12日昼〜夕方(ロック編)『やったねロック!フラグが立ったよ!』
[校長室]
「ほぅほぅ。来たね、ロック君」
ファ先生の指示により、ロックはインドランの下へ来ていた。
「・・・なんか幼女が増えてないかね?」
「聞かないでください」
ロックの左右にはバルフォスとワクスがおり、ロックは明らかにうんざりした表情をしていた。
「ふむ。では、さっそく君達用に用意した課題の説明だ。
場所は鬱天の密林。
課題内容は『ボス魔界豚の討伐』だ」
「・・・はいぃ???」
瞬間、ロックは目を白黒させた。
ロックにも魔界生物の知識は少しあった。その朧げな情報からは、魔界豚はロックのような戦闘経験も薄いド素人に討伐できるような代物ではなかった。
「はっはっはっ。そうビビることはない。君の右を見たまえ。弱体化してようと、元最強レベルの魔法使い系魔物のトップだぞ?」
「・・・元は余計じゃ」
インドランが笑いながらバルフォスを指差す。対するバルフォスはムッと不満そうな顔をした。
「・・・ついででなんだが、左側のアークインプはどなたかな?」
「は〜い、ダンディなオジサマ♥私は、ご主人バルフォス様に仕えるワクスですぅ〜。よろしくお願いしま〜す」
「はっはっは!よろしく。中々ごますりの下手な子だね。今まで魔界でのんびり暮らしていたのかな?ずっとインプといて男性との会話経験が薄いと見える」
「・・・っ!?」
(なにこのオジサマ!?怖っ!?)
インドランの観察眼にビビったワクスは固まり、一歩下がった。
「・・・さて、課題説明に戻ろう。
最近の調査により、鬱天の密林には一頭、凶暴な魔界豚がいることがわかった。一回生の実習場所として危ないかも知れないという意見が出たが、これくらいの危機をすり抜けられなきゃ冒険者にはなれんという意見もあり、今回はそのままにした。しかし、これを放置するわけにもいかん。教師たちを派遣しようにも、今はまだみんな忙しい。
そこでだ、ロック君とバルフォス君、あと新入りのワクスちゃんには、そのボス魔界豚の討伐をお願いしたい。バルフォス君の力を借りれば楽ではないにしても討伐は可能であろう。無理だと思ったら逃げたらいい。最悪偵察程度でもよろしい。
以上だ。質問は?」
インドランの問いかけに、バルフォスが手をあげた。
「魔界豚は美味と聞く。喰ってもいいじゃろな?」
「・・・レディが涎を垂らしながらしゃべるのはよろしくないな」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
[転移門前]
さて、校長室から出た後、道具を部屋に取りに行ったり、不足してる道具買ったりしてから、ロックたちは転移門の前に来ていた。
「よし!魔界豚を食しに行くぞ!」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
[バルフォス]
[所持品]
武器:魔断頭の鎌(物理ダメージ+10、俊敏ー10)
防具:あぶなすぎるロリ衣装(魔法ダメージー50%)
道具:なし
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「お〜〜〜♥」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
[ワクス]
[所持品]
武器:木の杖(魔法ダメージ+2)
防具:なし
道具:なし
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
バルフォスとワクスはとても張り切っており、二人で声を張り上げていた。
「・・・で、俺は安定の荷物持ちかい・・・」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
[ロック]
[所持品]
武器:バスタードソード(物理ダメージ+5、敏捷ー4)
防具:アイアンベスト(物理ダメージー3)
道具:砥石、救急セット(大)、魔力回復薬(6つ)、非常食、テント用品
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
ロックは重い荷物を背負い、ため息をついた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
[鬱天の密林]
(ダンジョンLevel 5〜10)
『鬱天の密林・転移門』
鬱天の密林の始まりの地は…
(以下略。ベルン編と同じ)
「うわー・・・おもくそ魔界よりの雰囲気じゃねぇのかこれ」
「やーん♥大旦那様、私こわーぶべらっ!?」
「気安く抱きつくな、蹴るぞ」
「殴り飛ばしておきながら言うとは中々外道じゃの、主」
抱きつこうとしたロックのフルスイングライトフックにワクスが吹っ飛ばされ、バルフォスがケラケラ笑っていた。
「何笑ってんだコラ。お前も殴られたいのか?」
「遠慮願おう。殴ってきたら、我は斬るぞ?」
「ひ、酷い・・・あれ、でもなんか心地いい・・・♥」
メチャクチャなチームワークの中、ロックたちは森へ入って行った。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
『鬱天の密林・入口付近』
(時刻、14:00)
さて、ロックたちは3本道(明るい開けた道、まだ浅そうな森への道、フラグビンビンの深森への道)のどれを選んだかと言うと・・・
「よし、じゃあ開けた道を・・・」
「行くぞ、ワクス」
「はぁ〜い♥」
「おいお前らなんでそんな一番危険そうな道を選ぶ?そして俺は無視かコラ」
ロックの意見を無視し、バルフォスとワクスは深く暗い森へ続く道を進み出した。ロックが二人の肩をガシリと掴み無理やり止めると、バルフォスは大きく溜息を吐いた。
「やれやれ・・・主よ、魔界豚の主な生息域は魔界じゃろう?」
「あ?あぁ、確かに・・・」
「じゃったら、即こちらを選ぶべきじゃろ。第一、あんな安全そうな道選んでもつまらんじゃろ」
「テメェ自分が弱体化してること忘れてねぇだろうな?つか俺は素人なの!なんで明らかに魔界豚以外の魔物とか出てきそうな危ない道選ばなきゃなんないのぉぉぉっ!?」
「大旦那様、語尾おかしくなってます」
「なぁに。こんな場所に出るような下等魔物に負けはせん。任せておけ」
鼻を鳴らして胸を張ったバルフォスはずんずんと先へ進んで行った。バルフォスの身勝手さに溜息をついたロックの肩を、ワクスがさすった。
「大丈夫です。大旦那様は私が守りますから!」
「いらん」
「ひ、ひどうぃ・・・」
ワクスの好感度up作戦は、つくづく裏目にでるのだった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
『鬱天の密林・入口付近
→鬱天の密林・ルートCー1』
(時刻、15:00)
ロックたちは木が鬱蒼と生い茂る森の中を進み続け、そして・・・
「・・・あ、オトコだ!」
「ナニ!?ホントだ!」
「わうーんっ!」(嬉しそうな遠吠え)
「ワーウルフに出会ってるじゃねぇかヤダーーーッ!?」
ロックたちの前に現れたのは、三人のワーウルフだった。
「おぉ、久しぶりの肩慣らしにはいい相手ではないか」
「うわ、メンドくさそう・・・」
「捕まえロッ!」
「襲っちゃエ!」
「ハッハッハッ!」(荒い息)
(・・・あ、でも、ロリじゃない分ワーウルフに(性的に)襲われた方がマシかも)
と、ロックが思ったのも束の間だった。
「お手つきミタイだかラ、身ぐるみハイジャエ!」
「食糧ヨコセ!」
「ぐるるるぅ!」
「チッキショーーーッ!!!」
〜〜〜・〜〜〜・〜〜〜・〜〜〜・〜〜〜
[戦闘開始!!!]
ーーーーーーーーーーーーー
[モンスター判定!
[難度、3d10
出目(2、9、7)=18]
[バルフォス知識点 45、成功!
種族名、および体力判明!]
[難度*2<知識点 より、弱点判明!]
ーーーーーーーーーーーーー
『ワーウルフAが現れた!』
『ワーウルフBが現れた!』
『ワーウルフCが現れた!』
<ワーウルフ体力:30>
<ワーウルフ弱点:火>
<ワーウルフ抗体:地>
バルフォス「ふははは!人狼ごときが我に挑んだこと、後悔せよ!主、奴らは火に弱いぞ!」
ロック「火ぃ!?んなこと言われても、何もねぇよ!?」
ワクス「き、来ますよ!大旦那様ぁ!」
〜〜〜俊敏点〜〜〜
1、ワクス(後衛)30
2、ワーウルフA 20
3、ワーウルフB 20
4、ワーウルフC 20
5、バルフォス(後衛)25(-10)
6、ロック(前衛)17(-4)
〜〜〜〜〜〜〜〜〜
〜〜〜〜〜〜
[ターン1]
〜〜〜〜〜〜
[ワクスの行動]
ワクス「大旦那様を強化します!」
ワクスはロックに初級補助魔法を唱えた!
ーーーーーーーーーーーー
[防御点:1d6
出目(3)=3]
[ワクス魔力:60→57]
ーーーーーーーーーーーー
ワクス「『マジック・シールド』!」
ロックに『ダメージー3』の効果が付与された!
[ワーウルフAの行動]
ワーウルフA「倒すゾ!」
ワーウルフAは、ロックに飛び蹴りを放った!
ーーーーーーーーーーーー
[ワーウルフA、攻撃判定!]
[攻撃方法:飛び蹴り、1発]
[命中率:
基礎命中率(60)=60]
[クリティカル判定時、ダメージ1.5倍]
[ロック、回避率:1d100+俊敏点(17-4)]
[回避判定:(命中判定より高ければ回避)
出目(92)+13=105]
[回避成功!]
[回避率100オーバーにより、ファンブル判定!]
ーーーーーーーーーーーー
ロック「あっぶね!?」
『ドガァッ!』
ワーウルフA「きゃいんっ!?」
ロックは間一髪回避した!
ワーウルフAは飛び蹴りの勢いのまま、ロックの背後の木を蹴ってしまった!
その衝撃で木から木の実が落ち、ワーウルフAにタライよろしく命中する!
ーーーーーーーーーーーー
[ワーウルフ、ダメージ判定]
[ダメージ:1d6
出目(2)=2ダメージ]
[ワーウルフA体力 30→28]
ーーーーーーーーーーーー
[ワーウルフBの行動]
ワーウルフB「やるゾ!」
ワーウルフBは、ロックにタックルを仕掛けた!
ーーーーーーーーーーーー
[ワーウルフB、攻撃判定!]
[攻撃方法:タックル、1発]
[命中率:
基礎命中率(60)+技命中補正(-5)=55]
[クリティカル判定時、ダメージ1.5倍
加えて、スタン効果]
[ロック、回避率:1d100+俊敏点(17-4)]
[回避判定:
出目(39)+13=52]
[回避失敗・・・]
ーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーーーーー
[ロック、ダメージ判定]
[ダメージ素点:
ワーウルフA筋力(20)+1d6(3)]
[軽減値:
ロック筋力(20)/2+防具(3)+マジック・シールド(3)]
[ダメージ:23ー16=7]
[ロック体力:30→23]
ーーーーーーーーーーーー
『ドガァッ!』
ロック「ごぶぅっ!?」
ワーウルフBのタックルはロックの胴に見事当たり、ロックはベスト越しの重い一撃に息を吐き出す!しかし、なんとか踏ん張り、耐えた!
[ワーウルフCの行動]
ワーウルフC「がうっ!」
ワーウルフCは、ロックに飛びかかった!
ーーーーーーーーーーーー
[ワーウルフC、攻撃判定!]
[攻撃方法:噛みつき、1〜4発]
[命中率:
基礎命中率(60)+技命中補正(-10)=50]
[命中時、連続攻撃回数判定]
[クリティカル判定時、腕損傷]
[ロック、回避率:1d100+俊敏点(17-4)]
[回避判定:
出目(47)+13=60]
[回避成功!]
ーーーーーーーーーーーー
ロック「うぉぉっ!!」
さらに続く連続攻撃にロックは素早く反応し、腕目掛けて噛み付いてきたワーウルフCを避けきった!
[バルフォスの行動]
バルフォス「燃やし尽くしてやろう!」
バルフォスは中級破壊魔法を詠唱した!
ーーーーーーーーーーーー
[バルフォス、魔法判定!]
[攻撃方法:範囲攻撃、火属性]
[成功率:
基礎成功率(90)=90]
[命中率:
基礎命中率(90)+範囲攻撃命中補正(-10)=80]
[クリティカル判定時、ダメージ1.5倍
加えて、延焼効果]
[成功判定:1d100
出目(84)=84]
[詠唱成功!]
[命中判定:1d100(3回)
出目(55)=55
出目(47)=47
出目(90)=90]
[ワーウルフAに命中!]
[威力判定:1d20*弱点補正(2)
出目(12)*2=24]
[ワーウルフA体力:28→4]
[ワーウルフBに命中!]
[威力判定:1d20*弱点補正(2)
出目(20)*2=40]
[ワーウルフB体力:30→0]<気絶>
[ワーウルフCには当たらなかった・・・]
[バルフォス魔力:40→35]
ーーーーーーーーーーーー
バルフォス「赤熱の!『ヴァーンストライク』!」
バルフォスが詠唱を完了すると、3つの炎弾がワーウルフたち目掛けて降ってきた!
『ドガァッ!ドガァッ!ドガァンッ!!!』
ワーウルフA「あぢゃァーーーっ!?」
ワーウルフB「ぎゃいーーーんっ!?」
ワーウルフC「ひょいっ」
ワーウルフたちを業火が襲う!
ワーウルフAは身体に火がつき、大慌てで走り回った後、なんとか火を消して涙ながらに悶えていた。
ワーウルフBは炎弾が直撃し、一発でノックダウンしてしまった。
そんな中、ワーウルフCだけが器用に避け、無傷でいた。
バルフォス「なぬっ!?」
ワーウルフC「ふふんっ♪」
[ロックの行動]
ロック「真打ち登場っ!」
ロックはワーウルフAに斬りかかった!
ーーーーーーーーーーーー
[ロック、攻撃判定!]
[攻撃方法:バスタードソード、1回]
[命中率:
基礎命中率(60)=60]
[クリティカル判定時、ダメージ1.5倍]
[ロック、命中判定:1d100]
出目(26)=26]
[ワーウルフAに命中!]
[ダメージ素点:
ロック筋力(20)+武器ダメージ(5)+1d6(3)]
[軽減値:
ワーウルフA筋力(20)/2]
[ダメージ:28ー10=18]
[ワーウルフA体力:4→0]<気絶>
ーーーーーーーーーーーー
『ドガァッ!』
魔界銀で作られたバスタードソードの一撃が決まり、ワーウルフAは声も出さずに気絶してしまった。
〜〜〜〜〜〜
[ターン2]
〜〜〜〜〜〜
[ワクスの行動]
ワクス「大旦那様を回復します!」
ワクスはロックに中級回復魔法を唱えた!
ーーーーーーーーーーーー
[回復量:1d10
出目(10)=10]
[ワクス魔力:57→52]
[ロック体力:23→30]
ーーーーーーーーーーーー
ロックの腹部の痛みが取れた!
[ワーウルフCの行動]
ワーウルフC「・・・・・・」
ワーウルフCは考えている・・・
ワーウルフCは、腹を見せて横になった。
ロック「おぅ・・・?」
ワーウルフC「くぅん・・・」
ワーウルフCは降参した!
[勝利した!]
〜〜〜・〜〜〜・〜〜〜・〜〜〜・〜〜〜
[戦闘時間、10分]
さて、ロックの目の前ではワーウルフの一頭が降参ポーズで目を潤ませている。少々オツムが悪いのか、言葉を発さずジェスチャーのみで示している。
さて、皆様ご想像あれ。
すべすべのお腹を露出させ、まんま犬のような姿勢で寝っころがり、瞳をうるうるさせているワーウルフの少女がいる。少女と言っても成人近いであろう身である。
皆様ならどうしますか?ちなみに私なら・・・
ーーーーーーーー
▷襲う
▷GO!!KAN!!
▷れいぽぅ
ーーーーーーーー
の選択肢が出ます。
・・・しかし。
・・・しかしッ!!
(・・・っ!?)
意外っ!想定外っ!
ロックさえも驚愕っ!
ーーーーーーーー
ピッ
→『たたない』
ーーーーーーーー
ロックは事実に汗を流し、頭の中がぐしゃぐしゃになるッ!
(バカなっ!?こんな素晴らしいオカズ、いや、メインディッシュが目の前にありながらっ!なんかもういろいろ用意されて口にする直前まで来ているのにっ!
・・・反応・・・ナシ?
どうした我が分身よ!?タっていいんだぞ!?キャストオフOKなんだぞ!?お前が天を突いてもいいんだぞッッッ!?どうした、どうしたんだ俺の分身よぉぉぉっっっ!!!)
「・・・主、なにを悶えとるんじゃ?さっさと次へ行くぞ」
ハッとしたロックは、早々に次のエリアへ行こうとしてるバルフォスとワクスを制した。
「い、いや、待ってくれ!このエリアを探索してくれ!」
(もう少し!もう少しこのワーウルフを見てればタつかもしれない!!!)
「なんじゃと〜?」
「は〜い、大旦那様ぁ♥」
嫌そうな顔をするバルフォスに対し、ワクスはささっと探索を始めた。それに釣られ、バルフォスもしぶしぶ探索を始めた。
ロックはしばらく、周りの気絶した仲間を介抱しながら、チラチラとこっちを心配そうに見るワーウルフをガン見していた。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
[周囲探索、アイテム探し]
[察知難度:3d10
出目(3、4、6)=13]
[バルフォス察知点、25]
[ワクス察知点、20]
[成功!]
(経過時間30分)
ーーーーーーーーーーーーーーーー
「・・・おぉ、魔灯花があちこちにあるのぅ。結構魔界化が進んでおる証拠じゃな。おい、ワクス。なにか見つけたかの?」
「ギク」
瞬間、ワクスは自分のポーチになにかを隠した。
「・・・お主、今なにをポーチに」
「大旦那様ぁ!?そろそろ行きませんかぁ!?」
「おいコラ下僕悪魔。契約主じゃぞ我は」
ワクスが白々しくロックに声をかけると、そこには・・・
「・・・バカナ・・・全ク・・・タタナイ・・・ナゼダ・・・チクショウ・・・」
体育座りをして相当落ち込んでいるロックがいた。
「お、おぅ?・・・なんじゃこれは?」
「大旦那様ー?大丈夫ですかー?」
「・・・俺ハノーマルダ、ノーマルノハズナンダ・・・」
ぶつぶつ呟くロックに、バルフォスとワクスはきょとんとしていた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
『鬱天の密林・ルートCー1
→鬱天の密林・ルートCー2』
(時刻、16:40)
さて、次のエリアに移動したロックたちだったが、ロックが意気消沈してるし暗くなってきたしで、本日はここにテントを立てることとなった。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
[周囲探索、アイテム探し]
[察知難度:3d10
出目(1、1、6)=8]
[バルフォス察知点、25]
[ワクス察知点、20]
[成功!]
(経過時間30分)
ーーーーーーーーーーーーーーーー
幸い、探索によって多数の魔灯花が発見された以外は、魔物の溜まり場だとかという形跡もないことがわかった。
しかし、念には念を。バルフォスは、テントの周りに包囲陣の結界を描いていた。
「・・・これぐらいでいいじゃろな・・・ん?」
その時、テントから離れた茂みで、ワクスが何かしているのが見えた。
「・・・ふ、ふふ・・・これを大旦那様の食事に混ぜれば・・・」
「なにしとるんじゃお主は」
音もなく近づき、ワクスに声をかけると、ワクスは盛大にびっくりして振り向いた。
「ばっ!?ばばば、バルフォス様!?いえこれはなんといいますかえーとその大旦那様から精をいただくためにしていたわけではなくてですね!」
「・・・とりあえず何をしようとしていたか説明せい。話はそれからじゃ」
バルフォスが見下げるように言うと、ワクスは小さく舌打ちしてから、申し訳無さそうな口調で言った。
「あ、あのぅ、今日、戦闘で魔力減ったじゃないですかぁ・・・ですから、補給のために大旦那様に抱いていただこうと思いましてぇ・・・」
「・・・なんじゃ、そんなことか。構わん。やれ」
「でもバルフォス様の手間堂々と出来ないから一服盛ってやろうtえぇぇぇぇぇぇっ!?いいんですか!?」
「奴はちょっとやそっとじゃヤりたがらぬからの。一服盛ってヤるなら、我も混ぜてもらおう。我の魔力回復のためにな」
「あ、ありがとうございます・・・」
(チッ、独占はムリか)
そこで改めて、バルフォスはワクスの手元を見た。どうやら、先ほど入手した『何か』を細かく刻み、水を加えてすり潰して料理に混ぜ込みやすくしているようだ。
その『何か』とは・・・
ーーーーーーーーーーーーーーーー
1、ハート型の果物のようだ
2、粘液たっぷりの茸のようだ
3、赤黒く傘の小さい茸のようだ
4、灰色の茸のようだ
ーーーーーーーーーーーーーーーー
「ほぅほぅ。来たね、ロック君」
ファ先生の指示により、ロックはインドランの下へ来ていた。
「・・・なんか幼女が増えてないかね?」
「聞かないでください」
ロックの左右にはバルフォスとワクスがおり、ロックは明らかにうんざりした表情をしていた。
「ふむ。では、さっそく君達用に用意した課題の説明だ。
場所は鬱天の密林。
課題内容は『ボス魔界豚の討伐』だ」
「・・・はいぃ???」
瞬間、ロックは目を白黒させた。
ロックにも魔界生物の知識は少しあった。その朧げな情報からは、魔界豚はロックのような戦闘経験も薄いド素人に討伐できるような代物ではなかった。
「はっはっはっ。そうビビることはない。君の右を見たまえ。弱体化してようと、元最強レベルの魔法使い系魔物のトップだぞ?」
「・・・元は余計じゃ」
インドランが笑いながらバルフォスを指差す。対するバルフォスはムッと不満そうな顔をした。
「・・・ついででなんだが、左側のアークインプはどなたかな?」
「は〜い、ダンディなオジサマ♥私は、ご主人バルフォス様に仕えるワクスですぅ〜。よろしくお願いしま〜す」
「はっはっは!よろしく。中々ごますりの下手な子だね。今まで魔界でのんびり暮らしていたのかな?ずっとインプといて男性との会話経験が薄いと見える」
「・・・っ!?」
(なにこのオジサマ!?怖っ!?)
インドランの観察眼にビビったワクスは固まり、一歩下がった。
「・・・さて、課題説明に戻ろう。
最近の調査により、鬱天の密林には一頭、凶暴な魔界豚がいることがわかった。一回生の実習場所として危ないかも知れないという意見が出たが、これくらいの危機をすり抜けられなきゃ冒険者にはなれんという意見もあり、今回はそのままにした。しかし、これを放置するわけにもいかん。教師たちを派遣しようにも、今はまだみんな忙しい。
そこでだ、ロック君とバルフォス君、あと新入りのワクスちゃんには、そのボス魔界豚の討伐をお願いしたい。バルフォス君の力を借りれば楽ではないにしても討伐は可能であろう。無理だと思ったら逃げたらいい。最悪偵察程度でもよろしい。
以上だ。質問は?」
インドランの問いかけに、バルフォスが手をあげた。
「魔界豚は美味と聞く。喰ってもいいじゃろな?」
「・・・レディが涎を垂らしながらしゃべるのはよろしくないな」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
[転移門前]
さて、校長室から出た後、道具を部屋に取りに行ったり、不足してる道具買ったりしてから、ロックたちは転移門の前に来ていた。
「よし!魔界豚を食しに行くぞ!」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
[バルフォス]
[所持品]
武器:魔断頭の鎌(物理ダメージ+10、俊敏ー10)
防具:あぶなすぎるロリ衣装(魔法ダメージー50%)
道具:なし
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「お〜〜〜♥」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
[ワクス]
[所持品]
武器:木の杖(魔法ダメージ+2)
防具:なし
道具:なし
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
バルフォスとワクスはとても張り切っており、二人で声を張り上げていた。
「・・・で、俺は安定の荷物持ちかい・・・」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
[ロック]
[所持品]
武器:バスタードソード(物理ダメージ+5、敏捷ー4)
防具:アイアンベスト(物理ダメージー3)
道具:砥石、救急セット(大)、魔力回復薬(6つ)、非常食、テント用品
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
ロックは重い荷物を背負い、ため息をついた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
[鬱天の密林]
(ダンジョンLevel 5〜10)
『鬱天の密林・転移門』
鬱天の密林の始まりの地は…
(以下略。ベルン編と同じ)
「うわー・・・おもくそ魔界よりの雰囲気じゃねぇのかこれ」
「やーん♥大旦那様、私こわーぶべらっ!?」
「気安く抱きつくな、蹴るぞ」
「殴り飛ばしておきながら言うとは中々外道じゃの、主」
抱きつこうとしたロックのフルスイングライトフックにワクスが吹っ飛ばされ、バルフォスがケラケラ笑っていた。
「何笑ってんだコラ。お前も殴られたいのか?」
「遠慮願おう。殴ってきたら、我は斬るぞ?」
「ひ、酷い・・・あれ、でもなんか心地いい・・・♥」
メチャクチャなチームワークの中、ロックたちは森へ入って行った。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
『鬱天の密林・入口付近』
(時刻、14:00)
さて、ロックたちは3本道(明るい開けた道、まだ浅そうな森への道、フラグビンビンの深森への道)のどれを選んだかと言うと・・・
「よし、じゃあ開けた道を・・・」
「行くぞ、ワクス」
「はぁ〜い♥」
「おいお前らなんでそんな一番危険そうな道を選ぶ?そして俺は無視かコラ」
ロックの意見を無視し、バルフォスとワクスは深く暗い森へ続く道を進み出した。ロックが二人の肩をガシリと掴み無理やり止めると、バルフォスは大きく溜息を吐いた。
「やれやれ・・・主よ、魔界豚の主な生息域は魔界じゃろう?」
「あ?あぁ、確かに・・・」
「じゃったら、即こちらを選ぶべきじゃろ。第一、あんな安全そうな道選んでもつまらんじゃろ」
「テメェ自分が弱体化してること忘れてねぇだろうな?つか俺は素人なの!なんで明らかに魔界豚以外の魔物とか出てきそうな危ない道選ばなきゃなんないのぉぉぉっ!?」
「大旦那様、語尾おかしくなってます」
「なぁに。こんな場所に出るような下等魔物に負けはせん。任せておけ」
鼻を鳴らして胸を張ったバルフォスはずんずんと先へ進んで行った。バルフォスの身勝手さに溜息をついたロックの肩を、ワクスがさすった。
「大丈夫です。大旦那様は私が守りますから!」
「いらん」
「ひ、ひどうぃ・・・」
ワクスの好感度up作戦は、つくづく裏目にでるのだった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
『鬱天の密林・入口付近
→鬱天の密林・ルートCー1』
(時刻、15:00)
ロックたちは木が鬱蒼と生い茂る森の中を進み続け、そして・・・
「・・・あ、オトコだ!」
「ナニ!?ホントだ!」
「わうーんっ!」(嬉しそうな遠吠え)
「ワーウルフに出会ってるじゃねぇかヤダーーーッ!?」
ロックたちの前に現れたのは、三人のワーウルフだった。
「おぉ、久しぶりの肩慣らしにはいい相手ではないか」
「うわ、メンドくさそう・・・」
「捕まえロッ!」
「襲っちゃエ!」
「ハッハッハッ!」(荒い息)
(・・・あ、でも、ロリじゃない分ワーウルフに(性的に)襲われた方がマシかも)
と、ロックが思ったのも束の間だった。
「お手つきミタイだかラ、身ぐるみハイジャエ!」
「食糧ヨコセ!」
「ぐるるるぅ!」
「チッキショーーーッ!!!」
〜〜〜・〜〜〜・〜〜〜・〜〜〜・〜〜〜
[戦闘開始!!!]
ーーーーーーーーーーーーー
[モンスター判定!
[難度、3d10
出目(2、9、7)=18]
[バルフォス知識点 45、成功!
種族名、および体力判明!]
[難度*2<知識点 より、弱点判明!]
ーーーーーーーーーーーーー
『ワーウルフAが現れた!』
『ワーウルフBが現れた!』
『ワーウルフCが現れた!』
<ワーウルフ体力:30>
<ワーウルフ弱点:火>
<ワーウルフ抗体:地>
バルフォス「ふははは!人狼ごときが我に挑んだこと、後悔せよ!主、奴らは火に弱いぞ!」
ロック「火ぃ!?んなこと言われても、何もねぇよ!?」
ワクス「き、来ますよ!大旦那様ぁ!」
〜〜〜俊敏点〜〜〜
1、ワクス(後衛)30
2、ワーウルフA 20
3、ワーウルフB 20
4、ワーウルフC 20
5、バルフォス(後衛)25(-10)
6、ロック(前衛)17(-4)
〜〜〜〜〜〜〜〜〜
〜〜〜〜〜〜
[ターン1]
〜〜〜〜〜〜
[ワクスの行動]
ワクス「大旦那様を強化します!」
ワクスはロックに初級補助魔法を唱えた!
ーーーーーーーーーーーー
[防御点:1d6
出目(3)=3]
[ワクス魔力:60→57]
ーーーーーーーーーーーー
ワクス「『マジック・シールド』!」
ロックに『ダメージー3』の効果が付与された!
[ワーウルフAの行動]
ワーウルフA「倒すゾ!」
ワーウルフAは、ロックに飛び蹴りを放った!
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[ワーウルフA、攻撃判定!]
[攻撃方法:飛び蹴り、1発]
[命中率:
基礎命中率(60)=60]
[クリティカル判定時、ダメージ1.5倍]
[ロック、回避率:1d100+俊敏点(17-4)]
[回避判定:(命中判定より高ければ回避)
出目(92)+13=105]
[回避成功!]
[回避率100オーバーにより、ファンブル判定!]
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ロック「あっぶね!?」
『ドガァッ!』
ワーウルフA「きゃいんっ!?」
ロックは間一髪回避した!
ワーウルフAは飛び蹴りの勢いのまま、ロックの背後の木を蹴ってしまった!
その衝撃で木から木の実が落ち、ワーウルフAにタライよろしく命中する!
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[ワーウルフ、ダメージ判定]
[ダメージ:1d6
出目(2)=2ダメージ]
[ワーウルフA体力 30→28]
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[ワーウルフBの行動]
ワーウルフB「やるゾ!」
ワーウルフBは、ロックにタックルを仕掛けた!
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[ワーウルフB、攻撃判定!]
[攻撃方法:タックル、1発]
[命中率:
基礎命中率(60)+技命中補正(-5)=55]
[クリティカル判定時、ダメージ1.5倍
加えて、スタン効果]
[ロック、回避率:1d100+俊敏点(17-4)]
[回避判定:
出目(39)+13=52]
[回避失敗・・・]
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[ロック、ダメージ判定]
[ダメージ素点:
ワーウルフA筋力(20)+1d6(3)]
[軽減値:
ロック筋力(20)/2+防具(3)+マジック・シールド(3)]
[ダメージ:23ー16=7]
[ロック体力:30→23]
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『ドガァッ!』
ロック「ごぶぅっ!?」
ワーウルフBのタックルはロックの胴に見事当たり、ロックはベスト越しの重い一撃に息を吐き出す!しかし、なんとか踏ん張り、耐えた!
[ワーウルフCの行動]
ワーウルフC「がうっ!」
ワーウルフCは、ロックに飛びかかった!
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[ワーウルフC、攻撃判定!]
[攻撃方法:噛みつき、1〜4発]
[命中率:
基礎命中率(60)+技命中補正(-10)=50]
[命中時、連続攻撃回数判定]
[クリティカル判定時、腕損傷]
[ロック、回避率:1d100+俊敏点(17-4)]
[回避判定:
出目(47)+13=60]
[回避成功!]
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ロック「うぉぉっ!!」
さらに続く連続攻撃にロックは素早く反応し、腕目掛けて噛み付いてきたワーウルフCを避けきった!
[バルフォスの行動]
バルフォス「燃やし尽くしてやろう!」
バルフォスは中級破壊魔法を詠唱した!
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[バルフォス、魔法判定!]
[攻撃方法:範囲攻撃、火属性]
[成功率:
基礎成功率(90)=90]
[命中率:
基礎命中率(90)+範囲攻撃命中補正(-10)=80]
[クリティカル判定時、ダメージ1.5倍
加えて、延焼効果]
[成功判定:1d100
出目(84)=84]
[詠唱成功!]
[命中判定:1d100(3回)
出目(55)=55
出目(47)=47
出目(90)=90]
[ワーウルフAに命中!]
[威力判定:1d20*弱点補正(2)
出目(12)*2=24]
[ワーウルフA体力:28→4]
[ワーウルフBに命中!]
[威力判定:1d20*弱点補正(2)
出目(20)*2=40]
[ワーウルフB体力:30→0]<気絶>
[ワーウルフCには当たらなかった・・・]
[バルフォス魔力:40→35]
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バルフォス「赤熱の!『ヴァーンストライク』!」
バルフォスが詠唱を完了すると、3つの炎弾がワーウルフたち目掛けて降ってきた!
『ドガァッ!ドガァッ!ドガァンッ!!!』
ワーウルフA「あぢゃァーーーっ!?」
ワーウルフB「ぎゃいーーーんっ!?」
ワーウルフC「ひょいっ」
ワーウルフたちを業火が襲う!
ワーウルフAは身体に火がつき、大慌てで走り回った後、なんとか火を消して涙ながらに悶えていた。
ワーウルフBは炎弾が直撃し、一発でノックダウンしてしまった。
そんな中、ワーウルフCだけが器用に避け、無傷でいた。
バルフォス「なぬっ!?」
ワーウルフC「ふふんっ♪」
[ロックの行動]
ロック「真打ち登場っ!」
ロックはワーウルフAに斬りかかった!
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[ロック、攻撃判定!]
[攻撃方法:バスタードソード、1回]
[命中率:
基礎命中率(60)=60]
[クリティカル判定時、ダメージ1.5倍]
[ロック、命中判定:1d100]
出目(26)=26]
[ワーウルフAに命中!]
[ダメージ素点:
ロック筋力(20)+武器ダメージ(5)+1d6(3)]
[軽減値:
ワーウルフA筋力(20)/2]
[ダメージ:28ー10=18]
[ワーウルフA体力:4→0]<気絶>
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『ドガァッ!』
魔界銀で作られたバスタードソードの一撃が決まり、ワーウルフAは声も出さずに気絶してしまった。
〜〜〜〜〜〜
[ターン2]
〜〜〜〜〜〜
[ワクスの行動]
ワクス「大旦那様を回復します!」
ワクスはロックに中級回復魔法を唱えた!
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[回復量:1d10
出目(10)=10]
[ワクス魔力:57→52]
[ロック体力:23→30]
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ロックの腹部の痛みが取れた!
[ワーウルフCの行動]
ワーウルフC「・・・・・・」
ワーウルフCは考えている・・・
ワーウルフCは、腹を見せて横になった。
ロック「おぅ・・・?」
ワーウルフC「くぅん・・・」
ワーウルフCは降参した!
[勝利した!]
〜〜〜・〜〜〜・〜〜〜・〜〜〜・〜〜〜
[戦闘時間、10分]
さて、ロックの目の前ではワーウルフの一頭が降参ポーズで目を潤ませている。少々オツムが悪いのか、言葉を発さずジェスチャーのみで示している。
さて、皆様ご想像あれ。
すべすべのお腹を露出させ、まんま犬のような姿勢で寝っころがり、瞳をうるうるさせているワーウルフの少女がいる。少女と言っても成人近いであろう身である。
皆様ならどうしますか?ちなみに私なら・・・
ーーーーーーーー
▷襲う
▷GO!!KAN!!
▷れいぽぅ
ーーーーーーーー
の選択肢が出ます。
・・・しかし。
・・・しかしッ!!
(・・・っ!?)
意外っ!想定外っ!
ロックさえも驚愕っ!
ーーーーーーーー
ピッ
→『たたない』
ーーーーーーーー
ロックは事実に汗を流し、頭の中がぐしゃぐしゃになるッ!
(バカなっ!?こんな素晴らしいオカズ、いや、メインディッシュが目の前にありながらっ!なんかもういろいろ用意されて口にする直前まで来ているのにっ!
・・・反応・・・ナシ?
どうした我が分身よ!?タっていいんだぞ!?キャストオフOKなんだぞ!?お前が天を突いてもいいんだぞッッッ!?どうした、どうしたんだ俺の分身よぉぉぉっっっ!!!)
「・・・主、なにを悶えとるんじゃ?さっさと次へ行くぞ」
ハッとしたロックは、早々に次のエリアへ行こうとしてるバルフォスとワクスを制した。
「い、いや、待ってくれ!このエリアを探索してくれ!」
(もう少し!もう少しこのワーウルフを見てればタつかもしれない!!!)
「なんじゃと〜?」
「は〜い、大旦那様ぁ♥」
嫌そうな顔をするバルフォスに対し、ワクスはささっと探索を始めた。それに釣られ、バルフォスもしぶしぶ探索を始めた。
ロックはしばらく、周りの気絶した仲間を介抱しながら、チラチラとこっちを心配そうに見るワーウルフをガン見していた。
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[周囲探索、アイテム探し]
[察知難度:3d10
出目(3、4、6)=13]
[バルフォス察知点、25]
[ワクス察知点、20]
[成功!]
(経過時間30分)
ーーーーーーーーーーーーーーーー
「・・・おぉ、魔灯花があちこちにあるのぅ。結構魔界化が進んでおる証拠じゃな。おい、ワクス。なにか見つけたかの?」
「ギク」
瞬間、ワクスは自分のポーチになにかを隠した。
「・・・お主、今なにをポーチに」
「大旦那様ぁ!?そろそろ行きませんかぁ!?」
「おいコラ下僕悪魔。契約主じゃぞ我は」
ワクスが白々しくロックに声をかけると、そこには・・・
「・・・バカナ・・・全ク・・・タタナイ・・・ナゼダ・・・チクショウ・・・」
体育座りをして相当落ち込んでいるロックがいた。
「お、おぅ?・・・なんじゃこれは?」
「大旦那様ー?大丈夫ですかー?」
「・・・俺ハノーマルダ、ノーマルノハズナンダ・・・」
ぶつぶつ呟くロックに、バルフォスとワクスはきょとんとしていた。
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『鬱天の密林・ルートCー1
→鬱天の密林・ルートCー2』
(時刻、16:40)
さて、次のエリアに移動したロックたちだったが、ロックが意気消沈してるし暗くなってきたしで、本日はここにテントを立てることとなった。
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[周囲探索、アイテム探し]
[察知難度:3d10
出目(1、1、6)=8]
[バルフォス察知点、25]
[ワクス察知点、20]
[成功!]
(経過時間30分)
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幸い、探索によって多数の魔灯花が発見された以外は、魔物の溜まり場だとかという形跡もないことがわかった。
しかし、念には念を。バルフォスは、テントの周りに包囲陣の結界を描いていた。
「・・・これぐらいでいいじゃろな・・・ん?」
その時、テントから離れた茂みで、ワクスが何かしているのが見えた。
「・・・ふ、ふふ・・・これを大旦那様の食事に混ぜれば・・・」
「なにしとるんじゃお主は」
音もなく近づき、ワクスに声をかけると、ワクスは盛大にびっくりして振り向いた。
「ばっ!?ばばば、バルフォス様!?いえこれはなんといいますかえーとその大旦那様から精をいただくためにしていたわけではなくてですね!」
「・・・とりあえず何をしようとしていたか説明せい。話はそれからじゃ」
バルフォスが見下げるように言うと、ワクスは小さく舌打ちしてから、申し訳無さそうな口調で言った。
「あ、あのぅ、今日、戦闘で魔力減ったじゃないですかぁ・・・ですから、補給のために大旦那様に抱いていただこうと思いましてぇ・・・」
「・・・なんじゃ、そんなことか。構わん。やれ」
「でもバルフォス様の手間堂々と出来ないから一服盛ってやろうtえぇぇぇぇぇぇっ!?いいんですか!?」
「奴はちょっとやそっとじゃヤりたがらぬからの。一服盛ってヤるなら、我も混ぜてもらおう。我の魔力回復のためにな」
「あ、ありがとうございます・・・」
(チッ、独占はムリか)
そこで改めて、バルフォスはワクスの手元を見た。どうやら、先ほど入手した『何か』を細かく刻み、水を加えてすり潰して料理に混ぜ込みやすくしているようだ。
その『何か』とは・・・
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1、ハート型の果物のようだ
2、粘液たっぷりの茸のようだ
3、赤黒く傘の小さい茸のようだ
4、灰色の茸のようだ
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12/12/08 12:46更新 / ganota_Mk2
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