ようこそ、出狐狸亭へ。
最近になって、友人がやけにご機嫌だ。
どうしたのか問いつめると、「おいしい麺屋を見つけた」ということらしい。
ご機嫌になるほど美味しいかったのだろうか。
味にうるさいオレにとって何となく気になり、そいつに店先を教えてもらおうとすると、変な質問が返ったきた。
曰く、「恋人はいるか？」と。
余りに関係ない質問なので「はっ？」と気の抜けた声が出てしまい、もう一度店先を訊いてみたが、同じ質問が返ってきた。
質問を質問で返すなと親に言われているだろうが。
しかし、彼女いない歴＝DTなオレなので「いない」と短くいった。
するとそいつは満足そうに頷き、その店先をやっと教えてもらった。
腹が減るどころか、腹が立ってきたが、そいつは「まぁまぁ落ち着け」と宥められた。
何とか落ち着くと、そいつも店に行く前はオレと同じ気持ちだったらしく、騙されたと思って行ってみたようだ。
しかし、行ってみた後では誰もが満足して帰ったと、ソースは俺と胸を張って言いやがった。
とりあえずアームロックをかけてやると友人はガアァァと野獣のような悲鳴をあげた。
しかし、そんなに良い店なのかと思い、休日に友人に言われた店へ足を運んでみることにした。
某駅から徒歩５分。
程なくして、例の店の前に到着。
「出狐狸亭」と白くポップな字体で書かれた紺色の暖簾がはたはたとはためいていた。(読みがなが小さく書かれてあり、デキたていと読むようだ）
外見から見れば、出来て間もないと言う感じの、それなりに大きな店だと感じる。
○○支店と書いてある辺り、それなり規模のあるチェーン店だろうか？そうなれば味の方が悪い意味で少し気になる。
しかし、味を確かめるには実際の食べてみなくてはわからないのでいざ入店。
「いらっしゃいませー！」
早速威勢のいい女性の声が店内に少し響いたが、すぐに店内のガヤガヤとした雑踏でかき消された。
なるほど、見ればなかなかに繁盛しており、店内で席が空くのを待つ人が数人。
客層からみると、どうも食べ物にお金をかけたくないが満腹感を感じたい男性が良く利用するといった、いわゆる吉野●をような感じだ。
もしくは、ここの店員を見に来るために来たような…何だか不安になってきたぞ。
「少しお待ちになりますが･･･よろしいでしょうか？」
ネガティブ思考に陥ったオレの前に声が聞こえた。
見上げると、和服に割烹着の１０〜２０代と思われる、幼さがまだ目立つ刑部狸の店員がこちらを伺っている。
シンプルながらもとても似合っており、一種の可愛らしさが溢れている。
うん、これはこれで「美味しい」。
時間のほう大丈夫だから待っておくよ、と軽く言うと、ご協力ありがとうございます、と深々と頭を下げた拍子にしっぽがピコピコと横に振っていた。
何これかわいい。
しかし、店員というわけで、頭を下げた後、せわしなく店内を駆け回っていた。
すこし時間がかかるようなので、オレはその子の働く姿に目を追いかけていた。最近の狸は昔ほど狡猾では無くなって丸くなっているという話をよく聞くが、これも計算されつくした演技かもしれないともとれる。
まぁ、例え演技でも可愛いものは可愛い。
十数分経った頃、ようやく席が空いたらしい。
「オマタセシマシター、コチラヘﾄﾞｳｿﾞｰ！」
どう見ても○学生にしか見えない狐火の案内により、空いた席に座った。
小○生がここに働いて大丈夫かと思ったが、店員のほぼ全員が魔物娘らしく、どう見ても小学○にしか見えなくても年齢的には大丈夫らしい。
しかし、いつまでも店員を見つめるわけにも行かないのでとりあえず注文欄を見てみる。
まず１P目。
うん、「普通の品書き」と書かれている辺り、メニューの方も標準的である。
わりかし種類が豊富で、うどん、そば以外にも、寿司や丼物も用意されており、値段の方もリーズナブル・・・いや、食事のみと書かれている方はその半額だ。
食事以外の何があるのだろうか。
そんな疑問をすぐに理解できたのは･･････２P目以降だった。
１Pと似たメニュー構成で、極めてありふ･･････れていない、目を疑うような品書きが書かれていた。
ボテそば、はらみうどん、妊娠そばetc。
誤字か何かだと思いたいが、近くに通りかかった妖狐の店員からは「妊娠そばがオススメですよー♪」と満面の笑顔で言ってきやがった。
食べる前に衝撃を受けたのはこの店が初めてだ。
･･････嫌な予感がプンプンしたが、いっそのこと頼んでみるか。
何を血迷ったのだと叱責する理性の声を振り切り、意を決して「妊娠狸そば(お値段驚きの５００YEN）」を注文した。
少しして、先ほどの妖狐のお姉さんが「お待たせいたしました♪」と頼んだ品を丁寧においた。
透き通った、きつね色の汁の中に、それなりに量が多い蕎麦と、大きめのニシンと油揚げがそれぞれ一つのっている以外極めてありふれた蕎麦が、確かに目の前にある。
･･････どうみても油揚げ付きのニシン蕎麦です、本当にありがとうございました。
名前に騙されたとガッカリしてズズッと一口。
あっ、これは旨い。
比較的コシが強く歯ごたえがあり、噛む度に蕎麦の甘みが口一杯に溢れる。そこにやや薄めのダシが蕎麦のうまみをより一層強めているのが―――。
いや、こんな評論じみた思考は棄てて、食べることに専念しよう。
それからわずか数分で汁一滴残さず完食した。 ごちそうさま。
食べた料理の名前以外は、文句なしの味だった。
これで５００YENは割に合わないと思うほどだ。
さて、先ほどのガッカリ感が彼方へ消え去り、食べた後の余韻を楽しんだ後、席を立とうとしたとき。
「･･････ちょいとあんちゃん。ウチと一緒に来てくれへんかな？///」
オレの服の裾を握りしめていたのは、先ほど見とれていた刑部狸。
顔を真っ赤に染め、黄金色の瞳を潤ませ、小さな口をへの字に尖らせ、こちらを見つめていた。
先ほどの丁寧な接客用語から一変して、関西特有の口調に変わっていたが、声からして先ほどの女の子であるのは間違いない。
「･･････えーと、その、いや、いいけど、どこへ」
演技かもしれないと思っても、ドキマギしてしまうのは男のSAGAである。 ｼｶﾀﾅｲﾈ。
「ウ、ウチが今から案内するとこへやっ///」
そう言ってグイグイとレジとは正反対の方へ引きずられる用に案内された。
これってもしかして、ぼったくり･･･！？
名前からして危険だと解っていたのに、悲しいかな、修学旅行で温泉に入ったときに女湯を覗いてしまうように、男はそういうのを目にしてしまうと、好奇心で危ない目に自ら向かうものなのですよ、はい。
しかし後悔しても時すでに時間切れ。
案内された場所は先ほどの店の雰囲気から打って変わって、ごじんまりとした一室のなか、ふっかふかのベッドが一つ。
先ほどの店はどこへと思うぐらいの所へ案内され、しばらく唖然としていたが、ふと目の前の刑部狸の少女はベットの上にぺたりと座り込み、一言。
「あんちゃん、ウチを見て頼んでくれたんやね･･･ありがとうな♪」
あぁんもう恥ずかしいなぁ♪と言わんばかりに尻尾をブンブン振らせていた。
「･･･ちょっと待ってくれ。頼んだ品物と君に一体何の関係が･･･？」
訳が分からない。
確かに奇抜な品物を頼んだが、目の前の少女を指名したつもりは一切ない。
もし娼婦を取り扱う店で彼女がいれば真っ先に指名しただろう。
しかし、ここは誰がナニを言おうと麺屋で、食べ物以外頼んだ覚えは一切ない。
「ウチはキミという名とちゃうねん。ウチの名前はカナコや♪ほら、カナコって呼んでほしいな♪」
目の前の少女は物をせがむかのように頼んでくる。
いろいろと聞きたいことがあるが、呼ばないと答えてくれない気がしたので、しどろもどろに呼んでみた。
「あー、うん･･･。カナコちゃん」
「せやせや♪呼んでくれてすっごくうれしーわぁ❤」
するとカナコと呼ばれる少女は満面の笑みでオレに抱きつき、そのままベットへ<<押し倒された>>。
「うぉっ！？ち、ちょっと、カナコちゃん･･･？」
いくらオレが男とはいえ、向こうは若く見えても妖怪。
人如きが押し倒されてもなんらおかしいことではない。
しかし、いろんな意味で焦っているオレを見て、先ほどまでオドオドしてた、恥ずかしがり屋の少女の表情が一変した。
「なぁ･･･ウチとスケベしようや･･･❤絶対気持ちえーから♪」
色んな意味でゾクりとする言葉だった。
不細工なおっさんが言えば、吐き気を催すような気持ち悪さが体中に沁み渡る一言だが、目の前の美少女の甘く誘うような声で耳元を囁かれたのであれば、それだけで下半身がそそり勃つ、魔性の言霊である。
紅潮した頬はそのままに目はとろけ、口元はニタリと端をつり上げて笑っていた。
「えへへ･･･この愛しいあんちゃんをこのまま犯す前にええこと教えるわ。あんな、この店はな･･･料理名とウチとはふかーい意味があんよ。せやな･･･例えなんやけど、ぶっかけキツネうどんを頼んだ場合はな、店特製の精力満点のうどんを食べた後に店の中でちょこまかしとったキツネっ子にあんちゃんのおちんちんからでるせーえきを顔にぶっかけることが出来るねんよ･･･♪それ込みでお値段２５０円なんやで･･･♪」
押し倒されたオレを跨り、割烹着以外の身に付けている物を脱いでいきながら、カナコはこの店の概要を機嫌よく喋り、さらにその仕組みを教えてくれた。
どうやら、魔物娘はここでタダ働きさせる代わりに夫を効率よく探せれるきっかけを提供し、夫候補の人間にはリーズナブルな値段で料理をいただく代わりに魔物娘の夫になることを求められることで、利益とそれぞれの要望を両立させることに成功しているようだ。
料理の原料も、人件費もタダ当然なので、これだけ値段が安くても店として成立するらしいのだ。
とは言っても、食べることだけを望む客もいるし、夫婦でくることもあるので、その場合は食べ物だけを提供するという。
仮にボテそばなどの「特別な料理」を頼んでも商品が出されるだけで、決してこれ以上のことはないという。
後者はともかく、前者は本当にそうなのだろうか?
「じゃぁ、オレがこうなったのは…彼女を求めに？」
「ええとこに気がついとるな･･･♪あんちゃんの場合はな、『彼女が欲しい』っちゅーオーラがでとってんやで･･･♪それでウチはなあんちゃんとこーなるように仕組んでおいたんやわ♪」
そう彼女はうへへと笑い、オレが着ている物を要領良く脱がしていき、ついにパンツすら脱がされた。
あぁ、なるほど。見事に彼女の術中にハマったというわけだ。
ようやく彼女の説明に納得がいき、こんな目に遭いながらも気分はどこかすっきりしていた。
「せやから、お金は後で５００円出しといてな♪そのかわり、後は一切かからんから安心してウチにいっぺん犯されときな❤」
彼女はそういってオレのそそり勃った一物を手掴み、割烹着の内側に隠された秘所に挿入れようとあてがった。
洋のエロス文化が裸エプロンならば、和のエロス文化は裸割烹着。
良妻賢母が身につけるはずの物を少女が身につけることにより、可愛さといやらしさが合わさって最強に見える。
しかし、そんな姿を視姦する余裕は全くなかった。
その前に一物から強烈な締め付けと快楽が全身へ駆け巡ってきたのだ。
ずぷりっ、と重い水音が聞こえた瞬間の出来事である。
「あぁんっ、ウチのおめこにあんちゃんのおちんちんが入ってきたぁっ///」
それに続いて、ぶつんと何かが切れる音が聞こえたが、カナコは痛みで顔を歪ませることなく、恍惚と放蕩が混ざったような表情を浮かべ、口元から涎が一筋、部屋の明かりに反射した。
痛々しいまでの快楽で思わずうぅっ、と呻いてしまった。
しかし、一物の方は暴発せず、ますます堅くなっていくのがわかった。
「か、カナコ･･･い、痛くないのか？」
「大丈夫や、問題あらへんよ❤」
割烹着の一部が赤く滲んでいた為念のため聞いてみるが、彼女は蕩けた笑顔で答えた。
やはり人間との体の作りは違うようだ。
「せやけどこのままがっつくのもあれやから･･･ゆっくりあんちゃんを満足させたるよぉ❤」
彼女は仰向けになって寝倒された俺の上に包み込むようにのしかかり、そっと耳で囁やいてきた。
「ほら、ウチのおっぱい…揉んでえーねんよ?❤」
言われるがままに、オレは割烹着越しに彼女の胸を掴んだ。
むにゅう。
まさにそんな音が聞こえそうな、揉み心地だった。
あれ、こんなに大きかったのかと思ったが、なるほど、着物を着ていれば胸のラインが見えづらくなるのはよくある話。
隠れ巨乳のルーツは日本にあり、等とふざけた妄想をしながらも、しっかりと彼女の胸の感触を味わった。
「あぁんっ、あんちゃんの手つきやらしいなぁもぅ❤ウチをそないにはつじょーさせたいん？❤」
拙い揉み方にも関わらず、カナコは敏感に反応していた。
そりゃ発情させたいですとも。
「でもこれ以上はさせへんでぇ❤もう腰動かすからなぁ❤んちゅっ･･･ちゅぅぅぅ❤」
調子に乗って胸をもんでたら逆襲された。
キスと同時に繋がりっぱなしの部分が前後にスライドして、俺の一物がやばい。
「ん"っ、ん"ん"ん"−−−ッッッ！！！」
叫ぼうとして、キスによって塞がれた為に叫べなかった、オレの声にもならない異音。
そいて、ジュブッジュブッジュブ、と割烹着の中から速いテンポで聞こえる水音が部屋に響いた。
DTなオレにこの刺激はやばい、我慢どころか意識が限界だ。
向こうが精を得る為に性に関するスキルを極めた魔物娘を相手に、インキュバスでもAV男優でもないオレには敵う相手ではない。
「んふぅっ❤じゅるっ、ぢゅぅぅっ❤」
もうイッていいのよ、と言わんばかりにオレの口に含まれる水分という水分を吸いつくさんと言わんばかりのキスレイプをし、早まる腰の動きにスパートをかけてきた。
ゴメン、お父さん。
こんな若い女の子に犯されちゃったよ…。
「ー―ーっ"!!!」
「ぷぁっ！?あひゃあぁぁぁんっ❤あんちゃんのがウチの中でみたされてくりゅうぅぅ!!!❤」
遠くで余生を過ごしている父親の姿を思い浮かべながら、オレは産まれてきてから今まで溜めていたモノを彼女の膣中に注ぎ込んだ。
オレの一物が激しく白濁の想いを主張している為なのか、身体が重たいと感じる程の倦怠感が襲いかかり、その倦怠感に負けてオレは深い眠りについた。
「―――、…ん、あんひゃん❤」
ぼんやりとした呼び声が聞こえてきた。
ぼんやりとしながらも、目を覚ますと、俺がいるのは先ほどとは違う部屋だった。
ここはどこだろうかと思い声のした方に目を向けようと、動かない下半身の代わりに上半身を起こした。
目にしたのは、眠っていたオレとは関係なくそそり勃った一物を美味しそうに頬張っている裸の刑部狸の少女、カナコがいた。
その彼女の周りには可愛らしい小物がたくさん置かれていて、なんともおとめチックである。
「ちゅぱっ…んっ、ふぅ。あんちゃん、おそよーさん♪」
「うっ！……ここはどこなんだ?」
もしや…ラブホとかと言うオチではないだろうな。
「ウチのすんどるとこやけど?それよりもあんちゃんあれからいっこうに起きんもんやったからウチがお金出してここに連れ出したんやで。もーたいへんやったさかい、どないおとしまえ付けるんや?❤」
どうやらここはカナコの家らしく、少しは安心したものの、おとしまえという言葉にビクついたのは言うまでもない。
「あー、すまない。お金を倍にしてかえ――「――さんでええよ♪その代わり、ウチをお持ち帰りしたってことでかまへんよね?❤」
一方的にとはいえ、流石に傷物にさせてここまでつくしたのだから、ねぇ。
「―――勿論だよ。カナコ」
元からオレはカナコに惚れてしまったものだから、当然の答えである。
そう自信を持った気持ちを伝え、オレは優しくカナコの頭を撫でた。
「―――ありがとう、あんちゃんっ❤」
目のフチの黒い部分でも赤くなっているのがわかった。
どういたしまして。
そう言葉で伝える前に節操のない一物から、白濁の想いがカナコの顔にぶちまけてしまった。
「」
べっとりと髪と顔に白濁の想いで汚された彼女の顔は――――天使で閻魔な笑顔だった。
続かない。
どうしたのか問いつめると、「おいしい麺屋を見つけた」ということらしい。
ご機嫌になるほど美味しいかったのだろうか。
味にうるさいオレにとって何となく気になり、そいつに店先を教えてもらおうとすると、変な質問が返ったきた。
曰く、「恋人はいるか？」と。
余りに関係ない質問なので「はっ？」と気の抜けた声が出てしまい、もう一度店先を訊いてみたが、同じ質問が返ってきた。
質問を質問で返すなと親に言われているだろうが。
しかし、彼女いない歴＝DTなオレなので「いない」と短くいった。
するとそいつは満足そうに頷き、その店先をやっと教えてもらった。
腹が減るどころか、腹が立ってきたが、そいつは「まぁまぁ落ち着け」と宥められた。
何とか落ち着くと、そいつも店に行く前はオレと同じ気持ちだったらしく、騙されたと思って行ってみたようだ。
しかし、行ってみた後では誰もが満足して帰ったと、ソースは俺と胸を張って言いやがった。
とりあえずアームロックをかけてやると友人はガアァァと野獣のような悲鳴をあげた。
しかし、そんなに良い店なのかと思い、休日に友人に言われた店へ足を運んでみることにした。
某駅から徒歩５分。
程なくして、例の店の前に到着。
「出狐狸亭」と白くポップな字体で書かれた紺色の暖簾がはたはたとはためいていた。(読みがなが小さく書かれてあり、デキたていと読むようだ）
外見から見れば、出来て間もないと言う感じの、それなりに大きな店だと感じる。
○○支店と書いてある辺り、それなり規模のあるチェーン店だろうか？そうなれば味の方が悪い意味で少し気になる。
しかし、味を確かめるには実際の食べてみなくてはわからないのでいざ入店。
「いらっしゃいませー！」
早速威勢のいい女性の声が店内に少し響いたが、すぐに店内のガヤガヤとした雑踏でかき消された。
なるほど、見ればなかなかに繁盛しており、店内で席が空くのを待つ人が数人。
客層からみると、どうも食べ物にお金をかけたくないが満腹感を感じたい男性が良く利用するといった、いわゆる吉野●をような感じだ。
もしくは、ここの店員を見に来るために来たような…何だか不安になってきたぞ。
「少しお待ちになりますが･･･よろしいでしょうか？」
ネガティブ思考に陥ったオレの前に声が聞こえた。
見上げると、和服に割烹着の１０〜２０代と思われる、幼さがまだ目立つ刑部狸の店員がこちらを伺っている。
シンプルながらもとても似合っており、一種の可愛らしさが溢れている。
うん、これはこれで「美味しい」。
時間のほう大丈夫だから待っておくよ、と軽く言うと、ご協力ありがとうございます、と深々と頭を下げた拍子にしっぽがピコピコと横に振っていた。
何これかわいい。
しかし、店員というわけで、頭を下げた後、せわしなく店内を駆け回っていた。
すこし時間がかかるようなので、オレはその子の働く姿に目を追いかけていた。最近の狸は昔ほど狡猾では無くなって丸くなっているという話をよく聞くが、これも計算されつくした演技かもしれないともとれる。
まぁ、例え演技でも可愛いものは可愛い。
十数分経った頃、ようやく席が空いたらしい。
「オマタセシマシター、コチラヘﾄﾞｳｿﾞｰ！」
どう見ても○学生にしか見えない狐火の案内により、空いた席に座った。
小○生がここに働いて大丈夫かと思ったが、店員のほぼ全員が魔物娘らしく、どう見ても小学○にしか見えなくても年齢的には大丈夫らしい。
しかし、いつまでも店員を見つめるわけにも行かないのでとりあえず注文欄を見てみる。
まず１P目。
うん、「普通の品書き」と書かれている辺り、メニューの方も標準的である。
わりかし種類が豊富で、うどん、そば以外にも、寿司や丼物も用意されており、値段の方もリーズナブル・・・いや、食事のみと書かれている方はその半額だ。
食事以外の何があるのだろうか。
そんな疑問をすぐに理解できたのは･･････２P目以降だった。
１Pと似たメニュー構成で、極めてありふ･･････れていない、目を疑うような品書きが書かれていた。
ボテそば、はらみうどん、妊娠そばetc。
誤字か何かだと思いたいが、近くに通りかかった妖狐の店員からは「妊娠そばがオススメですよー♪」と満面の笑顔で言ってきやがった。
食べる前に衝撃を受けたのはこの店が初めてだ。
･･････嫌な予感がプンプンしたが、いっそのこと頼んでみるか。
何を血迷ったのだと叱責する理性の声を振り切り、意を決して「妊娠狸そば(お値段驚きの５００YEN）」を注文した。
少しして、先ほどの妖狐のお姉さんが「お待たせいたしました♪」と頼んだ品を丁寧においた。
透き通った、きつね色の汁の中に、それなりに量が多い蕎麦と、大きめのニシンと油揚げがそれぞれ一つのっている以外極めてありふれた蕎麦が、確かに目の前にある。
･･････どうみても油揚げ付きのニシン蕎麦です、本当にありがとうございました。
名前に騙されたとガッカリしてズズッと一口。
あっ、これは旨い。
比較的コシが強く歯ごたえがあり、噛む度に蕎麦の甘みが口一杯に溢れる。そこにやや薄めのダシが蕎麦のうまみをより一層強めているのが―――。
いや、こんな評論じみた思考は棄てて、食べることに専念しよう。
それからわずか数分で汁一滴残さず完食した。 ごちそうさま。
食べた料理の名前以外は、文句なしの味だった。
これで５００YENは割に合わないと思うほどだ。
さて、先ほどのガッカリ感が彼方へ消え去り、食べた後の余韻を楽しんだ後、席を立とうとしたとき。
「･･････ちょいとあんちゃん。ウチと一緒に来てくれへんかな？///」
オレの服の裾を握りしめていたのは、先ほど見とれていた刑部狸。
顔を真っ赤に染め、黄金色の瞳を潤ませ、小さな口をへの字に尖らせ、こちらを見つめていた。
先ほどの丁寧な接客用語から一変して、関西特有の口調に変わっていたが、声からして先ほどの女の子であるのは間違いない。
「･･････えーと、その、いや、いいけど、どこへ」
演技かもしれないと思っても、ドキマギしてしまうのは男のSAGAである。 ｼｶﾀﾅｲﾈ。
「ウ、ウチが今から案内するとこへやっ///」
そう言ってグイグイとレジとは正反対の方へ引きずられる用に案内された。
これってもしかして、ぼったくり･･･！？
名前からして危険だと解っていたのに、悲しいかな、修学旅行で温泉に入ったときに女湯を覗いてしまうように、男はそういうのを目にしてしまうと、好奇心で危ない目に自ら向かうものなのですよ、はい。
しかし後悔しても時すでに時間切れ。
案内された場所は先ほどの店の雰囲気から打って変わって、ごじんまりとした一室のなか、ふっかふかのベッドが一つ。
先ほどの店はどこへと思うぐらいの所へ案内され、しばらく唖然としていたが、ふと目の前の刑部狸の少女はベットの上にぺたりと座り込み、一言。
「あんちゃん、ウチを見て頼んでくれたんやね･･･ありがとうな♪」
あぁんもう恥ずかしいなぁ♪と言わんばかりに尻尾をブンブン振らせていた。
「･･･ちょっと待ってくれ。頼んだ品物と君に一体何の関係が･･･？」
訳が分からない。
確かに奇抜な品物を頼んだが、目の前の少女を指名したつもりは一切ない。
もし娼婦を取り扱う店で彼女がいれば真っ先に指名しただろう。
しかし、ここは誰がナニを言おうと麺屋で、食べ物以外頼んだ覚えは一切ない。
「ウチはキミという名とちゃうねん。ウチの名前はカナコや♪ほら、カナコって呼んでほしいな♪」
目の前の少女は物をせがむかのように頼んでくる。
いろいろと聞きたいことがあるが、呼ばないと答えてくれない気がしたので、しどろもどろに呼んでみた。
「あー、うん･･･。カナコちゃん」
「せやせや♪呼んでくれてすっごくうれしーわぁ❤」
するとカナコと呼ばれる少女は満面の笑みでオレに抱きつき、そのままベットへ<<押し倒された>>。
「うぉっ！？ち、ちょっと、カナコちゃん･･･？」
いくらオレが男とはいえ、向こうは若く見えても妖怪。
人如きが押し倒されてもなんらおかしいことではない。
しかし、いろんな意味で焦っているオレを見て、先ほどまでオドオドしてた、恥ずかしがり屋の少女の表情が一変した。
「なぁ･･･ウチとスケベしようや･･･❤絶対気持ちえーから♪」
色んな意味でゾクりとする言葉だった。
不細工なおっさんが言えば、吐き気を催すような気持ち悪さが体中に沁み渡る一言だが、目の前の美少女の甘く誘うような声で耳元を囁かれたのであれば、それだけで下半身がそそり勃つ、魔性の言霊である。
紅潮した頬はそのままに目はとろけ、口元はニタリと端をつり上げて笑っていた。
「えへへ･･･この愛しいあんちゃんをこのまま犯す前にええこと教えるわ。あんな、この店はな･･･料理名とウチとはふかーい意味があんよ。せやな･･･例えなんやけど、ぶっかけキツネうどんを頼んだ場合はな、店特製の精力満点のうどんを食べた後に店の中でちょこまかしとったキツネっ子にあんちゃんのおちんちんからでるせーえきを顔にぶっかけることが出来るねんよ･･･♪それ込みでお値段２５０円なんやで･･･♪」
押し倒されたオレを跨り、割烹着以外の身に付けている物を脱いでいきながら、カナコはこの店の概要を機嫌よく喋り、さらにその仕組みを教えてくれた。
どうやら、魔物娘はここでタダ働きさせる代わりに夫を効率よく探せれるきっかけを提供し、夫候補の人間にはリーズナブルな値段で料理をいただく代わりに魔物娘の夫になることを求められることで、利益とそれぞれの要望を両立させることに成功しているようだ。
料理の原料も、人件費もタダ当然なので、これだけ値段が安くても店として成立するらしいのだ。
とは言っても、食べることだけを望む客もいるし、夫婦でくることもあるので、その場合は食べ物だけを提供するという。
仮にボテそばなどの「特別な料理」を頼んでも商品が出されるだけで、決してこれ以上のことはないという。
後者はともかく、前者は本当にそうなのだろうか?
「じゃぁ、オレがこうなったのは…彼女を求めに？」
「ええとこに気がついとるな･･･♪あんちゃんの場合はな、『彼女が欲しい』っちゅーオーラがでとってんやで･･･♪それでウチはなあんちゃんとこーなるように仕組んでおいたんやわ♪」
そう彼女はうへへと笑い、オレが着ている物を要領良く脱がしていき、ついにパンツすら脱がされた。
あぁ、なるほど。見事に彼女の術中にハマったというわけだ。
ようやく彼女の説明に納得がいき、こんな目に遭いながらも気分はどこかすっきりしていた。
「せやから、お金は後で５００円出しといてな♪そのかわり、後は一切かからんから安心してウチにいっぺん犯されときな❤」
彼女はそういってオレのそそり勃った一物を手掴み、割烹着の内側に隠された秘所に挿入れようとあてがった。
洋のエロス文化が裸エプロンならば、和のエロス文化は裸割烹着。
良妻賢母が身につけるはずの物を少女が身につけることにより、可愛さといやらしさが合わさって最強に見える。
しかし、そんな姿を視姦する余裕は全くなかった。
その前に一物から強烈な締め付けと快楽が全身へ駆け巡ってきたのだ。
ずぷりっ、と重い水音が聞こえた瞬間の出来事である。
「あぁんっ、ウチのおめこにあんちゃんのおちんちんが入ってきたぁっ///」
それに続いて、ぶつんと何かが切れる音が聞こえたが、カナコは痛みで顔を歪ませることなく、恍惚と放蕩が混ざったような表情を浮かべ、口元から涎が一筋、部屋の明かりに反射した。
痛々しいまでの快楽で思わずうぅっ、と呻いてしまった。
しかし、一物の方は暴発せず、ますます堅くなっていくのがわかった。
「か、カナコ･･･い、痛くないのか？」
「大丈夫や、問題あらへんよ❤」
割烹着の一部が赤く滲んでいた為念のため聞いてみるが、彼女は蕩けた笑顔で答えた。
やはり人間との体の作りは違うようだ。
「せやけどこのままがっつくのもあれやから･･･ゆっくりあんちゃんを満足させたるよぉ❤」
彼女は仰向けになって寝倒された俺の上に包み込むようにのしかかり、そっと耳で囁やいてきた。
「ほら、ウチのおっぱい…揉んでえーねんよ?❤」
言われるがままに、オレは割烹着越しに彼女の胸を掴んだ。
むにゅう。
まさにそんな音が聞こえそうな、揉み心地だった。
あれ、こんなに大きかったのかと思ったが、なるほど、着物を着ていれば胸のラインが見えづらくなるのはよくある話。
隠れ巨乳のルーツは日本にあり、等とふざけた妄想をしながらも、しっかりと彼女の胸の感触を味わった。
「あぁんっ、あんちゃんの手つきやらしいなぁもぅ❤ウチをそないにはつじょーさせたいん？❤」
拙い揉み方にも関わらず、カナコは敏感に反応していた。
そりゃ発情させたいですとも。
「でもこれ以上はさせへんでぇ❤もう腰動かすからなぁ❤んちゅっ･･･ちゅぅぅぅ❤」
調子に乗って胸をもんでたら逆襲された。
キスと同時に繋がりっぱなしの部分が前後にスライドして、俺の一物がやばい。
「ん"っ、ん"ん"ん"−−−ッッッ！！！」
叫ぼうとして、キスによって塞がれた為に叫べなかった、オレの声にもならない異音。
そいて、ジュブッジュブッジュブ、と割烹着の中から速いテンポで聞こえる水音が部屋に響いた。
DTなオレにこの刺激はやばい、我慢どころか意識が限界だ。
向こうが精を得る為に性に関するスキルを極めた魔物娘を相手に、インキュバスでもAV男優でもないオレには敵う相手ではない。
「んふぅっ❤じゅるっ、ぢゅぅぅっ❤」
もうイッていいのよ、と言わんばかりにオレの口に含まれる水分という水分を吸いつくさんと言わんばかりのキスレイプをし、早まる腰の動きにスパートをかけてきた。
ゴメン、お父さん。
こんな若い女の子に犯されちゃったよ…。
「ー―ーっ"!!!」
「ぷぁっ！?あひゃあぁぁぁんっ❤あんちゃんのがウチの中でみたされてくりゅうぅぅ!!!❤」
遠くで余生を過ごしている父親の姿を思い浮かべながら、オレは産まれてきてから今まで溜めていたモノを彼女の膣中に注ぎ込んだ。
オレの一物が激しく白濁の想いを主張している為なのか、身体が重たいと感じる程の倦怠感が襲いかかり、その倦怠感に負けてオレは深い眠りについた。
「―――、…ん、あんひゃん❤」
ぼんやりとした呼び声が聞こえてきた。
ぼんやりとしながらも、目を覚ますと、俺がいるのは先ほどとは違う部屋だった。
ここはどこだろうかと思い声のした方に目を向けようと、動かない下半身の代わりに上半身を起こした。
目にしたのは、眠っていたオレとは関係なくそそり勃った一物を美味しそうに頬張っている裸の刑部狸の少女、カナコがいた。
その彼女の周りには可愛らしい小物がたくさん置かれていて、なんともおとめチックである。
「ちゅぱっ…んっ、ふぅ。あんちゃん、おそよーさん♪」
「うっ！……ここはどこなんだ?」
もしや…ラブホとかと言うオチではないだろうな。
「ウチのすんどるとこやけど?それよりもあんちゃんあれからいっこうに起きんもんやったからウチがお金出してここに連れ出したんやで。もーたいへんやったさかい、どないおとしまえ付けるんや?❤」
どうやらここはカナコの家らしく、少しは安心したものの、おとしまえという言葉にビクついたのは言うまでもない。
「あー、すまない。お金を倍にしてかえ――「――さんでええよ♪その代わり、ウチをお持ち帰りしたってことでかまへんよね?❤」
一方的にとはいえ、流石に傷物にさせてここまでつくしたのだから、ねぇ。
「―――勿論だよ。カナコ」
元からオレはカナコに惚れてしまったものだから、当然の答えである。
そう自信を持った気持ちを伝え、オレは優しくカナコの頭を撫でた。
「―――ありがとう、あんちゃんっ❤」
目のフチの黒い部分でも赤くなっているのがわかった。
どういたしまして。
そう言葉で伝える前に節操のない一物から、白濁の想いがカナコの顔にぶちまけてしまった。
「」
べっとりと髪と顔に白濁の想いで汚された彼女の顔は――――天使で閻魔な笑顔だった。
続かない。
12/03/21 00:50更新 / 浮浪物