GOSHEEP
午後の授業、その教師は教室の扉を開けた。
いつも生徒からはタバコくさいと言われながら、自身のにおいに頓着しない人だったが、教室の強烈なコーヒーのにおいにはさすがに顔をしかめた。
「……詩藤、お前いい加減にしろと何度も…」
「ん?こんにちは先生。そんなこといわれてもね。ぼくはコレがないと授業中に寝てしまうんだよ?校則にも『魔物の生徒が自身の特性によって学業等に支障をきたす場合は、できる限りその対応を自身で行うこと』ってね。ぼくはきちんと校則に則っているつもりだよ?先生」
ストレートな黒髪、白い肌、腕と脛の周りにある狼のような生え方をしている毛、黒いマニキュア、目の下にある隈、そして…
頭に生えた。ねじ曲がった角。
すわどこの悪魔かと聞きたくなるような外見をしているが、彼女は悪魔ではない。ワーシープであった。
「はぁ、」
「なんだい?言いたいことがあるならはっきりと言ってほしいねぇ?」
「すいません。先生、あとできっちり僕が言い聞かせますから。」
「ああ、よろしく頼むぞ。」
間に入ったのは詩藤の幼馴染、篠川とおるだ。普通の人間であり、彼女に何か正面切ってものを言える稀有な人物でもあった。
「いいじゃないか、コーヒーがないと僕は寝てしまう。それともそこまでして僕に成績で勝ちたいのかい?」
「黙れ。先生はお前の態度のことを言ってるんだ。」
「はぁ、やはり君も僕をこの外見で決めつけるその他大勢と同じというわけだね。ああ、嘆かわしいったらありゃしない。」
「僕はお前をきちんと見ている。だから忠告しているんだぞ。」
「ああ、そうかい。はいはい。先生、授業をお願いします。」
「……よし、教科書を開け、今日は…」
……放課後。
「さて、とおる、帰ろうか。」
「ああ、そうだな。」
授業中の会話は険悪にしか見えないのに、なんだかんだで一緒に帰るのは、大いなる謎とされている。
二人で教室を出ていく。とおるはふと思い出す。
……
『やはり君も僕をこの外見で決めつけるその他大勢と同じというわけだね。』
詩藤無垢はその外見から、あらゆる迫害を受けてきた。この国の調査によると黒いワーシープは1000人に一人と報告されているし、そのことはこの国では割と知られていた。
しかし、詩藤無垢は毛の色だけでなく、質まで特殊だった。
まるでこの国の大和撫子のような、美しいストレートヘアに、狼のような手足の毛。
ワーシープのイメージからどこまでも遠いその毛質。
魔物娘は昔は異形と呼ばれていたが、彼女はその魔物娘から見ても異形だった。
両親こそ、彼女の味方だったが、いかんせん子供たちはそのような事情など知らない。幼稚園にいたころから遠巻きにいじめられていた。外見の怖さから直接の暴言、暴力こそなかったが、相手がわからないからこそ、敵味方がわからないからこそ、一時は両親にまでおびえてたこともあった。
眠っていることも不安だった。しかし、一応ワーシープだった彼女は自身の眠気を感じていた。
だから、彼女は齢5歳にしてコーヒーを愛飲していた。
そんなある日、とおるはこの町にやってきた。当時小学2年生。そこで彼は彼女に出会い、思った。
『カッコイイ』
『美しい』
それから、彼は彼女を意識し始めていた。
(なんで彼女はこんなに美しいのだろう。)
(なんで彼女はこんなにカッコイイのだろう。)
(なんで彼女はあんな大人の飲み物を飲んでいるんだろう。)
(なんで彼女はいつも一人なんだろう。)
(なんで彼女は本を借りて、わざわざ人気のない場所に行ってから読むんだろう。)
(知りたい。)
(彼女を)
いまだ彼女は姿なきいじめを受けていた。なので、いざ直接人間と接触するのには慣れていなかった。
「ねぇ!ええと、詩藤ちゃん?」
「疑問形で名前を呼ぶくらいならいっそ声をかけないでくれるかな?」
「うん!ごめん!」
「……わかったら、早くどっかいって。」
「ねぇ!なに飲んでるの!?」
「……コーヒーだよ。」
「へぇ〜。ねぇ!ちょっと飲ませてよ!」
「……はい」
「んっ、ゴクッ、うえっ!にっが!」
「……だろうね。いいからどっかいってくれるかな?」
「ねえ!何読んでるの!?」
「……夢九夜」
「なにかいてあるの!?」
「……自分で読んだらどうだい?」
「うん!そうだ!」
「まだなにか?」
「うん!なんでそんなに綺麗でカッコイイの!」
「ん、ぐふっ!……ごほっ!けほっ!」
「ねぇ、なんで?」
「……いいからっ、消えてくれないかな///」
「う〜ん。ねえ、これ、一緒に読んでいい?」
「……やだね。」
「え〜。」
「……ハァ、ほら」
「…っ!うん!」
夢九夜は半分もわからなかったが、解説されながら聞くのはとても面白かった。
……
コツッ、コツッ、コツッ
前を彼女がいく。彼はついていく。まるであの日のように。
「ねぇ、何か話してくれないかな?このままただ歩くのは退屈だよ。」
「ああ、え〜と前にいた、エキドナのカップルなんだけど…」
「やめてくれ。拷問の話は聞きたくない。それとも君はあれが気持ちいいようにみえるのかい?そんな性癖があったとはね。」
「……そういわれると、もうネタが思いつかないんだが。」
「あきれた。そんなことだから君はモテないんだよ?」
「はいはい。申し訳ありませんでした。まあモテたいとも思わないからな。」
「ふぅん。」
そうこうしているうちに彼女の家につく。いじめからの決別を理由に彼女は一人暮らしをしている。
「ねぇ、たまにはうちに来ないかい?」
「……いいのか?」
「ああ、いいとも。」
……
彼女の家に入る。
「ちょっと着替えてくるよ。」
「ああ、そうか」
「ま、どうせ意味なんかないけどね」
彼女の声は聞こえなかった。
「やあ、おまたせ。こっちだよ。」
「え、部屋いいのか?」
「常に散らかってる君の部屋と一緒にされるのは困るよ。」
「……はぁ」
「さて、お待ちかねの部屋だ。入っておいで。コーヒーでもだそう。」
「おまえんちにはそれしかないだけだろうが」
そんなやり取りのあと、彼女がコーヒーを持ってくる。
「はい、おまちどおさん。」
「相変わらずうまいな。どう淹れてるんだ?」
「それは企業秘密ってものさ。」
「ふぅん。あ、そうだ、『大空の猛禽たち』でもやるか。」
「うん、いいね。僕も最近ミサイル回避がうまくなってきたからね。」
「じゃあ、お手並み拝見といこうじゃないか。」
……30分後……
「うん?もう終わりかい?あの啖呵はなんだったんだい?」
「はあっ、はあっ、な、なんか、ちょ、調子が、悪くって」
「ああ、そうかい。でもそれは嘘だね。」
「……?」
「君、こんなに絶好調じゃないか」
彼女はそう言って僕のモノをズボン越しに触った。
「……っっく!」
「どうした?逃げないのかい?」
「……お前、あのコーヒーにっ」
「割とかかったね。でももうこれなら…」
彼女は僕を抱く。
「ふふっ、こんなにも醜い私にこんなに興奮するとはね。縁を切りたいくらいだよ。」
彼女は醜くなどない。しかし、そういう問題ではないだろう。
「いったい、なんだってンだ。」
「君は男、僕は女、君は人間、僕は魔物だ。十分じゃないか。」
「そ、んなこと…!」
「本当はもうすこし早く、中学の卒業式にでもやろうかと思ってたんだけどね。薬がなかなか届かなくって、卒業式に間に合わなかったんだ。しょうがなく、高校まで追っかけてきたんだよ。焦らすにもほどがあるよねぇ?」
「も、し僕が拒否ったら…」
「その時は別の高校に行こうと思ってたさ。気まずいからね。でもまぁ、遅くなってよかったとは思っているよ。おかげでこんな僕を好きになってくれるのは君だけだろうと気付けた。君が拒否したら?拒否されたらどうしよう?僕もそう思ったさ。もう君しかいない。だから決して離れるわけにはいかない。というわけでこれさ。サキュバスの秘薬にマミのー呪いを練りこんである希少な薬。これさえあれば君は一発で堕ちるだろうからね。」
「くっ…ふぁッ!?」
「今の君は服がこすれるだけで快感がはしる。動かないことだよ?」
彼女は僕を脱がす。熱に浮かされているようなのに、僕は背筋に冷たい快感を感じた。
彼女も服を脱ぐ。
彼女は恐ろしさを感じずにはいられないくらい美しい。精を吸われるどころじゃない。魂まで持ってかれそうだ。
「ほらぁ、…そんなに、釘付けじゃないか。、君みたいなオスは、みんなそうなのかな?」
彼女はそう言ってゆっくりと体を合わせる柔らかな胸の感触を直接感じる。こりこりした乳首が僕の乳首の周りを焦らすように撫でて行く。
「はぁ、はぁ、ふふっ…胸を責められてよがるとは…ね。君は本当に男なのかい?確認を、しなきゃねぇ。」
「……っ!やめろっ。お前、さっきさわっ!!」
ズボンを押し上げていたモノはチャックの開く感触だけでビクビクしてしまう。
「へぇ、初めて見るけど…。いいね。匂いなんてもう…。」
彼女は舌を伸ばしてタマからカリまでゆっくりとなめていく。鈴口には透明な知るが染み出てきた。
「ん、んむぅ!」
彼女はいきなり彼のモノを咥え、思いっきり吸い上げる。痙攣とともに快感が走る。強烈な吸引はタマの袋の皮をも吸い上げる。まるで揉まれるような感触に彼は背筋の寒くなる思いで酔いしれる。
「はぁっ!、はぁ、、はぁ、、我慢、できなかった。…ふふっ、もっと、くれないか?」
いうが早いか彼女は僕の尻に手をまわして思いっきり顔を股間にうずめた。舌が裏筋で蠢き、口が一気に絶頂まで吸い上げる。
「う、あああああ!」
「うっ、んむっ!?んん、んむぅ」
驚いたらしい彼女は少し口からこぼした。
「ふぅ、…あれ、そういえば僕は君とキスすらしてなかったねぇ。まぁ、これが僕から君へのファーストキスってところかな。」
彼女はゆっくりと体をこすりつけて迫ってくる。
「お、お前…」
首筋をなめながら腰を動かす。快楽が自分の上で蠢くようだった。
「では、さっそく…んッ、ああっ、くっ、ううううう」
「あ、あぁ、ああぁあ」
彼女の中は拒否するようにきつく、しがみつくように絡まってくる。肌に触れるさらさらの髪が僕の全身を愛撫する。
「うぅう!うっっ、ぐっ!」
「はぁ、はは、ははははははは!手に入れた!君を!なんだい、まるで処女でも失ったような顔だよ?失ったのは僕だというのに」
「はぁ、うっ、ううっ!」
びゅる…
「うんっ♪き、みぃ、少し、早くないかい?先走りにも、多すぎる。」
「うう、そんなに、、シメるから。」
「へぇ、そうかい。じゃあこんなのはどうだい?」
彼女は腰を円状に回す。全方位からの亀頭責めにまた少し出そうになる。
「は、、はは、ははぁ♪あんっ、ん、んんああ、ひ、ひろがっ、って!いい!」
「う、うう、」
「はぁ、はぁ、はふぅ、…そろそろ、本格的に、イッてもらうよ!」
「うっ!、、ううぅ、い、いっ」
激しく動く腰が、到底入らないような狭い膣を動かす。ぎりぎりと握りしめられていく。
「ああ、あ!む、無垢!、だめ、だ!こ、ども、できたら!どうするってんだ!」
「最高だ!孕めば!きみは一生!ぼくのものだ!」
「くう、あ、ああ」
何を言っても通じない。しかも彼女は高らかに孕ませてくれと懇願する。
「なぁ、う、は、早く、ぼくに!こ、子種を!は、孕ま、せて♪君をっ、ぼくだけの、ものに、させてぇっ♪」
彼のモノが『孕ませて』という言葉に反応する。びくびくという反応し、さらに硬く、大きくなっていく。睾丸は火のように熱くなっているのがわかった。
「はぁっ、、い、いいぞ!おっきくなった♪ぼ、ぼくも、君の、ものになるぅ♪」
「う、あ、ああ、あああああああ!!」
どぷっ、ぐぷっ、どっぷ、どぷゅゅゅ
「ああ、ああ、ああ。」
「う、、で、てる、抜、い、てぇっ」
「うう、は、腹が、おお、き、く」
彼の射精により、彼女の下腹部は若干盛り上がってきていた。
「あ、はは、君は、もう
彼女はそっとしなだれ、囁く
僕のものだ」
『大空の猛禽たち』の画面には(Game Over)の文字が躍っていた。
いつも生徒からはタバコくさいと言われながら、自身のにおいに頓着しない人だったが、教室の強烈なコーヒーのにおいにはさすがに顔をしかめた。
「……詩藤、お前いい加減にしろと何度も…」
「ん?こんにちは先生。そんなこといわれてもね。ぼくはコレがないと授業中に寝てしまうんだよ?校則にも『魔物の生徒が自身の特性によって学業等に支障をきたす場合は、できる限りその対応を自身で行うこと』ってね。ぼくはきちんと校則に則っているつもりだよ?先生」
ストレートな黒髪、白い肌、腕と脛の周りにある狼のような生え方をしている毛、黒いマニキュア、目の下にある隈、そして…
頭に生えた。ねじ曲がった角。
すわどこの悪魔かと聞きたくなるような外見をしているが、彼女は悪魔ではない。ワーシープであった。
「はぁ、」
「なんだい?言いたいことがあるならはっきりと言ってほしいねぇ?」
「すいません。先生、あとできっちり僕が言い聞かせますから。」
「ああ、よろしく頼むぞ。」
間に入ったのは詩藤の幼馴染、篠川とおるだ。普通の人間であり、彼女に何か正面切ってものを言える稀有な人物でもあった。
「いいじゃないか、コーヒーがないと僕は寝てしまう。それともそこまでして僕に成績で勝ちたいのかい?」
「黙れ。先生はお前の態度のことを言ってるんだ。」
「はぁ、やはり君も僕をこの外見で決めつけるその他大勢と同じというわけだね。ああ、嘆かわしいったらありゃしない。」
「僕はお前をきちんと見ている。だから忠告しているんだぞ。」
「ああ、そうかい。はいはい。先生、授業をお願いします。」
「……よし、教科書を開け、今日は…」
……放課後。
「さて、とおる、帰ろうか。」
「ああ、そうだな。」
授業中の会話は険悪にしか見えないのに、なんだかんだで一緒に帰るのは、大いなる謎とされている。
二人で教室を出ていく。とおるはふと思い出す。
……
『やはり君も僕をこの外見で決めつけるその他大勢と同じというわけだね。』
詩藤無垢はその外見から、あらゆる迫害を受けてきた。この国の調査によると黒いワーシープは1000人に一人と報告されているし、そのことはこの国では割と知られていた。
しかし、詩藤無垢は毛の色だけでなく、質まで特殊だった。
まるでこの国の大和撫子のような、美しいストレートヘアに、狼のような手足の毛。
ワーシープのイメージからどこまでも遠いその毛質。
魔物娘は昔は異形と呼ばれていたが、彼女はその魔物娘から見ても異形だった。
両親こそ、彼女の味方だったが、いかんせん子供たちはそのような事情など知らない。幼稚園にいたころから遠巻きにいじめられていた。外見の怖さから直接の暴言、暴力こそなかったが、相手がわからないからこそ、敵味方がわからないからこそ、一時は両親にまでおびえてたこともあった。
眠っていることも不安だった。しかし、一応ワーシープだった彼女は自身の眠気を感じていた。
だから、彼女は齢5歳にしてコーヒーを愛飲していた。
そんなある日、とおるはこの町にやってきた。当時小学2年生。そこで彼は彼女に出会い、思った。
『カッコイイ』
『美しい』
それから、彼は彼女を意識し始めていた。
(なんで彼女はこんなに美しいのだろう。)
(なんで彼女はこんなにカッコイイのだろう。)
(なんで彼女はあんな大人の飲み物を飲んでいるんだろう。)
(なんで彼女はいつも一人なんだろう。)
(なんで彼女は本を借りて、わざわざ人気のない場所に行ってから読むんだろう。)
(知りたい。)
(彼女を)
いまだ彼女は姿なきいじめを受けていた。なので、いざ直接人間と接触するのには慣れていなかった。
「ねぇ!ええと、詩藤ちゃん?」
「疑問形で名前を呼ぶくらいならいっそ声をかけないでくれるかな?」
「うん!ごめん!」
「……わかったら、早くどっかいって。」
「ねぇ!なに飲んでるの!?」
「……コーヒーだよ。」
「へぇ〜。ねぇ!ちょっと飲ませてよ!」
「……はい」
「んっ、ゴクッ、うえっ!にっが!」
「……だろうね。いいからどっかいってくれるかな?」
「ねえ!何読んでるの!?」
「……夢九夜」
「なにかいてあるの!?」
「……自分で読んだらどうだい?」
「うん!そうだ!」
「まだなにか?」
「うん!なんでそんなに綺麗でカッコイイの!」
「ん、ぐふっ!……ごほっ!けほっ!」
「ねぇ、なんで?」
「……いいからっ、消えてくれないかな///」
「う〜ん。ねえ、これ、一緒に読んでいい?」
「……やだね。」
「え〜。」
「……ハァ、ほら」
「…っ!うん!」
夢九夜は半分もわからなかったが、解説されながら聞くのはとても面白かった。
……
コツッ、コツッ、コツッ
前を彼女がいく。彼はついていく。まるであの日のように。
「ねぇ、何か話してくれないかな?このままただ歩くのは退屈だよ。」
「ああ、え〜と前にいた、エキドナのカップルなんだけど…」
「やめてくれ。拷問の話は聞きたくない。それとも君はあれが気持ちいいようにみえるのかい?そんな性癖があったとはね。」
「……そういわれると、もうネタが思いつかないんだが。」
「あきれた。そんなことだから君はモテないんだよ?」
「はいはい。申し訳ありませんでした。まあモテたいとも思わないからな。」
「ふぅん。」
そうこうしているうちに彼女の家につく。いじめからの決別を理由に彼女は一人暮らしをしている。
「ねぇ、たまにはうちに来ないかい?」
「……いいのか?」
「ああ、いいとも。」
……
彼女の家に入る。
「ちょっと着替えてくるよ。」
「ああ、そうか」
「ま、どうせ意味なんかないけどね」
彼女の声は聞こえなかった。
「やあ、おまたせ。こっちだよ。」
「え、部屋いいのか?」
「常に散らかってる君の部屋と一緒にされるのは困るよ。」
「……はぁ」
「さて、お待ちかねの部屋だ。入っておいで。コーヒーでもだそう。」
「おまえんちにはそれしかないだけだろうが」
そんなやり取りのあと、彼女がコーヒーを持ってくる。
「はい、おまちどおさん。」
「相変わらずうまいな。どう淹れてるんだ?」
「それは企業秘密ってものさ。」
「ふぅん。あ、そうだ、『大空の猛禽たち』でもやるか。」
「うん、いいね。僕も最近ミサイル回避がうまくなってきたからね。」
「じゃあ、お手並み拝見といこうじゃないか。」
……30分後……
「うん?もう終わりかい?あの啖呵はなんだったんだい?」
「はあっ、はあっ、な、なんか、ちょ、調子が、悪くって」
「ああ、そうかい。でもそれは嘘だね。」
「……?」
「君、こんなに絶好調じゃないか」
彼女はそう言って僕のモノをズボン越しに触った。
「……っっく!」
「どうした?逃げないのかい?」
「……お前、あのコーヒーにっ」
「割とかかったね。でももうこれなら…」
彼女は僕を抱く。
「ふふっ、こんなにも醜い私にこんなに興奮するとはね。縁を切りたいくらいだよ。」
彼女は醜くなどない。しかし、そういう問題ではないだろう。
「いったい、なんだってンだ。」
「君は男、僕は女、君は人間、僕は魔物だ。十分じゃないか。」
「そ、んなこと…!」
「本当はもうすこし早く、中学の卒業式にでもやろうかと思ってたんだけどね。薬がなかなか届かなくって、卒業式に間に合わなかったんだ。しょうがなく、高校まで追っかけてきたんだよ。焦らすにもほどがあるよねぇ?」
「も、し僕が拒否ったら…」
「その時は別の高校に行こうと思ってたさ。気まずいからね。でもまぁ、遅くなってよかったとは思っているよ。おかげでこんな僕を好きになってくれるのは君だけだろうと気付けた。君が拒否したら?拒否されたらどうしよう?僕もそう思ったさ。もう君しかいない。だから決して離れるわけにはいかない。というわけでこれさ。サキュバスの秘薬にマミのー呪いを練りこんである希少な薬。これさえあれば君は一発で堕ちるだろうからね。」
「くっ…ふぁッ!?」
「今の君は服がこすれるだけで快感がはしる。動かないことだよ?」
彼女は僕を脱がす。熱に浮かされているようなのに、僕は背筋に冷たい快感を感じた。
彼女も服を脱ぐ。
彼女は恐ろしさを感じずにはいられないくらい美しい。精を吸われるどころじゃない。魂まで持ってかれそうだ。
「ほらぁ、…そんなに、釘付けじゃないか。、君みたいなオスは、みんなそうなのかな?」
彼女はそう言ってゆっくりと体を合わせる柔らかな胸の感触を直接感じる。こりこりした乳首が僕の乳首の周りを焦らすように撫でて行く。
「はぁ、はぁ、ふふっ…胸を責められてよがるとは…ね。君は本当に男なのかい?確認を、しなきゃねぇ。」
「……っ!やめろっ。お前、さっきさわっ!!」
ズボンを押し上げていたモノはチャックの開く感触だけでビクビクしてしまう。
「へぇ、初めて見るけど…。いいね。匂いなんてもう…。」
彼女は舌を伸ばしてタマからカリまでゆっくりとなめていく。鈴口には透明な知るが染み出てきた。
「ん、んむぅ!」
彼女はいきなり彼のモノを咥え、思いっきり吸い上げる。痙攣とともに快感が走る。強烈な吸引はタマの袋の皮をも吸い上げる。まるで揉まれるような感触に彼は背筋の寒くなる思いで酔いしれる。
「はぁっ!、はぁ、、はぁ、、我慢、できなかった。…ふふっ、もっと、くれないか?」
いうが早いか彼女は僕の尻に手をまわして思いっきり顔を股間にうずめた。舌が裏筋で蠢き、口が一気に絶頂まで吸い上げる。
「う、あああああ!」
「うっ、んむっ!?んん、んむぅ」
驚いたらしい彼女は少し口からこぼした。
「ふぅ、…あれ、そういえば僕は君とキスすらしてなかったねぇ。まぁ、これが僕から君へのファーストキスってところかな。」
彼女はゆっくりと体をこすりつけて迫ってくる。
「お、お前…」
首筋をなめながら腰を動かす。快楽が自分の上で蠢くようだった。
「では、さっそく…んッ、ああっ、くっ、ううううう」
「あ、あぁ、ああぁあ」
彼女の中は拒否するようにきつく、しがみつくように絡まってくる。肌に触れるさらさらの髪が僕の全身を愛撫する。
「うぅう!うっっ、ぐっ!」
「はぁ、はは、ははははははは!手に入れた!君を!なんだい、まるで処女でも失ったような顔だよ?失ったのは僕だというのに」
「はぁ、うっ、ううっ!」
びゅる…
「うんっ♪き、みぃ、少し、早くないかい?先走りにも、多すぎる。」
「うう、そんなに、、シメるから。」
「へぇ、そうかい。じゃあこんなのはどうだい?」
彼女は腰を円状に回す。全方位からの亀頭責めにまた少し出そうになる。
「は、、はは、ははぁ♪あんっ、ん、んんああ、ひ、ひろがっ、って!いい!」
「う、うう、」
「はぁ、はぁ、はふぅ、…そろそろ、本格的に、イッてもらうよ!」
「うっ!、、ううぅ、い、いっ」
激しく動く腰が、到底入らないような狭い膣を動かす。ぎりぎりと握りしめられていく。
「ああ、あ!む、無垢!、だめ、だ!こ、ども、できたら!どうするってんだ!」
「最高だ!孕めば!きみは一生!ぼくのものだ!」
「くう、あ、ああ」
何を言っても通じない。しかも彼女は高らかに孕ませてくれと懇願する。
「なぁ、う、は、早く、ぼくに!こ、子種を!は、孕ま、せて♪君をっ、ぼくだけの、ものに、させてぇっ♪」
彼のモノが『孕ませて』という言葉に反応する。びくびくという反応し、さらに硬く、大きくなっていく。睾丸は火のように熱くなっているのがわかった。
「はぁっ、、い、いいぞ!おっきくなった♪ぼ、ぼくも、君の、ものになるぅ♪」
「う、あ、ああ、あああああああ!!」
どぷっ、ぐぷっ、どっぷ、どぷゅゅゅ
「ああ、ああ、ああ。」
「う、、で、てる、抜、い、てぇっ」
「うう、は、腹が、おお、き、く」
彼の射精により、彼女の下腹部は若干盛り上がってきていた。
「あ、はは、君は、もう
彼女はそっとしなだれ、囁く
僕のものだ」
『大空の猛禽たち』の画面には(Game Over)の文字が躍っていた。
11/10/15 21:03更新 / 蒼い舌