イカスミパスタが食べたい
昼頃知らない奴から電話があった。
「ああ、僕僕、僕だよ、僕。いやいや僕僕詐欺じゃなくて僕だよ僕。いやだから僕だって。なんなら私でもいいよ私。だからさ、イカスミ。イカスミだよイカスミ。あの黒いの。イカスミ塗りたくったパスタが食いたくなってね。だからさぁ、君、船持ってるだろう?ちょっと船出してイカスミ獲ってきてほしいんだよ。ちゃんとお礼はするって。うんうん、あー、イカスミパスタをご馳走してあげる。いいだろ、十分じゃないか。じゃあ、頼んだよ」
ガチャ、ツーツー。
そんな感じで一方的に頼まれ、電話を切られた。間違いなく間違い電話な上、受ける義理も全くなかったが、こいつの話を聞いてたら食べたくなったのも事実。買えばいい話だが、獲りたてのイカスミを食べたいのも事実。
俺は夜になるのを待って早速船を出した。ちなみにこの船は前に友達にもらった。
夏とはいえ夜の海は寒い。風避けのない海のど真ん中に突っ立っているんだから当然だ。俺の乗る船もそんな立派なもんじゃないし、風避けになる部屋とかはない。ちょっとした高波がきたら一発で転覆ものだろう。まあ、そんなことは万が一にもないんだがな。
寒空の中、俺は細々とイカ釣りを始める。時刻は夜中の12時。大きめの懐中電灯を船からぶら下げ、海を照らす。イカは光に釣られてやってくるので、そこを釣るという寸法だ。
狙いはスルメイカ。夏のこの時期が旬で、夏イカと呼ばれたりもする。何匹捕まえればいいかわからんが、まあ、適当にやれるだけやってみよう。
しばらく経って俺は釣糸を海へと垂らす。そんなに苦労するものでもないだろうと、俺はこのとき思っていた。楽々に何匹も釣れると思っていたのだ。そして颯爽と帰ってイカスミパスタを食べるはずだった。
はずだったのだが。
「なん、だこれ」
俺の目の前に信じられないものが現れた。
ぶっといイカの足。
吸盤が子供の拳サイズくらいありそうな、俺の脚の太さと同じくらいのイカの足が、暗闇の海から妖しい白い光を浮かべて抜き出ていたのだ。にょろにょろと。
しかし、これで終わりじゃなかった。
にょろにょろ。
にょろにょろ。
にょろにょろにょろにょろ。
にょろにょろにょろにょろ。
にょろにょろにょろにょろにょろにょろ。
にょろにょろにょろにょろにょろにょろ。
立て続けにさらに六本ものイカ足が海から、俺の船を取り囲むようにして現れたのである。
「う、うわっ……!」
天に伸びたがイカ足が、俺の乗る船に向け降り下ろされた。七本ものイカ足に叩きつけられ、船はいまにも転覆してしまいそうなほどに揺れる。俺は転落防止用の手すりに掴まるが、俺が海に落ちるかどうかは関係なかった。
イカ足がニュルニュルと長く伸び、船に巻き付いていったのだ。グルグルともはや隙間などないほどに。俺は床にしゃがんでイカ足をかわすけれどもすぐに気づく。
「み、水!?まさか!」
そう、船が沈んでいるのだ。いや、引き込まれていっていると言った方が正しい。イカ足が海中へと船を引きずり込もうとしているのである。
俺はとある映画のことを思い出していた。イカの化け物が出てくる洋画だ。あれも大きな手足を使い、獲物を捕まえていたと思う。そうか、俺が獲物なのか。
イカ釣りをするつもりが、釣られてしまったわけだ。俺は、いまからあの洋画みたいに食べられるのだろう。
水が俺の身体を包んでいく。息苦しさとともに、俺の意識も海の底深くへ沈んだ。
目を覚ますと真っ暗だった。なにも見えない深淵の中だった。自分さえも見えない、地の底よりも深き暗黒だった。
俺は浮いているように思えた。地に足が着いていないのだ。ということは死んだのか。死後の世界とはこんな真っ暗闇で、俺は漂うだけなのか。
いや、俺は宙に浮かんでいるわけではなさそうだ。どこか、身体を動かすのに抵抗がある。浮かんでいるけれど沈んでいるような感覚もある。そうか。俺は海に沈んだ。ここは海の中なのだ。俺は海の深海へと沈みいっているのだ。
「っ!」
それに気づくと、俺の思考は途端にパニックに陥る。このままでは溺れてしまう。死んでしまう。
焦りと緊張が、溺れるならとうに溺れているはずだという、真っ先に浮かぶべき考えを水泡に帰していく。
俺はもがいた。どうにか上へとあがろうと身体をばたつかせた。しかし、周りは暗黒。自分がどこに向かっているのか。上に行っているのか。下にいっているのか。地上へと向かっているのか。深海へと向かっているのか。なにもわからなかった。
絶望が心までも暗黒で満たしかける。そのときだった。
光。暗黒に浮かぶただ一点の白い光が現れたのだ。
それは闇に囚われつつあった俺の心を優しく暖めていく。俺はその光を求めた。光も俺を求めるように近づいてきた。
そして出会った。
「こんばんわぁー」
間延びした声。光の正体は女だった。その女は白と黒を基調にした、胸を左右だけ隠し谷間を晒した服を着ていた。それだけならただの痴女だ。
しかし、こいつはただの女じゃなかった。身体が、特に下半身が。およそ人間のものではなかったのだ。
イカ、と言えばいいのか。女の下半身は、まるでイカのそれのように、ニュルニュルとしたイカの足が生えていた。
俺はその足に見覚えがあった。そうだ、間違いない。俺を船ごと海に引きずり込んだイカ足だ。まさか。
「……まさか、君が俺をここへ?」
水の中であるのに喋れるようだ。
「はい、私が連れてきましたぁ」
ニッコリと微笑む女。不思議と恐怖はなかった。人ならざる者を前にしているのに。それにここへ引きずり込まれた怒りもなかった。
というか、俺は彼女に対し、恋慕のような感情を何故か抱き始めたのである。
イカの頭のような被り物?に流れるようなストレートの薄紫の髪。それと同じ色のおっとりとした目。まるで宝石が具現したような、吸い込まれてしまいそうな美貌に、全ての闇を溶かし尽くしてしまうほど白い肌。豊満な胸は整合の取れた形で、女を主張している。腰の流れるようなくびれた曲線は、丸出しになったヘソを殊更卑猥に強調していた。
人間ではないとかは関係ない。俺は、彼女が醸す魅力にすっかり魅了されつつあったのだと思う。いわゆる、一目惚れというやつだ。
「どうして俺をここに?」
「えーとですねぇ、海の中を泳いでたら、船が見えたんでぇ。引っ張っちゃいました」
まるで、たまたま道で友達と会ったから遊びに誘ったみたいな、そんな軽さで人を引きずり込んだのか。
大人びた出で立ちなのに、おっとりした口調のせいで子供っぽく見えてしまう。
「なんで俺は息ができるんだ?」
「ここに酸素があるからですよー。私のマホーです」
人間の手の人差し指を立て、それをクルクル回しながら彼女は言う。
まほう?それってRPGとかのか?
「えと、じゃあ、俺をどうするつもりなの?」
「特に考えてませんー」
のほほんとした笑顔で答える女の人。本当になにも考えていなさそうだ。
そんなこと言われたら俺は苦笑いする他ない。
「……あ、そうだ。名前聞いてなかった。俺の名前は久我海斗(くがかいと)だ。君の名前は?」
「久我海斗さんですかー、クーさんですねー。実は私もクーさんって呼ばれてるんですよー、お揃いですねぇ」
「えーと、クーさんって呼んだら良いのかな?」
マイペース。その一言に尽きる。
「はい。でもぉ、私もクーさんって呼ぶとややこしいのでぇ、カーくんって呼びますねぇ」
か、カーくん!?
「いやですかぁ?」
しゅんとうなだれるクーさん。同じようにクーさんのイカ足、というか触手も元気をなくしたように沈んだ。クーさんの光もどこか弱々しくなった気がする。
「いや!いいです!カーくんでいいです!というかそう呼んでくださいお願いします!」
ちょっと必死すぎるくらいに言った。するとクーさんもみるみるうちに明るくなって、ほんわかした笑顔を俺に見せてくれる。
「カーくん」
「はい」
「カーくん」
「はい」
「カーくん」
「はい」
嬉しそうにころころ笑いながら身体をよじり、触手同士を絡ませてクーさんは俺の名前を呼んでくる。恥ずかしい反面、嬉しくもあった。クーさんに名前を呼ばれると、なんだか心の奥がじんわりと暖かくなってくる。欠けた心が一つになるような。
「あー、そういえばぁ、カーくんってどうして船に乗ってたんですかぁ?」
「あ、俺ですか……ちょっとイカ釣りしてまして」
「イカ釣りですかぁ。……私を釣ろうとしてたんですねぇ?」
と擦りよってくるクーさん。って、ち、近い近い。
「く、クーさんってイカなんですか?」
「はいぃ、クラーケンという魔物娘ですよー。イカもクラーケンも同じですよねー」
同じ、か?クラーケンは魔物だったような。ていうか、いまクーさん、自分で魔物って言わなかったか?いや、魔物娘?
「あの、クーさん、魔物娘ってなんですか?……やっぱり、クーさんって人間じゃないんですよね?」
恐る恐る聞いてみると、クーさんは「はいー」となんの遠慮も気概もなく答えた。自分をあっさり魔物だと認めたのだ。
「私はぁ、人間じゃなくてぇ、魔物娘なんですよー」
「ま、魔物娘?」
「魔物娘ですー。えーとですねー、魔物娘とはですねー、エッチです」
「へ?」
エッチ?えっち?H?
どういう意味だ。
「それにぃ、男の人が…………まぁ、色々なんですよー」
にへらぁと笑うクーさん。
…………ぶん投げた!?説明放り投げた!?
なんてマイペースなんだクーさん。
「それでー、カーくんは私を釣ってどうしたかったんですかー?」
ちょ、クーさんくっついてる!大きな胸が腕に、腕に!ふわふわでたぷんたぷんな大きいものに挟まれてる!
顔に熱が灯るのを感じながら、冷静さを取り戻せるよう息を大きく吐く。
「ええと、その、イカスミが欲しくて……」
「イカスミ?」
かくんと小首を傾げるクーさん、すごく可愛い。
ていうか、なんだかクーさんの触手がどんどん俺に絡み付いてきてる。腕や脚に這い寄るように絡まってきていた。クーさんの柔らかい胸に抱かれて、若干ネバネバした感じの触手に絡まれて、こんなんじゃあ、俺の男が大きくなってしまう。
「えーと、クーさん?触手が」
「そうですかぁ、イカスミですかぁ……じゃあ、私のイカスミ、食べます?」
「はい?」
俺が疑問に思った瞬間。先輩は身体を上下逆に回転させて、触手側を俺に向けてくる。そして、触手をブワァと広げ、その触手の根本を俺に見せてきた。
「っ、あぁ……」
俺は息を漏らすしかなかった。
触手の生え際の中心。そこには、女である証の、クーさんの一番大事なものがあったからだ。
「クーさんの、オマンコ……」
「はいー、クーさんのオマンコですよー」
雪よりも白い肌に浮かぶ、ピンクの花園。一切黒くなっていない秘唇は触れてもいないのにくぱぁと開き、舐めて欲しそうにビクンビクンと震えていた。クリトリスであろう小さな豆粒は、皮が剥かれビンビンに勃起している。秘唇の奥、膣穴はヒクヒクと脈動し、時折、泡を吐いていた。
いますぐにでも舐めしゃぶりたい、そんな欲求が沸き起こる。
だけれど、
「だ、ダメだって、クーさん!こんな、クーさんの大事なところ、みだりに見せちゃ」
「いいんですよー、私、カーくんのこと大好きですからー。もう、カーくん以外好きになれないくらい愛しちゃってますからー。だからー、私のオマンコ舐めてほしいなぁ?」
突然の告白に、俺は一瞬息がとまったかと思った。
顔は見えない。だけど、物欲しそうに俺を見つめるクーさんの顔が、容易に想像できた。それにオマンコも舐めて欲しそうに穴を大きく開いたり閉じたりして、俺を誘ってくる。
こんなの見て、我慢できるはずがない。
人外であるとかどうでもよかった。
「く、クーさん!」
「ん、ひゃぁん、いきなりですぅ」
俺はクーさんの濡れ濡れオマンコにむしゃぶりついた。触手の根本を掴んで離れないようにする。それに応えるように、絶対に離さないと言いたげに、触手たちの吸盤が俺の身体中に張り付いてくる。俺の身体はいつの間にか裸だった。でもいまはそんなことはどうでもいい。重要なことじゃない。いまはクーさんのオマンコを舐めることが先決だ。
「クーさん、んむ、じゅぶるる、はぁ……れろれろれろ、ちゅ、ぴちゅぴちゅ、れろ」
「ああんー、カーくんの舌気持ちいいですー!」
ぱっくり開いた秘唇の細かなシワ、一本一本をなぞるように舌を這わせる。その秘唇を食べるように口の中で啜り、舌で嬲った。
「んん、ちゅぶる、ん……れろれろれろ、はぁ、クーさんのオマンコすごいおいしい……ん、れろ」
「クリトリスはダメですよぉ」
クーさんの小さな小さな皮被りのお豆さんに舌を絡める。舌を縦横無尽に動かして、クーさんのお豆さんとこんにちはする。
クーさんの小さなオチンチン、ピンピンだ。舐めて欲しそうにヒクヒクしてる。これはもう舐めるしか、いや食べるしかない。
カプッ
「は、ひぃやぁぁぁぁぁぁぁん!?」
クーさんのクリトリスを口に含んで一噛み。瞬間、クーさんはあのおっとりとした口調からは信じられないほど高らかに、快楽の嬌声をあげた。
「うぁ、ひぃぅ、で、出りゅぅぅぅ!」
「っ!」
俺がクーさんを絶頂させて悦に入っていたも束の間、それは不意に訪れた。
プシャーーーーーーー!!
濃縮された闇が、クーさんの膣穴から勢いよく吹き出たのだ。
俺はオマンコに口を当てていたために、かわすことができなかった。それがクーさんのイカスミであるということも、両頬が膨らむほど入ったあとだった。
「んんー!?んぅぅ……」
俺は不意に出たクーさんのイカスミ噴射に口の中を満タンにさせる。そのとき漏れ出たクーさんのイカスミは海に滲んで闇を作った。
噴き出続けるクーさんのイカスミに俺は逃げようとするけれども、
「うふぅ、ダーメですよぉ、逃げちゃあー」
クーさんの触手が俺の頭を包み込み逃げられなくする。まるで下の口で捕食され呑み込まれているかのような気分だ。
呑み込まれながら飲み込んでいるのだ。クーさんの黒い蜜を。
「んくんくんく……ぷはぁ」
全て飲み干すと、クーさんが俺の頭を解放する。息が吸えないはずだったのに、不思議と苦しくはなかった。いや、もっと飲みたい、口の中に入れておきたいと思った。
「クーさん、オマンコからイカスミ出るんだね」
「はいー、私、ちょっと変わってるみたいでしてぇ、オマンコからも出るんですよぉ」
「クーさんのオマンコ、イカスミで黒くなってる……グチョグチョだ」
「恥ずかしいんでジロジロ見ないでくださいー。黒いオマンコ汚いでしょう……?」
そんなこと言って、クーさんが触手で俺をオマンコから引き離そうとしてくる。けれど俺は離れたくなくて、クーさんの触手の根本を掴み、さらにオマンコに顔を近づけた。
「汚くなんて、ないよ。すごくおいしそうだ。オマンコの綺麗なピンク色に、イカスミの黒くてドロドロの粘っこいのが絡んで、すごいエッチ。いますぐ舐めまくりたい、このイカスミマンコ食べたいよ」
「カーくん…………はいー!私のイカスミマンコ、是非是非味わってくださいー」
そうクーさん言うが早いか、俺はクーさんのイカスミマンコにしゃぶりついていた。
オマンコに絡まったクーさんのイカスミに舌を這わせ、舐めとっていく。舌に触れれば、旨味成分をグッと濃縮したような舌を刺激し、もっと飲ませろ舐めさせろと脳へ命令する。俺は本能のまま、舌と唇を駆使して、クーさん特製イカスミマンコを食べた。
愛液と混じったイカスミは甘くもあり、さきほど言ったように旨味もある。舐め取れば、クーさんのオマンコは元のピンク色に戻っていくけれど、
「んひゃぁぁぁー、いひぃぃぃー!」
こんな感じで絶頂してイカスミをまた噴き出すので、またイカスミマンコに元通りだ。
ああ、おいしい。堪らない。もっと。もっと欲しい。
「あ、あ、あ、ああん……ふふ、私ばかりご馳走するのも、ダメですよねー」
……?
「うふふー、カーくんのオチンポいただきますぅ」
「ぐちゅずるるる……っ!?」
ペ、ペニスに、なにかが絡まって……。
「どうですかぁ?私の触手気持ちいいですかー?」
細いのがペニスの竿に巻き付いて、ギュッギュッて締め付けたり、左右に回転したり、シコシコと上下に運動させたりして。手コキでは絶対に味わえない未知の快楽。クーさんの触手は、ローションつけた手以上にニュルニュルしてて、柔らかくて、でもモチモチもしてて。まるでローションそのものに包まれていると錯覚してしまうくらい気持ちいい!
「んんー、んじゅぶぶ、じゅぶるる」
気持ちよさに喘ぎたいけど、口はオマンコで塞がってて喘げない。さっきまでクーさんのオマンコを責めてたはずなのに、いまはオマンコに口を責められてるみたいだ。愛液混じりのイカスミで口を犯されているみたいだ。
「うふふー、気持ちよさそうですねぇ、カーくんのオチンポ、ビクッ!ビクッ!って震えてますよぉ。あはぁ、カウパー汁も出ましたよぉ?」
そんな風に実況されて、俺の性感はどんどん高まっていく。射精したい欲求が沸々と沸き起こってくる。
「気持ちいいですよねー?でもぉ、まだまだこれからですよぉ?」
「っ!?」
なに、これ?
なにかが、ペニスの亀頭に張り付いて。いや、吸い付いて。キュウキュウってしてくる。
「吸盤責めぇー、えいえいー」
「っ!っっ!!っっっ!!!」
亀頭に降り注ぐ、快楽の濁流。
触手の吸盤が俺のペニスの亀頭を隙間なく埋めつくし、そしてキュッキュッ、キュッポンっと刺激してきたのだ。
暴力的なまでの亀頭責めに加え、触手のしごきはその動きを次第に速めていく。ペニスが裏返ってしまいそうな、そんな不安さえ覚えた。しかし、その不安という危機感がさらに快楽を誘発し、俺を高めていってしまう。
内側からなにかが競り上がってくる感覚。俺はそれを知っている。クーさんの触手たちは、それを出させようと速く強く俺のペニスを責め立てた。
「んん!んぐ、んくんく、んんー!」
「いいですよー、出してもー」
クーさんのおっとりとした声での、射精の許可に俺は欲望を解き放った。
ドピュドピュドピュドピュドピュドピュドピュドピュドピュドピュ!
俺は悲鳴すら上げられず、歯をカタカタと言わせ快楽に流される。イカスミはそれをさらに高めさせるように、大量に噴き出てきた。
「あはぁー、出てきましたぁ、カーくんのオチンポミルクー。うふふー、それじゃあ、私もいただきますぅ」
「っ!」
まだ射精が続いてるのに、クーさんの口が俺のペニスを咥えて……。うぁ、もうなにがなんだかわからない。まるで射精でペニスが敏感になってるのに、くぁ、クーさんの口、口マンコニュルニュルしてて、こんなのされちゃ射精が止まるわけ、ない。
「んふふー、ちゅぶりゅるるるるる、んはぁ、れろれろれろー、ちゅっ、ちゅるぶぶぶぶ……ぷはぁ……カーくんの、オチンポ……真っ白なオチンポミルクまみれになって、ヒトスミチンポおいしいれすぅ……はむぅっ、ちゅちゅっ、ちゅるるるるる、ぶぶぶぶぶぶ……れろれろれろ」
舌が、まるで触手みたいに絡まって……。
「んはぁ、カーくんのヒトスミぃ、白くてぇ濃厚でぇ大量でぇ、最高れすぅー……ちゅぶぶぶぶ、れろれろれろ……ぷふぅ、喉に絡まりまくりですよぉ、私のお口マンコ孕んじゃいますー」
そんなに淫語言われたら、俺、もう我慢なんてできない。萎えるなんてない。
「れろれろぉー、あはー、射精終わったのに、ガチガチですよぉ?私のお口マンコ気持ちよかったんですかぁ?うふふー、私も気持ちよかったですし、おいしかったですよー、カーくんのヒトスミチンポぉ……」
「んぐんぐ……ぷはぁ……俺も、俺もすごい気持ちよかった……クーさんの触手もお口マンコも最高だったし、イカスミマンコおいしくておいしすぎて、病み付きになったよ」
俺の身体に触手を絡ませながら、クーさんが身体を反転させて、俺と向き合ってくる。クーさんおっぱいがギュムゥってなるくらい身体を密着させてくるけれど、もう恥ずかしさなんてなかった。そんな恥ずかしさはとうに越えた。ただいまは、真っ白であり真っ黒でもある愛しいクーさんと一つになりたかった。
「カーくん、お口真っ黒ですよー?」
「クーさんだって、俺ので真っ白じゃないか」
あはは、と笑って俺とクーさんはキスをする。舌を絡めて互いの口を貪るくらいに情熱的なキスを。
自分のが付いているから汚いとか、そんなことは全く思わなかった。全く気にならなかった。クーさんとのキスの味は頭が蕩けてしまいそうに甘くて、どうでもよかったのだ。
「ん、んちゅぶ、れろれろぉ、はぁ……クーさん、俺、もう」
「はいー、お互いいただきましょうかー?」
「うん、クーさんのイカスミマンコ、俺のペニスで食べたい」
スルスルとクーさんの長い長い触手が、俺の身体中に巻き付いてくる。もう、クーさんの身体と接していない場所はないっていうくらいに。もう外からはなにも見えないくらいに。
「うふふー、私もぉ、カーくんのヒトスミチンポ、オマンコで食べたいですー」
俺はクーさんの腰に手を回し絶対に離さないときつく抱き締めた。さらに絡んでくる触手に自ら脚を絡めて、吸盤と密着する。
「じゃあー、イキますねー?」
「うん、イこう」
ジュブブブブブブブブ……。
「うぁぁ……」
「ん、ひぃぃ」
互いにご馳走しあった瞬間、俺たちは快楽の声を漏らした。一口食べてわかる。おいしい。
「ああ、くぁ……すごい、絡まって……クーさんのオマンコのヒダ、一本一本が触手みたいで、長くて、絡まって、シコシコしてく、る……!」
「は、はひぃ、カーくんのオチンポ、カリがぁ……でかくてぇ!……私のオマンコ!ゴリゴリってぇ!えぐり、ますぅ」
やば、い。これは、耐えるの、厳しいぞ。思ってた以上だ。こんな気持ちよさ、普通じゃない。子供を産むためのである人間のオマンコじゃ、絶対に味わえない。これは、快楽を得るためのオマンコだ。気持ちよさに特化された、男を堕とし尽くすための、魔性のオマンコだ!
「う、くぅ……あぁ、はぁはぁ、やばい、まだ動いて、ないのに……」
「奥にぃ、もっと奥にぃー!」
ズプズプズプズプ……。
愛液と我慢汁の混ざりあい泡立つ音が響いて、俺の欲望は増すばかりだ。オマンコのヒダ触手も、ペニスに絡み付いてどんどん奥に引っ張ってくる……!
「奥に行けば行くほど、狭くて、ヒダが多くて……やばい」
「あはぁ、いいですよぉ、カーくんのオチンポぉ、子宮口ツンツンしてますぅ」
クーさんのおっぱいよりもプルプルした感触。これが子宮口?俺はこの中に入ろうとしてる?
「さぁ来てくださいぃー、カーくんのオチンポ、私の子宮にお邪魔してくださいぃ」
ダ、メだ。入れちゃダメだ。いま入れたら、クーさんの子宮に入れたら俺は……。
チュルンッ。
「ッ!あ、ああ……あ、あ……」
ドプドプ、ドプドプドプドプ……ドプドプドプドプ、ドプドプドプドプドプドプドプドプ……ドプドプドプドプ、ドプドプ。
ゆっくりと昇る絶頂だった。階段を一歩一歩踏みしめて登り詰めたときのような快楽だった。落ちない、絶頂から降りられない。ただ、緩慢な絶頂が俺を襲う。俺は放心したようにその快楽を味わう他ない。
「あっはぁ、来ましたぁ……カーくんのヒトスミぃ……白くてぇ、ドロドロのぉ、カーくんのヒトスミぃ……はぁ、私もイッちゃいますぅ、子宮にイカスミ滲んじゃいますぅ」
「あ、ぁあ、クーさんの……イカスミが、亀頭に……」
半固形のドロドロとしたイカスミが、ペニスに吸盤のように張り付いて……まるでペニスに味覚が備わったみたいに旨味を与えてくる。これじゃあ、引き抜けない。ペニスをクーさんの子宮から引き抜きたくない。ずっとずっと、クーさんのイカスミマンコ食べていたい!
「わかりますかぁ?カーくんのヒトスミとぉ、私のイカスミが混じりあってるんですよぉ?ドロドロとドロドロがぁ、私の子宮の中でぇ、グチョグチョに混ざりあってぇ、いっぱいいっぱいカーくんのオチンポと私の子宮を溺れさせてるんですよぉ」
ああ、わかる。ペニスが感じてる。子宮の中で、俺とクーさんのスミで溺れてのを。どんどん深く、奥へ奥へと溺れて沈んでるのがわかる。もう戻れないほどの深みにハマっていっているのが、わかる。
「うふふー、もう離しませんよー?」
クーさんが俺の身体を文字通り全身を使って抱き締める。全ての吸盤を俺の身体にピッタリと張り付けて、キュウキュウ吸い付いてくる。ペニスだけじゃない。俺の全身がクーさんに溺れてるんだ。
「はぁはぁ……クーさんっ!俺、もう、戻れないよ、戻りたくないよ……クーさん!クーさん!俺をもっと、クーさんで溺れさせてくれよ」
クーさんから離れたくない。その一心で俺はクーさんを抱き締める力を強めた。
それに応えるようにクーさんはギュウギュウと俺の身体に吸い付いてくる。身体だけじゃない。オマンコも子宮も吸い付くように動き始めた。
「嬉しいですよぉ、カーくん。もっともっと私に溺れてくださいねぇ、……もう浮かぶことができないくらいに……ふふ」
「ああ、動いてないのに……オマンコが動いて、うねって……あ、あ出てるのに、精液まだ出てるのに、またいっぱい出る、イッちゃう……」
「増えましたねぇ、カーくんのヒトスミ……んん、あはぁ子宮に精液たぷたぷでぇ、私、イッちゃいますぅ」
「くっ、ああぁ!……ふ、あ、クーさんのイカスミ、俺の尿道に入り込んでぇ」
中まで……中までクーさんのイカスミでいっぱいに!
「私の子宮にもぉ、カーくんのヒトスミ染み込んでますよぉ……あはぁ、イイですぅ、頭どうにかなっちゃいそうですよぉ」
ああ、クーさんの顔、グチャグチャだ。泣いてるのか笑ってるのかわかんないや。……でも、気持ちよさそう。舌はだらしなく垂らして、目はもう完全にイッちゃってるよ。白い肌が真っ赤ッかだ。茹でタコならぬ、茹でイカだ。かわいい。
「カーくんんん、私、もぉ……もっとイキたいぃ!もっとおかしくなりたいぃ!」
「ああ、イこう……クーさん!イこう!」
「カーくーん!」
クーさんの触手が俺の尻にあてがわれた。いやな予感はなかった。ただイイ気持ちになれる期待感でいっぱいだった。
ズプゥッ!
「〜〜〜〜〜!!」
先の尖ったクーさんの触手で貫かれる快楽。痛みなんかまったくない。燃え付くような激しい快楽しか感じない。だけど、これで終わりじゃなかった。
チュウゥゥゥゥゥゥゥ!!!
「っ、ああああぁぁぁぁぁぁぁ!!」
前立腺が、クーさんの触手の吸盤で思いきり吸われた。肉壁の形が変わり、前立腺がえぐり出るかと思われるくらいまでに、鋭く、強く。
いままでとは違う。全身を雷で打たれたような。津波で身体を揉みくちゃにされたような。そんな怒濤の快楽が俺の全身を、特にペニスを襲いかかった。
その快楽に俺は、ペニスを深く深く、腰がクーさんの身体にめり込むくらいに深く突き出した。プリプリの子宮の奥深くを抉っていくような感覚が、さらに俺を快楽の奈落に突き落としていく。
したことは一つだ。
ドピュドピュドピュドピュドピュドピュドピュドピュドピュドピュドピュドピュドピュドピュドピュドピュドピュドピュ!!!
子宮の天井に鈴口を密着させたままの射精。子宮の肉に直接精液を飲み込ませることだ。
「あっひゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
クーさんの絶頂。アへ顔晒したいままでで一番淫らな顔。
「ひ、ひひぃ、ひもちひぃ……あへぁ、イカスミぃ止まらないよぉ、おぉへぁぁ……」
「うぅあああぁぁぁ!俺も、とまら、ないぃ」
ヒトスミをイカスミを、俺とクーさんは吐き出し続けた。互いにご馳走し続けた。互いにとってこの世で一番おいしいものを、俺たちは食べ続けるのだ。俺とクーさん以外、なにもないこの深淵の奥深くで。快楽を貪り、愛し合うのだ。
「カーくん〜、もう、離しゃないれすよぉ?……カーくんはわらひの旦那様でぇ、ご馳走でぇなんれすからぁ」
「クーさんがいやがったって離すもんか……クーさんのイカスミマンコは俺のモノなんだからな……俺の唯一のご馳走なんだからな……クーさんは俺の最愛の奥さんなんだからな……一瞬だって離すもんか」
「うれひぃー、うれひぃーれすよぉ、カーくん……嬉しすぎてまたイッひゃいますぅー、あひぃぁぁぁぁぁぁぁ!」
「ああああぁぁぁぁぁぁぁ!!」
俺たちは終わらない快楽とご馳走を貪り堕ちていく。深海の奥底へと深く深く、どこまでも、いつまでも、堕ち沈んでいく。
常に身体を密着させて。
―★☆―
もうそろそろ日が明ける頃の海上。風が吹き荒ぶ中、一人の影が宙に浮かんでいた。
その影は、波に揺れる暗黒の海を見て、フッと笑う。まるで海の中が見えているかのようだった。
いや、実際には見えていたのだろう。その影はどこか満足げだった。
「ふふ、クラーケンさん、上手く旦那様を捕まえたようだね。おめでとう、祝福させてもらうよ」
その声は女だった。しかし、どこか少年に近いような声でもあった。
「末長く、愛を育んで、愛に溺れてくれたまえ。深い深い闇の奥底でね……」
笑みをたたえた女はそう呟き、どこからか携帯を取り出す。それを耳に当てた。
「さぁ、これで海もあらかた魔物娘で埋め尽くされた。この世界の海にポセイドンの魔力が宿るのも時間の問題だろう……次は地上に手をかけないとね」
海は人間にバレにくいから楽だが、地上はそうもいかない。これからが本番だ。この世界に魔物娘と人間の共存をさせるには。
だけど、いまは、と女は考える。
ややあって、電話が繋がる。眠気混じりの声が聞こえた。
「やぁ、リリアナかい?僕だよ、僕。なに寝ぼけてるんだよ、僕だ。君の妹様だよ…………明日、イカスミパスタ食べに行かないか?おいしい店を知ってるんだ」
女は極めて軽い口調で言った。
そのとき、ちょうど日が昇る。朝日が女を照らし出した。
「うん、じゃあ、夜に。おやすみ」
朝日が照らした女の姿。それは朝日の光すら飲み込むほどの黒い髪と翼を持った女だった。闇がそのまま具現したかのようだった。
にぃ、と女は笑んだかと思うと、その姿は黒い煙となり霧散した。
海上に残るのは風が吹き荒ぶ音と、波の音が響くだけだった。
[完]
「ああ、僕僕、僕だよ、僕。いやいや僕僕詐欺じゃなくて僕だよ僕。いやだから僕だって。なんなら私でもいいよ私。だからさ、イカスミ。イカスミだよイカスミ。あの黒いの。イカスミ塗りたくったパスタが食いたくなってね。だからさぁ、君、船持ってるだろう?ちょっと船出してイカスミ獲ってきてほしいんだよ。ちゃんとお礼はするって。うんうん、あー、イカスミパスタをご馳走してあげる。いいだろ、十分じゃないか。じゃあ、頼んだよ」
ガチャ、ツーツー。
そんな感じで一方的に頼まれ、電話を切られた。間違いなく間違い電話な上、受ける義理も全くなかったが、こいつの話を聞いてたら食べたくなったのも事実。買えばいい話だが、獲りたてのイカスミを食べたいのも事実。
俺は夜になるのを待って早速船を出した。ちなみにこの船は前に友達にもらった。
夏とはいえ夜の海は寒い。風避けのない海のど真ん中に突っ立っているんだから当然だ。俺の乗る船もそんな立派なもんじゃないし、風避けになる部屋とかはない。ちょっとした高波がきたら一発で転覆ものだろう。まあ、そんなことは万が一にもないんだがな。
寒空の中、俺は細々とイカ釣りを始める。時刻は夜中の12時。大きめの懐中電灯を船からぶら下げ、海を照らす。イカは光に釣られてやってくるので、そこを釣るという寸法だ。
狙いはスルメイカ。夏のこの時期が旬で、夏イカと呼ばれたりもする。何匹捕まえればいいかわからんが、まあ、適当にやれるだけやってみよう。
しばらく経って俺は釣糸を海へと垂らす。そんなに苦労するものでもないだろうと、俺はこのとき思っていた。楽々に何匹も釣れると思っていたのだ。そして颯爽と帰ってイカスミパスタを食べるはずだった。
はずだったのだが。
「なん、だこれ」
俺の目の前に信じられないものが現れた。
ぶっといイカの足。
吸盤が子供の拳サイズくらいありそうな、俺の脚の太さと同じくらいのイカの足が、暗闇の海から妖しい白い光を浮かべて抜き出ていたのだ。にょろにょろと。
しかし、これで終わりじゃなかった。
にょろにょろ。
にょろにょろ。
にょろにょろにょろにょろ。
にょろにょろにょろにょろ。
にょろにょろにょろにょろにょろにょろ。
にょろにょろにょろにょろにょろにょろ。
立て続けにさらに六本ものイカ足が海から、俺の船を取り囲むようにして現れたのである。
「う、うわっ……!」
天に伸びたがイカ足が、俺の乗る船に向け降り下ろされた。七本ものイカ足に叩きつけられ、船はいまにも転覆してしまいそうなほどに揺れる。俺は転落防止用の手すりに掴まるが、俺が海に落ちるかどうかは関係なかった。
イカ足がニュルニュルと長く伸び、船に巻き付いていったのだ。グルグルともはや隙間などないほどに。俺は床にしゃがんでイカ足をかわすけれどもすぐに気づく。
「み、水!?まさか!」
そう、船が沈んでいるのだ。いや、引き込まれていっていると言った方が正しい。イカ足が海中へと船を引きずり込もうとしているのである。
俺はとある映画のことを思い出していた。イカの化け物が出てくる洋画だ。あれも大きな手足を使い、獲物を捕まえていたと思う。そうか、俺が獲物なのか。
イカ釣りをするつもりが、釣られてしまったわけだ。俺は、いまからあの洋画みたいに食べられるのだろう。
水が俺の身体を包んでいく。息苦しさとともに、俺の意識も海の底深くへ沈んだ。
目を覚ますと真っ暗だった。なにも見えない深淵の中だった。自分さえも見えない、地の底よりも深き暗黒だった。
俺は浮いているように思えた。地に足が着いていないのだ。ということは死んだのか。死後の世界とはこんな真っ暗闇で、俺は漂うだけなのか。
いや、俺は宙に浮かんでいるわけではなさそうだ。どこか、身体を動かすのに抵抗がある。浮かんでいるけれど沈んでいるような感覚もある。そうか。俺は海に沈んだ。ここは海の中なのだ。俺は海の深海へと沈みいっているのだ。
「っ!」
それに気づくと、俺の思考は途端にパニックに陥る。このままでは溺れてしまう。死んでしまう。
焦りと緊張が、溺れるならとうに溺れているはずだという、真っ先に浮かぶべき考えを水泡に帰していく。
俺はもがいた。どうにか上へとあがろうと身体をばたつかせた。しかし、周りは暗黒。自分がどこに向かっているのか。上に行っているのか。下にいっているのか。地上へと向かっているのか。深海へと向かっているのか。なにもわからなかった。
絶望が心までも暗黒で満たしかける。そのときだった。
光。暗黒に浮かぶただ一点の白い光が現れたのだ。
それは闇に囚われつつあった俺の心を優しく暖めていく。俺はその光を求めた。光も俺を求めるように近づいてきた。
そして出会った。
「こんばんわぁー」
間延びした声。光の正体は女だった。その女は白と黒を基調にした、胸を左右だけ隠し谷間を晒した服を着ていた。それだけならただの痴女だ。
しかし、こいつはただの女じゃなかった。身体が、特に下半身が。およそ人間のものではなかったのだ。
イカ、と言えばいいのか。女の下半身は、まるでイカのそれのように、ニュルニュルとしたイカの足が生えていた。
俺はその足に見覚えがあった。そうだ、間違いない。俺を船ごと海に引きずり込んだイカ足だ。まさか。
「……まさか、君が俺をここへ?」
水の中であるのに喋れるようだ。
「はい、私が連れてきましたぁ」
ニッコリと微笑む女。不思議と恐怖はなかった。人ならざる者を前にしているのに。それにここへ引きずり込まれた怒りもなかった。
というか、俺は彼女に対し、恋慕のような感情を何故か抱き始めたのである。
イカの頭のような被り物?に流れるようなストレートの薄紫の髪。それと同じ色のおっとりとした目。まるで宝石が具現したような、吸い込まれてしまいそうな美貌に、全ての闇を溶かし尽くしてしまうほど白い肌。豊満な胸は整合の取れた形で、女を主張している。腰の流れるようなくびれた曲線は、丸出しになったヘソを殊更卑猥に強調していた。
人間ではないとかは関係ない。俺は、彼女が醸す魅力にすっかり魅了されつつあったのだと思う。いわゆる、一目惚れというやつだ。
「どうして俺をここに?」
「えーとですねぇ、海の中を泳いでたら、船が見えたんでぇ。引っ張っちゃいました」
まるで、たまたま道で友達と会ったから遊びに誘ったみたいな、そんな軽さで人を引きずり込んだのか。
大人びた出で立ちなのに、おっとりした口調のせいで子供っぽく見えてしまう。
「なんで俺は息ができるんだ?」
「ここに酸素があるからですよー。私のマホーです」
人間の手の人差し指を立て、それをクルクル回しながら彼女は言う。
まほう?それってRPGとかのか?
「えと、じゃあ、俺をどうするつもりなの?」
「特に考えてませんー」
のほほんとした笑顔で答える女の人。本当になにも考えていなさそうだ。
そんなこと言われたら俺は苦笑いする他ない。
「……あ、そうだ。名前聞いてなかった。俺の名前は久我海斗(くがかいと)だ。君の名前は?」
「久我海斗さんですかー、クーさんですねー。実は私もクーさんって呼ばれてるんですよー、お揃いですねぇ」
「えーと、クーさんって呼んだら良いのかな?」
マイペース。その一言に尽きる。
「はい。でもぉ、私もクーさんって呼ぶとややこしいのでぇ、カーくんって呼びますねぇ」
か、カーくん!?
「いやですかぁ?」
しゅんとうなだれるクーさん。同じようにクーさんのイカ足、というか触手も元気をなくしたように沈んだ。クーさんの光もどこか弱々しくなった気がする。
「いや!いいです!カーくんでいいです!というかそう呼んでくださいお願いします!」
ちょっと必死すぎるくらいに言った。するとクーさんもみるみるうちに明るくなって、ほんわかした笑顔を俺に見せてくれる。
「カーくん」
「はい」
「カーくん」
「はい」
「カーくん」
「はい」
嬉しそうにころころ笑いながら身体をよじり、触手同士を絡ませてクーさんは俺の名前を呼んでくる。恥ずかしい反面、嬉しくもあった。クーさんに名前を呼ばれると、なんだか心の奥がじんわりと暖かくなってくる。欠けた心が一つになるような。
「あー、そういえばぁ、カーくんってどうして船に乗ってたんですかぁ?」
「あ、俺ですか……ちょっとイカ釣りしてまして」
「イカ釣りですかぁ。……私を釣ろうとしてたんですねぇ?」
と擦りよってくるクーさん。って、ち、近い近い。
「く、クーさんってイカなんですか?」
「はいぃ、クラーケンという魔物娘ですよー。イカもクラーケンも同じですよねー」
同じ、か?クラーケンは魔物だったような。ていうか、いまクーさん、自分で魔物って言わなかったか?いや、魔物娘?
「あの、クーさん、魔物娘ってなんですか?……やっぱり、クーさんって人間じゃないんですよね?」
恐る恐る聞いてみると、クーさんは「はいー」となんの遠慮も気概もなく答えた。自分をあっさり魔物だと認めたのだ。
「私はぁ、人間じゃなくてぇ、魔物娘なんですよー」
「ま、魔物娘?」
「魔物娘ですー。えーとですねー、魔物娘とはですねー、エッチです」
「へ?」
エッチ?えっち?H?
どういう意味だ。
「それにぃ、男の人が…………まぁ、色々なんですよー」
にへらぁと笑うクーさん。
…………ぶん投げた!?説明放り投げた!?
なんてマイペースなんだクーさん。
「それでー、カーくんは私を釣ってどうしたかったんですかー?」
ちょ、クーさんくっついてる!大きな胸が腕に、腕に!ふわふわでたぷんたぷんな大きいものに挟まれてる!
顔に熱が灯るのを感じながら、冷静さを取り戻せるよう息を大きく吐く。
「ええと、その、イカスミが欲しくて……」
「イカスミ?」
かくんと小首を傾げるクーさん、すごく可愛い。
ていうか、なんだかクーさんの触手がどんどん俺に絡み付いてきてる。腕や脚に這い寄るように絡まってきていた。クーさんの柔らかい胸に抱かれて、若干ネバネバした感じの触手に絡まれて、こんなんじゃあ、俺の男が大きくなってしまう。
「えーと、クーさん?触手が」
「そうですかぁ、イカスミですかぁ……じゃあ、私のイカスミ、食べます?」
「はい?」
俺が疑問に思った瞬間。先輩は身体を上下逆に回転させて、触手側を俺に向けてくる。そして、触手をブワァと広げ、その触手の根本を俺に見せてきた。
「っ、あぁ……」
俺は息を漏らすしかなかった。
触手の生え際の中心。そこには、女である証の、クーさんの一番大事なものがあったからだ。
「クーさんの、オマンコ……」
「はいー、クーさんのオマンコですよー」
雪よりも白い肌に浮かぶ、ピンクの花園。一切黒くなっていない秘唇は触れてもいないのにくぱぁと開き、舐めて欲しそうにビクンビクンと震えていた。クリトリスであろう小さな豆粒は、皮が剥かれビンビンに勃起している。秘唇の奥、膣穴はヒクヒクと脈動し、時折、泡を吐いていた。
いますぐにでも舐めしゃぶりたい、そんな欲求が沸き起こる。
だけれど、
「だ、ダメだって、クーさん!こんな、クーさんの大事なところ、みだりに見せちゃ」
「いいんですよー、私、カーくんのこと大好きですからー。もう、カーくん以外好きになれないくらい愛しちゃってますからー。だからー、私のオマンコ舐めてほしいなぁ?」
突然の告白に、俺は一瞬息がとまったかと思った。
顔は見えない。だけど、物欲しそうに俺を見つめるクーさんの顔が、容易に想像できた。それにオマンコも舐めて欲しそうに穴を大きく開いたり閉じたりして、俺を誘ってくる。
こんなの見て、我慢できるはずがない。
人外であるとかどうでもよかった。
「く、クーさん!」
「ん、ひゃぁん、いきなりですぅ」
俺はクーさんの濡れ濡れオマンコにむしゃぶりついた。触手の根本を掴んで離れないようにする。それに応えるように、絶対に離さないと言いたげに、触手たちの吸盤が俺の身体中に張り付いてくる。俺の身体はいつの間にか裸だった。でもいまはそんなことはどうでもいい。重要なことじゃない。いまはクーさんのオマンコを舐めることが先決だ。
「クーさん、んむ、じゅぶるる、はぁ……れろれろれろ、ちゅ、ぴちゅぴちゅ、れろ」
「ああんー、カーくんの舌気持ちいいですー!」
ぱっくり開いた秘唇の細かなシワ、一本一本をなぞるように舌を這わせる。その秘唇を食べるように口の中で啜り、舌で嬲った。
「んん、ちゅぶる、ん……れろれろれろ、はぁ、クーさんのオマンコすごいおいしい……ん、れろ」
「クリトリスはダメですよぉ」
クーさんの小さな小さな皮被りのお豆さんに舌を絡める。舌を縦横無尽に動かして、クーさんのお豆さんとこんにちはする。
クーさんの小さなオチンチン、ピンピンだ。舐めて欲しそうにヒクヒクしてる。これはもう舐めるしか、いや食べるしかない。
カプッ
「は、ひぃやぁぁぁぁぁぁぁん!?」
クーさんのクリトリスを口に含んで一噛み。瞬間、クーさんはあのおっとりとした口調からは信じられないほど高らかに、快楽の嬌声をあげた。
「うぁ、ひぃぅ、で、出りゅぅぅぅ!」
「っ!」
俺がクーさんを絶頂させて悦に入っていたも束の間、それは不意に訪れた。
プシャーーーーーーー!!
濃縮された闇が、クーさんの膣穴から勢いよく吹き出たのだ。
俺はオマンコに口を当てていたために、かわすことができなかった。それがクーさんのイカスミであるということも、両頬が膨らむほど入ったあとだった。
「んんー!?んぅぅ……」
俺は不意に出たクーさんのイカスミ噴射に口の中を満タンにさせる。そのとき漏れ出たクーさんのイカスミは海に滲んで闇を作った。
噴き出続けるクーさんのイカスミに俺は逃げようとするけれども、
「うふぅ、ダーメですよぉ、逃げちゃあー」
クーさんの触手が俺の頭を包み込み逃げられなくする。まるで下の口で捕食され呑み込まれているかのような気分だ。
呑み込まれながら飲み込んでいるのだ。クーさんの黒い蜜を。
「んくんくんく……ぷはぁ」
全て飲み干すと、クーさんが俺の頭を解放する。息が吸えないはずだったのに、不思議と苦しくはなかった。いや、もっと飲みたい、口の中に入れておきたいと思った。
「クーさん、オマンコからイカスミ出るんだね」
「はいー、私、ちょっと変わってるみたいでしてぇ、オマンコからも出るんですよぉ」
「クーさんのオマンコ、イカスミで黒くなってる……グチョグチョだ」
「恥ずかしいんでジロジロ見ないでくださいー。黒いオマンコ汚いでしょう……?」
そんなこと言って、クーさんが触手で俺をオマンコから引き離そうとしてくる。けれど俺は離れたくなくて、クーさんの触手の根本を掴み、さらにオマンコに顔を近づけた。
「汚くなんて、ないよ。すごくおいしそうだ。オマンコの綺麗なピンク色に、イカスミの黒くてドロドロの粘っこいのが絡んで、すごいエッチ。いますぐ舐めまくりたい、このイカスミマンコ食べたいよ」
「カーくん…………はいー!私のイカスミマンコ、是非是非味わってくださいー」
そうクーさん言うが早いか、俺はクーさんのイカスミマンコにしゃぶりついていた。
オマンコに絡まったクーさんのイカスミに舌を這わせ、舐めとっていく。舌に触れれば、旨味成分をグッと濃縮したような舌を刺激し、もっと飲ませろ舐めさせろと脳へ命令する。俺は本能のまま、舌と唇を駆使して、クーさん特製イカスミマンコを食べた。
愛液と混じったイカスミは甘くもあり、さきほど言ったように旨味もある。舐め取れば、クーさんのオマンコは元のピンク色に戻っていくけれど、
「んひゃぁぁぁー、いひぃぃぃー!」
こんな感じで絶頂してイカスミをまた噴き出すので、またイカスミマンコに元通りだ。
ああ、おいしい。堪らない。もっと。もっと欲しい。
「あ、あ、あ、ああん……ふふ、私ばかりご馳走するのも、ダメですよねー」
……?
「うふふー、カーくんのオチンポいただきますぅ」
「ぐちゅずるるる……っ!?」
ペ、ペニスに、なにかが絡まって……。
「どうですかぁ?私の触手気持ちいいですかー?」
細いのがペニスの竿に巻き付いて、ギュッギュッて締め付けたり、左右に回転したり、シコシコと上下に運動させたりして。手コキでは絶対に味わえない未知の快楽。クーさんの触手は、ローションつけた手以上にニュルニュルしてて、柔らかくて、でもモチモチもしてて。まるでローションそのものに包まれていると錯覚してしまうくらい気持ちいい!
「んんー、んじゅぶぶ、じゅぶるる」
気持ちよさに喘ぎたいけど、口はオマンコで塞がってて喘げない。さっきまでクーさんのオマンコを責めてたはずなのに、いまはオマンコに口を責められてるみたいだ。愛液混じりのイカスミで口を犯されているみたいだ。
「うふふー、気持ちよさそうですねぇ、カーくんのオチンポ、ビクッ!ビクッ!って震えてますよぉ。あはぁ、カウパー汁も出ましたよぉ?」
そんな風に実況されて、俺の性感はどんどん高まっていく。射精したい欲求が沸々と沸き起こってくる。
「気持ちいいですよねー?でもぉ、まだまだこれからですよぉ?」
「っ!?」
なに、これ?
なにかが、ペニスの亀頭に張り付いて。いや、吸い付いて。キュウキュウってしてくる。
「吸盤責めぇー、えいえいー」
「っ!っっ!!っっっ!!!」
亀頭に降り注ぐ、快楽の濁流。
触手の吸盤が俺のペニスの亀頭を隙間なく埋めつくし、そしてキュッキュッ、キュッポンっと刺激してきたのだ。
暴力的なまでの亀頭責めに加え、触手のしごきはその動きを次第に速めていく。ペニスが裏返ってしまいそうな、そんな不安さえ覚えた。しかし、その不安という危機感がさらに快楽を誘発し、俺を高めていってしまう。
内側からなにかが競り上がってくる感覚。俺はそれを知っている。クーさんの触手たちは、それを出させようと速く強く俺のペニスを責め立てた。
「んん!んぐ、んくんく、んんー!」
「いいですよー、出してもー」
クーさんのおっとりとした声での、射精の許可に俺は欲望を解き放った。
ドピュドピュドピュドピュドピュドピュドピュドピュドピュドピュ!
俺は悲鳴すら上げられず、歯をカタカタと言わせ快楽に流される。イカスミはそれをさらに高めさせるように、大量に噴き出てきた。
「あはぁー、出てきましたぁ、カーくんのオチンポミルクー。うふふー、それじゃあ、私もいただきますぅ」
「っ!」
まだ射精が続いてるのに、クーさんの口が俺のペニスを咥えて……。うぁ、もうなにがなんだかわからない。まるで射精でペニスが敏感になってるのに、くぁ、クーさんの口、口マンコニュルニュルしてて、こんなのされちゃ射精が止まるわけ、ない。
「んふふー、ちゅぶりゅるるるるる、んはぁ、れろれろれろー、ちゅっ、ちゅるぶぶぶぶ……ぷはぁ……カーくんの、オチンポ……真っ白なオチンポミルクまみれになって、ヒトスミチンポおいしいれすぅ……はむぅっ、ちゅちゅっ、ちゅるるるるる、ぶぶぶぶぶぶ……れろれろれろ」
舌が、まるで触手みたいに絡まって……。
「んはぁ、カーくんのヒトスミぃ、白くてぇ濃厚でぇ大量でぇ、最高れすぅー……ちゅぶぶぶぶ、れろれろれろ……ぷふぅ、喉に絡まりまくりですよぉ、私のお口マンコ孕んじゃいますー」
そんなに淫語言われたら、俺、もう我慢なんてできない。萎えるなんてない。
「れろれろぉー、あはー、射精終わったのに、ガチガチですよぉ?私のお口マンコ気持ちよかったんですかぁ?うふふー、私も気持ちよかったですし、おいしかったですよー、カーくんのヒトスミチンポぉ……」
「んぐんぐ……ぷはぁ……俺も、俺もすごい気持ちよかった……クーさんの触手もお口マンコも最高だったし、イカスミマンコおいしくておいしすぎて、病み付きになったよ」
俺の身体に触手を絡ませながら、クーさんが身体を反転させて、俺と向き合ってくる。クーさんおっぱいがギュムゥってなるくらい身体を密着させてくるけれど、もう恥ずかしさなんてなかった。そんな恥ずかしさはとうに越えた。ただいまは、真っ白であり真っ黒でもある愛しいクーさんと一つになりたかった。
「カーくん、お口真っ黒ですよー?」
「クーさんだって、俺ので真っ白じゃないか」
あはは、と笑って俺とクーさんはキスをする。舌を絡めて互いの口を貪るくらいに情熱的なキスを。
自分のが付いているから汚いとか、そんなことは全く思わなかった。全く気にならなかった。クーさんとのキスの味は頭が蕩けてしまいそうに甘くて、どうでもよかったのだ。
「ん、んちゅぶ、れろれろぉ、はぁ……クーさん、俺、もう」
「はいー、お互いいただきましょうかー?」
「うん、クーさんのイカスミマンコ、俺のペニスで食べたい」
スルスルとクーさんの長い長い触手が、俺の身体中に巻き付いてくる。もう、クーさんの身体と接していない場所はないっていうくらいに。もう外からはなにも見えないくらいに。
「うふふー、私もぉ、カーくんのヒトスミチンポ、オマンコで食べたいですー」
俺はクーさんの腰に手を回し絶対に離さないときつく抱き締めた。さらに絡んでくる触手に自ら脚を絡めて、吸盤と密着する。
「じゃあー、イキますねー?」
「うん、イこう」
ジュブブブブブブブブ……。
「うぁぁ……」
「ん、ひぃぃ」
互いにご馳走しあった瞬間、俺たちは快楽の声を漏らした。一口食べてわかる。おいしい。
「ああ、くぁ……すごい、絡まって……クーさんのオマンコのヒダ、一本一本が触手みたいで、長くて、絡まって、シコシコしてく、る……!」
「は、はひぃ、カーくんのオチンポ、カリがぁ……でかくてぇ!……私のオマンコ!ゴリゴリってぇ!えぐり、ますぅ」
やば、い。これは、耐えるの、厳しいぞ。思ってた以上だ。こんな気持ちよさ、普通じゃない。子供を産むためのである人間のオマンコじゃ、絶対に味わえない。これは、快楽を得るためのオマンコだ。気持ちよさに特化された、男を堕とし尽くすための、魔性のオマンコだ!
「う、くぅ……あぁ、はぁはぁ、やばい、まだ動いて、ないのに……」
「奥にぃ、もっと奥にぃー!」
ズプズプズプズプ……。
愛液と我慢汁の混ざりあい泡立つ音が響いて、俺の欲望は増すばかりだ。オマンコのヒダ触手も、ペニスに絡み付いてどんどん奥に引っ張ってくる……!
「奥に行けば行くほど、狭くて、ヒダが多くて……やばい」
「あはぁ、いいですよぉ、カーくんのオチンポぉ、子宮口ツンツンしてますぅ」
クーさんのおっぱいよりもプルプルした感触。これが子宮口?俺はこの中に入ろうとしてる?
「さぁ来てくださいぃー、カーくんのオチンポ、私の子宮にお邪魔してくださいぃ」
ダ、メだ。入れちゃダメだ。いま入れたら、クーさんの子宮に入れたら俺は……。
チュルンッ。
「ッ!あ、ああ……あ、あ……」
ドプドプ、ドプドプドプドプ……ドプドプドプドプ、ドプドプドプドプドプドプドプドプ……ドプドプドプドプ、ドプドプ。
ゆっくりと昇る絶頂だった。階段を一歩一歩踏みしめて登り詰めたときのような快楽だった。落ちない、絶頂から降りられない。ただ、緩慢な絶頂が俺を襲う。俺は放心したようにその快楽を味わう他ない。
「あっはぁ、来ましたぁ……カーくんのヒトスミぃ……白くてぇ、ドロドロのぉ、カーくんのヒトスミぃ……はぁ、私もイッちゃいますぅ、子宮にイカスミ滲んじゃいますぅ」
「あ、ぁあ、クーさんの……イカスミが、亀頭に……」
半固形のドロドロとしたイカスミが、ペニスに吸盤のように張り付いて……まるでペニスに味覚が備わったみたいに旨味を与えてくる。これじゃあ、引き抜けない。ペニスをクーさんの子宮から引き抜きたくない。ずっとずっと、クーさんのイカスミマンコ食べていたい!
「わかりますかぁ?カーくんのヒトスミとぉ、私のイカスミが混じりあってるんですよぉ?ドロドロとドロドロがぁ、私の子宮の中でぇ、グチョグチョに混ざりあってぇ、いっぱいいっぱいカーくんのオチンポと私の子宮を溺れさせてるんですよぉ」
ああ、わかる。ペニスが感じてる。子宮の中で、俺とクーさんのスミで溺れてのを。どんどん深く、奥へ奥へと溺れて沈んでるのがわかる。もう戻れないほどの深みにハマっていっているのが、わかる。
「うふふー、もう離しませんよー?」
クーさんが俺の身体を文字通り全身を使って抱き締める。全ての吸盤を俺の身体にピッタリと張り付けて、キュウキュウ吸い付いてくる。ペニスだけじゃない。俺の全身がクーさんに溺れてるんだ。
「はぁはぁ……クーさんっ!俺、もう、戻れないよ、戻りたくないよ……クーさん!クーさん!俺をもっと、クーさんで溺れさせてくれよ」
クーさんから離れたくない。その一心で俺はクーさんを抱き締める力を強めた。
それに応えるようにクーさんはギュウギュウと俺の身体に吸い付いてくる。身体だけじゃない。オマンコも子宮も吸い付くように動き始めた。
「嬉しいですよぉ、カーくん。もっともっと私に溺れてくださいねぇ、……もう浮かぶことができないくらいに……ふふ」
「ああ、動いてないのに……オマンコが動いて、うねって……あ、あ出てるのに、精液まだ出てるのに、またいっぱい出る、イッちゃう……」
「増えましたねぇ、カーくんのヒトスミ……んん、あはぁ子宮に精液たぷたぷでぇ、私、イッちゃいますぅ」
「くっ、ああぁ!……ふ、あ、クーさんのイカスミ、俺の尿道に入り込んでぇ」
中まで……中までクーさんのイカスミでいっぱいに!
「私の子宮にもぉ、カーくんのヒトスミ染み込んでますよぉ……あはぁ、イイですぅ、頭どうにかなっちゃいそうですよぉ」
ああ、クーさんの顔、グチャグチャだ。泣いてるのか笑ってるのかわかんないや。……でも、気持ちよさそう。舌はだらしなく垂らして、目はもう完全にイッちゃってるよ。白い肌が真っ赤ッかだ。茹でタコならぬ、茹でイカだ。かわいい。
「カーくんんん、私、もぉ……もっとイキたいぃ!もっとおかしくなりたいぃ!」
「ああ、イこう……クーさん!イこう!」
「カーくーん!」
クーさんの触手が俺の尻にあてがわれた。いやな予感はなかった。ただイイ気持ちになれる期待感でいっぱいだった。
ズプゥッ!
「〜〜〜〜〜!!」
先の尖ったクーさんの触手で貫かれる快楽。痛みなんかまったくない。燃え付くような激しい快楽しか感じない。だけど、これで終わりじゃなかった。
チュウゥゥゥゥゥゥゥ!!!
「っ、ああああぁぁぁぁぁぁぁ!!」
前立腺が、クーさんの触手の吸盤で思いきり吸われた。肉壁の形が変わり、前立腺がえぐり出るかと思われるくらいまでに、鋭く、強く。
いままでとは違う。全身を雷で打たれたような。津波で身体を揉みくちゃにされたような。そんな怒濤の快楽が俺の全身を、特にペニスを襲いかかった。
その快楽に俺は、ペニスを深く深く、腰がクーさんの身体にめり込むくらいに深く突き出した。プリプリの子宮の奥深くを抉っていくような感覚が、さらに俺を快楽の奈落に突き落としていく。
したことは一つだ。
ドピュドピュドピュドピュドピュドピュドピュドピュドピュドピュドピュドピュドピュドピュドピュドピュドピュドピュ!!!
子宮の天井に鈴口を密着させたままの射精。子宮の肉に直接精液を飲み込ませることだ。
「あっひゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
クーさんの絶頂。アへ顔晒したいままでで一番淫らな顔。
「ひ、ひひぃ、ひもちひぃ……あへぁ、イカスミぃ止まらないよぉ、おぉへぁぁ……」
「うぅあああぁぁぁ!俺も、とまら、ないぃ」
ヒトスミをイカスミを、俺とクーさんは吐き出し続けた。互いにご馳走し続けた。互いにとってこの世で一番おいしいものを、俺たちは食べ続けるのだ。俺とクーさん以外、なにもないこの深淵の奥深くで。快楽を貪り、愛し合うのだ。
「カーくん〜、もう、離しゃないれすよぉ?……カーくんはわらひの旦那様でぇ、ご馳走でぇなんれすからぁ」
「クーさんがいやがったって離すもんか……クーさんのイカスミマンコは俺のモノなんだからな……俺の唯一のご馳走なんだからな……クーさんは俺の最愛の奥さんなんだからな……一瞬だって離すもんか」
「うれひぃー、うれひぃーれすよぉ、カーくん……嬉しすぎてまたイッひゃいますぅー、あひぃぁぁぁぁぁぁぁ!」
「ああああぁぁぁぁぁぁぁ!!」
俺たちは終わらない快楽とご馳走を貪り堕ちていく。深海の奥底へと深く深く、どこまでも、いつまでも、堕ち沈んでいく。
常に身体を密着させて。
―★☆―
もうそろそろ日が明ける頃の海上。風が吹き荒ぶ中、一人の影が宙に浮かんでいた。
その影は、波に揺れる暗黒の海を見て、フッと笑う。まるで海の中が見えているかのようだった。
いや、実際には見えていたのだろう。その影はどこか満足げだった。
「ふふ、クラーケンさん、上手く旦那様を捕まえたようだね。おめでとう、祝福させてもらうよ」
その声は女だった。しかし、どこか少年に近いような声でもあった。
「末長く、愛を育んで、愛に溺れてくれたまえ。深い深い闇の奥底でね……」
笑みをたたえた女はそう呟き、どこからか携帯を取り出す。それを耳に当てた。
「さぁ、これで海もあらかた魔物娘で埋め尽くされた。この世界の海にポセイドンの魔力が宿るのも時間の問題だろう……次は地上に手をかけないとね」
海は人間にバレにくいから楽だが、地上はそうもいかない。これからが本番だ。この世界に魔物娘と人間の共存をさせるには。
だけど、いまは、と女は考える。
ややあって、電話が繋がる。眠気混じりの声が聞こえた。
「やぁ、リリアナかい?僕だよ、僕。なに寝ぼけてるんだよ、僕だ。君の妹様だよ…………明日、イカスミパスタ食べに行かないか?おいしい店を知ってるんだ」
女は極めて軽い口調で言った。
そのとき、ちょうど日が昇る。朝日が女を照らし出した。
「うん、じゃあ、夜に。おやすみ」
朝日が照らした女の姿。それは朝日の光すら飲み込むほどの黒い髪と翼を持った女だった。闇がそのまま具現したかのようだった。
にぃ、と女は笑んだかと思うと、その姿は黒い煙となり霧散した。
海上に残るのは風が吹き荒ぶ音と、波の音が響くだけだった。
[完]
13/05/25 21:55更新 / ヤンデレラ