我が拳を見よ
「はらへったなー」
始まり早々こんなセリフでスマン。俺の名はザック、なうなヤングメンだ。
あ、ちょ、待って、石投げないで痛いからマジで。
自分の技を磨くため故郷を出て早云年、様々な冒険や戦場を渡り歩いて修行をしていたがここに来てとんでもないことをしてしまった。
「地図無くすなんてマジないわ。」
そう地図を無くして荒野を彷徨っていたんだ。三日間も。
「水も食料も尽きてしまったしどうしよ。」
さすがにこのままでは餓死するのも時間の問題だ。
早く町を見つけないと・・・・・ん?
「お、やった町が見えた。」
地図で目指していた町サウスタウンにたどり着いたようだ。
膳は急げと残る体力を使いダッシュで町へと向かった。
「食い物だ」
とりあえず町に着いて一番最初に向かったのは飯屋だった。
MGS3の兵士みたいに飢えを満たす為店を探していたとき、
町に入って少し歩いた所のすぐ傍にレストランがあったのでそこに入った。
「いらっしゃいー。」
店に入ると人の良いおばちゃんが迎えてくれた。
「好きな席のどうぞ。」
俺はとりあえず一番手前の席に座った。
「メニューはっと、これか。」
メニューを見ると手ごろな値段で美味しそうなのが多くあった。
「ご注文は決まったかい。」
「このページの全部お願い。」
「え!!!」
そのページの料理の量は軽く4人前以上あった。
「あ、あんたこれ全部一人で食べるのかい。」
「モチ。」
おばちゃんはびっくりしながら料理を作り始めた。
・・・・・・・・20分後・・・・・・
「お待ちどうさん。」
頼んだ料理が全部来たっと、それじゃ。
「この世のすべての食材と料理に感謝の意を籠めて。」
「いただきます。」
と同時にすさまじい勢いで食べ始める。
「うんめー、三日ぶりの飯はうんめー。」
「あんた三日も食べてなかったんかい。」
「地図無くしてせいでずっと彷徨っていたんだ。」
「そりゃーたいへんだったね。」
「水も食料も無くなって空腹状態で我ながら良くたどり着いたと思うよ。」
と話ながら箸の動きは止まらない。
「だけどちょっとやな時に着ちゃったねあんた。」
「どうゆうこと?」
「ここ最近強盗団が町を荒らしまわっているんだよ。」
「ふーん強盗団ね。」
「あんた簡単に言ってるけどねあいつらのボスのミノタウロスが強すぎて困っているんだよ。」
「町のギルドのやつらでも歯が立たないんだよ。」
「そんなに強いのか?」
「剣で斬ろうにも少ししか切れないし、魔法も使う前に突進を食らって使えないしでお手上げだよ。」
「どれくらいの賞金がかかってるんだい?」
「確か金貨100位の懸賞金がかかってるはずだよ。」
「ならいっちょやりますかな。」
「お、おまえさん、あいつ等と戦うって言うのかい。」
「戦わないと腕がさび付いちまうからな。」
「あんた犯されたいのかい。」
「簡単に犯られんし、逆に掘ってやるわ。」
そう言うと同時に料理をすべて平らげてしまった。
「あんたの胃袋は化けモンかい。」
「そうでもないさ、ご馳走様でした。」
と勘定を置いて店を後にした。
「また犠牲者が増えたね。」
と出て行った若者を見ながらおばちゃんがポツリとつぶやいた。
町の主街道を少し歩くとギルドが見えた。
内に入ると少し寂れた感じか漂っていた。
「ん・・客人かい。」
渋い感じのマスターが対応してくれた。
「ご用件はなんだい。」
「町で暴れている強盗団の依頼を受けたい。」
「あんた本当に言ってるのか、何組ものパーティがやられているのに一人でか。」
「一人のほうが動きやすいんだよ。で、受けれるのか?」
「できるが、いいのか。」
「あぁ・・、もちろんさ。」
「なら、こいつが依頼書だ。」
そう言うと一枚の紙を渡された。
ーーーーミノス強盗団退治依頼ーーーーーー
目標・団員及び頭の捕獲or討伐 並びに誘拐された男達の救出
報酬・金貨100
場所・町郊外の鉱山跡地にあるアジト
詳細・団員がおよそ10人、団員はゴブリンとオークの半々である。
リーダーのミノタウロスは通常より大きく力も強く体が異常に頑丈の
ため攻撃が効きにくく歯が立たない状態である。
なお被害状況は男性及び食料が強奪され討伐に向かった
パーティーもやられ困り果てている状態だ。誰か何とかしてくれ。
「随分やらかしてるんだな。」
「おかげで町が寂れはじめてしまってどうしようもないんだ。」
「なら急ぐとするか・・・ん。」
外がなんか騒がしいな。
「おらおら、食いもん出せ、男出せ。」
「出さなくても奪っちゃうけどね〜♪」
「だぞー。」
どうやら噂をすればだな。
「頼むぜ兄さん。」
後ろでマスターがそう言ったのを聞きながら外に出た。
どうやら団員だけでボスは来てないらしい。
「お、男がきたぞ。」
「あ、結構好みかも♪」
「ボクも、ボクも欲しいな。」
そんなことを言いながらゴブリンとオークがこちらを囲み始めた。
「自分から来るなんていい獲物だ。」
「つれてく前に味見したい・・じゅる♪」
「ボクもみてみたいな。」
そんこと言いながら近ずいてくる。
「さて、食後の運動がてらやりますか。」
体の骨を鳴らし体制を整える。
彼の武器は拳だけ。
しかし、ただ拳を振るうのではなく・・・・。
拳に力を入れると鉛色に変色しだす。
「いっくぞー。」
相手が一斉に襲い掛かった瞬間、拳が唸る。
「必殺・フラッシュピストンマシンガンナックル!」
閃光を放ったと同時に拳が一瞬で全員の武器だけを壊した。
「ふにゃー!」
「あうー。」
「あわわ。」
武器を壊され無力化され、怖気ついていた。
「つ、つよい・・。」
「あう、かなわないよ。」
「こ、こわいよ。」
武器を無くしおびえる団員たち。
「取り合えず捕獲っと、後で案内でもしてもらうか。」
全員縛り上げ案内役にオークを選びそれ以外はギルドに渡した。
そして、案内役を連れて馬車で行くこと一時間後・・・・・。
「こ、ここがアジトです。」
「情報どうりか、中に入ると面倒だからおびき出すか。」
「ちょうどここにいい餌がいるしな・・・ニヤリ。」
「ひ、へ、変な事しないで・・・・。」
とりあえず木に吊り上げて下に薪を用意して火を付けると。
よし、完成。
あとは、と。
「よーし、じゃ思いっきり助けを呼べ。手を抜いたら・・・わかるな。」
「あ、悪魔ーー(泣」
「何とでも言え、丸焼きに成りたく無ければ助けを呼ぶんだな。」
「う、うぇーーーん、助けてリーダー。このままじゃ焼き豚にされて食べられちゃうよ。」
まさに必死、だがいくらオーク言えど食ったりはせんよ普通。
だがあえてマジでやりそうに脅す。理由、ボスの所まで行くのがめんどいから。
そうすると、地響きを立てながら出てきた。
「うちの子分に手出したのはどいつだ!!。」
おお、たしかにでけぇーな。平均より背が高く、胸がすげぇ。
さらに、斧もかなりゴツクでヤバイ。当たれば終わりだな。
どうやらこっちに気がついたようだ。
「貴様か、子分をやったのは。」
「ああ、そうだ。お前たちが町でいろいろやり過ぎたんでな、捕まえに来た。」
「そう簡単にいくと思うなよ、それに丸腰で何ができるんだ。」
「あいにく拳が武器なんでな。」
「拳であたいの体を傷つけられるとでも、笑わせるな!」
「どうかな、やってみねーと分からんぜ。」
お互い構えを取った。
リーダーは右上に斧を構え、ザックはボクシングスタイルを取った。
少しして先に動いたのはリーダーのほうだった。
「死んどけーーー!!」
一気に駆け寄り斧を振るった。
だが、単純すぎる動きを見切るのは簡単だった。
ほんの少し横にずれて回避しながら数発拳を入れる。その後も出鱈目な振り方だった。
「この、くそ、当たりやがれこの野郎。」
「無理だなその動きじゃ。」
一方的過ぎてつまらなかったもんだ。だがこっちのダメージはぜんぜん通らない。体が硬すぎる。
「これじゃあ、倒せねぇ訳だ。」
これじゃあ倒せやしない。長期戦になれば不味いな、負けるかもしれない。
「仕方ないな、あれを出すか。」
リーダーから離れ、距離をとると右腕を突き出した。
「なんのつもりだそれは。」
「手前には勿体無いが硬すぎるんでな、一気に貫かせてもらうぜ。」
右腕に力を籠めると色が変わり鉛色に代わった。
そして腕を曲げセットした。
「な、何なんだその腕は。」
「歯ぁ食いしばれよ、じゃねーと死んじまうぜ。」
体全身からオーラが出始めていた。真っ赤な鬼のようなオーラが。
「そ、そんな脅しが通用するもんか。うらーーー!!!」
リーダーはオーラの色に興奮し一気に突進を仕掛けてきた。
ザックは避けずに逆に懐に入り、凶器を放つ。
「貫殺・パイルバンカーショット!!!」
咆哮とともに打ち付けられた拳から莫大な衝撃が体内を打ち抜いた。
「!?!がっはーーーーー!!!!!。」
同時にものすごい勢いでリーダーが血を吐きながら後ろに吹っ飛んで気を失った。
「我に貫けぬもの無し。」
どこかの武神のごとく決めた。
「とりあえず死なない程度に加減したが、だいじょうぶか?」
調べてみて生きていることは確認した。
「何とか生きてるな、じゃ町に連れて行くか。」
馬車に積んでいた鎖で縛った後で馬車に乗せ町へと帰った。
町では帰ってきた彼を見て驚いていた。ギルドでも手を焼いていた敵を一人で捕まえてきたのだから。
「こいつぁおどろいたな。」
「まさか本当にやっちまうなんて。」
「にいさんあんた人間か?」
などなど言われながらギルドに引渡し賞金をいただいた。
その日は町が捕まった強盗団の話で持ちきりだったがめんどくさかったのでとっとと宿に泊まり、次の日には旅立とうとしていた・・・・が。
「あのな、行こうとしてるところ悪いんだが・・・・。」
「なんすか?」
「案内役に連れてったやつと誘拐された男たちはどうしたんだ?」
「・・・・あ」
「まさか・・・」
「忘れてた。」
「悪いがもう一回行ってきてくれねぇか。」
「やっぱり、行かなきゃだめ?」
「それも一応依頼内容だからな、あきらめな。」
「とほほ・・・。」
結局もう一度アジトに行き奥にいた男達を救出し、一晩吊るされ火でこんがりと焼けギャルぽくになったオークを回収した。
・・・・びみょーに良い匂いがする、食欲的に。
そして回収した人達とオークを渡し今度こそ町を後にした。
あ
地図買うの忘れてた・・・・・
おわり
始まり早々こんなセリフでスマン。俺の名はザック、なうなヤングメンだ。
あ、ちょ、待って、石投げないで痛いからマジで。
自分の技を磨くため故郷を出て早云年、様々な冒険や戦場を渡り歩いて修行をしていたがここに来てとんでもないことをしてしまった。
「地図無くすなんてマジないわ。」
そう地図を無くして荒野を彷徨っていたんだ。三日間も。
「水も食料も尽きてしまったしどうしよ。」
さすがにこのままでは餓死するのも時間の問題だ。
早く町を見つけないと・・・・・ん?
「お、やった町が見えた。」
地図で目指していた町サウスタウンにたどり着いたようだ。
膳は急げと残る体力を使いダッシュで町へと向かった。
「食い物だ」
とりあえず町に着いて一番最初に向かったのは飯屋だった。
MGS3の兵士みたいに飢えを満たす為店を探していたとき、
町に入って少し歩いた所のすぐ傍にレストランがあったのでそこに入った。
「いらっしゃいー。」
店に入ると人の良いおばちゃんが迎えてくれた。
「好きな席のどうぞ。」
俺はとりあえず一番手前の席に座った。
「メニューはっと、これか。」
メニューを見ると手ごろな値段で美味しそうなのが多くあった。
「ご注文は決まったかい。」
「このページの全部お願い。」
「え!!!」
そのページの料理の量は軽く4人前以上あった。
「あ、あんたこれ全部一人で食べるのかい。」
「モチ。」
おばちゃんはびっくりしながら料理を作り始めた。
・・・・・・・・20分後・・・・・・
「お待ちどうさん。」
頼んだ料理が全部来たっと、それじゃ。
「この世のすべての食材と料理に感謝の意を籠めて。」
「いただきます。」
と同時にすさまじい勢いで食べ始める。
「うんめー、三日ぶりの飯はうんめー。」
「あんた三日も食べてなかったんかい。」
「地図無くしてせいでずっと彷徨っていたんだ。」
「そりゃーたいへんだったね。」
「水も食料も無くなって空腹状態で我ながら良くたどり着いたと思うよ。」
と話ながら箸の動きは止まらない。
「だけどちょっとやな時に着ちゃったねあんた。」
「どうゆうこと?」
「ここ最近強盗団が町を荒らしまわっているんだよ。」
「ふーん強盗団ね。」
「あんた簡単に言ってるけどねあいつらのボスのミノタウロスが強すぎて困っているんだよ。」
「町のギルドのやつらでも歯が立たないんだよ。」
「そんなに強いのか?」
「剣で斬ろうにも少ししか切れないし、魔法も使う前に突進を食らって使えないしでお手上げだよ。」
「どれくらいの賞金がかかってるんだい?」
「確か金貨100位の懸賞金がかかってるはずだよ。」
「ならいっちょやりますかな。」
「お、おまえさん、あいつ等と戦うって言うのかい。」
「戦わないと腕がさび付いちまうからな。」
「あんた犯されたいのかい。」
「簡単に犯られんし、逆に掘ってやるわ。」
そう言うと同時に料理をすべて平らげてしまった。
「あんたの胃袋は化けモンかい。」
「そうでもないさ、ご馳走様でした。」
と勘定を置いて店を後にした。
「また犠牲者が増えたね。」
と出て行った若者を見ながらおばちゃんがポツリとつぶやいた。
町の主街道を少し歩くとギルドが見えた。
内に入ると少し寂れた感じか漂っていた。
「ん・・客人かい。」
渋い感じのマスターが対応してくれた。
「ご用件はなんだい。」
「町で暴れている強盗団の依頼を受けたい。」
「あんた本当に言ってるのか、何組ものパーティがやられているのに一人でか。」
「一人のほうが動きやすいんだよ。で、受けれるのか?」
「できるが、いいのか。」
「あぁ・・、もちろんさ。」
「なら、こいつが依頼書だ。」
そう言うと一枚の紙を渡された。
ーーーーミノス強盗団退治依頼ーーーーーー
目標・団員及び頭の捕獲or討伐 並びに誘拐された男達の救出
報酬・金貨100
場所・町郊外の鉱山跡地にあるアジト
詳細・団員がおよそ10人、団員はゴブリンとオークの半々である。
リーダーのミノタウロスは通常より大きく力も強く体が異常に頑丈の
ため攻撃が効きにくく歯が立たない状態である。
なお被害状況は男性及び食料が強奪され討伐に向かった
パーティーもやられ困り果てている状態だ。誰か何とかしてくれ。
「随分やらかしてるんだな。」
「おかげで町が寂れはじめてしまってどうしようもないんだ。」
「なら急ぐとするか・・・ん。」
外がなんか騒がしいな。
「おらおら、食いもん出せ、男出せ。」
「出さなくても奪っちゃうけどね〜♪」
「だぞー。」
どうやら噂をすればだな。
「頼むぜ兄さん。」
後ろでマスターがそう言ったのを聞きながら外に出た。
どうやら団員だけでボスは来てないらしい。
「お、男がきたぞ。」
「あ、結構好みかも♪」
「ボクも、ボクも欲しいな。」
そんなことを言いながらゴブリンとオークがこちらを囲み始めた。
「自分から来るなんていい獲物だ。」
「つれてく前に味見したい・・じゅる♪」
「ボクもみてみたいな。」
そんこと言いながら近ずいてくる。
「さて、食後の運動がてらやりますか。」
体の骨を鳴らし体制を整える。
彼の武器は拳だけ。
しかし、ただ拳を振るうのではなく・・・・。
拳に力を入れると鉛色に変色しだす。
「いっくぞー。」
相手が一斉に襲い掛かった瞬間、拳が唸る。
「必殺・フラッシュピストンマシンガンナックル!」
閃光を放ったと同時に拳が一瞬で全員の武器だけを壊した。
「ふにゃー!」
「あうー。」
「あわわ。」
武器を壊され無力化され、怖気ついていた。
「つ、つよい・・。」
「あう、かなわないよ。」
「こ、こわいよ。」
武器を無くしおびえる団員たち。
「取り合えず捕獲っと、後で案内でもしてもらうか。」
全員縛り上げ案内役にオークを選びそれ以外はギルドに渡した。
そして、案内役を連れて馬車で行くこと一時間後・・・・・。
「こ、ここがアジトです。」
「情報どうりか、中に入ると面倒だからおびき出すか。」
「ちょうどここにいい餌がいるしな・・・ニヤリ。」
「ひ、へ、変な事しないで・・・・。」
とりあえず木に吊り上げて下に薪を用意して火を付けると。
よし、完成。
あとは、と。
「よーし、じゃ思いっきり助けを呼べ。手を抜いたら・・・わかるな。」
「あ、悪魔ーー(泣」
「何とでも言え、丸焼きに成りたく無ければ助けを呼ぶんだな。」
「う、うぇーーーん、助けてリーダー。このままじゃ焼き豚にされて食べられちゃうよ。」
まさに必死、だがいくらオーク言えど食ったりはせんよ普通。
だがあえてマジでやりそうに脅す。理由、ボスの所まで行くのがめんどいから。
そうすると、地響きを立てながら出てきた。
「うちの子分に手出したのはどいつだ!!。」
おお、たしかにでけぇーな。平均より背が高く、胸がすげぇ。
さらに、斧もかなりゴツクでヤバイ。当たれば終わりだな。
どうやらこっちに気がついたようだ。
「貴様か、子分をやったのは。」
「ああ、そうだ。お前たちが町でいろいろやり過ぎたんでな、捕まえに来た。」
「そう簡単にいくと思うなよ、それに丸腰で何ができるんだ。」
「あいにく拳が武器なんでな。」
「拳であたいの体を傷つけられるとでも、笑わせるな!」
「どうかな、やってみねーと分からんぜ。」
お互い構えを取った。
リーダーは右上に斧を構え、ザックはボクシングスタイルを取った。
少しして先に動いたのはリーダーのほうだった。
「死んどけーーー!!」
一気に駆け寄り斧を振るった。
だが、単純すぎる動きを見切るのは簡単だった。
ほんの少し横にずれて回避しながら数発拳を入れる。その後も出鱈目な振り方だった。
「この、くそ、当たりやがれこの野郎。」
「無理だなその動きじゃ。」
一方的過ぎてつまらなかったもんだ。だがこっちのダメージはぜんぜん通らない。体が硬すぎる。
「これじゃあ、倒せねぇ訳だ。」
これじゃあ倒せやしない。長期戦になれば不味いな、負けるかもしれない。
「仕方ないな、あれを出すか。」
リーダーから離れ、距離をとると右腕を突き出した。
「なんのつもりだそれは。」
「手前には勿体無いが硬すぎるんでな、一気に貫かせてもらうぜ。」
右腕に力を籠めると色が変わり鉛色に代わった。
そして腕を曲げセットした。
「な、何なんだその腕は。」
「歯ぁ食いしばれよ、じゃねーと死んじまうぜ。」
体全身からオーラが出始めていた。真っ赤な鬼のようなオーラが。
「そ、そんな脅しが通用するもんか。うらーーー!!!」
リーダーはオーラの色に興奮し一気に突進を仕掛けてきた。
ザックは避けずに逆に懐に入り、凶器を放つ。
「貫殺・パイルバンカーショット!!!」
咆哮とともに打ち付けられた拳から莫大な衝撃が体内を打ち抜いた。
「!?!がっはーーーーー!!!!!。」
同時にものすごい勢いでリーダーが血を吐きながら後ろに吹っ飛んで気を失った。
「我に貫けぬもの無し。」
どこかの武神のごとく決めた。
「とりあえず死なない程度に加減したが、だいじょうぶか?」
調べてみて生きていることは確認した。
「何とか生きてるな、じゃ町に連れて行くか。」
馬車に積んでいた鎖で縛った後で馬車に乗せ町へと帰った。
町では帰ってきた彼を見て驚いていた。ギルドでも手を焼いていた敵を一人で捕まえてきたのだから。
「こいつぁおどろいたな。」
「まさか本当にやっちまうなんて。」
「にいさんあんた人間か?」
などなど言われながらギルドに引渡し賞金をいただいた。
その日は町が捕まった強盗団の話で持ちきりだったがめんどくさかったのでとっとと宿に泊まり、次の日には旅立とうとしていた・・・・が。
「あのな、行こうとしてるところ悪いんだが・・・・。」
「なんすか?」
「案内役に連れてったやつと誘拐された男たちはどうしたんだ?」
「・・・・あ」
「まさか・・・」
「忘れてた。」
「悪いがもう一回行ってきてくれねぇか。」
「やっぱり、行かなきゃだめ?」
「それも一応依頼内容だからな、あきらめな。」
「とほほ・・・。」
結局もう一度アジトに行き奥にいた男達を救出し、一晩吊るされ火でこんがりと焼けギャルぽくになったオークを回収した。
・・・・びみょーに良い匂いがする、食欲的に。
そして回収した人達とオークを渡し今度こそ町を後にした。
あ
地図買うの忘れてた・・・・・
おわり
11/06/12 01:25更新 / 時雨