ていられるなら、おれに向けてくれるのなら、おれは何だってするのだ。
「はぁあぁ呈ぃ、おれはお前のものだからぁ、だからぁ」
「うふっ、あははっ、ふふ、わかってるよぉスワローぉ……こんなので終わらないよ、スワローが精液全部出し切ったからって終わらないよ、終わらせるもんか。ぼくの蒼い魔力をいっぱいいーっぱい注いで、精液たっぷり作らせてあげる。ぼくが望むだけ作らせて、その全部をぼくが貪ってあげる。スワローが望むように終わることのない快楽を味わわせてあげる。だからドロドロに蕩けてもう何も考えられなくなるくらい、ぼくの身体に精液を吐き出して! その全部をぼくが丸呑みにしてあげるから……!」
「ああああ、呈ぃぃ!」
嬉しい早く、もっとおれを食べてくれ!
呈がおれを抱き締めたまま一回転。呈がおれの上に乗る。蛇体まで含めた呈の重さはすごく心地よく、いつまでも乗っていて欲しいくらいだ。
だけど。
「くぅっ!? 呈っ!?」
なんで、なんで抜くんだ!? このままもっとするんじゃあ。
「ふふっ、こういうのはどうかなぁ?」
呈はおれの股の間に座り込んだ。肘を立てて軽く身体を起こすと、呈はちょうどのその顔をおれのペニスの位置まで持ってきていた。
察して、期待でペニスが膨らむ。
「あはっ! お掃除フェラって言うんだったっけ? それをしてもらえるって思って興奮したのかな?」
「ああぁ、呈」
「そんな切なそうな顔しないで、スワローぉ。お掃除フェラってぼくにとってはむしろごちそうなんだよ? スワローの白濁汁まみれのペニスをお口いっぱいに頬張れるんだから」
長い二股の舌を垂らす。その先から少し白く泡立った涎を、どろぉっとペニスの先っぽに垂らした。
「んぅっ!」
もうそれだけで精液がどんどん生産される。というかイっている。出ない精液の代わりに透明の我慢汁がピュッピュッと飛び出て、呈の頬を濡らした。
「うふふ、いただきまぁす……あむ、じゅぶっ、じゅる、ちゅる、じゅずずずずずずじゅるるるるじゅぶぶっ! あむ、ああは、れろっ、んふぅ、じゅるるっれろっ!」
卑猥な水音をこれでもかと響かせて、おれの耳を犯していく呈。ハートになったようにすら見える呈の瞳から、おれは視線を離せない。目も犯されているかのようだ。
大きくグラインドしてペニスを扱く呈のフェラに、精液の出ない絶頂を何度も迎えさせられていた。
もはや脳の回路が焼ききれてしまいそうなほどの快楽。休む暇どころか絶頂を迎えながら次の絶頂を迎えるという連続の絶頂に、ベッドを掴んで歯を食いしばって堪えるしかなかった。
「ぷはぁぁっ! うふふ、綺麗になったねぇ、スワローのペニス。どれくらいイッたかな? 五回? 十回? もっとかな? 精液あったら、ぼくの顔真っ白で目も鼻も見えないくらいだったかもねぇ」
想像してぞわっとする。おれの精液塗れになった呈の顔。鼻提灯を膨らませて、恍惚に浸る呈の表情。そんな顔におれがする。させられる。したい。させてほしい。
「いいよ、スワロー。いっぱいぼくの顔を汚せるようにイイことしてあげる。んっ、れろぉ」
呈が長い舌を出す。細く、先が二股に割れ尖った舌。その割れた二股がねじる様に絡み合い、細いネジのような舌へと変化した。当然柔らかい。うねうねと蠢いて、どろどろの涎に塗れている。
その尖った先が、おれのペニスの鈴口にあてがわれた。
まさかと思い、おれは懇願する。
「挿して、挿して呈! それおれのに挿入れてっ!」
拒絶ではなく、懇願だった。
「もちろんっ!」
ズプゥッ!!
身体が跳ね上がった。セックスとは別種の快楽におれは一瞬で思考回路が焼ききれた。身体の内側から快楽を感じる部位を鷲掴みにされて握りつぶされている感覚。
精液が通るよりも圧倒的に分厚く、呈の柔く尖った舌は暴力的な快楽をもたらしながらおれの尿道をぐりぐりとほじって奥へ奥へと潜っていく。ペニスを見れば明らかに勃起しているときよりも膨らんでいた。呈の舌の形がはっきりと浮き出ていて、根本へとどんどん進入していっているのがわかる。ただ快楽を与えているのではない。改造している。おれのペニスを呈好みのものに改造しようとしてくれているのだ。
「ははっ」
ほんっとう、嬉しい……! 魔力による変化で、とかじゃなくて呈の舌で直接弄って開発してもらえるなんて、そんな最高な話あるか? 呈好みのペニスにされるとか嬉しすぎるだろっ!?
「着いたよスワロー。ぼくの舌がスワローの精液作るところ」
「はぁ、はぁはぁ……何を、してくれるんだ?」
期待におれの胸は膨らんでいた。
「うふふ、ここで、ペニスの中の奥で、舌先から蒼い炎をたぁっぷり弾けさせたら、どうなるかなぁ?」
法悦の笑みを浮かべる呈。おれもその言葉を聞いて、理解して、多分呈と同じ表情を浮かべていた。
蒼い炎に内側から犯される。そうなればどうなる? 外から注ぎ込まれても、呈のことしか考えられなくなって、呈という水に浸っていなければおかしくなってしまうのに。
内側から、しかも精液の作る場所にそんな蒼い炎を直接注ぎ込まれたら。いや、その炎で精液を作らされたら、おれはどうなる?
「呈! ああ、呈っ!」
懇願した。
「早く、早くちょうだい! 蒼い炎をおれのにいっぱい注いでくれ!」
「あはっ、おかしくなっちゃうけど、いいの?」
「いい! いいから! 呈に溺れたいんだ! 呈の水にずっと浸ってたいんだ! だからお願いだからっ! もう焦らさないでくれっ! 呈でおかしくなりたいんだっ!」
「わかったぁ……はぁあああ」
呈の口から蒼い炎の魔力がどんどん舌先へと伝っていくのが目に見えた。それが鈴口を通った瞬間、目の前がフラッシュする。もはや肘で身体を起こしていられず、なすがままを受け入れるしかなかった。
そして、一気に根本まで生暖かい呈の口内に包まれる。直後、おれのペニスの内と外で焼けるような炎が灯った。
「うぎっ、んんんんんんっひっぃ!?」
尿道をほじられることの比ではない。射精している感覚が連続して重なって襲ってくる。
おれの精巣が取り返しのつかないモノに変わろうとしている。呈の望むがままに反応して悦びのまま精を漏らす、そんな都合のイイモノになろうとしている。
射精の快楽が止まらない。出てないのに止まらない。気持ちいい。気が狂う。気持ちいいけど終わらない。出したい。吐き出したい。ぶちまけたい。
「呈ぃっ! おれぇ、おれっ!」
「もう少し、んんっ! これれぇ、最後っ!」
一際大きな蒼炎が迸った瞬間、勢いよく呈の細い舌が尿道から引き抜かれた。宙を舞う呈の長い舌。たっぷりの涎を弾いて、おれの顔を濡らす。
あれ? 出ない? 引き抜かれた瞬間出るんじゃ、あれ? あれ?
「呈、おれっ、呈ぃ!」
「……」
呈の尾がおれを無理矢理起こし、呈の顔面にペニスの尿道を向けさせる。その顔は愉悦に歪んでいた。おれの全てを支配した上位者の笑み。理解した。呈がおれのペニスの権利を握っている。呈の許可なくしておれはもう射精できない。
おれは完全に呈のモノとなった。
でも呈は優しい。おれにお預けなんてさせない。
「ぶっかけて」
呈の二股の舌がちょんっとペニスの先に触れた。頭が白濁に染まった。
スライムのような粘り気のある白濁の汁が呈の顔面に勢いよくぶっかかった。顔だけじゃない。雪のような銀髪も、竜灯花のかんざしも蒼い耳も白濁に汚されてしまう。
「出して出して。いっぱい出して。止めちゃ駄目。もうずぅーっとぼくに掛け続けるの。ぼくが良いって言うまで射精は止まらないの。ふふっ、止めてなんて言ってあげないけどねぇ……ふふごぷっ、ごくごくっんぐぐっ」
五秒十秒経っても勢いの衰えない射精に、呈は大口を開いて喉に直接流し込んでいく。ペニスに口をつけなくてもその勢いで精液は呈の喉奥へと直接ぶつかっていった。
ペニスから弾ける精液、口の端から漏れた精液は顎を伝い、首元に落ちてドレスの内側、胸の中へと滴り落ちていく。綺麗な白無垢ドレスが、呈の柔肌が、呈の内側までおれの精液が満たしていく。
なんという充足感。呈を幸せにしてあげられているということへの確かな満足。おれはペニスを振るい、呈のより広い部分を白濁で汚そうと精液を撒き散らせる。
「んくんっ、ぷはぁ! すごいよぉ、すっごいスワローの精液喉に絡まって美味しぃ……ふふっ、いいよお、もっとぶっかけて、ぼくの下ろし立ての白無垢ドレスをいっぱいスワローの精液で彩ってぇ! ぼくをもっとスワローの色に染めて綺麗にしてぇ! あははははははははっ!!」
身体を揺らしておれが吐き出す精液を一心不乱に浴びる呈。ドロドロの精液で身体中を濡らし、染め上げるその淫靡な姿はまさにおれの理想のヤマトナデシコ。
もっともっと綺麗に、呈をおれ好みのヤマトナデシコに。
「ここに挿入れたらぼくはもっとスワロー好みの雌竜になれるよ」
呈が寝転がり、腰を持ち上げて両手でぱっくりとオマンコを広げた。先ほど注いだ精液がごぷりと膣穴から泡立って溢れる。あまりの背徳的な光景に頭がくらりと来る。
「ほらぁ、ぼくの雄竜なんだからぁ、早く挿入してぇ! ぼくにいっぱい精液ごちそうしてぇ! 孕むくらい注ぎまくってぇぇ!!」
おれだけの雌竜にこんなおねだりをされて、雄竜のおれが我慢できるわけがない。我慢なんてするはずがない。本能に全てを預ける。
白濁塗れの呈を抱き締めておれは思い切り、腰を打ち付けた。照準しなくてもそこに入るのが決まり切っているかのように、オマンコのキツキツな肉がおれのペニスを包み、呑み込み、奥へと一気に誘う。精液とオマンコ汁が混ざり合った潤滑油がオマンコの肉ヒダに絡まり、おれのペニスを甘ったるく扱いてきた。
射精はもうすでにしている。さっきから止まらない。子宮口に押し付けてたっぷりと飲ませる。いやもう、じれったい。このまま奥に!
「ぐひぃ!? 刺さって! ペニスがぼくの子宮のお口に突き刺さって!?」
「呈っ呈っ! もっと奥にぃっ」
「いいよぉお! スワローのペニスいいよおおお! おおおほほおほおおおお!! んひっ! ぼくが上ぇええ!」
尾を上手く使い、呈に騎乗位されると、その蛇の蛇体全体重を込めた腰を一気に振り下ろしてきた。
ぐちゅ!
子宮の潰れる音
ちゅぷっ!
子宮口がペニスを飲む音。
ぶちゅんっ!
子宮の奥に鈴口がキスする音。
それを腰全体で感じ、おれの視界は再び真っ白の電光に瞬く。
根本をオマンコの陰唇でぎゅうっと締め付けられ、オマンコの無数のイボヒダに竿を撫でられ、亀頭を子宮がきゅぷっと包み込み、精がどんどん吸いつくされていく。
壊れた蛇口のようにおれのペニスからは精が漏れ出て、呈の子宮の限界を超えて精液を注いでいく。お腹で膨れ上がった呈の子宮を感じた。一層興奮しておれはもっと精を搾り出そうと、力を入れてペニスを勃起させる。
完全な色狂い。呈の子宮におれの子種を注ぐことしか頭にない。
呈も同じ。おれの精を貪り啜ることしか頭にない。
「スワロー……もう離れたくないよね?」
「うん。呈っ、おれっ、このまま呈の膣内に……居たい……!」
「あはっ……ぼくがぁ、スワローの大事なものずぅっと守ってあげるねぇ」
尾がおれの手を足を絡めとり、呈の身体に隙間もないほど密着させる。おれと呈自身の首にも巻き付き、キスをしたまま身じろぎ一つ取れない体勢。
そのまま、目の端で呈の尾が固結びされるのが見えた。
さらに蒼炎が視界を蒼く染め上げる。思考が蕩ける。
ああ、もうおしまいだ。
おれはもう呈から離れられない。
死ぬまで呈に精を放ち続ける雄竜で、呈は死ぬまでおれの精を受け続ける雌竜だ。
足は尾とぐるぐるに絡まり合い、腰から胸に至るまで隙間なく密着。キスしたまま首が尾で巻き付かれ、唾液と鼻水と歓喜の涙でお互いを汚し合う。快楽により高まった熱で精臭の混じる汗をお互いに擦り付け合う様は、まさに蛇の交尾。蛇竜の交わり。お互いの境界全てが塗り潰され一つとなるこのひとときは法悦を越える悦楽の極致。
幸せで、幸せで、幸せで。
この瞬間のためにおれは生きてきたのだと、生まれてきたのだと確信した。
呈という最高の雌竜。おれだけのヤマトナデシコ。それと溶け合う最高の時間。
汗、唾液、鼻水、涙、尿、愛液、精液。あらゆる汁に塗れておれたちは混じり合う。
全身を性感帯、ペニスやオマンコと同じ粘膜と化して接合するおれたちはただただ、この甘く刺激的で退廃的な時間を享受した。
貪り、貪られる愛の営みは、ただひたすらに続いた。
―5―
それから一週間。おれたちは絶頂で身体を幾度となく震わしながらも、一度も離れることなく交わり続けた。
唐突にそれが終わりを迎えたのは、ある驚くべき知らせが届いたからだった。
おれらのこの一週間の交わりがドラゴニアの皆に水球を通して見られていた、という知らせではない。それももちろん驚いて徹底抗議したけども(デオノーラ様に「模範的な交わりだったぞ」と褒められて有耶無耶にされた)、それを圧倒的に凌ぐ驚きの知らせだった。
「喜んでスワロー! あなた、妹ができるわよ!!」
母さんがおめでたになった、という知らせだった。
その後はてんやわんや。妹を迎える準備に大忙しで母さんも父さんも大変そうだった。でも、ようやく授かった子宝。その忙しさを母さんと父さんはとても楽しんでいた。
「呈ちゃんのおかげかもね。だって、番いの儀のあとのセックスですぐに孕んだ感じがしたもの」
おれに他の女を寄せ付けないための蒼い魔力。その側面には、その女性に別の出会いを結ぶ力があった。もしかしたら、これもそうなのかもしれない。
親に子を巡り合わせるという奇跡的な力。
なんて、少しロマンチストが過ぎるだろうか。
でも、母さんと父さんの喜ぶ表情を見られたのだから、そんな考えも悪くないと思えた。
産まれた妹の名は「リアラ」と名付けられた。
リアラに対して、呈に抱くのとは別種の可愛いと思う感情が沸いて止まらなかった。記憶にあった妹を想う感情のソレを同じなのだろう。ちょっぴり呈に嫉妬されたのがこれまた嬉しかった。
妻もできた上に妹まで。つくづくおれは恵まれている。記憶の中のおれたちだった頃にはどれほど求めても手にできなかった幸せだ。
このかけがえのない日々をおれは絶対に手放さない。守り抜く。呈と一緒に。
そうして、四年近い月日が流れた。
17/11/26 19:51更新 / ヤンデレラ
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