後編(1)
「まったく、トールの奴…」
私は、朝っぱらからオノを研いでいた。
木こりならオノぐらい手入れをしておけと何度でも言ったはずだ。
それも、四日前からもだ。
アイツのものぐささに堪忍袋の緒が切れ、衝動的に体が動いてしまっていた。
「ふん。こんなもので良いだろう。」
斧腹は木クズやヤニにまみれてベトベトに黒ずみ、刃も明らかにガタガタになっていたオノは私の手により元の白銀色の鋭利な姿を取り戻した。
エリートの私が仕上げたのだから格段に使い心地は良くなっているだろう。
そして…長く斧を研いでいた事で上半身をかなり揺らしてしまい、乳が刺激されまくり、イきそうになってしまったが寝ているトールを起こさない為になんとか耐えていた。
今の私の胸は刺激で生成された母乳によりパンパンに膨れており、ちょっと乳首を摘まんだけでも牛乳瓶一本分の量が噴き出しそうだ。
とにかく、胸にたまった性的欲求を晴らさなければ生活に支障が出てしまう。
「何か…母乳を絞り出す良い方法は…」
外で出そうにも、万一母乳の匂いで大型の虫や獣が寄ってくるかもしれないので駄目だ。
そこで、アイツの家にあるタルを使わせてもらうことにしよう。
「んっ…」
それは街で買った牛乳を入れておくタルなのだが、一つだけ開いていたのでそれを使わせて貰う。
エプロンをたくし上げ、両方の乳を揉みしだいてマッサージをしてから乳首を握る。
「うっ…!あんっ!」
ビュルビュルと音を立てて、粘り気の強い大量のミルクが両乳から出始めた。
バニラと牛乳を混ぜたかのような強烈な香りが私の鼻をくすぐる。
幸い、トールは気づいていないようだ。
乳首を揉む手は止まらず、数十回揉んだところで私は絶頂に達した。
「ふああああああっ♥」
先程よりも遥かに多い母乳が鉄砲水の如くタルに注ぎ込まれ、受け口のややギリギリの箇所でやっと止まった。
「はぁ…はぁ…っと…」
乳搾りを終えた私はエプロンを下げると、タルを置いてある場所に戻す。
本当は今すぐ捨てに行こうとしたが、先程の嬌声でトールが起きてしまったようなのでやめておいた。
その代わり、母乳が入ったタルは目印として一番前に置いておいたので覚えておこう。
「ふぁぁぁ…ん?お前、オノを研いでくれたのか?」
「勝手ながらそうさせて貰った。」
私が綺麗に研いだオノを見やりつつ、トールは感心したように言う。
オノを研いでやったのは決してアイツの為ではない。
いくら口を酸っぱくして商売道具の大切さを説いてやったのにも関わらず、アイツが結局態度を改めなかった事に我慢ができなかっただけである。
こんな調子だからいつまでたってもうだつが上がらないの分からんのか。
「なかなか気が利くじゃねぇか。サンキュー。」
サンキューじゃない。サンキューじゃ。
自分の身の回りのモノを手入れする事など人として、社会に生きるものとして当たり前の事だ。
つくづくトールがモテない理由を察し、心の中でため息をついてしまう。
こんな調子だと。明日に私が居なくなってから数日経てばまた無能に逆戻りするのではなかろうか。心配だ…
別に恋心が芽生えたのではない。かといって母性が芽生えたわけでもない。
一人のエリートとしてこのどうしようもないアホをマネジメントしてやろうと思っただけだ。
「そういえばよー、ルヴィン。」
「なんだ?」
ふと何か思い当たったかのように、トールが私に話題を振ってきた。
どうせ「相変わらず生真面目だな」とか「乳でけぇな」みたいに当たり障りもなく新鮮味もない事だろう。
「今日は良い天気だな」とベタなネタを振られた方がまだマシだ。
「なんでお前はやたらと「エリート」にこだわるんだ?」
「ほう?」
予想外であった。
あの好奇心や知識欲が皆無そうなアイツが哲学的な質問を投げかけてくるとは。
良いだろう。本来であれば札束や土地の権利を報酬に出されてもまず話さぬ私の「エリート」の流儀について叩き込んでやる。
お前の身分に不釣り合いな知識欲を特別に買ってやったのだ。感謝しろ。
「私にとって「エリート」とは…完璧さが求められる存在だと思っている。なぜなら、欠陥が多い庶民達を導くにあたって彼らに合った様々な方法を取ってゆく必要があるからだ。人間とは本来群れなければ生きてゆけぬ生物だ。まぁ、「今」の魔物でも例外ではないがな。」
「ふーん?」
トールの奴は私の予想に反し、感心した態度で食い入るように聞いていた。
自分のジョッキにタルから注いだ牛乳を飲みつつ耳を傾けている。
庶民にしては中々出来た奴だ。日常の怠慢さを除けばの話だが。
「だが、ただ大勢で行動していれば良いというわけでない。何も考えずに一塊に集まり、そこにあるものを食いつくしては他の場所を転々としているだけではただの獣や虫のソレと大して変わらない。獣や虫にはない「知恵」や「技術」で支え合って生きる人間としての尊厳と本質を失って生きる事はあってはならない。言語道断だ。」
変わらずトールは話を聞き続けているが、なぜか顔が赤らみ始めている。
まるで…発情しているようだが…気のせいだろう。
「そこで、だ。あらゆる分野に優れた私たち「エリート」が何の知識や力も持たぬ大勢に「生きてゆく」手助けをしてやり、我々「エリート」も見返りにその大勢からも「手助け」の成果を元に自らの生活も保障してもらう。このような関係で成り立つ「群れ」に生きる人間本来の姿を守りぬく背負う存在故に、「エリート」は完璧である必要がある。」
「それで、おめぇーがエリートに拘る理由と何の関係があるんだぁ?」
……なんだかトールの顔の赤らみが若干増して、息も荒くなってきている気がする。
まさか、アイツ…「アレ」を飲んでしまったのか!?
い、いや考えすぎだろうか…
「よく聞いてくれたな。私は自分でいうのも恥ずかしいのだが、人間という存在が好きだ。旧魔王時代から現在に至るまで、愚かでどうしようもない所は何一つ変わってはいないが、そこが愛おしく感じる。だからこそ、この愛おしい存在に苦しい思いをさせぬ為に「エリート」でありたいと思う。これが私が「エリート」に拘るりy…ぶっ!?」
突如、私はアイツ…トールに押し倒されてしまった。
良い具合に締めくくってやろうと思ったのに!クッ!
「ルヴィン…話の最中わりぃーけどよ…俺、もう我慢できねーわ…」
自分にのしかかり、一心に乳房を揉みしだいている巨漢の顔は先程とは打って変わって豹変していた。
耳の先まで赤くなり、やる気のなさそうだっただらしない目は見開いてギラつき、鼻と口の息は荒く、口に至っては粘り気のある唾液がポトリポトリと胸に垂らされる。
間違いない…コイツ…「アレ」を飲んでしまった。
私が…こっそりと…
搾乳オナニーで出していた母乳を飲んだんだ!!!
こんなことになるぐらいなら見られてでも捨てに行けば良かった!!!
「何をするんだ!話はまだ終わっ…んびぃ!?」
弱体化している影響で困難だとはわかっていながら、抵抗しようとした私の両乳首をトールは思いきり握りつけた。
ミミズに吸われた時以上の強い刺激が、より早く私の脳に達する。
「ルヴィン、おめーの話は分かりやすくて納得がいくからついつい聞き入っちまったけどよぉ…それ以上に乳がエロ過ぎてそっちに気ィ取られちまったぜコノヤロー!」
「トール!やめんかっ!落ち着け!ストップ!止まれ!よせ!やめておくれやすぅ!やめてくださいしんでしまいます!」
あまりのイレギュラーな事態に素っ頓狂な言葉がポンポン出てしまう。
恥ずかしすぎて死にたい…いやアンデッドだから死ねないだろと自分の中でしょうもない漫才まで始めだしてしまった。
もうやだこの自分。
「やなこった。やめろやめろと言われちまうとどうしてもやりたくなる…こーゆーのをカリフラ効果っていうんだろ?」
「カリギュラ効果だ…馬鹿者…」
「訂正ありがとな!お礼にデカ乳を搾ってやるぜ!」
「オ゛ッッッッッ♥」
より乱暴な力で握りつけられた私の乳首から、先程の刺激で生成された母乳が辺り一面に撒き散らされた。
私は、朝っぱらからオノを研いでいた。
木こりならオノぐらい手入れをしておけと何度でも言ったはずだ。
それも、四日前からもだ。
アイツのものぐささに堪忍袋の緒が切れ、衝動的に体が動いてしまっていた。
「ふん。こんなもので良いだろう。」
斧腹は木クズやヤニにまみれてベトベトに黒ずみ、刃も明らかにガタガタになっていたオノは私の手により元の白銀色の鋭利な姿を取り戻した。
エリートの私が仕上げたのだから格段に使い心地は良くなっているだろう。
そして…長く斧を研いでいた事で上半身をかなり揺らしてしまい、乳が刺激されまくり、イきそうになってしまったが寝ているトールを起こさない為になんとか耐えていた。
今の私の胸は刺激で生成された母乳によりパンパンに膨れており、ちょっと乳首を摘まんだけでも牛乳瓶一本分の量が噴き出しそうだ。
とにかく、胸にたまった性的欲求を晴らさなければ生活に支障が出てしまう。
「何か…母乳を絞り出す良い方法は…」
外で出そうにも、万一母乳の匂いで大型の虫や獣が寄ってくるかもしれないので駄目だ。
そこで、アイツの家にあるタルを使わせてもらうことにしよう。
「んっ…」
それは街で買った牛乳を入れておくタルなのだが、一つだけ開いていたのでそれを使わせて貰う。
エプロンをたくし上げ、両方の乳を揉みしだいてマッサージをしてから乳首を握る。
「うっ…!あんっ!」
ビュルビュルと音を立てて、粘り気の強い大量のミルクが両乳から出始めた。
バニラと牛乳を混ぜたかのような強烈な香りが私の鼻をくすぐる。
幸い、トールは気づいていないようだ。
乳首を揉む手は止まらず、数十回揉んだところで私は絶頂に達した。
「ふああああああっ♥」
先程よりも遥かに多い母乳が鉄砲水の如くタルに注ぎ込まれ、受け口のややギリギリの箇所でやっと止まった。
「はぁ…はぁ…っと…」
乳搾りを終えた私はエプロンを下げると、タルを置いてある場所に戻す。
本当は今すぐ捨てに行こうとしたが、先程の嬌声でトールが起きてしまったようなのでやめておいた。
その代わり、母乳が入ったタルは目印として一番前に置いておいたので覚えておこう。
「ふぁぁぁ…ん?お前、オノを研いでくれたのか?」
「勝手ながらそうさせて貰った。」
私が綺麗に研いだオノを見やりつつ、トールは感心したように言う。
オノを研いでやったのは決してアイツの為ではない。
いくら口を酸っぱくして商売道具の大切さを説いてやったのにも関わらず、アイツが結局態度を改めなかった事に我慢ができなかっただけである。
こんな調子だからいつまでたってもうだつが上がらないの分からんのか。
「なかなか気が利くじゃねぇか。サンキュー。」
サンキューじゃない。サンキューじゃ。
自分の身の回りのモノを手入れする事など人として、社会に生きるものとして当たり前の事だ。
つくづくトールがモテない理由を察し、心の中でため息をついてしまう。
こんな調子だと。明日に私が居なくなってから数日経てばまた無能に逆戻りするのではなかろうか。心配だ…
別に恋心が芽生えたのではない。かといって母性が芽生えたわけでもない。
一人のエリートとしてこのどうしようもないアホをマネジメントしてやろうと思っただけだ。
「そういえばよー、ルヴィン。」
「なんだ?」
ふと何か思い当たったかのように、トールが私に話題を振ってきた。
どうせ「相変わらず生真面目だな」とか「乳でけぇな」みたいに当たり障りもなく新鮮味もない事だろう。
「今日は良い天気だな」とベタなネタを振られた方がまだマシだ。
「なんでお前はやたらと「エリート」にこだわるんだ?」
「ほう?」
予想外であった。
あの好奇心や知識欲が皆無そうなアイツが哲学的な質問を投げかけてくるとは。
良いだろう。本来であれば札束や土地の権利を報酬に出されてもまず話さぬ私の「エリート」の流儀について叩き込んでやる。
お前の身分に不釣り合いな知識欲を特別に買ってやったのだ。感謝しろ。
「私にとって「エリート」とは…完璧さが求められる存在だと思っている。なぜなら、欠陥が多い庶民達を導くにあたって彼らに合った様々な方法を取ってゆく必要があるからだ。人間とは本来群れなければ生きてゆけぬ生物だ。まぁ、「今」の魔物でも例外ではないがな。」
「ふーん?」
トールの奴は私の予想に反し、感心した態度で食い入るように聞いていた。
自分のジョッキにタルから注いだ牛乳を飲みつつ耳を傾けている。
庶民にしては中々出来た奴だ。日常の怠慢さを除けばの話だが。
「だが、ただ大勢で行動していれば良いというわけでない。何も考えずに一塊に集まり、そこにあるものを食いつくしては他の場所を転々としているだけではただの獣や虫のソレと大して変わらない。獣や虫にはない「知恵」や「技術」で支え合って生きる人間としての尊厳と本質を失って生きる事はあってはならない。言語道断だ。」
変わらずトールは話を聞き続けているが、なぜか顔が赤らみ始めている。
まるで…発情しているようだが…気のせいだろう。
「そこで、だ。あらゆる分野に優れた私たち「エリート」が何の知識や力も持たぬ大勢に「生きてゆく」手助けをしてやり、我々「エリート」も見返りにその大勢からも「手助け」の成果を元に自らの生活も保障してもらう。このような関係で成り立つ「群れ」に生きる人間本来の姿を守りぬく背負う存在故に、「エリート」は完璧である必要がある。」
「それで、おめぇーがエリートに拘る理由と何の関係があるんだぁ?」
……なんだかトールの顔の赤らみが若干増して、息も荒くなってきている気がする。
まさか、アイツ…「アレ」を飲んでしまったのか!?
い、いや考えすぎだろうか…
「よく聞いてくれたな。私は自分でいうのも恥ずかしいのだが、人間という存在が好きだ。旧魔王時代から現在に至るまで、愚かでどうしようもない所は何一つ変わってはいないが、そこが愛おしく感じる。だからこそ、この愛おしい存在に苦しい思いをさせぬ為に「エリート」でありたいと思う。これが私が「エリート」に拘るりy…ぶっ!?」
突如、私はアイツ…トールに押し倒されてしまった。
良い具合に締めくくってやろうと思ったのに!クッ!
「ルヴィン…話の最中わりぃーけどよ…俺、もう我慢できねーわ…」
自分にのしかかり、一心に乳房を揉みしだいている巨漢の顔は先程とは打って変わって豹変していた。
耳の先まで赤くなり、やる気のなさそうだっただらしない目は見開いてギラつき、鼻と口の息は荒く、口に至っては粘り気のある唾液がポトリポトリと胸に垂らされる。
間違いない…コイツ…「アレ」を飲んでしまった。
私が…こっそりと…
搾乳オナニーで出していた母乳を飲んだんだ!!!
こんなことになるぐらいなら見られてでも捨てに行けば良かった!!!
「何をするんだ!話はまだ終わっ…んびぃ!?」
弱体化している影響で困難だとはわかっていながら、抵抗しようとした私の両乳首をトールは思いきり握りつけた。
ミミズに吸われた時以上の強い刺激が、より早く私の脳に達する。
「ルヴィン、おめーの話は分かりやすくて納得がいくからついつい聞き入っちまったけどよぉ…それ以上に乳がエロ過ぎてそっちに気ィ取られちまったぜコノヤロー!」
「トール!やめんかっ!落ち着け!ストップ!止まれ!よせ!やめておくれやすぅ!やめてくださいしんでしまいます!」
あまりのイレギュラーな事態に素っ頓狂な言葉がポンポン出てしまう。
恥ずかしすぎて死にたい…いやアンデッドだから死ねないだろと自分の中でしょうもない漫才まで始めだしてしまった。
もうやだこの自分。
「やなこった。やめろやめろと言われちまうとどうしてもやりたくなる…こーゆーのをカリフラ効果っていうんだろ?」
「カリギュラ効果だ…馬鹿者…」
「訂正ありがとな!お礼にデカ乳を搾ってやるぜ!」
「オ゛ッッッッッ♥」
より乱暴な力で握りつけられた私の乳首から、先程の刺激で生成された母乳が辺り一面に撒き散らされた。
20/07/03 12:05更新 / 消毒マンドリル
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