13日目朝〜昼『逢瀬と臨死』
[鬱天の密林・入り口付近]
「成美、どうした?具合でも悪いのか?」
ベルンは、俯き黙り込んだまま夕食にあまり手をつけない成美に声をかけた。
「え、へっ!?いえ、そんなことは・・・」
「そうか?」
「は、はい。大丈夫ですよ、兄様」
成美はニコリと笑って返し食事を再開したが、すぐにまた顔を俯かせてしまった。
疑問に思ったベルンは、隣に座っているサティアに尋ねた。
(おい、サティア)
(・・・なによ)
(成美の様子がおかしいけど、なんかあったのか?)
(・・・知らない。バカ)
なぜか罵られたベルンは目をパチクリさせる。対するサティアは不機嫌なまま、食事を再開していた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
時刻は10時を回ろうとしていた。
そんなとき、ベルンは目をつむりながらも、汗を流して緊張していた。
(な、な、な・・・なんで・・・)
ベルンの横には成美が寝ており、ベルンと成美はお互いを背にしていた。
(なんで俺と成美が寝てんだよ!?)
最初、ベルンは女子たちにテントを明け渡し、自分は夜の見張りをするつもりだった。ところが女子全員に『却下!』と言われ、ベルンが片方のテントで寝ることになったのだ。ところが、ベルンが横になってしばらくしてから、成美が静々と入って来て、無言で横になったのだ。
ベルンはぎょっとしたが、成美が何も話さないため、ベルンも何も言い出せず黙って寝ている。しかし、横で寝られて混乱と緊張で眠れず、2時間ほど、このままだったのだ。
(こ、このまま何事もなければいいんだが・・・)
しかし。
そのベルンの期待はあっという間に裏切られる。
「・・・モウ、我慢デキナイ」
ベルンの背後でそんな声が聞こえた。
ドキッとしたベルンが首をねじって声を出した本人を見ようとした時、ぶつり、と首を刺された。
『ドクンッ!』
「・・・うっ、あがっ・・・」
瞬間、ベルンの首から猛烈な熱と痺れ、そして、快楽が広がった。その広がりようは血管を駆け巡り、ベルンはその感覚に身体を悶えさせた。
「な、るみッ!?」
「あぁ・・・兄様・・・♥」
成美は起き上がり、恍惚に顔を染め、テントの入り口の隙間から差し込む月の光をバックに両頬を手で覆って見下していた。
「兄様が悪いんですよ・・・いつまで待っても、私に手を出してくれないから・・・♥」
成美の顔の横で尻尾の顎肢がギチギチと音を鳴らしている。その先端からは粘っこそうな液体が垂れていた。
(なん・・・だ?なにを・・・された?)
ベルンはジパングの魔物の知識に疎かったため、今、何をされたのか、何が起こっているのか分からず、身体を巡る快楽に意識が不安定になりはじめた。
「兄様・・・お苦しいでしょう?今、楽にしてあげます・・・♥」
そう言いながら、成美がベルンのズボンを脱がし始めた。やめろ、とベルンは言おうとしたが、身体に力が入らず、口さえしっかり動かせなかった。
「あぁ・・・これが、兄様の、魔羅なのですね・・・♥」
とうとう脱がされてしまったズボンの中から出てきたソレはすでに興奮しきっており、青筋を浮かべて天を突いていた。
(な、なんだ・・・なんでこんな・・・)
ここまで来れば、自分が媚毒を注入されたことに気づきそうなものだが、未だに首からじんじんと広がり続ける快楽に頭が茹だっているベルンはちゃんと考えられなかった。
「もうこんなに期待なされて・・・では、始めさせていただきますね♥」
混乱しているベルンを置いて、成美は自分の唾を垂らし、手でベルンのモノを扱き始めた。
にちゃりにちゃりと粘っこい音とリズミカルな手の動きから送られる快感が、ベルンの頭をさらに痺れさせる。
「まずは一度、お出しになってください。兄様の子種、欲しゅうございます♥」
魔物の本性を表した成美に恥ずかしさも躊躇いもなく、手淫を一定の動きから刺激の強弱をつけた動きにし、ベルンのモノの反応を楽しんでいる。
頭と身体を媚毒に侵されたベルンにはひとたまりもなかった。すぐに限界が訪れ、ビクリと腰を跳ねさせながら白濁液を吐き出した。
『びゅるぅっ!びゅーーーっ!びゅ〜〜〜っ!!』
「・・・ッ!・・・ッ!?」
まるで水鉄砲のように噴出された精は、成美の顔を白く塗りたくった。
すでに二度、魔物と交わってるベルンだが、今回の射精の勢いが常軌を逸していることに、目を白黒させた。
もちろん、成美の毒素に犯されたベルンの身体が過剰反応した結果なのだが。
「あ、あぁ・・・兄様の精が、こんなにべったりと・・・♥」
成美は顔に散った精液を舐め取り、うっとりしていた。
テントの入り口から射し込む月明かりが照らす成美の姿は、妖しく、艶めかしかった。しかし、ベルンの目には今から自分を捕食しようとする存在にしか見えなかった。
「あ・・・う・・・」
「兄様・・・♥」
本能的な危機を感じるベルンを置いて、成美は長い身体をベルンに巻きつけ、自分に引き寄せ、肩に腕を回した。
「さぁ、やっと、ひとつに・・・♥」
そして、巻きつけた身体を使って未だそそり立つベルンの怒張を、自分の濡れそぼったワレメに挿入しはじめた。
『ぬぷっ♥ぬぷぷぷ・・・♥』
「あぁ♥兄様の、魔羅が♥入って♥」
「〜〜〜ッ!」
満足に動けないベルンは、声にならない声をあげ、成美は快感と充足感に満ちた喘ぎを漏らす。
そして・・・
『ぬぷぷ・・・みぢぃ・・・ぬぶっ♥』
「いっ・・・づっ・・・」
破瓜の痛みに成美が涙を浮かべ、ぎゅっとベルンを抱きしめた。
ベルンは、すでに二度味わった感触から、この成美の涙の意味を知り、怯えを消し去ってハッとし、成美を心配する目を向けた。
「・・・兄様♥この痛みが、兄様と、ひとつになれた痛みですね・・・嬉しい♥」
涙ながらに笑った成美の顔は、子が親しい間柄・・・それこそ、兄に向けるような無邪気な笑顔だった。ベルンは、今まで持っていた恐怖の感情を和らげ、やっと動くようになった口でしゃべった。
「・・・なる、み・・・だい、じょうぶ・・・か?」
「・・・えぇ、ありがとうございます、兄様♥兄様は、気持ちいいですか?」
成美は、ベルンの声に笑顔で答えた。
対する成美の膣は、ベルンの男根にむしゃぶりつくように肉が這い回り、精を寄越せと貪欲に反応していた。
「あ、あぁ・・・気持ち、よくて・・・辛い、くらいだ・・・」
「良かった・・・♥兄様、動きますね♥痛かったら、言ってください♥」
成美は返事も待たずに、身体を動かし始めた。ベルンの身体は両手で抱きしめながら腰を振り、さらに巻きつけた身体を上手に使ってベルンの腰も動かす。
血だけではなく、すぐに蜜が溢れはじめ、ベルンと成美の耳を淫靡な音が舐め始める。
「兄様、兄様・・・♥」
「う、ぐ・・・」
この時、頭から足先まで快感に焼かれながらも、やっと身体が動かせるようになったベルンは、成美の巻きつきから腕を抜き、良かれと思って成美の顔を引き寄せて口付けをした。
「んぅっ!?」
「んっ・・・」
成美は驚き、ベルンはまだ慣れないながらも、舌を成美の口に入れた。
そこで、成美の態度が急変した。
「ーーーっ♥〜〜〜〜〜〜っ♥」
急に声にならない叫びをあげたと思うと、膣内をぎゅぅっと締め、ガクガクと身体を震わせる。
一瞬ベルンは驚き、舌を戻そうとした。
「んむっ!?」
「あっ♥らめぇっ♥」
ところが、成美はベルンの離れた顔を再度引き戻し、さらに深く口付けをした。どちらかといえば、ベルンの唾液を啜るように、ベルンの舌を自分の口内に引きずり出し、しゃぶり始めた。
「じゅるっ♥じゅるるぅっ♥ずるるるぅっ♥♥」
実は、大百足の毒には混ぜてはならないものがある。男性の唾液だ。
これを大百足が摂取、もしくは毒腺に垂らされると、大百足の毒が変性して大百足本人に効く、さらに毒素の上がった媚毒になるのだ。
成美はその快楽を知ってしまったことで、ベルンの唾液が大層美味に感じ、さらにその味と快楽を享受しようと、貪欲に唾液を啜る。
腰の動きは止まってしまったが、最奥まで咥え込んだ状態で、唾液摂取による激しい快楽に膣が反応してベルンの男根を愛撫し、ベルンも成美も激しい快楽の荒波に揉まれ始める。
「んぅっ♥じゅるるっ♥んぅ〜〜〜♥」
成美の下品な啜る声に、唾液を飲み込む嚥下音。さっきの腰の衝突と粘着音とはまた違ういやらしさが立ち込め、激しいキスによる酸欠もあいまり、ふたりは徐々に意識を薄めてゆく。そんな中で激しく自己主張する快楽に耐えられるはずもなく、やがて限界を超える。
「じゅるるっ♥じゅずずっ♥ずるるるるぅ〜〜〜〜〜〜っ♥♥♥」
「・・・ッ!・・・ッ!!」
『ビュルッ!ビューーーッ!ビューーーーーーッ!!!』
ベルンのモノから吐き出された白濁液は二度目だというのに勢いが萎えることなく、成美の膣奥を叩き、さらに成美を高みへ連れてゆく。成美の膣もそれに悦び、まるで一滴も残さぬように収縮を繰り返して絞り出してしまった。
やっと射精が終わった時、ふらりと倒れたベルンにつられるように成美が倒れこむ。
「・・・兄、様♥」
最後に満足そうな成美の声を耳にしながら、ベルンはゆっくり瞼を閉じた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
『鬱天の密林・入口付近』
(時刻、8:00)
ベルンは、最悪の朝食を迎えていた。
「・・・・・・」(無言の圧力)
「ギリ・・・ギリ・・・」(爪を噛む音)
サティアとクラリアは目をギラギラさせながら超不機嫌で。
「もぐもぐ・・・」
「カリカリカリカリ・・・」
ミルキィとラトラはそれに怯えて少し離れた場所で食べ。
「〜〜〜♥〜〜〜♥」
「〜〜〜♪〜〜〜♪」
成美とマミーは超ご機嫌でベルンにくっついている。
もう分かるであろう。
昨晩の行為でチームワークなんぞドブに捨てたような状態になっているのだ。会話なんて一切ない、団欒なんて雰囲気から180°回れ右した上に地球半周分走って離れたような対極の空気だった。
(・・・き、気まずすぎる・・・)
今日はなにかやらかすかもしれない。そんな考えが頭をよぎったベルンだった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
[鬱天の密林・入口付近
→鬱天の密林・ルートAー2]
(時刻、10:00)
ベルンたちは朝食後、昨日ワーウルフたちがいて探索できなかったエリアに来ていた。茂みの陰では、昨日食べられていた肉がほとんど残らず骨のみになっていた。また、昨日は気づけなかったが、まだ奥に続く道があるのが見えた。
「よし、探索するぞ!」
ベルンが喝を入れてメンバーを振り返るが・・・
「・・・・・・」
(シャーーーッ!)←蛇の威嚇音
「ギリギリギリ・・・」←爪噛み
「・・・ふんっ♪」(誇らしげ)
『ビキィッ!#』
「・・・メロンの人・・・あの三人、怖い・・・」
「あ、あは、あはは・・・わ、私もちょっと怖いかな・・・」
・・・全く信用できない状態だった。ちなみにマミーは流石に徹夜が応えたのか、うとうとしていた。
「・・・ダメだ、こりゃ・・・」
ーーーーーーーーーーーーーーーー
[周囲探索、アイテム探し]
[察知難度:4d10
出目(6、5、10、8)=29]
[ラトラ察知点、30]
[成功!]
(経過時間、30分)
ーーーーーーーーーーーーーーーー
「・・・う〜ん・・・めぼしい物が見つからないな・・・」
マミーを木にもたれさせて休ませたベルンは未だ、何も見つけられていなかった。少々探索系職業についている自分を疑い始めた時、ラトラが近づいてきた。
「いい人ー。こんなの見つけたー!」
ーーーーーーーーーーーーーーーー
[物品鑑定]
[知識難度:ラトラ運勢点(20)+1d6
出目(5)=25]
[ベルン知識点、21+4=25]
[成功!]
ーーーーーーーーーーーーーーーー
「ん・・・あぁ、魔灯花だな。よく見つけるな、お前」
「えへへー。いい人、頭撫でて〜♪」
「子供かお前は。イヤだよ」
「え〜?」
(・・・あっちにいる奴等が黙ってなさそうだからな・・・)
ベルンは、サティアたちのキツい視線を受けて冷や汗をかいていた。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
[ベルン、ハプニング判定!]
(難度より低かったら失敗)
[運勢難度:2d10
出目(10、10)=20]
[運勢判定:8+1d10]
[絶対失敗・・・]
ーーーーーーーーーーーーーーーー
ふと、ベルンは骨になってしまっている死体に目を止めた。
大まかな骨格と頭についてる小さな牙から、子供の魔界豚ではないかという予測ができた。
「・・・可哀想になぁ」
ベルンは、骨に近づき手を合わせた。すると、骨の下に薬草が生えてるのを見つけた。
「あ・・・ラッキー・・・なのかな」
ベルンは、骨を除けて薬草に手を伸ばした。
『ドスゥンッ!』
唐突に響いた足音に、ベルンを含め、全員がギョッと音のした方を向いた。
ベルンたちが来た道に、魔界豚がいた。図体は相当デカく、牙や目の周りに傷を負い、パッと見ただけでここいらのボスではないかと思わせる風体だった。
その魔界豚の目はベルンを見ていた。
ベルンは、魔界豚の子の亡骸を触っていた。
「・・・やっ・・・べ・・・」
ベルンは、魔界豚の生態の一部をうっすらと思い出した。
『・・・魔界豚は普段大人しいが、自分や仲間に危険が及んだ際、非常に凶暴になる・・・』
ベルンは顔を青くし、ゆっくり骨から離れる。
(・・・だ、大丈夫・・・き、昨日だぞ?この豚が襲われたのは昨日だ。もし親ならワーウルフに襲われたくらい知ってておかしく・・・)
『・・・プギャァオォォォォォォォォォッ!!!』
「ふっ・・・ざけんなぁぁぁぁぁぁっ!!!」
しかし、魔界豚が叫び、走り出した瞬間、ベルンは奥に続く道に向かって走り出す。
メンバーたちの声が後ろに遠ざかっていくのを感じながら、ベルンは奥へと逃げた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
[鬱天の密林・入口付近
→鬱天の密林・ルートAー2]
(時刻、11:00)
20分ほど走り続けて逃げたベルンの追いかけっこは、最悪の局面を迎えた。
へろへろになり始めたベルンの目の前から、道がなくなってしまったのだ。
「はぁっ、ぜぇっ・・・いっ!?」
ベルンが足を止め、なんとか落下せずに助かる。いきなり現れた崖は下に川が流れており、壁面はゴツゴツとした岩肌だった。落ちたらひとたまりもない、そんな死のビジョンに、ベルンはゾッとした。
『プギョオォォォォォォッ!!!』
「うっ!?」
しかし、後ろを追ってきた魔界豚の叫びに、ベルンは慌てて振り返ってしまう。
『・・・びしっ!ぼろっ!』
「うっ・・・?」
瞬間、ベルンの右足の地面の感覚がなくなった。
踏む足場をなくしたベルンは、右足から後ろ向きに、重力の引かれるまま・・・
「・・・う、うわっ・・・」
叫び声も上げられず、恐怖と絶望を抱いて、落ちていった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
『ガラガラガラ・・・どっぽーん・・・』
崖を転がり落ち、川に沈んだベルンを見た魔界豚は、満足げにすぴすぴ鼻を鳴らした。
『・・・がさがさっ!』
すると、背後で音がした。魔界豚は反転し、ギロリと睨んだ。
「おぅ、主。傷だらけの魔界豚じゃ。これが依頼された豚ではないかのう?」
「これですね〜?ちゃちゃっと片付けて、大旦那様といちゃいちゃしちゃいます♥」
「・・・勝手にしやがれチクショウ・・・」
大鎌を担いだ娘と、笑っている娘、それに大剣を背負った青年。
魔界豚は、目標を見定め、声高く鳴いた。
『・・・プギョオォォォォォォッ!!!』
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
[鬱天の密林・???]
『・・・ちゃぷ、ちゃぷ・・・』
自分の体が浸かっている水の感触に、微かに意識が目覚める。どうやら、岸に打ち上げられてるらしい。
必死に腕を使い、水から這い出る。
そこで、力尽きる。もう、動けない。
・・・そこで、うっすらと視界のはしに、誰か、いる気が、した・・・
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
[選択肢]
聞こえた言葉は・・・
A、「大丈夫。すぐ、治しますからね」
B、「・・・バカじゃないの、こいつ」
C、「オトコか?珍しいな・・・」
D、「・・・・・・・・・ポッ////」
「成美、どうした?具合でも悪いのか?」
ベルンは、俯き黙り込んだまま夕食にあまり手をつけない成美に声をかけた。
「え、へっ!?いえ、そんなことは・・・」
「そうか?」
「は、はい。大丈夫ですよ、兄様」
成美はニコリと笑って返し食事を再開したが、すぐにまた顔を俯かせてしまった。
疑問に思ったベルンは、隣に座っているサティアに尋ねた。
(おい、サティア)
(・・・なによ)
(成美の様子がおかしいけど、なんかあったのか?)
(・・・知らない。バカ)
なぜか罵られたベルンは目をパチクリさせる。対するサティアは不機嫌なまま、食事を再開していた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
時刻は10時を回ろうとしていた。
そんなとき、ベルンは目をつむりながらも、汗を流して緊張していた。
(な、な、な・・・なんで・・・)
ベルンの横には成美が寝ており、ベルンと成美はお互いを背にしていた。
(なんで俺と成美が寝てんだよ!?)
最初、ベルンは女子たちにテントを明け渡し、自分は夜の見張りをするつもりだった。ところが女子全員に『却下!』と言われ、ベルンが片方のテントで寝ることになったのだ。ところが、ベルンが横になってしばらくしてから、成美が静々と入って来て、無言で横になったのだ。
ベルンはぎょっとしたが、成美が何も話さないため、ベルンも何も言い出せず黙って寝ている。しかし、横で寝られて混乱と緊張で眠れず、2時間ほど、このままだったのだ。
(こ、このまま何事もなければいいんだが・・・)
しかし。
そのベルンの期待はあっという間に裏切られる。
「・・・モウ、我慢デキナイ」
ベルンの背後でそんな声が聞こえた。
ドキッとしたベルンが首をねじって声を出した本人を見ようとした時、ぶつり、と首を刺された。
『ドクンッ!』
「・・・うっ、あがっ・・・」
瞬間、ベルンの首から猛烈な熱と痺れ、そして、快楽が広がった。その広がりようは血管を駆け巡り、ベルンはその感覚に身体を悶えさせた。
「な、るみッ!?」
「あぁ・・・兄様・・・♥」
成美は起き上がり、恍惚に顔を染め、テントの入り口の隙間から差し込む月の光をバックに両頬を手で覆って見下していた。
「兄様が悪いんですよ・・・いつまで待っても、私に手を出してくれないから・・・♥」
成美の顔の横で尻尾の顎肢がギチギチと音を鳴らしている。その先端からは粘っこそうな液体が垂れていた。
(なん・・・だ?なにを・・・された?)
ベルンはジパングの魔物の知識に疎かったため、今、何をされたのか、何が起こっているのか分からず、身体を巡る快楽に意識が不安定になりはじめた。
「兄様・・・お苦しいでしょう?今、楽にしてあげます・・・♥」
そう言いながら、成美がベルンのズボンを脱がし始めた。やめろ、とベルンは言おうとしたが、身体に力が入らず、口さえしっかり動かせなかった。
「あぁ・・・これが、兄様の、魔羅なのですね・・・♥」
とうとう脱がされてしまったズボンの中から出てきたソレはすでに興奮しきっており、青筋を浮かべて天を突いていた。
(な、なんだ・・・なんでこんな・・・)
ここまで来れば、自分が媚毒を注入されたことに気づきそうなものだが、未だに首からじんじんと広がり続ける快楽に頭が茹だっているベルンはちゃんと考えられなかった。
「もうこんなに期待なされて・・・では、始めさせていただきますね♥」
混乱しているベルンを置いて、成美は自分の唾を垂らし、手でベルンのモノを扱き始めた。
にちゃりにちゃりと粘っこい音とリズミカルな手の動きから送られる快感が、ベルンの頭をさらに痺れさせる。
「まずは一度、お出しになってください。兄様の子種、欲しゅうございます♥」
魔物の本性を表した成美に恥ずかしさも躊躇いもなく、手淫を一定の動きから刺激の強弱をつけた動きにし、ベルンのモノの反応を楽しんでいる。
頭と身体を媚毒に侵されたベルンにはひとたまりもなかった。すぐに限界が訪れ、ビクリと腰を跳ねさせながら白濁液を吐き出した。
『びゅるぅっ!びゅーーーっ!びゅ〜〜〜っ!!』
「・・・ッ!・・・ッ!?」
まるで水鉄砲のように噴出された精は、成美の顔を白く塗りたくった。
すでに二度、魔物と交わってるベルンだが、今回の射精の勢いが常軌を逸していることに、目を白黒させた。
もちろん、成美の毒素に犯されたベルンの身体が過剰反応した結果なのだが。
「あ、あぁ・・・兄様の精が、こんなにべったりと・・・♥」
成美は顔に散った精液を舐め取り、うっとりしていた。
テントの入り口から射し込む月明かりが照らす成美の姿は、妖しく、艶めかしかった。しかし、ベルンの目には今から自分を捕食しようとする存在にしか見えなかった。
「あ・・・う・・・」
「兄様・・・♥」
本能的な危機を感じるベルンを置いて、成美は長い身体をベルンに巻きつけ、自分に引き寄せ、肩に腕を回した。
「さぁ、やっと、ひとつに・・・♥」
そして、巻きつけた身体を使って未だそそり立つベルンの怒張を、自分の濡れそぼったワレメに挿入しはじめた。
『ぬぷっ♥ぬぷぷぷ・・・♥』
「あぁ♥兄様の、魔羅が♥入って♥」
「〜〜〜ッ!」
満足に動けないベルンは、声にならない声をあげ、成美は快感と充足感に満ちた喘ぎを漏らす。
そして・・・
『ぬぷぷ・・・みぢぃ・・・ぬぶっ♥』
「いっ・・・づっ・・・」
破瓜の痛みに成美が涙を浮かべ、ぎゅっとベルンを抱きしめた。
ベルンは、すでに二度味わった感触から、この成美の涙の意味を知り、怯えを消し去ってハッとし、成美を心配する目を向けた。
「・・・兄様♥この痛みが、兄様と、ひとつになれた痛みですね・・・嬉しい♥」
涙ながらに笑った成美の顔は、子が親しい間柄・・・それこそ、兄に向けるような無邪気な笑顔だった。ベルンは、今まで持っていた恐怖の感情を和らげ、やっと動くようになった口でしゃべった。
「・・・なる、み・・・だい、じょうぶ・・・か?」
「・・・えぇ、ありがとうございます、兄様♥兄様は、気持ちいいですか?」
成美は、ベルンの声に笑顔で答えた。
対する成美の膣は、ベルンの男根にむしゃぶりつくように肉が這い回り、精を寄越せと貪欲に反応していた。
「あ、あぁ・・・気持ち、よくて・・・辛い、くらいだ・・・」
「良かった・・・♥兄様、動きますね♥痛かったら、言ってください♥」
成美は返事も待たずに、身体を動かし始めた。ベルンの身体は両手で抱きしめながら腰を振り、さらに巻きつけた身体を上手に使ってベルンの腰も動かす。
血だけではなく、すぐに蜜が溢れはじめ、ベルンと成美の耳を淫靡な音が舐め始める。
「兄様、兄様・・・♥」
「う、ぐ・・・」
この時、頭から足先まで快感に焼かれながらも、やっと身体が動かせるようになったベルンは、成美の巻きつきから腕を抜き、良かれと思って成美の顔を引き寄せて口付けをした。
「んぅっ!?」
「んっ・・・」
成美は驚き、ベルンはまだ慣れないながらも、舌を成美の口に入れた。
そこで、成美の態度が急変した。
「ーーーっ♥〜〜〜〜〜〜っ♥」
急に声にならない叫びをあげたと思うと、膣内をぎゅぅっと締め、ガクガクと身体を震わせる。
一瞬ベルンは驚き、舌を戻そうとした。
「んむっ!?」
「あっ♥らめぇっ♥」
ところが、成美はベルンの離れた顔を再度引き戻し、さらに深く口付けをした。どちらかといえば、ベルンの唾液を啜るように、ベルンの舌を自分の口内に引きずり出し、しゃぶり始めた。
「じゅるっ♥じゅるるぅっ♥ずるるるぅっ♥♥」
実は、大百足の毒には混ぜてはならないものがある。男性の唾液だ。
これを大百足が摂取、もしくは毒腺に垂らされると、大百足の毒が変性して大百足本人に効く、さらに毒素の上がった媚毒になるのだ。
成美はその快楽を知ってしまったことで、ベルンの唾液が大層美味に感じ、さらにその味と快楽を享受しようと、貪欲に唾液を啜る。
腰の動きは止まってしまったが、最奥まで咥え込んだ状態で、唾液摂取による激しい快楽に膣が反応してベルンの男根を愛撫し、ベルンも成美も激しい快楽の荒波に揉まれ始める。
「んぅっ♥じゅるるっ♥んぅ〜〜〜♥」
成美の下品な啜る声に、唾液を飲み込む嚥下音。さっきの腰の衝突と粘着音とはまた違ういやらしさが立ち込め、激しいキスによる酸欠もあいまり、ふたりは徐々に意識を薄めてゆく。そんな中で激しく自己主張する快楽に耐えられるはずもなく、やがて限界を超える。
「じゅるるっ♥じゅずずっ♥ずるるるるぅ〜〜〜〜〜〜っ♥♥♥」
「・・・ッ!・・・ッ!!」
『ビュルッ!ビューーーッ!ビューーーーーーッ!!!』
ベルンのモノから吐き出された白濁液は二度目だというのに勢いが萎えることなく、成美の膣奥を叩き、さらに成美を高みへ連れてゆく。成美の膣もそれに悦び、まるで一滴も残さぬように収縮を繰り返して絞り出してしまった。
やっと射精が終わった時、ふらりと倒れたベルンにつられるように成美が倒れこむ。
「・・・兄、様♥」
最後に満足そうな成美の声を耳にしながら、ベルンはゆっくり瞼を閉じた。
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『鬱天の密林・入口付近』
(時刻、8:00)
ベルンは、最悪の朝食を迎えていた。
「・・・・・・」(無言の圧力)
「ギリ・・・ギリ・・・」(爪を噛む音)
サティアとクラリアは目をギラギラさせながら超不機嫌で。
「もぐもぐ・・・」
「カリカリカリカリ・・・」
ミルキィとラトラはそれに怯えて少し離れた場所で食べ。
「〜〜〜♥〜〜〜♥」
「〜〜〜♪〜〜〜♪」
成美とマミーは超ご機嫌でベルンにくっついている。
もう分かるであろう。
昨晩の行為でチームワークなんぞドブに捨てたような状態になっているのだ。会話なんて一切ない、団欒なんて雰囲気から180°回れ右した上に地球半周分走って離れたような対極の空気だった。
(・・・き、気まずすぎる・・・)
今日はなにかやらかすかもしれない。そんな考えが頭をよぎったベルンだった。
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[鬱天の密林・入口付近
→鬱天の密林・ルートAー2]
(時刻、10:00)
ベルンたちは朝食後、昨日ワーウルフたちがいて探索できなかったエリアに来ていた。茂みの陰では、昨日食べられていた肉がほとんど残らず骨のみになっていた。また、昨日は気づけなかったが、まだ奥に続く道があるのが見えた。
「よし、探索するぞ!」
ベルンが喝を入れてメンバーを振り返るが・・・
「・・・・・・」
(シャーーーッ!)←蛇の威嚇音
「ギリギリギリ・・・」←爪噛み
「・・・ふんっ♪」(誇らしげ)
『ビキィッ!#』
「・・・メロンの人・・・あの三人、怖い・・・」
「あ、あは、あはは・・・わ、私もちょっと怖いかな・・・」
・・・全く信用できない状態だった。ちなみにマミーは流石に徹夜が応えたのか、うとうとしていた。
「・・・ダメだ、こりゃ・・・」
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[周囲探索、アイテム探し]
[察知難度:4d10
出目(6、5、10、8)=29]
[ラトラ察知点、30]
[成功!]
(経過時間、30分)
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「・・・う〜ん・・・めぼしい物が見つからないな・・・」
マミーを木にもたれさせて休ませたベルンは未だ、何も見つけられていなかった。少々探索系職業についている自分を疑い始めた時、ラトラが近づいてきた。
「いい人ー。こんなの見つけたー!」
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[物品鑑定]
[知識難度:ラトラ運勢点(20)+1d6
出目(5)=25]
[ベルン知識点、21+4=25]
[成功!]
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「ん・・・あぁ、魔灯花だな。よく見つけるな、お前」
「えへへー。いい人、頭撫でて〜♪」
「子供かお前は。イヤだよ」
「え〜?」
(・・・あっちにいる奴等が黙ってなさそうだからな・・・)
ベルンは、サティアたちのキツい視線を受けて冷や汗をかいていた。
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[ベルン、ハプニング判定!]
(難度より低かったら失敗)
[運勢難度:2d10
出目(10、10)=20]
[運勢判定:8+1d10]
[絶対失敗・・・]
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ふと、ベルンは骨になってしまっている死体に目を止めた。
大まかな骨格と頭についてる小さな牙から、子供の魔界豚ではないかという予測ができた。
「・・・可哀想になぁ」
ベルンは、骨に近づき手を合わせた。すると、骨の下に薬草が生えてるのを見つけた。
「あ・・・ラッキー・・・なのかな」
ベルンは、骨を除けて薬草に手を伸ばした。
『ドスゥンッ!』
唐突に響いた足音に、ベルンを含め、全員がギョッと音のした方を向いた。
ベルンたちが来た道に、魔界豚がいた。図体は相当デカく、牙や目の周りに傷を負い、パッと見ただけでここいらのボスではないかと思わせる風体だった。
その魔界豚の目はベルンを見ていた。
ベルンは、魔界豚の子の亡骸を触っていた。
「・・・やっ・・・べ・・・」
ベルンは、魔界豚の生態の一部をうっすらと思い出した。
『・・・魔界豚は普段大人しいが、自分や仲間に危険が及んだ際、非常に凶暴になる・・・』
ベルンは顔を青くし、ゆっくり骨から離れる。
(・・・だ、大丈夫・・・き、昨日だぞ?この豚が襲われたのは昨日だ。もし親ならワーウルフに襲われたくらい知ってておかしく・・・)
『・・・プギャァオォォォォォォォォォッ!!!』
「ふっ・・・ざけんなぁぁぁぁぁぁっ!!!」
しかし、魔界豚が叫び、走り出した瞬間、ベルンは奥に続く道に向かって走り出す。
メンバーたちの声が後ろに遠ざかっていくのを感じながら、ベルンは奥へと逃げた。
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[鬱天の密林・入口付近
→鬱天の密林・ルートAー2]
(時刻、11:00)
20分ほど走り続けて逃げたベルンの追いかけっこは、最悪の局面を迎えた。
へろへろになり始めたベルンの目の前から、道がなくなってしまったのだ。
「はぁっ、ぜぇっ・・・いっ!?」
ベルンが足を止め、なんとか落下せずに助かる。いきなり現れた崖は下に川が流れており、壁面はゴツゴツとした岩肌だった。落ちたらひとたまりもない、そんな死のビジョンに、ベルンはゾッとした。
『プギョオォォォォォォッ!!!』
「うっ!?」
しかし、後ろを追ってきた魔界豚の叫びに、ベルンは慌てて振り返ってしまう。
『・・・びしっ!ぼろっ!』
「うっ・・・?」
瞬間、ベルンの右足の地面の感覚がなくなった。
踏む足場をなくしたベルンは、右足から後ろ向きに、重力の引かれるまま・・・
「・・・う、うわっ・・・」
叫び声も上げられず、恐怖と絶望を抱いて、落ちていった。
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『ガラガラガラ・・・どっぽーん・・・』
崖を転がり落ち、川に沈んだベルンを見た魔界豚は、満足げにすぴすぴ鼻を鳴らした。
『・・・がさがさっ!』
すると、背後で音がした。魔界豚は反転し、ギロリと睨んだ。
「おぅ、主。傷だらけの魔界豚じゃ。これが依頼された豚ではないかのう?」
「これですね〜?ちゃちゃっと片付けて、大旦那様といちゃいちゃしちゃいます♥」
「・・・勝手にしやがれチクショウ・・・」
大鎌を担いだ娘と、笑っている娘、それに大剣を背負った青年。
魔界豚は、目標を見定め、声高く鳴いた。
『・・・プギョオォォォォォォッ!!!』
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[鬱天の密林・???]
『・・・ちゃぷ、ちゃぷ・・・』
自分の体が浸かっている水の感触に、微かに意識が目覚める。どうやら、岸に打ち上げられてるらしい。
必死に腕を使い、水から這い出る。
そこで、力尽きる。もう、動けない。
・・・そこで、うっすらと視界のはしに、誰か、いる気が、した・・・
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[選択肢]
聞こえた言葉は・・・
A、「大丈夫。すぐ、治しますからね」
B、「・・・バカじゃないの、こいつ」
C、「オトコか?珍しいな・・・」
D、「・・・・・・・・・ポッ////」
12/11/30 17:25更新 / ganota_Mk2
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