14日昼『寝起きから本領発揮できる奴なんて中々いない』
ーーーーーーーーーーーー
[成功判定]
[魔力難度:35]
[魔力判定:ベルン魔力点(16)+3d10
出目:(6+5+8)=19]
[成功]
ーーーーーーーーーーーー
「ガッ・・・あァっ!?」
ベルンは手の紋章から、激しい痛みと手を焦がすほどの熱を感じ、手を庇ってうずくまった。
『・・・ク、クククッ!キタキタキタキタァッ!!』
ベルンの頭にガンガン響く耳障りな笑い声。その声が響くと次第にベルンの腕の紋章が光り始めた。
『マサカ成功スルトハ思ワナカッタゼ!!サァテ、「カオス様」ノ復活ダァ!!』
腕の紋章からの痛みと熱で腕がなくなったような錯覚を受けながらベルンは意識をギリギリ保っていたが、次の瞬間に瞬いた閃光を間近で見た瞬間、彼は意識をなくした。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「なっ、なに!?」
「あっちだ!!」
急に瞬いた閃光に、本に夢中なフェランを除いた他のメンバーたちが反応し、バタバタと駆けて行った。
その駆けて行った先には、ベルンが倒れており、そのベルンの上に一人の『ダークエンジェル』が胡座をかいていた。
「まぁ予想はしてたが・・・オレ様も女体化かよォ・・・」
ダークエンジェルは口を尖らせ、ブツブツとなにか言っている。ファローやナナはポカンとしていたが、シルクとカンバスの表情は険しくなった。
「姉さん・・・」
「ちょっと嫌な予感がするわね・・・」
そして二人が身構えたところで、ダークエンジェルはニヤリと笑った。
「ギャハハハハ・・・このオレ様『カオス様』に勝てると思ってるのかなァ?・・・まァ、楽しませてくれよなァ!!」
〜〜〜・〜〜〜・〜〜〜・〜〜〜・〜〜〜
[戦闘開始!!!]
ーーーーーーーーーーーーー
[モンスター判定!
[難度、5d10
出目(5、7、4、5、4)=25]
[失敗・・・]
ーーーーーーーーーーーーー
『カオス【BOSS】が現れた!』
カンバス「みんな!注意するのよ!」
シルク「わかってるわ!」
ファロー「お?戦闘か!」
ナナ「へ?へ?!」
〜〜〜俊敏点〜〜〜
1、カオス【BOSS】 ??
2、ファロー(前衛) 20
3、カンバス(前衛) 18
4、シルク(前衛) 15
5、ナナ(前衛) 10
〜〜〜〜〜〜〜〜〜
〜〜〜〜〜〜
[ターン1]
〜〜〜〜〜〜
[カオス【BOSS】の行動]
カオス「さァて、かかってこいよ・・・遊んでやるからよォ」
カオスは様子を見ている!
[ファローの行動]
ファロー「このファロー様の弾を受けてみやがれ!」
ファローはカッコつけてスリーアイズを回しながら構えた!
ーーーーーーーーーーーー
[ファロー、攻撃判定!]
[攻撃方法:スリーアイズ(拳銃)、1発]
[命中率:
基礎命中率(60)ードジっ子補正(30)+器用点(8)=38]
[クリティカル判定、なし]
[命中判定:1d100
出目(53)]
[失敗・・・]
ーーーーーーーーーーーー
『ダキュゥン!』
ファローの撃った弾丸はカオスから大きく外れ、近くの本棚をえぐった!
ファロー「・・・あり?」
カオス「真面目に狙え、バカ牛ィ」
カオスは一言文句を言ってあくびをした。
[カンバスの行動]
カンバス「貴女が何者か・・・動きを封じてから聞くとしましょう!」
カンバスは精霊召喚魔法を詠唱した!
ーーーーーーーーーーーー
[カンバス、魔法判定!]
[攻撃方法:召喚攻撃、氷属性]
[成功率:
基礎成功率(70)=70]
[命中率:
基礎命中率(70)=70]
[束縛効果判定:30]
[クリティカル判定時、ダメージ1.5倍
加えて、強制束縛効果]
[成功判定:1d100
出目(30)=30]
[詠唱成功!]
[命中判定:1d100
出目(51)=51]
[束縛判定:1d100
出目(92)=92]
[カオス【BOSS】に命中!]
[威力判定:1d20
出目(11)=11]
[束縛失敗・・・]
[カオス【BOSS】体力:??ー11]
[カンバス魔力:40→30]
ーーーーーーーーーーーー
カンバス「出でよ!グラキエス!」
カンバスが詠唱を完了すると、地面に現れた魔法陣から、白銀に輝くグラキエスが姿を現した!
グラキエス「マスター、目標は?」
カンバス「目の前のダークエンジェルよ!凍らせてちょうだい!」
グラキエス「了解」
グラキエスが指を頭上で回すと、指から白銀の光線がカオスを襲い、瞬く間にカオスを氷が覆う!!
カオス「うおっ!!さっむい!!」
カオスは独楽のように勢いよく回り、自分に張り付いた氷を引っぺがし、ガタガタ震える真似事をした。
カオス「やばいわーwこの寒さやばいわーwオレ様凍えちゃうわーw」
カンバス「くっ・・・」
グラキエス「目標に対してあまり効果がない模様・・・」
グラキエスはあと2ターン戦闘に参加する!
[シルクの行動]
シルク「その変態から離れなさいよ、ダークエンジェル!」
シルクは素早く、3本の矢を放った!
ーーーーーーーーーーーー
[シルク、攻撃判定!]
[攻撃方法:木の矢、3発]
[命中率:
基礎命中率(60)+(筋力点+器用点)/2((15 15)÷2)=60+15=75]
[クリティカル判定、75/5=15以下]
[命中判定:1d100
出目(95、34、45)]
[2本命中!]
ーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーーーーー
[カオス【BOSS】、ダメージ判定]
[軽減値:
(カオス筋力(30) / 2 )=15]
[威力判定:2d10+シルク筋力(15)/2→2d10+8
(小数点以下四捨五入)
出目:13、7]
[ダメージ:
(13+8)ー15=6
(7+8)ー15=0]
[魔界豚【BOSS】体力:??ー17]
ーーーーーーーーーーーー
『シュピッ!』
シルクの放った矢はカオスに当たったものの、一筋の切り傷しかつけられなかった。カオスは傷を舐め、挑発的にニヤリと笑う。
カオス「おやおやァ?エルフの筋力じゃァオレ様にこの程度の傷しかつけられないのかなァ?」
シルク「くっ・・・」
[ナナの行動]
ナナ「・・・ッ!」
ナナは弓を限界まで引き絞った!
ーーーーーーーーーーーー
[ナナ、攻撃判定!]
[攻撃方法:木の矢、1発]
[命中率:
基礎命中率(60)+引き絞り(-10)+(筋力点+器用点)/2((10 18)÷2)=60ー10+14=64]
[クリティカル判定、84/5=17以下]
[命中判定:1d100
出目(56)]
[命中!]
ーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーーーーー
[カオス【BOSS】、ダメージ判定]
[軽減値:
(カオス筋力(30) / 2 )=15]
[威力判定:2d10+ナナ筋力(10)→2d10+10
(引き絞りにより筋力補正2倍)
出目:16]
[ダメージ:
(16+10)ー15=11]
[魔界豚【BOSS】体力:??ー27]
ーーーーーーーーーーーー
『シュパンッ!』
カオス「いっだァ!?」
ナナの矢は余裕ぶっていたカオスの肩に当たり、カオスは大声を上げて叫んだ。
カオス「いっでェーッ!?あれ!?さっきの氷精のはともかく、なんでガキの弓矢がこんな痛いんだ!?」
シルク「や、やった!?」
〜〜〜〜〜〜
[ターン2]
〜〜〜〜〜〜
[カオス【BOSS】の行動]
カオス「・・・フルパワーで復活じゃァねェとかか?聞いてねェぞ、そんなの!クソがッ!遊びはやめだッ!」
そう言い放った瞬間、カオスはファローの前に瞬間移動した!
ファロー「速ッ!?」
カオス「オレ様の拳を味わいなァッ!」
ーーーーーーーーーーーー
[カオス【BOSS】、攻撃判定!]
[攻撃方法:パンチ、1発]
[命中率:
基礎命中率(90)+(筋力点)(20)=110]
[クリティカル判定、110/4=27.5→28以下]
[クリティカル判定時、ダメージ1.5倍
加えて、ピヨり判定]
[命中判定:1d100
出目(20)]
[クリティカル!]
ーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーーーーー
[ファロー、ダメージ判定]
[軽減値:
(ファロー筋力(30) / 2 )=15]
[威力判定:1d10+カオス筋力(30)→1d10+30
(小数点以下四捨五入)
出目:4]
[ダメージ:
((4+20)ー15)×1.5=13.5→14]
[ファロー体力:60ー14=46]
ーーーーーーーーーーーー
ファローの腹にめり込んだカオスの拳は、そのまま殴り抜けて、ファローを後方に吹っ飛ばした!
ファロー「あがっ!?」
吹っ飛ばされたファローは本棚にぶつかって止まったものの、立ち上がっても頭を抱えてふらふらしてしまう。
〜〜〜・〜〜〜・〜〜〜・〜〜〜・〜〜〜
「ファロー!?大丈夫!?」
「う〜お〜・・・目ぇ回るぅ・・・」
フラフラするファローを見た一同はカオスに警戒の目を向けたが、カオスの顔にキョトンとした。
( °Д°)←カオスの顔
カオスは目をまん丸くさせ、自分の拳とファローを交互に見ていた。
「あ、あれ・・・オ、オレ様、なんか・・・よ、弱くねェ?・・・」
その顔には汗が流れ始め、誰がどう見ても完全に慌てているのが分かった。
「ま、まさか・・・む、無理やり出たせいか?・・・完全に封印解けたってわけではないってワケかァーーーーーーっ!?」
するとカオスは慌てて倒れているベルンに駆け寄り、ベルンの手を見て、両手で顔を覆って叫んだ。
「ガーーーーーーッ!!しっかりバッチリくっきりと封印の印が残ってんじゃねぇかァァァァァァ!!!」
なんやかんや叫び散らすカオスを見た一行はポカーンとしていたが、一番に気がついたカンバスがグラキエスを戻し、ノームを呼び出した。
「ノーム、あのダークエンジェル捕まえて。力づくで」
「・・・わかった」
ノームはゆっくりカオスに近づくと、後ろから抱きすくめる形でカオスを羽交い締めにした。
「ぬォっ!?は、離せェっ!離しやがれ!!」
「・・・やだ」
(ミリミリミリミリミリ!!)
「あいだだだだだだ!!?やめっ、やめろ!オレ様を抱きしめるな!キツくするな!この乳袋で頭を潰すなァーーーーっ!!!」
結局、ノームの『幸せハグ』(ただし頭は乳に潰される)により、カオスはガッチリと囚われる形になった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「で、ベルンくん?この子は誰?」
ベルンの目が覚めた後、ベルンはノームに羽交い締めにされたカオスの前に座らされていた。
「・・・いや、知らないですけど」
「でもアンタの上に座ってたのよ?」
「いや、知らんて」
「なんだ?テメェの女か?ペドか?」
「知らんっつってるだろ・・・っておい。ペドてコラ」
カンバス、シルク、ファローの問いに、ベルンは『知らない』の一点張り。そこに、ナナが助け舟を出した。
「べ、ベルンくん。あの、このダークエンジェル、ベルンくんの手を見てなんか叫んでたけど」
「・・・手?」
そこでベルンはハッとする。さっきからだんまりしてノームの乳に頭を潰されている、このダークエンジェルが・・・
「・・・まさか、俺の中にいた・・・」
『見つけたぁぁぁぁぁぁっ!!!』
瞬間、部屋に三人の叫び声が響いた。
全員がびっくりして振り向くと三人の魔物娘がベルンに突撃してきた。
「ベルン!アンタ、私を置いていくってどういうことよ!!」
「ベルンくん酷いですわ!私を置いて冒険学習に行くなんて!」
「お兄様ぁ!成美を置いていかないでくださいぃ!」
サティアがベルンの胸ぐらを掴み、クラリアがベルンの腕を抱き込み、成美がベルンの腰に抱きついた。周りの女子たちは目を丸くしたが、当のベルンは落ち着いていた・・・というか、もうどこか諦めている目をしていた。
「・・・もうなんでここにいるんだって聞くのも野暮だよなー・・・」
その時ベルンは、少し離れたとこにロックたちがいるのを見つけた。
「お、よぅ、ロック。お前も来てたのk」
「ノーマルリア充残滅すべし」
「・・・ど、どうしt」
「親友など関係ないっ!!ハーレムを持つ貴様は死すべきだ畜生!!!」
「ロックお前目から出血してるぞ!?」
血涙を流して呪詛を吐くロックに、ベルンは慌てる。しかし、三人に羽交い締めにされてるせいで全く動けない。
サティアたちとロックの登場にシルクたちも混乱する中、ただ一人、カオスだけがニンマリと笑った。
「・・・『サティア、そこのダークエルフをブッ飛ばせ』!」
『バキィッ!』
カオスがそう叫んだ途端、サティアは尻尾を素早く動かし、カンバスの頬をぶっ叩いた!
「・・・へ?」
困惑の声をあげたのは、サティア本人だった。サティアに叩かれたカンバスはその衝撃に声も上げずふっ飛ばされた!
「・・・マスター!」
ノームがカンバスを心配し、気を抜いた瞬間、カオスはするりと抜け出して羽をはためかせて飛び上がった!
「ぎゃーはははははは!大成功ォー!やっぱ弱くなっててもよォ、『魔力を通じた』女にゃ禁術効くみてェだなァ!このままスタコラサッサとさせてもらうぜェ!」
カオスが中指を立てて挑発した挙句、部屋を出ようと出口へ走った。
「ま、待てっ!!」
自分の手に印が残ってる以上、自分と関わりが強いであろうカオスを逃がしたくないベルンは、反射的にリボルバーを構えた!
「やらせねェよ!『サティア!ベルンを殴れッ!』」
「・・・はっ!?」
「ベルン、避けっ・・・」
すぐにベルンはサティアに振り返ったが、避けるに至らず、カオスに操られたであろうサティアの鉄拳を見事に食らってしまった!
『バキィッ!』
『痛っ!!!』
瞬間、声がハモった。
「いやぁぁぁっ!!ベル・・・へ?」
殴ったサティアが涙目で叫んだが、それよりも、声がハモったベルンと、カオスを見た。ベルンも、他のメンバーも、そちらを見た。
「・・・あァ?」
カオスは尻餅をつき、目をぱちくりさせながら自分の鼻をさすっていた。ちなみにベルンの鼻からは、鼻血が出ていた。
「・・・ちょっとアンタ、我慢しなさいよ」
いち早く理解したのか、シルクがベルンに近づき、頬を思いっきり抓りあげた。
『ぎゅうぅぅぅぅっ!』
『イダダダダダダダダ!?』
ベルンとカオスが痛がる。すると、シルクがにんまりと笑った。
「・・・お、おいシルク・・・?」
「・・・て、テメェ・・・なんだその笑いはァ・・・?」
ベルンとカオスが顔を青くして聞いた。シルクは無言で自分の矢を取り出し・・・
「・・・痴漢野郎への制裁と、姉さんを殴らせた天使への制裁を!!!」
そう叫んだシルクは、矢を使ってベルンに『拷問』を始めた!
『こちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょ』
「わははははははははは!?」
「ぎゃははははははははは!?」
シルクは矢の尻についた羽を使い、ベルンをこそばしにかかったのだ!
「そらそら!もっと笑い転げなさい!」
「あはははは!シルっ、ひははは!シルク!これっ、わははあはは!俺にやる必要あるのかははははひははは!!?」
「きゃはははは!やめっ、ふひひひ!テメッ、やめやがりゃははははははは!ひひひひひひひひ!!!」
ベルンとカオスが笑い転げ、周りのメンバーはポカーンとしてしまう。しかしカオスも笑い転げて動けないと知って行動を始めたのは、サティアだった。
「・・・なぁんとなく、アンタが誰かは分かったわよ」
「ぎゃひっ、ひーっ、ひひっ!?」
「・・・あの節はどぉもぉ?よくもまぁベルンの身体であんなことしてくれちゃってねぇ?」
「わはっ、わははっ、ふひひーっ!!」
「オマケに今も全く知らない人とベルンをよくも殴らせたわねぇ?」
「ぎゃははは!ぎゃはははははは!!」
笑い転げるカオスの前には、母親ゆずりの怒気と、父親譲りの穏やかな笑顔を携えたサティアが、右手を高々と上げていた。
「これは、お礼よ・・・ママ譲りのぉー・・・」
「ひひっ、『サティア、やめっ』・・・あひひっ!」
「鉄・拳・制・裁・ッ!!」
『ドゴンッ!!!』
勢いよく振り下ろされた拳はカオスの額を捕らえ、地面にヒビが入るのではないかというくらいの音がした。カオスは先の戦闘のダメージもあったのか、ピクリとも動かなくなった。(息はしてます)
「女を敵に回すとこうなるのよ」
「バカじゃありませんの貴女!!」
見下しながら言い放ったサティアの後頭部を、クラリアがグーで殴った。
「いった!?なにするのよ!?」
「貴女もう少し手加減なさい!ベルンくんを痛みで殺す気ですの!?」
「・・・へ?」
クラリアが指差した先では、ベルンが額を抑えて釣り上げられた魚よりも必死にのたうちまわっていた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
・・・尾行してきたはいいけれど、狙いと違ったな・・・
・・・しかし、アレが封印されていたということは・・・
・・・とりあえずは計画通りか・・・
・・・いずれは『もうひとり』の封印も解かねば・・・
[成功判定]
[魔力難度:35]
[魔力判定:ベルン魔力点(16)+3d10
出目:(6+5+8)=19]
[成功]
ーーーーーーーーーーーー
「ガッ・・・あァっ!?」
ベルンは手の紋章から、激しい痛みと手を焦がすほどの熱を感じ、手を庇ってうずくまった。
『・・・ク、クククッ!キタキタキタキタァッ!!』
ベルンの頭にガンガン響く耳障りな笑い声。その声が響くと次第にベルンの腕の紋章が光り始めた。
『マサカ成功スルトハ思ワナカッタゼ!!サァテ、「カオス様」ノ復活ダァ!!』
腕の紋章からの痛みと熱で腕がなくなったような錯覚を受けながらベルンは意識をギリギリ保っていたが、次の瞬間に瞬いた閃光を間近で見た瞬間、彼は意識をなくした。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「なっ、なに!?」
「あっちだ!!」
急に瞬いた閃光に、本に夢中なフェランを除いた他のメンバーたちが反応し、バタバタと駆けて行った。
その駆けて行った先には、ベルンが倒れており、そのベルンの上に一人の『ダークエンジェル』が胡座をかいていた。
「まぁ予想はしてたが・・・オレ様も女体化かよォ・・・」
ダークエンジェルは口を尖らせ、ブツブツとなにか言っている。ファローやナナはポカンとしていたが、シルクとカンバスの表情は険しくなった。
「姉さん・・・」
「ちょっと嫌な予感がするわね・・・」
そして二人が身構えたところで、ダークエンジェルはニヤリと笑った。
「ギャハハハハ・・・このオレ様『カオス様』に勝てると思ってるのかなァ?・・・まァ、楽しませてくれよなァ!!」
〜〜〜・〜〜〜・〜〜〜・〜〜〜・〜〜〜
[戦闘開始!!!]
ーーーーーーーーーーーーー
[モンスター判定!
[難度、5d10
出目(5、7、4、5、4)=25]
[失敗・・・]
ーーーーーーーーーーーーー
『カオス【BOSS】が現れた!』
カンバス「みんな!注意するのよ!」
シルク「わかってるわ!」
ファロー「お?戦闘か!」
ナナ「へ?へ?!」
〜〜〜俊敏点〜〜〜
1、カオス【BOSS】 ??
2、ファロー(前衛) 20
3、カンバス(前衛) 18
4、シルク(前衛) 15
5、ナナ(前衛) 10
〜〜〜〜〜〜〜〜〜
〜〜〜〜〜〜
[ターン1]
〜〜〜〜〜〜
[カオス【BOSS】の行動]
カオス「さァて、かかってこいよ・・・遊んでやるからよォ」
カオスは様子を見ている!
[ファローの行動]
ファロー「このファロー様の弾を受けてみやがれ!」
ファローはカッコつけてスリーアイズを回しながら構えた!
ーーーーーーーーーーーー
[ファロー、攻撃判定!]
[攻撃方法:スリーアイズ(拳銃)、1発]
[命中率:
基礎命中率(60)ードジっ子補正(30)+器用点(8)=38]
[クリティカル判定、なし]
[命中判定:1d100
出目(53)]
[失敗・・・]
ーーーーーーーーーーーー
『ダキュゥン!』
ファローの撃った弾丸はカオスから大きく外れ、近くの本棚をえぐった!
ファロー「・・・あり?」
カオス「真面目に狙え、バカ牛ィ」
カオスは一言文句を言ってあくびをした。
[カンバスの行動]
カンバス「貴女が何者か・・・動きを封じてから聞くとしましょう!」
カンバスは精霊召喚魔法を詠唱した!
ーーーーーーーーーーーー
[カンバス、魔法判定!]
[攻撃方法:召喚攻撃、氷属性]
[成功率:
基礎成功率(70)=70]
[命中率:
基礎命中率(70)=70]
[束縛効果判定:30]
[クリティカル判定時、ダメージ1.5倍
加えて、強制束縛効果]
[成功判定:1d100
出目(30)=30]
[詠唱成功!]
[命中判定:1d100
出目(51)=51]
[束縛判定:1d100
出目(92)=92]
[カオス【BOSS】に命中!]
[威力判定:1d20
出目(11)=11]
[束縛失敗・・・]
[カオス【BOSS】体力:??ー11]
[カンバス魔力:40→30]
ーーーーーーーーーーーー
カンバス「出でよ!グラキエス!」
カンバスが詠唱を完了すると、地面に現れた魔法陣から、白銀に輝くグラキエスが姿を現した!
グラキエス「マスター、目標は?」
カンバス「目の前のダークエンジェルよ!凍らせてちょうだい!」
グラキエス「了解」
グラキエスが指を頭上で回すと、指から白銀の光線がカオスを襲い、瞬く間にカオスを氷が覆う!!
カオス「うおっ!!さっむい!!」
カオスは独楽のように勢いよく回り、自分に張り付いた氷を引っぺがし、ガタガタ震える真似事をした。
カオス「やばいわーwこの寒さやばいわーwオレ様凍えちゃうわーw」
カンバス「くっ・・・」
グラキエス「目標に対してあまり効果がない模様・・・」
グラキエスはあと2ターン戦闘に参加する!
[シルクの行動]
シルク「その変態から離れなさいよ、ダークエンジェル!」
シルクは素早く、3本の矢を放った!
ーーーーーーーーーーーー
[シルク、攻撃判定!]
[攻撃方法:木の矢、3発]
[命中率:
基礎命中率(60)+(筋力点+器用点)/2((15 15)÷2)=60+15=75]
[クリティカル判定、75/5=15以下]
[命中判定:1d100
出目(95、34、45)]
[2本命中!]
ーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーーーーー
[カオス【BOSS】、ダメージ判定]
[軽減値:
(カオス筋力(30) / 2 )=15]
[威力判定:2d10+シルク筋力(15)/2→2d10+8
(小数点以下四捨五入)
出目:13、7]
[ダメージ:
(13+8)ー15=6
(7+8)ー15=0]
[魔界豚【BOSS】体力:??ー17]
ーーーーーーーーーーーー
『シュピッ!』
シルクの放った矢はカオスに当たったものの、一筋の切り傷しかつけられなかった。カオスは傷を舐め、挑発的にニヤリと笑う。
カオス「おやおやァ?エルフの筋力じゃァオレ様にこの程度の傷しかつけられないのかなァ?」
シルク「くっ・・・」
[ナナの行動]
ナナ「・・・ッ!」
ナナは弓を限界まで引き絞った!
ーーーーーーーーーーーー
[ナナ、攻撃判定!]
[攻撃方法:木の矢、1発]
[命中率:
基礎命中率(60)+引き絞り(-10)+(筋力点+器用点)/2((10 18)÷2)=60ー10+14=64]
[クリティカル判定、84/5=17以下]
[命中判定:1d100
出目(56)]
[命中!]
ーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーーーーー
[カオス【BOSS】、ダメージ判定]
[軽減値:
(カオス筋力(30) / 2 )=15]
[威力判定:2d10+ナナ筋力(10)→2d10+10
(引き絞りにより筋力補正2倍)
出目:16]
[ダメージ:
(16+10)ー15=11]
[魔界豚【BOSS】体力:??ー27]
ーーーーーーーーーーーー
『シュパンッ!』
カオス「いっだァ!?」
ナナの矢は余裕ぶっていたカオスの肩に当たり、カオスは大声を上げて叫んだ。
カオス「いっでェーッ!?あれ!?さっきの氷精のはともかく、なんでガキの弓矢がこんな痛いんだ!?」
シルク「や、やった!?」
〜〜〜〜〜〜
[ターン2]
〜〜〜〜〜〜
[カオス【BOSS】の行動]
カオス「・・・フルパワーで復活じゃァねェとかか?聞いてねェぞ、そんなの!クソがッ!遊びはやめだッ!」
そう言い放った瞬間、カオスはファローの前に瞬間移動した!
ファロー「速ッ!?」
カオス「オレ様の拳を味わいなァッ!」
ーーーーーーーーーーーー
[カオス【BOSS】、攻撃判定!]
[攻撃方法:パンチ、1発]
[命中率:
基礎命中率(90)+(筋力点)(20)=110]
[クリティカル判定、110/4=27.5→28以下]
[クリティカル判定時、ダメージ1.5倍
加えて、ピヨり判定]
[命中判定:1d100
出目(20)]
[クリティカル!]
ーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーーーーー
[ファロー、ダメージ判定]
[軽減値:
(ファロー筋力(30) / 2 )=15]
[威力判定:1d10+カオス筋力(30)→1d10+30
(小数点以下四捨五入)
出目:4]
[ダメージ:
((4+20)ー15)×1.5=13.5→14]
[ファロー体力:60ー14=46]
ーーーーーーーーーーーー
ファローの腹にめり込んだカオスの拳は、そのまま殴り抜けて、ファローを後方に吹っ飛ばした!
ファロー「あがっ!?」
吹っ飛ばされたファローは本棚にぶつかって止まったものの、立ち上がっても頭を抱えてふらふらしてしまう。
〜〜〜・〜〜〜・〜〜〜・〜〜〜・〜〜〜
「ファロー!?大丈夫!?」
「う〜お〜・・・目ぇ回るぅ・・・」
フラフラするファローを見た一同はカオスに警戒の目を向けたが、カオスの顔にキョトンとした。
( °Д°)←カオスの顔
カオスは目をまん丸くさせ、自分の拳とファローを交互に見ていた。
「あ、あれ・・・オ、オレ様、なんか・・・よ、弱くねェ?・・・」
その顔には汗が流れ始め、誰がどう見ても完全に慌てているのが分かった。
「ま、まさか・・・む、無理やり出たせいか?・・・完全に封印解けたってわけではないってワケかァーーーーーーっ!?」
するとカオスは慌てて倒れているベルンに駆け寄り、ベルンの手を見て、両手で顔を覆って叫んだ。
「ガーーーーーーッ!!しっかりバッチリくっきりと封印の印が残ってんじゃねぇかァァァァァァ!!!」
なんやかんや叫び散らすカオスを見た一行はポカーンとしていたが、一番に気がついたカンバスがグラキエスを戻し、ノームを呼び出した。
「ノーム、あのダークエンジェル捕まえて。力づくで」
「・・・わかった」
ノームはゆっくりカオスに近づくと、後ろから抱きすくめる形でカオスを羽交い締めにした。
「ぬォっ!?は、離せェっ!離しやがれ!!」
「・・・やだ」
(ミリミリミリミリミリ!!)
「あいだだだだだだ!!?やめっ、やめろ!オレ様を抱きしめるな!キツくするな!この乳袋で頭を潰すなァーーーーっ!!!」
結局、ノームの『幸せハグ』(ただし頭は乳に潰される)により、カオスはガッチリと囚われる形になった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「で、ベルンくん?この子は誰?」
ベルンの目が覚めた後、ベルンはノームに羽交い締めにされたカオスの前に座らされていた。
「・・・いや、知らないですけど」
「でもアンタの上に座ってたのよ?」
「いや、知らんて」
「なんだ?テメェの女か?ペドか?」
「知らんっつってるだろ・・・っておい。ペドてコラ」
カンバス、シルク、ファローの問いに、ベルンは『知らない』の一点張り。そこに、ナナが助け舟を出した。
「べ、ベルンくん。あの、このダークエンジェル、ベルンくんの手を見てなんか叫んでたけど」
「・・・手?」
そこでベルンはハッとする。さっきからだんまりしてノームの乳に頭を潰されている、このダークエンジェルが・・・
「・・・まさか、俺の中にいた・・・」
『見つけたぁぁぁぁぁぁっ!!!』
瞬間、部屋に三人の叫び声が響いた。
全員がびっくりして振り向くと三人の魔物娘がベルンに突撃してきた。
「ベルン!アンタ、私を置いていくってどういうことよ!!」
「ベルンくん酷いですわ!私を置いて冒険学習に行くなんて!」
「お兄様ぁ!成美を置いていかないでくださいぃ!」
サティアがベルンの胸ぐらを掴み、クラリアがベルンの腕を抱き込み、成美がベルンの腰に抱きついた。周りの女子たちは目を丸くしたが、当のベルンは落ち着いていた・・・というか、もうどこか諦めている目をしていた。
「・・・もうなんでここにいるんだって聞くのも野暮だよなー・・・」
その時ベルンは、少し離れたとこにロックたちがいるのを見つけた。
「お、よぅ、ロック。お前も来てたのk」
「ノーマルリア充残滅すべし」
「・・・ど、どうしt」
「親友など関係ないっ!!ハーレムを持つ貴様は死すべきだ畜生!!!」
「ロックお前目から出血してるぞ!?」
血涙を流して呪詛を吐くロックに、ベルンは慌てる。しかし、三人に羽交い締めにされてるせいで全く動けない。
サティアたちとロックの登場にシルクたちも混乱する中、ただ一人、カオスだけがニンマリと笑った。
「・・・『サティア、そこのダークエルフをブッ飛ばせ』!」
『バキィッ!』
カオスがそう叫んだ途端、サティアは尻尾を素早く動かし、カンバスの頬をぶっ叩いた!
「・・・へ?」
困惑の声をあげたのは、サティア本人だった。サティアに叩かれたカンバスはその衝撃に声も上げずふっ飛ばされた!
「・・・マスター!」
ノームがカンバスを心配し、気を抜いた瞬間、カオスはするりと抜け出して羽をはためかせて飛び上がった!
「ぎゃーはははははは!大成功ォー!やっぱ弱くなっててもよォ、『魔力を通じた』女にゃ禁術効くみてェだなァ!このままスタコラサッサとさせてもらうぜェ!」
カオスが中指を立てて挑発した挙句、部屋を出ようと出口へ走った。
「ま、待てっ!!」
自分の手に印が残ってる以上、自分と関わりが強いであろうカオスを逃がしたくないベルンは、反射的にリボルバーを構えた!
「やらせねェよ!『サティア!ベルンを殴れッ!』」
「・・・はっ!?」
「ベルン、避けっ・・・」
すぐにベルンはサティアに振り返ったが、避けるに至らず、カオスに操られたであろうサティアの鉄拳を見事に食らってしまった!
『バキィッ!』
『痛っ!!!』
瞬間、声がハモった。
「いやぁぁぁっ!!ベル・・・へ?」
殴ったサティアが涙目で叫んだが、それよりも、声がハモったベルンと、カオスを見た。ベルンも、他のメンバーも、そちらを見た。
「・・・あァ?」
カオスは尻餅をつき、目をぱちくりさせながら自分の鼻をさすっていた。ちなみにベルンの鼻からは、鼻血が出ていた。
「・・・ちょっとアンタ、我慢しなさいよ」
いち早く理解したのか、シルクがベルンに近づき、頬を思いっきり抓りあげた。
『ぎゅうぅぅぅぅっ!』
『イダダダダダダダダ!?』
ベルンとカオスが痛がる。すると、シルクがにんまりと笑った。
「・・・お、おいシルク・・・?」
「・・・て、テメェ・・・なんだその笑いはァ・・・?」
ベルンとカオスが顔を青くして聞いた。シルクは無言で自分の矢を取り出し・・・
「・・・痴漢野郎への制裁と、姉さんを殴らせた天使への制裁を!!!」
そう叫んだシルクは、矢を使ってベルンに『拷問』を始めた!
『こちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょ』
「わははははははははは!?」
「ぎゃははははははははは!?」
シルクは矢の尻についた羽を使い、ベルンをこそばしにかかったのだ!
「そらそら!もっと笑い転げなさい!」
「あはははは!シルっ、ひははは!シルク!これっ、わははあはは!俺にやる必要あるのかははははひははは!!?」
「きゃはははは!やめっ、ふひひひ!テメッ、やめやがりゃははははははは!ひひひひひひひひ!!!」
ベルンとカオスが笑い転げ、周りのメンバーはポカーンとしてしまう。しかしカオスも笑い転げて動けないと知って行動を始めたのは、サティアだった。
「・・・なぁんとなく、アンタが誰かは分かったわよ」
「ぎゃひっ、ひーっ、ひひっ!?」
「・・・あの節はどぉもぉ?よくもまぁベルンの身体であんなことしてくれちゃってねぇ?」
「わはっ、わははっ、ふひひーっ!!」
「オマケに今も全く知らない人とベルンをよくも殴らせたわねぇ?」
「ぎゃははは!ぎゃはははははは!!」
笑い転げるカオスの前には、母親ゆずりの怒気と、父親譲りの穏やかな笑顔を携えたサティアが、右手を高々と上げていた。
「これは、お礼よ・・・ママ譲りのぉー・・・」
「ひひっ、『サティア、やめっ』・・・あひひっ!」
「鉄・拳・制・裁・ッ!!」
『ドゴンッ!!!』
勢いよく振り下ろされた拳はカオスの額を捕らえ、地面にヒビが入るのではないかというくらいの音がした。カオスは先の戦闘のダメージもあったのか、ピクリとも動かなくなった。(息はしてます)
「女を敵に回すとこうなるのよ」
「バカじゃありませんの貴女!!」
見下しながら言い放ったサティアの後頭部を、クラリアがグーで殴った。
「いった!?なにするのよ!?」
「貴女もう少し手加減なさい!ベルンくんを痛みで殺す気ですの!?」
「・・・へ?」
クラリアが指差した先では、ベルンが額を抑えて釣り上げられた魚よりも必死にのたうちまわっていた。
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・・・尾行してきたはいいけれど、狙いと違ったな・・・
・・・しかし、アレが封印されていたということは・・・
・・・とりあえずは計画通りか・・・
・・・いずれは『もうひとり』の封印も解かねば・・・
13/09/21 09:56更新 / ganota_Mk2
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