右も左もロリだらけ！真闇達の夏旅行（後編）
「いぢぢぢぢ・・・まだ身体がビリビリしやがる・・・ギーヤ姉の野郎、本気でぶちかましやがって・・・」
ホテルの一室。貞春はベットの上で寝転び、雷により痺れた身体をほぐしていた。
「まぁ、しょうがねぇだろ。自業自得ってやつだ。試合中も無茶苦茶してたし」
「茜だってやらかしてたじゃねぇか」
「ま、やってる奴の見た目の差だな」
「納得いかねぇ・・・いぢぢぢ・・・」
同じ部屋の、もう片方のベットに座っているのは成竜だった。なぜ真闇でないかというと・・・
「つか、真闇、大丈夫か？・・・一旦、天河に任せたけどよ・・・」
「多分、大丈夫だって。きっと落ち着くよ」
真闇が恥ずかしさでパニックになり、別室、本来の貞春と真闇の部屋のベットで布団にくるまり、引きこもってしまったのだ。天河が現在、介抱にあたっており、貞春は部屋を追い出され、本来の成竜と天河の部屋にいるのだ。
「む〜・・・あ、そういや茜たちはVIPルームにいるんだっけか」
「そうだな・・・どんな部屋なんだろうなぁ・・・」
成竜が羨ましそうに言ったとき、ベットテーブルにあった貞春の携帯が鳴った。
『テテテテッ♪テテテテッ♪テーレー♪』
「ん？甲からか」
「・・・なんでお前サスペンスのテーマなんだよ」
貞春はずりずりとベットを這ってテーブルに近づき、携帯を開いた。
「おう、どうした」
『あ、貞春さん、こっちに来ませんか？茜さんが、ここ広すぎで落ち着かないから、みんな呼べって・・・』
「ん〜・・・分かった。しばらくしたら行くわ」
『・・・すぐに来いって、茜さんが言ってます』
「聞いてんのかよ・・・わぁったよ。できる限り早く行く」
『すいません。待ってます。あ、部屋番は、最上階の1305です』
「へいへ〜い」
貞春が携帯を切り、のっそりと起き上がった。
「おい、成竜。準備しろ」
「へ？どっか行くのか？」
「茜が部屋に来いってよ。落ち着かねーんだと」
「へぇ。そうなのか・・・あーたんたち、行けるかな？」
「とりあえずは、声かけに行くぞ」
貞春と成竜は、真闇たちのいる部屋へ向かった。
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「・・・まーやん、恥ずかしいから行きたくないって」
貞春と成竜は中にいた天河を呼んで部屋に入れてもらい、事情を話したが、真闇は未だ布団にくるまった芋虫状態のままだった。
「うーん・・・真闇ちゃんをひとりぼっちにするのもなぁ・・・」
「おーい、真闇ー。めったにねぇんだし、VIPルームいってみようぜ」
成竜が頭を掻く横で、貞春が真闇の入った布団ロールを揺さぶった。
『やだぁ・・・はずかしぃ・・・』
布団から、くぐもった尻すぼみの声が聞こえる。それを聞いた貞春は、ふんと鼻を鳴らし、つぶやいた。
「・・・よし、ショック療法といくか」
『・・・ふぇ・・・？』
怪訝そうな小さい真闇の声が聞こえたとき、貞春は布団ロールを掴んだ。
「お〜らよっ！」
『ふぇ！？ふぇぇっ！？』
「ちょ！？おい、貞春！？」
なんと、貞春は布団ごと、真闇を肩に担ぎ上げ、スタスタと歩き始めた。
「ほいほいほい。真闇〜、このままVIPルームへ連れていくかんな〜」
『やだやだやだ！？下ろしてぇ〜っ！？』
「ダメ。逃げるから。あんまり恥ずかしがるのも困ったもんだからな。茜のとこへ連行だ」
『ふぇぇぇ・・・(；ω；)』
くぐもった悲鳴をする布団を担いだ貞春は、そのままエレベーターへ向かってしまう。成竜と天河はポカンとしていたが、やがてクスクス笑いながら、貞春の後をついていった。
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「茜さ〜ん。貞春さんたちが来ましたよ〜」
さて、こうして貞春たちが茜と甲の部屋に来たのだが、部屋に入った貞春たちはギョッとして足を止めてしまった。
貞春たちの部屋も狭くはなかったが、なんとVIPルームは広いだけでなく、ガラス張りで景色が見渡せ、リビングにはバーカウンターがあり、風呂はジャグジーにサウナつき、さらにベットは屋根付きの豪華なものだった。
「どこの高級ホテルだよ！？」（貞春）
「ほわぁ・・・」（真闇）
「・・・すっごい」（天河）
「ここ、サバトの経営ホテルっつってたよな、ギーヤさん・・・サバトって儲かるのか・・・？」（成竜）
「おう、お前ら来たか」
茜はと言うと、リビングの真ん中の机に座り、活き活きした顔をしていた。
「なんでそんなご機嫌なんだよ？」
「バッカ野郎、お前らと私の仲だろうが。仲良くやろうぜ」
「何こいつ、キモッ」
キャッキャッ笑いながらバシバシ叩く茜に、貞春はドン引きしていた。
「成竜もこっち来いよ〜」
「い、いや、なんか茜ちゃん不気味・・・」
「なに言ってんだよ、私とお前の仲だろ〜」
そう言って笑いながら、茜は貞春と成竜を部屋の隅に連れて行く。
そして、甲や真闇たちにばれないように二人の顔をぐいっと引き寄せた。
（お前ら協力しろ。じゃなきゃシメる）
（・・・あ〜、そういうことかよ）
（隠し事、下手だね茜ちゃん）
（うっせ！とりあえず、なんとかして甲くんに酒を呑ませるんだよ！）
（酔ったところを襲う気か）
（流石茜ちゃん、容赦ない）
（襲わねぇよ！ムード作ればいいんだよ！酒入ってる方がムード作りやすいだろうが！いいな！！）
（へぇへぇ）
（りょ〜か〜い）
二人がやる気０な返事をすると、茜はニコニコして甲に駆けよっていった。
「甲く〜ん！バーカウンターにあるもの、全部セルフサービスだって！なに飲む〜？」
「え？じゃあ・・・オレンジｚ」
『ガシッ！キュポンッ！ガボンッ！！』
「んむごぉっっっ！？」
瞬間、茜がオレンジジュースの瓶を引っ掴み、栓を開けて成竜の口に突っ込んだ。その動きは素早すぎて、まるでその時間が吹っ飛ばされたかのように見えた。
「あれ、成竜、オレンジジュース一気飲み？」（茜）
「やるなー成竜ー。あこがれちゃうなー。すげー。（棒読み）」（貞春）
「・・・ダーリン、男らしい・・・♥」（天河）
「んごごごご！！？」（成竜）
（息が息が息が！！？）
成竜が悶え苦しんでる間に、貞春は自分の番になる前に先手を打った。
「つか甲よ〜、この場で飲むのがソフトドリンクなんて盛り上がらねぇぞ」
「え？だって、僕、みせｉ」
「んなこた関係ねぇよ。こういう場ではな？嫌でも飲むのが礼儀っつうもんだよ。まぁ、いきなりキツい酒でぶっ倒れられても困る。俺がカクテル作ってやるよ。カシス系ならジュース感覚で飲めるからな」
「えっ・・・あ・・・ありがとうございます・・・」
戸惑いながらも、押しに弱い甲はあっさり折れてしまう。茜が小さくガッツポーズをするのが貞春の視界の端で確認された。
「貞春、カクテル作れるの？」（真闇）
「簡単なやつだけな」（貞春）
「私も飲んでみたい」（真闇）
「・・・私も」（天河）
「あ、私にも寄越せ！」（茜）
「はいよ。全員カシス系統でいいよな」（貞春）
そう言いながら、貞春は真闇と天河にアルコール薄めのカシスグレープ、茜にカシスソーダ、甲にアルコール強めのカシスソーダを作った。
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そして、一番に顔を真っ赤にしてしまったのは・・・
「・・・ふにゃ・・・」
なんと、茜だった。
「茜ちゃん、大丈夫？」（真闇）
「うみゅ〜・・・」（茜）
「お酒弱かったのか？」（成竜）
（・・・甲のと間違えてないよな？）（貞春）
貞春は自分の作ったカクテルに首をかしげながら、甲に声をかけた。
「おい、甲。この酔っ払いペドをなんとかしてくれ」（貞春）
「・・・・・・あ"？」
瞬間、返ってきたのは目の座った甲のガン飛ばしだった。貞春の額にミシリと青筋ができ、他のメンツがギョッとした。
「・・・俺にガン飛ばすとは偉くなったもんだな、甲？」（貞春）
「うるさいですよ、貞春さん。茜さんがなんですって？酔っ払いペド？ふざけんなよ、酔っ払いはアンタだろうが、この年中花畑野郎」（甲）
さらにミシリと貞春の頭から音がなり、貞春の口元がヒクヒクしだした。
（あ、わわわ・・・貞春が本気で怒ってる・・・）
いち早く察した真闇は、茜を動かすことで事態の収束を測った。
「茜ちゃん、茜ちゃん！ほら、甲くんだよ！」
「ふにゅ〜？」
真闇の言葉に、茜は眠そうに目を擦りながら甲を見ると、ぎゅっとその身体に抱きついた。
「えへへぇ〜、甲くんだぁ〜♥」
『・・・・・・』
あまりの変貌、なんか普通のアリスみたいになってる茜を見て、他のメンツは今度は目を丸くしてしまう。
これに対し甲は・・・
「おやおや茜さん。どうしたんですか？眠いんですか？まだエッチしてないのに」
『うぉいっ！！？』
続く甲の発言に、今度は鋭いツッコミが入った。
そのツッコミに対し、甲が全員をギロリと睨んだ。
「・・・空気読んでくださいよ、童貞じゃないんですから、アンタたち」
ぶつん。
貞春の頭から何かブチ切れる音がするのと、成竜が貞春を羽交い締めにするのは同時だった。
「このクソガキさっきから舐めた口ききやがっｔ」
「そ、それじゃあお暇しようかな！！ほら、あーちゃん！真闇ちゃん！部屋戻ろうか！！」
成竜は小さくブツブツつぶやく貞春を必死にズルズルと引きずり、真闇と天河は慌てて後をついていった。
扉のオートロックがガチャリとなると、甲は茜をぎゅっと抱きしめた。
「さ、茜さん・・・ベッドへ行こうか♥」
「うにゅ〜・・・ふかふかべっどぉ♥」
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「あんのクソガキャ明日絶対ボコる・・・」
「落ち着けって、なぁ。甲くんだって酔っ払ってたんだかべあっち！！！」
「ならテメェが殴られろ」
「貞春、ダメだよ、八つ当たりは」
特に理由がない（いや、あるか？）暴力が、成竜を襲った辺りで、貞春たちに声がかかった。
「ここにいたのか、お前ら」
「んあ？兄貴か。ちょうどいい、ボコらせやがれ」
声をかけた斗真に貞春のパンチがとぶが、素早く手のひらで受け止められた。
「断固拒否する。ところで、１階の宴会場に集合だ、お前ら」
「へ？宴会場？」（真闇）
「・・・なにか、するの？」（天河）
天河が聞くと、斗真が頭をぽりぽり掻いた。
「なんでも、このサバト恒例行事をやるそうだ」
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とある夏のむし暑い夜。
男がバイトから帰る夜道、違和感を覚えた。
自分の足音がおかしいのだ。
『コツ、べちゃ、コツ、べちゃ・・・』
左足の音がおかしいことに気づき、自分の足を見ると・・・
「スライムが足を捕まえてました、ってオチじゃろ？」
「あぁん！ギーヤ様、先言っちゃダメですぅ！」
ギーヤがしれっと言うと、部下の魔女が両手をバタバタさせてオチを言われたことに頬を膨らませていた。
「つぅ〜まらん、つまらん。お前らもっとマシな『怪談』はないのかの？」
へっと鼻で笑うギーヤが、手のひらをひらひらとさせる。
ギーヤのサバトの夏休み恒例行事、それは、サバトのメンツを集めた『百物語』であった。
一応今ので蝋燭が一本消されたが、ギーヤはとてつもなく不満そうだった。全くと言って、ギーヤを怖がらせる怪談がなかったからだ。
「兄者、いかがかのぅ？」
「・・・俺もほとんど怖くないな」
「じゃろう？やれやれじゃ」
「・・・だが、真闇ちゃんは違うようだ」
「へ？」
ギーヤが斗真が指差す方を見ると、真闇が貞春にしがみつきながら、涙がたまりまくった目をうるうるさせていた。
「うぅ、うぅぅぅ・・・( ；ω；)」
「怖がりすぎだろ、真闇」
「だ、だってぇぇぇ・・・( ；ω；)」
その様子を見たギーヤは、にんまりと笑った。
「ほう・・・逆に面白い。これはマトモな怪談を聞かせたらどうなるのかの・・・」
「鬼畜だな、我が嫁ながら」
「よーし！我こそは真に怖い怪談を知っているぞという者はおるか！！」
ギーヤが喜び勇んで尋ねると、何故か成竜の肩がパァンと音を立てて叩かれた。
「いっでぇ！なんだよ貞春！？」
「お前、一個二個くらいガチ怖いのあるだろが。披露してやれよ」
「貞春ぅ！？」
成竜にニヤニヤしながら言う貞春に、真闇が『なんでそんなこと言っちゃうの！？』と言わんばかりに泣きつく。すると貞春はギーヤに目を合わせ、ニヤリと笑った。
（ふふふ・・・貞春殿も悪よのぉ）
（ギーヤ）
（いやいや、ギーヤ姉ほどでは・・・）
（貞春）
アイコンタクトでお互いの意思を汲み取ったギーヤは、成竜に目を向けた。
「では成竜殿。怪談をひとつ、頼むぞ」
「えっ、えー？俺かよ・・・んーと、んーーーっとぉ・・・」
成竜はうんうん唸った後、ポンと手鎚をひとつ打った。
「これは俺の爺ちゃんから聞いた話なんだが・・・」
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爺ちゃんが若い頃、失恋した友人と一緒に山に猪狩りに行った帰りだったらしい。
友人が５人目の恋人と別れちまって、気落ちしてたのを慰めるために美味い猪狩ろうって二人で行ったらしいんだけど、霧が立ち込めてきて、夜にもなっちまったからしょうがねぇってことでテント張って一夜過ごすことにしたらしい。
そんで寝てるとさ、不意に外で声が聞こえたんだって。
爺ちゃんは声を聞いて起きたんだけど、爺ちゃんの友人は疲れ切ってて起きなかったらしい。
爺ちゃんはこんな山奥、さらに夜、しかも霧の濃いこんな日に、誰が夜道歩いてんだ、あぶねぇなぁって思ったから、明かりを持ってテントから出たらしい。
すると、遠くに影が見えたんだって。だけど、明らかに影の形がおかしいんだ。
普通、人ってさ、影で見てもさ、頭、胴、腰、足って、だいたいの部位がここらへん、ってわかるじゃん？高さ的なもの考えたらさ。
でも、明らか〜に、その影、腰から下が地面になってたんだよ。頭ここ、胸ここ、腹と腰があって〜、あれ？足なくね？みたいな影だったんだって。
しかもなんか変な音立てながら、徐々に影がでかくなってるの。そのまま。
爺ちゃん、最初は自分が寝ぼけてんのかな？って思ったんだけど、もうひとつ、普通の人が歩いたらさ、その振動っつうか、足の運動でさ、左右にゆらゆら揺れるのにさ、影が『そのまま』大きくなってくるのになんかゾッとしたのよ。
ささっと脇道に隠れてさ、明かりを消して待ってたら、影がどんどん近づいてきてさ、姿表したのよ。
それはさ、上半身人間、下半身ムカデの女だったんだよ。
「・・・明かり、消えた・・・」
ムカデ女はキョロキョロ見回してたんだけど、そん時、運悪く、テントから友人が出てきて、ムカデ女を見てギョッとしたんだって。
「なっ、なんだお前！？」
「あっ♥見つけた♥」
すると一瞬で友人はムカデ女にぐるぐる巻きにされちゃったんだってさ。それから、女がいうんだよ。
「やっと見つけたわ♥私の愛しい人♥探して、探して、探したわ♥ずっと想ってたのよ？朝も昼も晩も、食事中も夢の中でもずっとずっとずっと・・・ちょくちょく町にも貴方を見に行ったわ。そしたらいつもいつも貴方の周りに醜い女がいて・・・大変だったわ。あの女どもを脅して回るのは・・・でも、もう脅して回るのもやらなくていい・・・貴方はずぅっと・・・私のモノ・・・♥」
女はそのまま、友人を巻いたまま来た道を引き返して行った・・・爺ちゃんは、友人と一瞬、目があっちまったが、隠れてやりすごしたらしい・・・
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「・・・って話なんだが」
「ただのヤンデレ大百足の拉致事件じゃないか」
成竜が閉めた話に、斗真がツッコミを入れた。
「いやぁ・・・魔物娘をあんまり知らない奴らにはウケるんですけどね、この怪談」
「ここサバトだから。魔物の巣窟と言っても相違ないぞ、成竜くん」
斗真がそうツッコミをいれたが、ハッと気づくと、ギーヤは満足そうだった。
（ °∀°）ニヤニヤ（←ギーヤ）
（ °∀°）ニヤニヤ（←貞春）
（ °∀°）ニヤニヤ（←さりげなく天河）
((((( ；ω；)))))（←超怖がってる真闇）
もう真闇の怖がり様たるや、耳を塞いで涙を流し、ガタガタ震えながら貞春にしがみつくというもう色々限界なことになっていた。
「・・・鬼畜どもめ」
それを見て満足そうな嫁、弟、友人の彼女に、心底斗真は呆れていた。
「よぉ〜し！次は誰かおるかぁ！？」
ギーヤが次の談者を募ると・・・
「・・・そろそろ私行こうかなぁ・・・自信ないけどなー、真闇ちゃんくらいなら怖がってくれるかなー？」
「いや、僕が先に行こう。あんまり怖くないがね。あんまり、怖くないけど」
「バッカ野郎、あんたらの話じゃ怖くないだろうよ。怖がりに効くいい話をしてやろう」
人魔男女問わぬ多くの者が、真闇をニヤニヤ見ながら名乗りをあげ始めた。
「ひぃぃ・・・貞春ぅぅぅ・・・」
「大丈夫だって。みんな作り話に決まってるだろうがよ（ニヤニヤ」
「ふぇぇぇぇぇ・・・( ；ω；)」
斗真は、サバト内のＳな人の多さに、頭を抱えた。
そして、百物語の夜は、あんまり怖くない怪談と、真闇の泣き声、多くの者たちのドＳなニヤニヤ、斗真のため息でふけていった・・・
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ちなみに、茜と甲はと言うと。
「・・・・・・え？」
真夜中に目を覚ました茜は、酔っ払ったであろう甲が、茜の服を脱がし、肩口にキスをしたまま、電池が切れて茜に覆いかぶさって寝ていることに気づいた。
「こっ、甲くんが・・・き、キスしてくれて・・・あふぅ・・・♥」
それでいいのか、茜。
どうやら、茜と甲が結ばれるのは、まだ先のようだ。
13/08/06 03:36更新 / ganota_Mk2
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