連載小説
[TOP][目次]
九日目、昼『トラブル、後、襲撃』
『タッタッタッ!』

ベルンが必死に廊下を走っていた。
理由は簡単。授業に遅刻しそうだからだ。
朝の食堂騒動後、時間がヤバイことになっていることに気づいたベルンはダッシュで教室に向かっていた。
そして、教室の扉を勢いよく開けた。

『ガラガラッ!』

「ま、間に合った・・・」

開けた扉の音に振り返ったのは、席に座った生徒たちのみ。教師のレッサーサキュバスはいなかった。多くの生徒はベルンを見た後、はぁ、とため息をついていた。

(・・・たぶん、新聞のことだろうなぁ・・・)

少し申し訳ないと思った瞬間、ベルンはハッと気づいた。
ひとり、未だ視線を外さぬ者がいた。

(・・・またアイツだよ・・・)


「・・・じ〜〜〜・・・」


ファローだった。真ん中少し後ろの席でベルンを見つめていた。

(・・・勘弁してくれよ、まったく・・・)

小さくため息をついてからベルンが前方の空いてる席に座る。
が、後ろからの視線がどうしても気になっていた。

「・・・じ〜〜〜っ・・・」

「・・・やれやれだぜ」

その時、ベルンは他の視線を感じた。

「・・・ん?」

キョロキョロと周りを見渡すが、ファロー以外に自分を見つめていた者はいなかった。感じた視線も、すぐになくなってしまった。

「・・・気のせいか?」

すぐに教師が入ってきたために、ベルンはすぐ授業に集中した。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

『軽銃器学科・午前』

[真面目に勉強した!]
[器用習熟度+1]
[拳銃についての知識を深めた!]
[新しいスキルを会得した!]

[ファローはずっとベルンを見張っていた]

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「・・・このように、『特殊弾』と呼ばれる弾は、魔法や錬金とはまた異なった知識を利用しながらも、『ファイアバレット』や『アイスバレット』などの魔法に似た効果や『ポイズンバレット』や『パラライズバレット』などの効果を持たせられる。今日は特殊弾の扱いについて学んだ。これから数回の授業に渡り、特殊弾の製造・注意しべきことを学んでいく予定だ。では、本日は解散!午後の授業に遅れぬように!」

教師の最後の言葉とともに、ふたりの生徒が立ち上がり、ダッシュで教室の戸口に向かった。

「こら!貴様ら!教室は走るなッ!」

レッサーサキュバスの教師の発言も聞かず、ふたりは教室を出て行ってしまった。

このふたりはもちろん、ベルンとファローであった。


「まぁてゴラァァァァァァァッ!!!私とタイマンはれぇぇぇぇぇぇっ!!!」

「いやだっつってんだろ!しつこいんだよぉぉぉっ!」


猛スピードで直線廊下をダッシュし、逃げるベルンにじわじわと詰め寄るファロー。
が、その追いかけっこは廊下突き当たりで一旦終幕を迎える。
くるっと廊下突き当たりを左に曲がったベルンだったが、ファローはブレーキが効かなかった。

「わっ!?ちょ、えっ!?」

慌てて止まろうとしたファローは、足をつまづかせ、転がるように壁に激突してしまった!

『バギャアァッ!』

(・・・悪く思うなよ・・・)

盛大な音を立ててファローが壁に突っ込み、止まってしまった。ベルンはチラリと後ろを見たものの、そのまま走り去ってしまった。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
[ベルンは
『特殊弾扱い Level1』
を習得した!]
[ベルンは
『ファイアバレット』
『ポイズンバレット』

が使用可能になった!]
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「・・・やれやれ・・・いつまで続くんだろうな、これ」

ファローから逃げ延び、空いた2コマ目を過ごす場所を探し、廊下を歩くベルン。
そのとき、後ろから誰かに抱きつかれた。

『むにゅん♥』

「おぅふ」

変な声を出してしまったベルンは背中に当たるやわっこい感覚に、抱きついたのが誰か理解した。

「だ〜れだ?」

ところが当の本人はバレてないと思ってるのか、ワンテンポ遅れた目隠しとともにお決まりの台詞を言った。

「・・・ミルキィ、姉さん」

「正〜解〜♪」

のんびりした声とともに、ベルンの前に出てきたのはミルキィだった。

「ベルンくん、2コマとお昼休み、暇〜?」

「え、あ、まぁ・・・」

「なら、ご飯行こ〜♪前に約束してた、奢り〜♪」

ミルキィがベルンの腕を抱き込み、ぐいぐいと引っ張る。むにゅむにゅと腕を包むやわっこい感触に、ベルンは顔を赤くして慌てた。

「いや、あの、分かりました。行きますから。行きますから腕を・・・」

「ホント〜?じゃ、行こう〜♪」

「わ、ちょ、ちょちょ!?」

グイグイと引っ張られ、ベルンは引きずられるようにミルキィに連れていかれた。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

[学園付属都市『テトラチュード』]


「・・・・・・」

「えへへ〜♪」

街に来たふたりだったが、大通りを歩いているふたりは、周りからチラチラ注目されていた。

なぜなら、ベルンの腕に抱きついてミルキィがベタベタしながら歩く様は、どう見ても出来たてホヤホヤなカップルにしか見えなかったからだ。

(いいわねぇ・・・)
(羨ましい・・・)
(若いなぁ・・・)

周りからの一般の方々の羨望の眼差しを受け、ベルンは全力で逃げ出したかった。しかし、ガッチリと掴まれたミルキィの腕と胸のサンドイッチを振り払うわけにもいかず、ベルンは必死にポーカーフェースを繕っていた。

「あ、ベルンくん、ここ〜。とぉっても美味しいんだよ〜♪」

やがてたどり着いたのは、オープンテラスの店だった。店の入り口に立つと、ワーシープの店員が近づいて来た。

「あら〜、ミルキィ〜。お昼ご飯〜?」

「うん〜。『ムート』、2人、頼める〜?」

「いいよ〜。お二人様、ご案内〜い」

どうやらこのムートというワーシープものんびり体質らしく、ぽやぽやっとした雰囲気を纏いながらふたりを席まで連れていった。丸机にふたりが向かい合わせに座ると、ムートがメニューを置いた。

「こちら、メニューになります〜」

「あ、はい・・・」

「ムート、ありがと〜♪」

「メニューが決まったら、呼んでね〜」

ムートはニコニコ笑いながら席を離れ、他の席の客に水を注ぎに行った。

「ベルンくん、今日は私の奢りだからね〜?遠慮しないで〜」

「あ、はい・・・」
(適当な値段のモノ頼むとしよう・・・)

ベルンがメニューを見ると、魔物娘向けの店ではないようで、普通の内容だった。主にパスタとピザを扱う洋食店だった。

「じゃ、俺、ミートソーススパゲティ」

「私、ベジタブルピザにしよ〜♪」

ふたりがメニューを決めた時、ゆっくりとした歩調でムートが歩いて来た。

「ご注文は〜?」

「えと・・・俺、ミートソーススパゲティ」

「ベジタブルピザ〜♪」

「はいは〜い。ちょっと待っててね〜」

ムートは注文をとってゆっくりと厨房へ向かった。その動きに、ベルンは心配しかできなかった。

(メシ出て来た頃に、時間ギリギリだったりとか、しないだろうな・・・)

「ここ、美味しいしのんびりできるから好きなんだ〜♪」

「ははは・・・なるほど」

どうやら2コマは完全に潰されそうだと理解したベルンだった。

「そういえば、ベルンく〜ん」

「はい?なんですか?」

「号外、大変だったね〜。校長せんせぇのイベント〜」

ミルキィの言葉にベルンは一瞬ドキリとしたが、ミルキィが襲うような雰囲気を漂わせてなかったので、ベルンは
心の中で小さくホッと息を吐いた。

「えぇ、まぁ・・・朝のうちに収束してよかったですけど」

「だね〜。校長せんせぇも、なんであんなイベント起こしたんだろ〜?」

(それは大体本当のことだから・・・なんて言えないな・・・)

ベルンが心の中で小さく呟いた。
それからしばらくベルンとミルキィがしゃべっていると、ムートがパスタとピザを片手ずつに持ってきた。

「お待ちどうさま〜。ベジタブルピザと〜」

『コトッ』

「・・・ん?」

「ミートソーススパゲティで〜す」

『コトッ』

「ありがと〜♪」


ところが。
ピザはベルンの前に、スパゲティはミルキィの前に置かれたのだ。

「ミルキィ、ごゆっくり〜」

「ありがと〜♪」

ムートはニコニコ笑いながら去り、ベルンは注文は間違えてないがなぜ置いた相手が逆なのか疑問に思っていた。

そして、ミルキィがフォークでミートソーススパゲティをくるくる巻いた辺りで、ハッと気づいた。



「ベ〜ルンくん♪あ〜〜〜ん♪」



(そういうことか・・・)

ミルキィがほわほわと湯気の立つミートソーススパゲティをベルンの前に差し出した。
ベルンは心の中で恥ずかしさに悶えながら、ゆっくりと口を開けざるを得なかった。

「あ、あ〜〜〜・・・んむ」

「美味し〜?」

「おいひいれふ」

「えへへ〜♪」

自分が作ったわけでもないのに、とてもご機嫌になるミルキィ。すると今度は、ミルキィが大きく口を開けた。

「あ〜〜〜・・・♪」

こうなるとベルンも自分がなにをすべきかは分かっている。

持ち上げてみてわかったが、ベルンの持ってるピザは薄生地で、かつ柔らかいようでへにゃんと曲がってしまう。フォークもナイフもなく、なにかでピザを支えないと簡単にはミルキィの口に運べない。

(し、仕方ねぇ・・・)

ベルンはピザを下から支え、ゆっくりミルキィの口に持っていった。

「あ、あ〜〜〜ん」

「んむ♪」

ピザの先っぽだけ口に含んだミルキィは、小さくもむもむ口を動かした。
まるで小動物のようにピザを食べるミルキィにベルンは可愛いと思ったが、ハッと理性を取り戻し、ゆっくりピザを前に押しながらミルキィに食べさせた。

「もぐもぐ♪」

「お、おいしいですか?」

(コクコク♪)

笑顔で頷くミルキィは、一枚のピザを食べ終えるとまたスパゲティをフォークで巻きとって、ベルンに差し出した。

「あ〜〜〜ん♪」

(さ、最後までこれか・・・?)


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「ごちそうさまぁ♪」

ミルキィはほくほくした顔でご機嫌な様子。

「ご、ごちそうさまでした」

対するベルンはげっそり疲労したような様子。
周りの客(6割魔物娘、4割男性)はみなニヤニヤしていた。

「美味しかったね〜♪」

「そ、そうですね・・・」

「あ、私が払うから、ベルンくんは財布出さなくていいよ〜♪」

席を立ってレジへ向かうと、ムートがニコニコした顔でレジに立っており、おっとりした緩慢な動きでレジ打ちをした。

「え〜とぉ、合計900Gで〜す」

「は〜い、900G」

「ありがとうございました〜。ミルキィ、またね〜♪」

「またね〜♪」

またもやミルキィはベルンの腕に抱きつきながら、ムートに手を振って店を出た。もちろん、ベルンは成されるがままである。

「もう少ししたら3コマだね〜」

「そうですね・・・」

「ベルンくんも、3コマあるんだよね?」

「えぇ、はい・・・」

「なら、頑張ろうね〜♪」

そのまま、ベルンはミルキィと共に街から学校へ向かう転移門に向かっていった・・・


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


そして、軽銃器学科実習室に向かったベルンは、またげっそりとした。


「今度は逃がさねぇ!勝負だ!」


またファローである。
自分の愛銃なのか、赤い牛のマークが刻まれたスリーアイズの銃口をベルンに向けていた。

「あぶねぇって・・・お前、間違えて撃ったりしそうだからやめろって」

「あぁ?あんまり私を舐めんなよ!私がそんなドジ踏むわけねぇだろうが!」

そう言うとファローは、スリーアイズを投げ上げ、単一ジャグリングを始めた。

「見ろ!このリボルバーさばき!」

「だからあぶねぇって!やめろって!」


その瞬間。



『ドギューゥンッ!!!』

『ツピッ・・・』



爆音がなった後、ベルンの右耳たぶをなにかがかすった。

「・・・・・・」

「あ・・・・・・」

ベルンは固まり、ファローはしまったという顔をしてジャグリングをやめた。
ベルンがゆっくり後ろを見ると、ベルンの後ろの壁の一点に穴があき、そこを中心にヒビが入っていた。慌ててベルンは耳を触ったが、血は出ておらず、耳たぶは健在だった。かすったのは空気の振動だったようだ。

「・・・おい?」

「あ、あはは・・・わりぃ」

ファローが苦笑いで返したが、その笑みはベルンよりも、事態をそばで見てしまったとあるお方の頭にきてしまったようだ。



「・・・おい、そこの貴様ら」



『げっ』

ファローとベルン、ふたりが横を見ると、青筋を立てたレッサーサキュバスの教師がいた。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「今日の実習は片手撃ちを練習する!先週言ったように、片手撃ちは両手撃ちより命中精度が下がるため、注意せねばならない!私がまず手本を見せる!」

教師が説明しているが、生徒たちの目線は教師に向いておらず、これから使われるであろう、『的に縛り付けられたふたり』を見ていた。



「もごーっ!もがごーっ!」(外せ!外せーっ!)

「もごもごもがごーっ!?」(なんで俺までーっ!?)



ファローとベルンは的に大の字で縛り付けられ、猿轡を噛まされていた。明らかに公開処刑である。

「片手撃ちの際、左右に対するブレに加え、初心者である君たちは大きく上下にブレるだろう!こんな風にだ!」

教師はヴィンギナーを構えると、素早く二発速射した。

『ガィーンッ!ガィーンッ!』

『チュゥーン!チュゥーン!』

弾は言ったとおり上下にブレ、ファローの角と、ベルンの股下をかすった。ふたりは絶句し、もごもご言っていたのをやめていた。

「これは引き金の引き方によるものが大きく、引き方を改めるだけで大きく変わる!こんな風にだ!」

レッサーサキュバスの狙いが隣の的に移った。そしてまた二度引き金が引かれた。

『ガィーンッ!ガィーンッ!』

『バスッ!バスッ!』

見事、的に命中。ファローの頭の高さと、ベルンの股間の高さに
ファローとベルンは仲良く青ざめる。死にはしないよう魔法加工が施されているはずだが、痛いものは痛い。というかベルンは下手するとシャレにならないことになる。

「では、今から握り方、引き金の引き方を教習する!それが終わったら、『有志ふたりの人間の的』相手に演習を行う!!」


『もごがーーーーーーっ!!!』
(やめろーーーっ!)(やめてーーーっ!)


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

『軽銃器学科・午後』

[あまり身にならなかった・・・]

[ファローは暴れたことにより弾がかすりまくっていた]

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「次に何かしらトラブルを起こしたら、より厳しい体罰を用意しておくから、覚悟しておけ」

『ごめんなさい』

「目上の者に対して謝罪する場合は『申し訳ありませんでした』だッ!」

『申し訳ありませんでしたァッ!!』

授業終了後、ベルンとファローはレッサーサキュバスの教師に叱られ、廊下で謝っていた。やっと解放されたころには、ふたり以外の同じ学科を受けた生徒はいなかった。

「・・・き、今日は・・・いや、来週も勘弁してやらぁ・・・」

「・・・おぅ」

「あばよ・・・くそ、あっちこっちいてぇ・・・」

(お前が暴れるからだろ・・・)

そう思ったベルンだったが、ぐっと飲み込み、ふらふらと別の場所へ向かった。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

[学生購買園]

「いらっさ・・・あらま。噂の4股坊主」

「誰が!?」

疲労していたベルンは、茜の冗談に半ばキレ気味に返した。

「そ、そんな怒りなや・・・軽い冗談やないか」

「・・・すんません。ちょっと疲れてて・・・」

「・・・まぁ、えぇわ。今日はどないしたん?」

茜が聞くと、ベルンは腰にあったヴィンギナーと弾を保管するためのパックを取り出した。

「えと、魔力回復薬と、あと・・・これ、引き金が折れちゃって・・・」

「へ?・・・あれま。ホンマや。ポッキリいっとるな」

茜はヴィンギナー(壊)を見て頭を掻いた。

「これ、修理できます?」

「やるのはウチやないからなぁ・・・今日はマーナおらんし、ウチ預かっとくわ」

「すいません・・・あと、弾薬を・・・今、24発あるんで、念のため36発ください」

「はいはい。ちょっと待ってな〜」

茜は店の裏手に回り、弾薬を探し始めた。

「え〜とぉ〜魔力回復薬が・・・あったあった。あ〜と、ヴィンギナーの弾はどこやったかいな〜?」

「ゆっくりでいいですよ」

「ほいほ〜い・・・あれ?ホンマどこやったかいな?」

ガサガサと探す茜にふぅ、とため息を吐いたベルン。

その時、ベルンを三人が囲った。

「・・・お?」

「ベルン・トリニティ・・・」
「ちょぉっと顔かしてくんねぇかな?」
「ほんの数分で済むわ」

ミルキィ親衛隊だった。
ベルンはありありと嫌な予感を感じ、丁重に断ろうとした。

「い、いや、今、弾の注文ですから、また後で・・・」

「あの〜、それなんやけど・・・」

茜の申し訳なさそうな声を聞き、ベルンは頬を引きつらせた。


「堪忍や。なんか弾が見つからん。少しお友達と時間つぶしてきてくれんか?」


あははと笑う茜に、ベルンは軽く絶望した。

「ちょうどいいや」
「行こうぜ、ベルン」
「大丈夫、怖くねぇから」

フンメルとガーティに羽交い締めにされ、ベルンは引きずられていった。


「・・・あれ?お友達や・・・ないん、かな?」


少々おかしな雰囲気に、茜はやってしまったか?と思った・・・


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


(俺は本格的に神様に見放されたのか?)


ベルンは、校舎裏に来ていた。
周りには7人の生徒がいる。3人はミルキィ親衛隊で、他4人はここに誰か来ないか、また、ベルンを逃がさぬよう2人ずつで見張っていた。

「・・・で、俺に何の用っすか?」

ベルンはできるだけ相手を怒らせないように言った。しかし、男三人は無言で武器を取った。


「用事はな、お前をボッコボコにすることだよ」


(やっぱりかよーーーっ!)

ベルンは心の中で叫んだ。『こういう所に呼び出される=表立ったとこではやれないことをやる』ということを知っていたからだ。

「貴様、ミルキィ様にぃお近づきにぬぁっておきながるぁ・・・」
「大百足に、ラージマウス、さらにメドゥーサにサキュバスまで・・・」
「オマケに貴様ぁ、噂じゃもっとたぁくさんの魔物娘と仲いいって聞くじゃあないくぁ・・・許せねぇ!」

「いや、ちょ、おい。それは、俺がナンパしたわけじゃなくて・・・」

ついつっこんでしまったベルンはハッとしたが時すでに遅し。前の三人の頭からぶちんという音がなった。


「黙れぇぇぇっ!黙って殴られろ!」
「ていうか死ね!」
「悪・滅!」



〜〜〜・〜〜〜・〜〜〜・〜〜〜・〜〜〜

[戦闘開始!]

ガーティが現れた!』
フンメルが現れた!』
夕陰が現れた!』

ベルン(やべぇ、防具なんもつけてねぇ!)

〜〜〜俊敏点〜〜〜
1、夕陰 22
2、ベルン 21
3、ガーティ 15
4、フンメル 12
〜〜〜〜〜〜〜〜〜

〜〜〜〜〜〜
[ターン1]
〜〜〜〜〜〜

[夕陰の行動]

夕陰「斬!」

夕陰はベルンに近づき、ジパング刀で袈裟斬りを仕掛けた!

ベルン「うっ!?」

夕陰「せぇいッ!」

『ズバッ!』

命中!
20+10ー20=10ダメージ!

『ベルンHP:35ー10=25』


[ベルンの行動]

ベルンは説得を試みた!

ベルン「お、お前ら、落ち着けって!」

ガーティ「聞く耳もたん!」

しかし説得に失敗した!


[ガーティの行動]

ガーティ「ぶっ飛ばしてやる!」

ガーティは拳を振りかざした!

ガーティ「死ぬェーーーっ!」

ベルン「うぎっ!?」

『ドガァッ!』

命中!
25ー20=5ダメージ!

『ベルンHP:25ー5=20』


[フンメルの行動]

フンメル「ぶっ殺す!!!」

フンメルはランシャマーを構えた!

ベルン「や、やめっ・・・」

フンメル「三点バーストだ!!」
(三点バースト:3発を1纏めに撃つ。命中判定が1度になるが、当たれば纏めてダメージ)

『ギャガガッ!!』

命中!
15*3=45ダメージ!

『ベルンHP:20ー45=0』

ベルンは倒れた!


[敗北した・・・]


〜〜〜・〜〜〜・〜〜〜・〜〜〜・〜〜〜
12/07/20 21:56更新 / ganota_Mk2
戻る 次へ

■作者メッセージ
『ベルン・トリニティ』
種族:人間・♂・闇
(体力・魔力の成長限界が1/2になる。
他ステータスの成長が早い)

職業:賊徒(リーベル)

ステータス:
体力 35(B)
魔力 12(D)(現在量、7)
筋力 20(C)
知識 21(C)
俊敏 21(C)
精神 15(D)
運勢 8(E)
容貌 20(C)
話術 10(D)
器用 16(D)
察知 16(D)
隠密 6(E)

スキル:
『物知り』:知識点に+4
『表情[恐喝]』:戦闘時に敵の精神点ー10
(相手の精神評価がD以下の時のみ)
『解錠 Level1』:
初心者レベルの鍵開け 100%
それ以上の鍵開け 30%
『片手銃 Level1』:
片手撃ちでの命中率 30%
両手撃ちでの命中率 60%
『マッピング 』:
ルート時間計算が可能になる
主人公補正(ハーレム体質):
もげろ。

装備品効果:
『呪いの紋様?』
・1日につき魔力ー5
・様々なステータスに+5
・『人間強化術?』
(味方の人間に使用可能。
筋力、俊敏強化。状態異常『??』付加)
・『魔物強化術?』
(味方の魔物に使用可能。
筋力、俊敏強化。状態異常『??』付加)
・『ハッキング』
機械系トラップ・敵、ゴーレムなどを操作できる。

『人間関係』 
・サティア(仲直りしました)
[恋仲(性交依頼100%成功)]
・クラリア
[愛人!?(性交依頼100%成功)]
・成美
[兄代わり(性交依頼80%成功)]
・ラトラ
[好きな人(性交依頼60%成功)]


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

まさかの三部作。平日なのに、おかしいね!

次回、まさかの『ヤツ』が戦闘に・・・



「またもや、凌辱注意かもなァ?ククク・・・」


TOP | 感想 | RSS | メール登録

まろやか投稿小説ぐれーと Ver2.33