読切小説
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捕まり突いて貫かれ
木漏れ日がまばらに差す、森の中。
若い冒険者が四人、荒い息を吐きながら、血を流して倒れていた。
彼らが負わされたのはかすり傷であったが、穂先に麻痺毒がたっぷりと染み込んだ、
ホーネット謹製の槍によるものだったので、四人とも仰向けにひっくり返ったまま、
不安げに槍の持ち主達を見上げるしかなかった。
さておき、リーダー格とおぼしき長身のホーネットは、四人の虜囚に向かって宣言する。
ぞんざいな口調ながら、栗色のざんばら髪とキツい目つきに見合う、芯の通った声音だった。

「あたしらンとこは、分家したてで男日照りなんだ……だから、ダメだっつっても連れてくからな」
「俺達をどうすんだよ? 奴隷にでもするんか?」

宣言に反応して、身体のとある部位を萎縮させつつも、冒険者達の一人が問い掛ける。
心持ち口の端を吊り上げながら、リーダー格のホーネットは伝法な口調のままに答えた。

「あたしらのヒ…じゃねえな、身の回りの世話をして貰う。 ま、奴隷扱いはしねーから安心しな。
 …………っと……こン中で、女を抱いた事がねー奴はいるか?」

おどけるように軽く跳ね上がった語尾につられたように、
その場に倒れる四人のうち、小柄な二人――ホーネットに問い掛けた戦士風の少年と、
神経質そうな魔術師風の少年――は、赤い液体を目から溢れさせた。
血涙をだばだばと流す童貞小僧二匹と、やや不満げな赤面をさらす狩人風の同上一匹、
先日娼館で筆卸ししたばかりの、仏頂面なデカい戦士風一匹を順繰りに眺めた長身の妖女は、

「……ま、なんだ、クヨクヨすんな。 いいことあっから」

苦笑いながら、他のホーネット達ともども、倒れ伏す彼らを抱え上げた。




「あ、お姉(ねえ)もみんなもおかえりー」
「ただいま……人前でお姉はよせやい」

森の奥深く、巣に戻った一同を迎えたのは、
薄手のドレスを身に纏い、栗色の長髪をシニョンに結い上げたホーネットの柔和な笑顔だった。
大きく膨らんだ腹と額のティアラ、そして自分達を拘束するホーネットのうち、
小柄な三人と似通った垂れ気味の目つきを確認し、魔術師風の少年は小さく呟いた。

「女王蜂か……」
「うん、だからお行儀よくしててよね?」
「あなた達の毒で手足が痺れてるから、それどころじゃないんだけど……はい、ごめんなさい」

それに反応して、彼を跪かせているポニーテールのホーネットは、
精一杯いかめしい表情で睨みを利かせてみせた。
……ただし、彼女の幼く愛らしい顔立ちには、荷が重い行為だったようだが。
それでも、脇の少年は、顔を赤らめて黙り込んだので、満足げな表情で鼻を鳴らすと、
彼女は女王と瓜二つな顔立ちで、髪を三つ編みにしたホーネットと、
ひときわ小柄で短髪の、やや目の細いホーネットの二人と声を揃えて、

『おかーさん、ただいまー』

と、元気よく帰還の挨拶をした。
彼女らの外見は十代半ばほどだったが、表情や言動はまるっきり幼子のそれであり、
長身のホーネットの口許が思わず綻ぶ。
自分の肩を抑えつつ笑う長身の女性と、
柔和な笑みのままにあらためて「おかえり」と応える女王をしばし見比べ、
五人とも同年代に見える事を確かめると、小柄な少年は、やや混乱したように首を捻った。

「おねえ? おかーさん?」
「はい、そちらの背の高い人はわたしの姉ですし、他の三人はわたしの娘ですから」

と、少年の疑問に気さくに応える妹に、姉は笑みを引っ込めて苦言を呈す。

「なあ、お前さんも女王だろ……もう少しこう、威厳っつーかさ……」
「いいじゃない、アットホームで親しみ易くて」
「イヤ、そりゃア、わりィこっちゃねーんだけどよ……何つーか……。
 喋り方に、頭の軽さが滲み出てねーか?」
「えー? その辺はお姉も変わんないじゃない。 チンピラみたいだよ?」
「なんだとォ!」
「あの……お尋ねしてもよろしいですか? …………って、女王様に伝えてくれないかな?」

年長のホーネット二人の素人漫談をさえぎるように、
魔術師風の少年が、脇のホーネットに小声で頼んだ。
悪戯っぽい笑顔で姉と睨み合っていた女王は、
娘の一人に「おかーさん、この子が聞きたい事があるんだって」
と呼び掛けられ、表情を復元させつつそれを促す。

「どうぞ?」
「ぼ…自分達は、これからどうなるんでしょうか」
「そこの四人のうち、誰かのお婿さんですね。 どの子がお好み?」
『……はいィ?』
「あたしは選ぶなよ? 最初に言ったじゃねえか、男日照りだとか、奴隷扱いはしねえって」
「む、婿って……どうするよ?」

げんなりとぼやく年長のホーネットを尻目に、
小柄な少年は隣で膝をつかされている大柄な僚友に小声で訊ねてみた…………が。

「ついに素人童貞喪失か……魔物相手だけど、かわいいからいいや」
「経験無いんよ私……リードしてな?」
「おう!」
「ダメだ、アテになんねえ……お前は?」
『……』
「私じゃ、だめ?」
「……よろしくお願いします」
「……こちらこそ……」
「もうデキてやがりそうだな……っと、やはりこういう時は俺らの頭脳……」
「おかーさん、ボクこの子がいい!」
「ゴメン、僕経験無いんだけど」
「大丈夫だよ、二人でがんばろ?」
「……うん……」
「……三人とももげりゃいいのに」

あっさりと、隣のホーネット達と、何やら桃色の空気を醸し始めた三馬鹿に、
小柄な少年は呪詛を吐いた。
そして、それが呼び水となったか、苦虫を噛み潰したような面持ちで、
傍らのホーネットもまた、姪達に毒づく。

「ああ、三人とも上がりゃいいよな……まだ来てねーけど」
「頑張ってれば来るもーん」
「お母さん、伯母さん、私ら帰るなー?」
「……グッドラック」
『……行っちまいやがった』
「で、お姉はその子?」

三組の少年少女がそれぞれ割り当てられた部屋に姿を消した途端、
嬉しげに確認して来る女王に否定の意を返すと、
長身のホーネットは再び苦笑を浮かべて、小柄な少年に向き合った。
緩められた口許からは尖った大振りな犬歯が覗き、
寄せられた眉根も相俟って、彼女の荒々しさと純朴さに裏打ちされた魅力を強調していた。

「心配すんなよ坊主、あたしなんかよりずーっといい娘紹介してやっからさ」

と、思わず少年がホーネットの笑顔に見蕩れていると、
玉座の方から間延びした不満げな声が飛ぶ。

「えー? 優先権があるのは捕まえて来た子だよー?」
「そーだけど、あたしはまだいい……痛ェのはイヤだしな」
「お姉、いい歳して駄々をこねないでよ……。
 そんなんだから、お姉はいつまで経っても貰わず後家の処女なんじゃない。
 ……それに、その子、お姉の事が好きになっちゃったみたいだよ、多分」

言葉を続けるうちに、大きな目を細めつつ、女王ホーネットは、
未婚の姉と、その虜囚に慈しむような視線を浴びせた。
ただ、それには、前者をおちょくるような稚気もたっぷりと含まれていたので、
じっとりとした半眼とともに、「デタラメ言うんじゃねえや」と、
姉が彼女に噛みついて来るのは、避けられない事なのであった。

「お姉がどんな顔をして見せたかは分かんないけど、
 その子、顔を真っ赤にして口をぽかーんと開けてたよ?
 …………お姉に見蕩れちゃってたよね、キミ」

だが、姉の威嚇に構わず、悪戯っぽい笑みはそのままに、女王は矛先を少年に向ける。
しばしの沈黙の後、彼がトマトのような顔色で頷くのを目の当たりにして、
彼女は快哉を叫びつつ、再び姉をつつこうとしたが。
妹のちょっかいを撥ね除けるように、ホーネットは強引に、
痺れの抜け切らない少年の右腕を抱え込んで立ち上がった。
そして、満面の笑顔で、婿を取る事について確認してくる女王を、面倒臭げに一瞥して曰く。

「ちげーよ、試してみるだけだ」
「にゅふふふ、そう言っておいてみんなくっついちゃうんだよねえ……。
 よーし! 今夜はお姉が処女捨てるお祝いね!!」

「わたしもあの人に、めいっぱい可愛がってもーらおっと」などとはしゃぐ妹にガンを飛ばして、
ホーネットは少年を引き摺りつつ、謁見の間を後にする。
と、腕を抱えている相手が未だ麻痺毒に侵されている事を思い出すと、
「わりィな坊主、抱えんぞ」と、軽く告げて、彼の細い身体を横抱きにした。

「お姫様抱っこかよ……」
「こっちのがはえーんだ、諦めな」
「にゅふふふ、ごゆっくり〜」

陽気な女王の声を「るせーやい」と切り落とし、ホーネットは少年を抱えて自室へと引き上げた。




「やべ、マジハズい……人前でバラすなよ、あの馬鹿……」

自室にて。
少年をベッドに下ろし、出入り口のドアに鍵を掛けると、ホーネットは盛大に溜め息をついた。
そのまま毒づきだす彼女に向けて、ようやく麻痺毒が抜け切った少年が、半眼で口を開いた。

「俺達にあんな事言っといて、あんたも処女だったんじゃねえか」
「うっせーな、処女は堅城、童貞は弱兵って言い回し知ってるか?」
「何だよそれ」
「処女は難攻不落の堅城、童貞は今まで城を攻め落とした事のねー弱兵だって奴だ」
「…………」
「あー、泣くなよ……ったくめんどくせーな、泣きたいのはあたしも一緒だっつーの……。
 で? 坊主はいくつだ?」

返り討ちに遭い、再び目の幅一杯の赤い滴を垂れ流す少年をなだめるように、
ホーネットは彼に訊ねた。
血涙を引っ込めた少年は、ぶっきらぼうに「十五」と答えるついでに、
「あんたは?」という、彼女からすれば、実に余計な問いまで投げかけて来た。

「……ま、初めて同士頑張ろっか、少年」
「おーい質問に答えてくれー」

とってつけたような笑顔で、しばし無言のまま、ホーネットは少年の頭を撫でていたが、
やがて憮然とした表情を浮かべると、ぼそりと呟いた。

「……二十……」
「ふーん」
「…………三だよ…………」
「…………八歳上かあ…………」
「うっさい黙れ」
「あだだだだだだだだ!」

黒い短髪の頭を撫でていた掌に力を込め、無礼な小僧に制裁を加える、トウのたった乙女。
その大きめの手と長い指は、爪を立てずとも少年の頭蓋に食い入って、彼をしばし悶絶させた。

「さてと……とりあえず、こっち向きな」
「いってぇ……スンマセン、これでいいっスか?」

「あ、ベッドに座ったまんまでいいぞ」と、立ち上がろうとする少年を制して、
ホーネットは彼の右手に腰掛ける。
そして少年の顎を持ち上げ、しばし視線を合わせて曰く。

「……ま、顔は見れない事もない、かァ……でも背ェちっちゃいなー」
「じき伸びるっつーの……てか、あんたがデカ過ぎるだけじゃね?」
「…………童貞の前に、処女捨ててみっか? 後ろの」
「ごめんなさいどうかかんべんしてください」
「嘘だよばーか…………んじゃ、目ェつぶりな…………」

軽口の応酬を切り上げ、ホーネットは少年の唇を奪った。
かつて姉妹が男を襲っていた時の情景をなぞるように、
唇で唇を啄み、舌先を口内に捩じ込んで、腱の一筋や歯の一粒に至るまで刺激する。
とどめに、口中に溜まった唾液を少年のそこに流し込むと、彼女は唇を離して気怠げに訊ねた。

「……どーよ? あたしのファーストキス」
「……女の人って、こんなに甘いんだ……」
「そっか、まぁ……わりィ感じはしねーな。 もっかいするか」
「うん」

一発で随分と素直になったなと内心で苦笑しながら、彼女はもう一度少年とキスを交わす。
素直ついでに体重を彼に預けてみると、そのままあっさり仰向けになったのを幸い、
四肢を絡めて胴体を密着させた。
すると、臍の辺りに、何やら固いが弾力のある感触が触れたので、
水音をわざとらしく立てて唇を離しながら、苦笑とともにホーネットは口を開いた。

「……おい」
「な、なんでしょ?」
「下っ腹になんか当たってんだけど」
「ゴメンなさい」
「謝んなくてもいいから、見せてみ?」

言いつつホーネットは後退り、少年のズボンを毟り取った。
いつの間にか、口許の笑いが意地悪なモノになっている事を自覚し、

――なーる、こりゃあ楽しいわ。 こいつもよく見てみっと可愛いしなァ……。

少年の顔と下腹部を舐めるように見つつ、胸中で嘯く。
“可愛い”とは少年の事なのか、それ以外の何かの事なのか、その辺りが秘密なのはご愛嬌。
閑話休題、ホーネットは少年の下腹部をまじまじと見つめ、
再び、記憶の中にある男達のそれらと、照らし合わせながら言い放った。

「あんま大きくねーのな、かぶってるし……まあ、若いだけあって勃ちっぷりはいいやな」
「う、うるせえやい!」
「へへ、恥ずかしがんなよ皮っかむり。 今から姉ちゃんが気持ちよーくオトナにしてやっからさ」
「う……そういや、どこで見たんだよ?」

次第に下卑ていくホーネットの笑みに抗うように、少年はつっけんどんな口振りで問いただした。
問われた方は、口角の吊り上がりを多少和らげるも、

「男をさらう時にゃ、イヤでも見ちまうさ。
 あたしらホーネットはな、男を捕まえたらその場で跨がるモンなんだよ。
 そんで、ふつーにヤれたんなら自分の旦那にするもよし、
 旦那のいねー新米女王や、男のいねー姉妹に紹介するもよし……。
 ……まあ大抵、さらった奴とさらわれた奴は、そのままくっつくモンだけどな。
 ま、おしゃべりはこのくらいにしてと。 そろそろ本格的にヤろうぜ……来な」

結局は口許の歪みと蕩けそうな目つきを、より一層強いものにした。
そんな彼女の笑みに惹かれるように、少年は上体を起こし、
再びにじり寄ってきたホーネットと抱擁を交わした。
二、三度ホーネットは彼に頬ずりをすると、無言のまま自らの胸元に彼の頭部を押しつける。
そこを包む薄手の生地越しに、豊満な双丘のやわらかさとぬくもり、
ほの甘い体臭に脳髄を侵食され、少年の分身は、再び硬度と角度を増していった。
と、五感を支配されて息を荒げる少年の耳元に、
先程まで彼のつむじ付近に顔をよせて、心地よさげな唸り声を発していた女性の囁き声が届く。

「なあ、じかに触ってみっか? あたしの胸」
「……いいの?」
「ああ、でも鼻息荒げんな、ちっとこえェ。 ほら深呼吸深呼吸」

彼が数度ゆっくりと息を吸っては吐く様子を苦笑つきで眺めつつ、
ホーネットは丈の短いホールタ−式のトップを捲り上げた。
薄紅い頂の、白い連峰がまろび出て震えると、少年の双眼が血走って再び息が荒くなる。

「ったく、しょーがねーなァ……」と笑いながら、彼女は少年の両手を優しく握り、
豊満な乳房にそれらを導いた。
掌に収まりきらない、やわらかくもズシリと重い大質量と、
やや汗ばんではいるが、吸いついてくるような肌触りに、
女性経験の無い少年は、股間に息づく分身ともども、真っ赤に発熱しながら硬直した。

「はは……ンなガチガチになるなよ。 ほら、揉んでみ?」
「う…うん」

手の甲や指の背にホーネットの手を添えられた状態で、
少年は自らの手を、しっとりとしたハリのある双乳に没頭させた。
下方から持ち上げるように、重力に逆らって形を保ったままの二つの果実に、
ゆっくりと力を加えていく。
痛みを感じたら教えてくれと持ち主に頼み込むと、
彼は、甘い呻きを伴奏に、おっかなびっくりマッサージを始めた。
時折、手や指を優しく撫でさすったり、絡みついたりしてくるホーネットの手が気になったが、
それらが自分の手に触れて来る時に、彼女の口の端に安らぐような微笑が佩かれているのを目の当たりにし、気にせず乳房や乳首への愛撫を続ける事にした。

「ん、んん……くぅ……は……」
「…………」
「な、おい……」
「…………」
「乳首、もっと触ってくれよ……強くな?」
「へ? いいの?」
「おうよ……んぁ……! あ、あはっ、そ、そんなんだ……うまいじゃねえか……んっ!!」
「あ、ありがと……」
「へへ……」
「な、なんだよ?」
「あ、手ぇ止めんな、 そのままそのまま……っ」
「うー……んん?」
「あ、わりィ、もう少し揉んでてくれ」
「このまんま?」
「ああ」
「手、触るの好きなんだ?」
「まあな……さあ、もうちょっと続けててくれよ」
「うん……むぐっ?」
「ん……むっ、んぅ……」
「……むう、んあ……」

愛撫をする手が優しく握り込まれ、唇まで吸われた事に面食らって、
少年は目を白黒させて固まってしまった。
だが、舌を絡めながらの不満げな唸り声や、
手の甲へ立てられた爪の痛みに気を取り直させられ、愛撫を再開する。
すると、唸り声が満足げな気配を取り戻したので、
彼もまた安心したように、目の前の豊満な乳房を、両の掌で存分に貪った。
と、さっきから満足げに唸っていたホーネットが口づけを切り上げ、
やや羞恥に染まった、それでも穏やかな笑顔で彼に声を掛けてきた。

「なあ、そろそろ一辺……やろっか?」
「ついに……ヤるの?」
「わり、そっちじゃねえけどさ……とりあえず、この辺に座りなよ、脚を下ろしてさ」

言われた通り、少年がベッド脇から脚を下ろすが早いか、
床に降りて跪いたホーネットは、彼の分身にむしゃぶりついた。
持ち主が呻いて悶えるのもお構いなしに、
彼女は一心不乱に、いきり立ったモノに、満遍なく舌と唾液を絡める。
キスと双乳への愛撫、ぬくもりと喘ぎ声とほの甘い体臭により、
既に指一本触れられずとも昂ぶっていた性器は、早々に限界を迎えた。

「ゴメン、もう、出……る……? ……って、何で……?」
「やめた理由か? 下準備ぐらいでイっちまいそうだったからだよ……本命はこっちだぜ」

薄笑いとともに、ホーネットの豊満な乳房が、少年の分身をすっぽりと包み込んだ。
たっぷりまぶされた唾液を潤滑油に、吸いつきのいい肌と、やわらかくも重い脂肪が、
彼のモノをやわやわとしごいて溺れさせる。
四、五度、乳房がうねると、彼女の柔肌は、撒き散らされた白いものによって汚された。

「しっかしエラい臭いと味だよな……嫌いじゃねーけどよ」

呟いて、ホーネットは顎や胸元を汚す白いものを指で掬い、舐めとった。
おまけに少年のペニスも再び口に含み、隅々まで舌を這わせ、尿道内の残滓を啜りとる。
ペニスに力が戻ると、彼女は穿いていたショートパンツを脱ぎ捨てた。
そしてベッドの上で胡座を掻き、自らの股間に右手を持っていくと、
人差し指と中指で、桜色の襞を開いて見せて、少年に悪戯っぽく嘯いた。

「打ち止めにすんにはまだ早いぜ? まだこっちに挿れて貰わなくちゃいけないんだからさ」
「…………生き物のハラワタみてー」
「ちん◯踏ん反り返らせて言うセリフじゃねえだろ……じゃ、舐めてくれよ」
「……」
「オイオイ、また鼻息荒くなってんぞ」
「ゴメン、初めて見たから……触ってみていい?」
「ああ、いいけど、爪で引っ掻いたりすんなよ?」

ここまで言うと、ホーネットは上体をやや後ろに倒し、
両手をついて下半身を無防備にさらけ出した。
そして少年は――。

「ん…」
「穴が二つある」
「あー、上がおしっこの穴で、下がちん◯挿れる穴だよ。 んで上の出っ張りがク◯ト◯スな」
「んで、このハラワタみてーに、ちょっとはみだしてるとこが……」
「や! ……小陰唇だ……ん、ああっ……」
「……」
「……っ……く……ん……そこばっかなぞんな、ばかぁ……」
「ちょっと、ぬるぬるしたモンが手についた」
「普通は気持ちいい時に出て来る奴だよ、
 無理やりヤられた時なんかにも出てくるらしいけどさ……舐めてみ?」
「……味はねえや、何かいい匂いはすっけど」
「そっか、じゃ、次は……中、触ってみてくれよ」

促され、少年は右手の人差し指を、彼女の膣口に侵入させる。
そこは既に、芳しい蜜が溢れ出していたが、
未通女特有のキツさと狭さで、咥え込んだ異物を喰い千切らんとばかりに蠕動していた。

「くっ! ……ああっ!」
「ゴメン、痛い?」
「イヤ、逆……っん!」
「やわらかいけどキツくて、熱いな」
「へへ、もうじき、ちん◯で、これを……味わえるん、だぜ?」
「……」
「ま、指ィ、色々、動かして、みな?」




「はぁ……」
「どった?」
「……おめー、マジで童貞か?」
「そうだけど」
「わりとイイ感じのとこばっかピンポイントで触ってきやがって……。
 舐めるのはいいや、ヤっちまおうぜ」

しばし、彼女は少年に秘裂を任せた後。
たどたどしくも、ひたむきに陰唇の内側や陰核などをくすぐって来る彼の手つきに耐えかね、
ホーネットは少年の愛撫を止めさせ、彼を仰向けになるように押し倒した。
ついで膣口を亀頭の先端に添え、大きく息を吸っては吐く事を繰り返す。
と、五回目の深呼吸をしようとしたところで、やや震えがちな少年の声が、
彼女の耳朶に転がり込んだ。

「…………挿れていい?」
「ダメだ。 いいから坊主も、童貞とお別れ会しとけ」
「もう送別会なら済んでるけど」
「あたしの方はまだなんだよ……てかさ、ホントにあたしでいいのか?」
「うん……あんたがいい」

下から真っ直ぐな視線を合わせられながら言い切られ、ホーネットは舌打ちをすると、
「もう少し時間稼ぎしたかったんだけどなァ……」とぼやいて、息を大きく吸った。
そして、戦場で敵兵に突貫する時のように、盛大に喚きながら。
臀部が少年の腿に当たるまで、一気呵成に、腰を沈めた。

「だ、大丈夫かよ?」
「おうよ…………想像、よりは、ずうっと、マシだ、わ……。
 でも、ちっとは、痛ェから、しばらく、この、ままな」

答え終えると、ホーネットは瞑目して上体を硬直させた。
途切れ途切れに、「やっぱ痛ェモンは痛ェか」と、悔しげに呻く。
歯噛みしながら彼女が疼痛を堪えていると、
少年の腹についた手に、優しく触れてくるものがあった。
それはホーネットの手の甲を包み、時折力を込めながらも、指先までを穏やかに撫でさする。
手首から指先までを往復する感触に、牙を剥き出しにしていた口が、苦笑の形に緩んだ。
ゆっくり目を開いたホーネットは、
自らの手に添えられた少年の手をいとおしげに見つめると、それらを握り込んで腰を一揺すり。
腰の下で、悲鳴を上げた少年に、先程と同じ視線を向けながら、

「動いてやんよ」

軽く言い放って、捻りをくれながら腰を上下に動かした。
すると、先走りの腺液とともに漏れたような、情けない掠れ声が、彼女の耳に届いた。

「ゴメン……またイく……」
「やっぱ、ん、はえーなァ……。
 でも、いいぜ……? 姉ちゃんの、おまん◯にっ、お前の、全部、出し、ちまえ……っく!」

彼女が言い切るが早いか、膣内に収まったモノが脈打って精を噴き出す。
腰を深く落として最奥でそれを受け止めてやると、
ホーネットは上半身を前に倒し、少年の頭と肩を胸元に抱き締めた。
そして荒く息を吐く彼の耳元で祝福の言葉を囁き、啄むような数度のキス。
返礼は、力を増した抱擁と、癖の強い髪を撫でる、優しげな手つきだった。
髪を撫でる手が、触角に触れたところで、
口づけを何度も軽く啄むものから、深く吸うものに換えて、少年の口を貪り尽くすと、
彼女は唇を離し、腰を捻る。
膣内で未だ力を失わないモノが跳ねるのを感じとり、
持ち主に向かってからかうように笑って言った。

「へへ…元気いいよな」
「萎えらんねえよ、こんな気持ちいいのに挿れっぱなしだと」
「そっか……じゃあ、二回戦行こうぜ」
「うん」

差し出された手を握ったのは、どちらが先だったか。
上体を起こしたホーネットと、仰向けのままの少年は、
互いに見つめ合いながら、再び腰と性器を蠢かせ始めた。
女が喘ぎながら腰を8の字にひねり回すと、男は腰が静められるのを見計らって最奥を穿つ。
ホーネットは嬉しげに笑いながら、
パートナーの腰使いに合わせるように、自分のそれを速く大振りなものにしていった。

「な、なんか、当たって、来るんだけど」
――しかも、時々きゅって締まるし……。

「あ、は、ああん!」
――ああ、子宮口が、降りて来てるんだわ。
――初めてなのに、気持ちいいんだな。
――このままイくな、あたし。

自覚すると、ホーネットは少年の手を強く握り締めた。
それに連動するように彼女の性器も、咥え込んだペニスに、無数の肉の牙を立て。

高めの長い絶叫と、低く短い呻きが重なり、
互いに食らい合っていたモノ達が、一際強く、震えてもがいた。




「ん……一緒に、イけた、みたいだ、な……」
「うん……」
「へへへ……」

喘ぎつつも、少年の抱擁に応えて、上体を前に倒したホーネットは、軽く彼の唇を吸う。
甘く安らいだ空気が二人の間に流れたが、
いささか残念そうなやりとりが、それを無造作に掻き回した。

「でもま、三回目にもなると出がわりィな」
「ゴメン、もう打ち止めだと思う」
「寂しい事言うなよ……それにさ、あたしはホーネットだぜ?」
「何するつもりだよ?」
「まだまだイけるようにしてやっからさ……一回抜くぞ?」

尻を蠢かし、彼女は腰を浮かせてパートナーの分身を解放した。
その際に薄桃色の体液が零れ、もったいねえと呟きながら、指先で掬いとって口に運ぶ。
自分の吐き出した欲望の中に、一筋紅いものが混ざっているのを目撃し、
上体を起こした少年は、ぼんやりとひとりごちた。

「……ホントに処女だったんだな……」
「ああ……光栄に思えよ?」
「うん、勿論……ありがと、相手してくれて」
「へ、ばぁか……」

しばし面映ゆげに笑い合うと、先程謁見の間で言った事が引っ掛かったのか、
ホーネットはどこか気まずげに告げた。

「気ィ、変わったよ……責任取って貰うからな、ずーっと」
「喜んで……ふつつかものですが」
「じゃあ早速……そうだな……脚、開いてくれ」
「こう? ……あだっ!」

気恥ずかしくも嬉しげな空気が一転、少年の右腿内側に強めの痛みが走った。
後ろを向いたパートナーの、腰から後方に伸びた針が、
自分の右脚に埋まっている光景に呆然としていると、
彼の耳に、先程散々聞かされたような、途切れがちの甘い呻き声が飛び込んで来た。

「あ……はっ……わり、ちょ、我慢しな……んっ……」

程無くして、針は少年の右腿から引き抜かれる。
彼は抗議と疑問の声を上げようとしたが、下腹部の辺りに生じた熱にそれを妨害された。
熱源は、透明な腺液を滴らせながらいきり立つ、少年の分身であった。
彼が呆然と復活した馬鹿息子を眺めていると、
弾むようなアルトの声が、どこか脳天気に響き渡った。

「あ〜やべ、ヤるのとおんなじぐれー気持ちいいかも……しかし、すげぇな淫毒」
「いんどく?」
「あたしらホーネットの毒はさ、強力な媚薬なんだよ。
 ……作ってるあたしら自身が、四六時中ムラムラしちまうくらいにさ」
「効果はご覧のとおり、か」
「ああ……んじゃ、三回戦といくか? あぐら掻きな」
「うん……あっ!」 
答え切るより先に、屹立したモノがすんなりと膣内に飲み込まれる。
対面座位の状態で繋がると、ホーネットは満面の笑みで、
少年をまっすぐ見つめながら宣言した。

「最初っから跳ばすからな、先にイっちまったりすんなよ?」
「ゴメン、ちょっと自信無い……」
「ま、バテたらまた淫毒注射してやっからさ、 イきたかったら遠慮無くイってもいいぜ?」
「イヤ、俺やっぱ頑張るよ!」
「そっか、じゃあ……」

笑顔を、屈託の無いものにしたり邪気に染めたりと、せわしなく切り換えながら、
ホーネットは少年の肩に腕を回し、しっかりと抱き締めた。
そして彼の目をじっと見つめつつ、下腹に力を込めて囁く。

「姉ちゃんが気持ちよくしてやんよ」
「んっ! ……姉ちゃん?」
「……あー、あたしな、この巣にいる奴ァ、みーんな妹や弟だって思ってっからさ、ついな……。
 わり、坊主はあたしの男だな、男」
「……別にどっちでもいいけどな、俺三人兄弟の末っ子だし」
「ふーん?」
「兄貴達とあんま仲良くなかったから、
 家おん出て冒険者のギルドに入って……初仕事で失敗しちまったわけだけど……」
「そっか……そういやさ、坊主はメシ作れっか? 掃除や洗濯は?」
「ひとつ目はそれなりだと思う、ふたつ目みっつ目は大丈夫」
「よし、じゃあこれからはよろしくなー?」
「うん」
10/07/28 04:02更新 / ふたばや

■作者メッセージ
日曜日のうちに更新したかったのですが……orz
さておき、 三人娘と女王はハニービーじゃね? などと思ったり思わなんだり。

追記:少々誤字を訂正、失礼しました。

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まろやか投稿小説ぐれーと Ver2.33