第一章 始まりの森
俺は今森の中にいる。先程本屋で古本を手にし中を見た瞬間、光に包まれて
気が付けば此処にいた。
いったい何がどうなっているのか解らないが、今言えることは一つ。
「此処は本の世界か?」
周りを見れば見たことのない木々が並び、空気の感覚も何かわからない物が満ちている感じがする。
幸い小型のアーミーナイフを持っているので、何らかのアクシデントが発生しても対処はできるだろ。
問題は。
「近くにに人が住んで居るかどうかだな。」
できれば言葉が通じればうれしいんだがな。
某映画みたいな狩りの獲物として連れてこられる世界じゃないことを祈ろう。
そんなことを考えてるとき近くから物音が聞こえてきた。
「なんだ!」
すぐに近くの木に身を隠し、音のした方を覗き見る。
そこには一人の少女を追いかける三人の男の姿があった。
少女は傷つきながら走り、男達が血の付いたナイフを持ち追いかける。
やがて少女が足を躓き倒れ、男たちに囲まれてしまう。
「さあ、鬼ごっこはおしまいだ魔女さんよ。」
「いくら強かろうと魔法がつかえなきゃただの餓鬼だからな。」
「このサイレンスナイフがあれば怖くはねえよ。」
魔法という単語が出てきたな。益々俺の知ってる世界じゃないな此処は。
男達は恐怖に怯える魔女と呼ばれる少女に対して、ゆっくりと近づきながら
追い詰めていく。
少女はナイフの効果のためか声を出せずにいた。
「胸糞悪いな。」
偽善者のつもりはないが兎に角、胸糞悪い。
弱い者虐めや一方的な虐殺は面白味が無い為やらないでいるが、他人がしているところを見ているとムカついてくる。
「あまり下手な行動はしたくないが我慢できんな。」
すでに我慢の限界であったため止めに入ることにした。
しかしああいう連中が素直に言うことを聞くはずが無い為、永眠してもらうことにする。
もしも取り逃がしたことを考えてバンダナで覆面をしておく。
そして、相手が最も油断した瞬間飛び出して一気に片を付ける。
その時が訪れた。
「暴れると困るから筋を絶っておくか。」
「面倒なら殺してからでもいいんじゃないか?」
「死体でもやれるのはお前だけだろ。」
そう言いながら少女に手をかけようとした瞬間、茂みから一気に飛び出した。
男達が音にきずいた時にはすでに遅く、一人の喉元にナイフを突き立て切り裂いていた。
残りの男達が応戦しようと構えている間にすでに二人目の目の前に近づいていた。
そしてナイフを持っていた手を切り裂き、目、口、喉を切り悶絶死させた。
最後の一人を相手にしようとしたとき、相手は少女を人質にとった。
「貴様、こいつの仲間か!」
「いいや赤の他人だ。」
「ならなぜこっちの邪魔をする。」
「見ていて胸糞悪かったから。」
「そんなの関係ないだろ。」
「確かにそうだが。ただ、このまま放っておくと俺の中でずうっと燻ったままになってしまって後味が悪くてたまらんのだ。」
「だから、自分のために殺っただけだ。」
「ならもう手を出すんじゃねえ、この餓鬼が死んだら後味が悪いんだろ。」
そういいながら少女にナイフを突き立てて脅してくる。
「殺るなら殺れよ。」
「あ?」
「俺はその女がどうなろうとも知ったことじゃない。」
「問題なのは、胸糞悪くした貴様のような糞虫を放っておくのが嫌なんだよ。」
「っく!」
人質を取った男にとって誤算だったのは、俺が目的のために手段を択ばない相手だったこと。
勝ち目がないと知り、人質を捨てて逃げ出した。
だが。
「言ったはずだ、貴様が生きていると胸糞が悪いと。」
死体の近くに落ちているナイフを取り、逃げた男の足にめがけて投げる。
ナイフは膝の裏に刺さり、男が転倒した。
ゆっくりと男に近づき、恐怖心を煽る。
「今の気分はどうだ?」
「頼む、こ、殺さないでくれ。」
男が必死に命乞いをする。
「声を出せなくした相手に、情け容赦なく襲いかかろうとした貴様に情けをかけるとでも思うか。」
「そ、それは・・」
男は必死に考える。だが、時は待ってくれない。
「貴様には苦しんで死んでもらわんとな。」
その言葉とともに両腕を切り裂き使えなくする。
そして、足で頭を押さえつけナイフで胸を切り裂く。
露出した胸骨を掴み、力技で捩じり折って引っこ抜き。
心臓を鷲掴みし、男の目の前に晒す。そして。
目の前で握りつぶす。
男は激痛に苦しみながら絶命した。
「さて、一通り終わたな。」
状況を確認し少女の様子を見に行く。
少女は俺を見るとひどく怯えていた。まあしかたないか。
「お願い、何もしないで。」
どうやら話せるようになったようだ。
「なにもせんよ。とりあえず大丈夫か。」
「す、すこし傷があるだけで大丈夫です。」
「そうか、それならいいんだ。」
「あ、あの。」
「ん?」
「助けてくれてありがとう。」
「礼は要らん。さっきも言ったように自分のためにしただけだ。」
「それより少し聞きたいことがあるんだが、いいか。」
「は、はい。なんでしょうか?」
「ここがどこだか教えてくれんか?」
「ふぇ?」
少女は理解できない顔をしていた。
とある事情により飛ばされたと説明し、本については伏せておいた。
少女は理解してくれたようだった。
「ここはウェルケンダークの森と呼ばれていまして、薬草が多くとれる森です。」
「私は近くにあるリーンベルの町から取りに来ているんです。」
「薬草を取っているときに野党に襲われて、先程のようになっていたんです。」
「なるほど、近くに町があるんだな。」
「そうです。」
やはり此処は本の中の世界だとわかった。
となると、しばらく居るとなるといろいろすべきことがあるが
このままでは何もできないな。
「すまないが町まで連れて行ってもらえないか?」
「丸裸同然の状態なのでお金も何もないんだ。」
「それなら町のギルドに案内しますね。」
どうやらしばらくはリーンベルの町でなんとか過ごせそうだ。
その間にいろいろなことを知っておかなければならんな。
「あ、そういえば。」
「どうした?」
「まだ名前を知りませんでした。」
「ああ、そういうことか。」
そういえば名を名乗っていなかったな、お互いに。
「俺の名はエドワード・レッドニクルだ。」
「私の名前はレティシアです。」
「レティシアか、いい名だな。よろしく。」
「こちらこそよろしくです。」
お互い名を名乗り、そして町に向けて歩き始めた。
見知らぬ異世界で新たに始まる俺の物語。
どんなことが起きるのかわからない。元の世界に戻れるかもわからない。
もしかしたら、この世界に俺の求める居場所が見つかるのかもしれない。
そんなことを考えながら町に向かう。
気が付けば此処にいた。
いったい何がどうなっているのか解らないが、今言えることは一つ。
「此処は本の世界か?」
周りを見れば見たことのない木々が並び、空気の感覚も何かわからない物が満ちている感じがする。
幸い小型のアーミーナイフを持っているので、何らかのアクシデントが発生しても対処はできるだろ。
問題は。
「近くにに人が住んで居るかどうかだな。」
できれば言葉が通じればうれしいんだがな。
某映画みたいな狩りの獲物として連れてこられる世界じゃないことを祈ろう。
そんなことを考えてるとき近くから物音が聞こえてきた。
「なんだ!」
すぐに近くの木に身を隠し、音のした方を覗き見る。
そこには一人の少女を追いかける三人の男の姿があった。
少女は傷つきながら走り、男達が血の付いたナイフを持ち追いかける。
やがて少女が足を躓き倒れ、男たちに囲まれてしまう。
「さあ、鬼ごっこはおしまいだ魔女さんよ。」
「いくら強かろうと魔法がつかえなきゃただの餓鬼だからな。」
「このサイレンスナイフがあれば怖くはねえよ。」
魔法という単語が出てきたな。益々俺の知ってる世界じゃないな此処は。
男達は恐怖に怯える魔女と呼ばれる少女に対して、ゆっくりと近づきながら
追い詰めていく。
少女はナイフの効果のためか声を出せずにいた。
「胸糞悪いな。」
偽善者のつもりはないが兎に角、胸糞悪い。
弱い者虐めや一方的な虐殺は面白味が無い為やらないでいるが、他人がしているところを見ているとムカついてくる。
「あまり下手な行動はしたくないが我慢できんな。」
すでに我慢の限界であったため止めに入ることにした。
しかしああいう連中が素直に言うことを聞くはずが無い為、永眠してもらうことにする。
もしも取り逃がしたことを考えてバンダナで覆面をしておく。
そして、相手が最も油断した瞬間飛び出して一気に片を付ける。
その時が訪れた。
「暴れると困るから筋を絶っておくか。」
「面倒なら殺してからでもいいんじゃないか?」
「死体でもやれるのはお前だけだろ。」
そう言いながら少女に手をかけようとした瞬間、茂みから一気に飛び出した。
男達が音にきずいた時にはすでに遅く、一人の喉元にナイフを突き立て切り裂いていた。
残りの男達が応戦しようと構えている間にすでに二人目の目の前に近づいていた。
そしてナイフを持っていた手を切り裂き、目、口、喉を切り悶絶死させた。
最後の一人を相手にしようとしたとき、相手は少女を人質にとった。
「貴様、こいつの仲間か!」
「いいや赤の他人だ。」
「ならなぜこっちの邪魔をする。」
「見ていて胸糞悪かったから。」
「そんなの関係ないだろ。」
「確かにそうだが。ただ、このまま放っておくと俺の中でずうっと燻ったままになってしまって後味が悪くてたまらんのだ。」
「だから、自分のために殺っただけだ。」
「ならもう手を出すんじゃねえ、この餓鬼が死んだら後味が悪いんだろ。」
そういいながら少女にナイフを突き立てて脅してくる。
「殺るなら殺れよ。」
「あ?」
「俺はその女がどうなろうとも知ったことじゃない。」
「問題なのは、胸糞悪くした貴様のような糞虫を放っておくのが嫌なんだよ。」
「っく!」
人質を取った男にとって誤算だったのは、俺が目的のために手段を択ばない相手だったこと。
勝ち目がないと知り、人質を捨てて逃げ出した。
だが。
「言ったはずだ、貴様が生きていると胸糞が悪いと。」
死体の近くに落ちているナイフを取り、逃げた男の足にめがけて投げる。
ナイフは膝の裏に刺さり、男が転倒した。
ゆっくりと男に近づき、恐怖心を煽る。
「今の気分はどうだ?」
「頼む、こ、殺さないでくれ。」
男が必死に命乞いをする。
「声を出せなくした相手に、情け容赦なく襲いかかろうとした貴様に情けをかけるとでも思うか。」
「そ、それは・・」
男は必死に考える。だが、時は待ってくれない。
「貴様には苦しんで死んでもらわんとな。」
その言葉とともに両腕を切り裂き使えなくする。
そして、足で頭を押さえつけナイフで胸を切り裂く。
露出した胸骨を掴み、力技で捩じり折って引っこ抜き。
心臓を鷲掴みし、男の目の前に晒す。そして。
目の前で握りつぶす。
男は激痛に苦しみながら絶命した。
「さて、一通り終わたな。」
状況を確認し少女の様子を見に行く。
少女は俺を見るとひどく怯えていた。まあしかたないか。
「お願い、何もしないで。」
どうやら話せるようになったようだ。
「なにもせんよ。とりあえず大丈夫か。」
「す、すこし傷があるだけで大丈夫です。」
「そうか、それならいいんだ。」
「あ、あの。」
「ん?」
「助けてくれてありがとう。」
「礼は要らん。さっきも言ったように自分のためにしただけだ。」
「それより少し聞きたいことがあるんだが、いいか。」
「は、はい。なんでしょうか?」
「ここがどこだか教えてくれんか?」
「ふぇ?」
少女は理解できない顔をしていた。
とある事情により飛ばされたと説明し、本については伏せておいた。
少女は理解してくれたようだった。
「ここはウェルケンダークの森と呼ばれていまして、薬草が多くとれる森です。」
「私は近くにあるリーンベルの町から取りに来ているんです。」
「薬草を取っているときに野党に襲われて、先程のようになっていたんです。」
「なるほど、近くに町があるんだな。」
「そうです。」
やはり此処は本の中の世界だとわかった。
となると、しばらく居るとなるといろいろすべきことがあるが
このままでは何もできないな。
「すまないが町まで連れて行ってもらえないか?」
「丸裸同然の状態なのでお金も何もないんだ。」
「それなら町のギルドに案内しますね。」
どうやらしばらくはリーンベルの町でなんとか過ごせそうだ。
その間にいろいろなことを知っておかなければならんな。
「あ、そういえば。」
「どうした?」
「まだ名前を知りませんでした。」
「ああ、そういうことか。」
そういえば名を名乗っていなかったな、お互いに。
「俺の名はエドワード・レッドニクルだ。」
「私の名前はレティシアです。」
「レティシアか、いい名だな。よろしく。」
「こちらこそよろしくです。」
お互い名を名乗り、そして町に向けて歩き始めた。
見知らぬ異世界で新たに始まる俺の物語。
どんなことが起きるのかわからない。元の世界に戻れるかもわからない。
もしかしたら、この世界に俺の求める居場所が見つかるのかもしれない。
そんなことを考えながら町に向かう。
11/10/25 00:41更新 / 時雨
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