新聞、お届けにまいりました〜♪
いい夜だ……
月は真円を描き燦々と輝いていている。
僕は一区切りついた仕事を取りやめ、ランプしか明りのない部屋に降り注ぐ月光と見ようと立ちあがろうとしたとき、
コンッ……コンッ……
ん？
玄関の方向だ
来客だろうか？こんな夜更けに……。
窓辺に向かおうとした足を玄関へと向ける。
木製のアンティーク調のドアの前に立ちのぞき穴へ目を近付ける……と、そこには見知った顔、だがこんな時間に見るのは初めての顔があった。
「ハーピー…さん？どうしたんだい、こんな時間に……」
ドアを開け声をかける
「…………」
「あの、ハーピーさん？」
どうやら様子がおかしい。
顔を覗き込んだ目に映った彼女の表情は何かを我慢しているようで、そして彼の知らない眼をしていた……。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
清々しい朝だ。
鳥の声は楽しげに響き合い美しい音楽を奏でている。
「今日はよく筆が進みそうだ」
目にしみる太陽の光を受けて呟いていた。
僕は小説家だ、故郷であるジパングから飛び出して自然とレンガで造られた家や道を気に入りこの街に住みついたのが３年ほど前。
大陸の言葉づかいに慣れるため、勉強をしつつ暇を見つけて書いてみた故郷を舞台にした物語がヒットし、気がつけばこの年でマイホームを買えるほどになっていた。
と、いっても一人〜二人が住めるような小さなものだが。
今は最初に書いた単発物ではなく、全数巻になるであろう物語を執筆中である。
ファンの方々の次回作を希望する声に感動し、俄然意欲が湧いた青年は筆を走らせる。
そこに
コンッ、コンッ
来客を知らせる音
僕は筆を置き玄関へ向かう。
のぞき穴を見るまでもない、この時間にこの家を訪ねる人は一人しかいないのだから。
一日の始めの、一日で一番楽しみにしている時間。
ドアを開け来客を迎え入れる。
「先生、新聞をお届けにまいりました〜♪」
朝の太陽すら霞む笑顔で微笑む彼女。
僕も自然と笑顔になれる。
「やぁ、いらっしゃいハーピーさん」
僕の、密かな恋心
※※※
空を舞う。
朝、新聞という紙の束を指定された家へ届けるのが私の仕事だ。
親魔物国家に属するこの国では私みたいなハーピーでも仕事ができる。
飛ぶことのできる私たちハーピーにかかれば迷路みたいに入り組んだ道なんて関係ないからねー。
私は朝だけの担当だし楽な仕事もあったものよ
それでいて人間たちと同じだけのお金がもらえるんだから、この街の人たちはほんとに親切だと思う、人にしかできないこともあるし適材適所ってのを分かってるんだろうね。
「さってと〜♪次で最後だぞ〜♪」
気分がはずむ
次は愛しの彼の家
こっちからの一方的な思いだけども……
彼と少しでも長くいたいから、わざわざ遠回りしてまで彼の家を最後にしているのだ。
少し急いで飛べばいいだけだもん。
「あ、見えてきた」
周りに比べたら一回り小さいがこの国には無い独特の風情がある家。
玄関先に降り立つと自然と笑顔になる
今日は何を話そうかな？
ドアを軽くノックして待つ、待っている時間さえ愛しくてたまらない。
少しの間をおいてドアが開く。
「先生、新聞をお届けにまいりました〜♪」
お決まりの口上
これがなくては一日が始まらない
「やぁ、いらっしゃいハーピーさん」
彼が私に笑顔を向けてくれる
なんて幸せなのだろう……。
※※※
「はい、コーヒーを淹れましたのでどうぞー」
「ありがとうございます、ハーピーさん」
自分の家が最後の配達だということで、彼女はよく、というより毎日家に上がっては僕との他愛ない会話に付き合ってくれる。
それももう２年以上になる、彼女といつから家に上がってもらい話すようになったかは覚えていない、それくらいこの午前の一時が自然なものになっていた。
今では勝手知ったる他人の家と言うのか、コーヒーまで淹れてくれるようになった。
これがとてもおいしいのだがいつの日だったか、僕がコーヒーが好きだと言った次の日から僕の好みの味を研究し実験を重ねて、このコーヒーの淹れ方をマスターしたのだ、なぜ彼女がそこまでしてくれたのかは分からないが……毎日僕を喜ばそうと頑張ってくれる姿は涙が出るほどうれしかった
「うん…とっても美味しいよ」
「〜♪」
嬉しそうに見つめてくる彼女の笑顔はとてもまぶしかった。
「えっ！？じゃぁジパングの人は下着をつけないのですか！？」
「あぁそうさ、よくてフンドシやサラシといった一枚の長い布で隠す程度なんだよ、僕は事前に大陸の服装を手に入れてから渡ってきたんだが、あの着物のまま渡ってきたジパングの人はここでは異質だろうね」
「へぇ…びっくりしました〜」
「向こうの人達に言わせれば、こっちの人の軽装はやっぱり異質に見えるんだろうね、僕もそうだったさ」
「私たちにとってはこの方が飛びやすいんですよ〜いろいろ抵抗が少ないですし」
「あぁ…確かに抵抗は少なさそうだね……」
「ちょっと、どこ見てるんですか先生〜」
少々小ぶりの胸囲を隠しながら頬を軽く染める。
そんな仕草もとても可愛らしい。
こんな他愛ない会話もずっとだ。
彼の故郷の話、彼女の故郷の話、彼の昨日あったことの話、彼女の昨日あったことの話、天気の話、街の話、今書いているものの話。
彼も彼女も十分に幸せだった
互いに同じ思いを秘めて、自分の中で繰り返す。
『あぁ…やっぱり…私はこの人が好き』
※※※
その日はいつもとなんら変わりなくやってきた……
「………んっ」
普段と変わりなく今日も僕はハーピーさんとお喋りに興じていたのだが、なぜだかハーピーさんの様子が少しばかりおかしい気がする…
心なしか顔が赤いような気もするし、それに明らかに息が荒い…。
「ハーピーさん？どうしたの？具合悪いように見えるんだけど…」
「えっ、あ、その…大丈夫ですよ〜」
笑顔で返してくれたが、やはり頬がいつもより赤い。
「あー、具合悪いようなら少し休んだ方がいいんじゃないか？顔、赤いよ」
「いえいえ大丈夫ですって〜。実は今日ちょっと寝坊しちゃいまして、結構スピード出して飛んできたからそのせいですよきっと〜」
「そう…かい？ならいいんだけど……」
だが彼女が家にあがってから一時間近くたっている、それでも熱が引かないことがあるだろうか…彼女は魔物だし人間より頑丈な体を持っているはずだが……。
「それより先生、コーヒーのおかわりはいかがですか？」
「…あぁ、じゃぁ頂こうかな」
まぁ彼女が平気と言うのなら平気なのだろう。
すっかり冷めてしまった少量のコーヒーを飲みほして渡す。
「はい、ちょっと待っててくださいね〜♪」
熱っぽいハーピーさんに少し邪な感情を抱いてしまったのは内緒にしておこう……。
※※※
熱い
暑い
火照る
せんせぃ…
欲しい…
今朝からだ。
どうも体の調子がおかしい、どうやら不定期にやってくるあれが来てしまったようだ……。
そして、今までは気力でなんとか押さえつけてきたが今回のは大きすぎる、体は火照り、乾き、秘所は疼き、狂おしいほどの飢えが彼女を襲っていた。
「はっ、はっ……ぁ」
ハーピー種として生まれたからには避けることのできない…
そう…発情期が来てしまったのだ。
「せんせぇ……ぁん…」
あの人に会いたい
そばに行きたい
一緒にお喋りしたい
触れ合いたい
触れて欲しい
…欲しい
一直線に彼のもとへ飛んで行けばいいものを、何故かいつも通りの順番で新聞を届けながら彼の家へと急ぐ。
それほどまでに彼女の意識は朦朧としていた。
ドアを叩く
彼に会いたい
先生はやく
会いたい
会いたい
早く！
「やぁ、ハーピーさんご苦労様」
衝撃だった
彼の笑顔を見たとたん、さっきまでの邪な思いが純粋なものへ変わっていく。
ダメッ
寸前のところで彼女は留まることができた、ここで彼を欲望のまま、本能のまま犯しつくしてしまったら、いままでの幸せな時間が全て壊れてしまうかもしれない。
それは……なによりも嫌だった。
だから、精一杯でいつも通りに、
「はい♪新聞をお届けにまいりました」
だが、そこから先はさらにつらかった。
先生の動作のひとつひとつまでもが愛しくてたまらない。
一度は彼が後ろを向いて本棚を探っている時、つい羽で背中へ触れてしまいおかしな顔をされた。
結局この日彼女ははいつもよりかなり早く彼の家を出ることにした…
※※※
街のすぐ隣にある森の中
ハーピーさんの家はそこにある。
「あ、んっ、はぁぁ…ぁあん」
帳の降りた夜の森に甘い嬌声が響き渡る
「あぁぁ、はぁ……ふぅっ」
彼女は羽のような手で自らの乳房を撫でまわし、そのやわらかな刺激は休むことなく快楽を与え続ける。
「はぁ、はぁん…ぃ、いっ」
そして羽先が乳首に触れるたびに甘く、それでいて激しく電流のような快感が彼女を襲う。
「ぁ…はぁぁ」
足りない
まだこの体の火照りは収まることを知らない
そればかりか今まで以上に快楽を求め、乾いていく
「はぁ、はぁ、はぁ……」
右手をのばす
先程から疼いて仕方ない秘所へと羽先がふれる。
「ぃいいっ、ぁあん……っん」
せんせぇ……
「んっ、んっ……んぁあ」
私のここ、さわって欲しいのぉ
「あ、くぅぅ…ふぅぅ……」
あふれ出る愛しの彼への思い、それと同調するかのように秘所よりこぼれだす愛液が彼女の羽を濡らしていく。
足りない…
「あんっ、きゃぅ、うぅんっ」
こんなのじゃ足りない…
「もぅ…もぅっ、せんせぇっ、ダメぇ…」
せんせぇ！
「もぅ、もうぅっ…ぃっ、くぅぅぅん」
普段訪れる発情期の飢えなら、これで解消してきた……しかし、
足りないわぁ
先生…
※※※
いい夜だ……
窓から差し込む月光に愛しの彼女へ思いを馳せる
我ながら臭いことをしているとは思うがこれが恋、というやつなのだろう…
僕は執筆を一旦止め月でも見ようかと腰を上げた。
コンッ……コンッ……
ん？
こんな時間に来客だろうか？
少しの注意を払って玄関へ近付く。
アンティーク調のドアに空いたのぞき穴へ眼を近付ける。
そこに見知った顔があったことに驚きつつも
「ハーピー…さん？どうしたんだい、こんな時間に……」
ドアを開け声をかける。
「…………」
「あの、ハーピーさん？」
昼間と同じ、様子がおかしい。
両羽を肩へやり、震えているように見える。
「大丈夫かぃ？…夜は冷えるから、まずは中へ……」
どこか悪いのであればまずは介抱しなくては
そう思い僕は家の中へハーピーさんを招き入れた。
「……先生」
「ん、なんだい？どこか怪我でもしてるなｒ」
ガバッ
一瞬だった。
その小さな体からは想像できない力で、それでいて優しく、押し倒された。
「！っちょ、っと…ハーピーさん？」
腕ごと抱え込むように押し倒されて身動きの取れない状況
そしてやはり腕越しに彼女の震えが伝わってきた、それはまるでなにかを我慢するかのように小刻みに震えていた
「せんせぇ…私……もぅっ」
「っ！」
あまりに予想外の出来事に思考が追い付かない
キスをされた。
「ふっ……ちゅっ、んむぅ…ぷぁ」
「はぁっ…ハー…ピーさん…」
３cmと離れない場所に愛する人の眼は、猛禽類のように鋭く、まるで獲物を捕えた肉食の獣のそれだった。
「先生……もぅ……私…我慢できないのっ！」
僕はその眼に……
さっきまでを上回る愛と、欲情を見た。
「先生…すきぃ……大好きぃ」
「ぁ…」
それは今まで心の奥に仕舞っておいた思い、それを言えばその幸せな時間が壊れてしまうような気がして、怖くて仕舞いこんだ言葉。
けれど、怖がらずに口にしてしまえば…こんなにも簡単に……
「僕もです…ハーピーさん…大、好きです」
「っ…」
「ふっ……」
「うふふ……」
簡単に…始まることができるんだから
「寝室へ…いきませんか？」
「…はい♪」
※※※
「ちゅッ…ぷぁ、んむぅ」
愛しい。
こうして向かい合って口づけを交わすだけで果ててしまいそうなほど。
「ふぁ……っぷ、せぇんせ〜♪」
甘えるような可愛らしい声で囁いてくる、その唇の動き一つ一つまで…愛しい。
「ぅむ…ハーピーさん…」
控え目に揺れる彼女の乳房に触れてみた。
「…っひゃん」
「あっ、ごめん…」
「あ、違うの…もぅ…先生に触られるだけで…その…気持ち良すぎて…///
」
「ハーピーさん…」
今度は触れるだけでなく少し握ってみる、あくまで優しく、宝物のように。
「んはぁ…！あ、あぁぁ……ひんっ！」
片方だけでなく両手で双房を揉みしだく。
「ぃあぁぁぁっ！んあぁぁぁぁぁ！！？」
「ハーピーさん…気持ちいぃ…柔らかくて、僕の手のひらにちょうど収まってくれて…最高だよ」
「はっ……はっ……小さくて、ごめんねぇ……んぁっ」
「何を言うんだ、最高だよ…」
乳房の先を責め始める
「ひゃぅぅぅぅっ、だめぇ！コリコリしないでぇぇっ」
嫌がりながらも快感が勝り彼女の顔は快楽にとろけきっていて、秘所からは止まることなく愛液があふれ出てくる。
片房の手を離し、秘所へと近付ける。
その気配を察知したのか彼女は少し身をよじらせた。
「ぁ…ゃ…」
弱々しい嬌声をあえて無視してひったりと閉じた秘裂を指でなぞる。
「っ……んあぁぁぁぁぁ！♪や、だめぇ、ひゃっ、ぁんっ！」
僕は休まず攻め立てた…この異常な興奮が僕を攻撃的にしていた。
二本の指で割れ目を開き直接触れてみた。
「あっだめ、ぁぁぁあ！やあぁぁぁぁぁっ！♪あ、あ、あっ…あぁぁぁぁぁぁぁぁっ……」
どうやら達してしまったようだ。体は薄く朱に染まり、息も絶え絶えといった様子だ…少しやりすぎてしまっただろうか……。
「ハーピーさん…ごめんなさい、つい……」
「はぁ、はぁ、はぁ…先生ったらぁ……激しすぎますぅ……今度は、私の番ですからねぇ…♪」
そういって笑みを浮かべる彼女……
その笑顔は僕を凄く興奮させた。
「こんなに大きく……すっごい…はぁ……」
「あ、あの…ハーピーさん…？」
「だめです、次は私が先生に気持ち良くてあげるんですからぁ〜♪」
とろけた笑みを浮かべたハーピーさんは両手の羽を僕のペニスへ這わせてきた。
「っ！…うわぁ…はぁっ」
「うふふ、気持ちいいんですか？それじゃこーして……」
両羽を違うリズムで踊らせる。ものすごく…気持ちいぃっ。
「ひゃぁ…ダメだって、それは…んぁっ」
「あらら〜、そんなにいいんですか〜じゃ、これならどうですかぁ？……ぁ〜むっ♪」
「！！？？」
羽でさらに激しく責め立て、そして彼女は亀頭に吸いついてきたのだ。あまりの快楽に思わず果てそうになるが、耐える。
「んぁあ！はぁっ……うわぁ…っ」
「……ぅんっ、ろーれふかー？ひもひいいれふかー？」
「うぁっ…ダメッ、喋らないでぇ…」
「ふふふふふ〜♪」
喉の振動が伝わり快楽の波とまり押し寄せてくる。
やばい…出そう…っ
と思ったとたんハーピーさんはペニスをしゃぶるのをやめてしまった。
「せんせぇ、だめですよー先にいったらー」
「っえ？」
「出すんなら……こっちで搾り取ってあげますからね〜…」
再び僕を押し倒し馬乗りになる。
「でわ…入れちゃいますね〜♪」
ハーピーさんはもう爆発寸前のぼくのペニスを掴み自分の秘所へぴったりと近付ける…。
そしてペニスの先端が入口に触れた瞬間っ。
ぬぷっ
ずっ…
「んはあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん♪」
「くぅあぁああぁぁぁぁ……」
一気に腰を沈めてきて僕のペニスはハーピーさんに飲み込まれてしまった。
「うわぁ……だめぇ……気持ち良すぎてっ……うああぁぁぁぁあ！！」
あまりの気持ちよさに僕は一瞬で達してしまった。
「はぁぁん…来てるぅ……先生の精が入ってくるぅん♪」
恍惚としたハーピーさんだが秘所からあふれ出る精液に混じって赤い血が流れてきている。
「せんせぇ……私足りないわぁ……もっとぉ、もぉっとしましょぅ…」
そんなことは気にもしないでハーピーさんはとろけきってなお獰猛さを残す眼で快楽を、精を求めてくる。
その眼をみた興奮と彼女の膣の収縮もあって僕のペニスは堅さを取り戻していた。
「あはぁ♪もぅ…先生ったらぁ……」
・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・
・・・・・
・・
「せーんせぃ♪はぁい朝ごはんですよー」
「わぁ、今日は朝から豪勢だね」
「そりゃぁそーですよぉー、なんたって私と先生の結婚一周年記念じゃないですかぁ〜♪」
「うん、しってたさ、大好きだよ…ハーピーさん」
「もぅ、わたしだってぇ…♪」
HAPPY END
月は真円を描き燦々と輝いていている。
僕は一区切りついた仕事を取りやめ、ランプしか明りのない部屋に降り注ぐ月光と見ようと立ちあがろうとしたとき、
コンッ……コンッ……
ん？
玄関の方向だ
来客だろうか？こんな夜更けに……。
窓辺に向かおうとした足を玄関へと向ける。
木製のアンティーク調のドアの前に立ちのぞき穴へ目を近付ける……と、そこには見知った顔、だがこんな時間に見るのは初めての顔があった。
「ハーピー…さん？どうしたんだい、こんな時間に……」
ドアを開け声をかける
「…………」
「あの、ハーピーさん？」
どうやら様子がおかしい。
顔を覗き込んだ目に映った彼女の表情は何かを我慢しているようで、そして彼の知らない眼をしていた……。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
清々しい朝だ。
鳥の声は楽しげに響き合い美しい音楽を奏でている。
「今日はよく筆が進みそうだ」
目にしみる太陽の光を受けて呟いていた。
僕は小説家だ、故郷であるジパングから飛び出して自然とレンガで造られた家や道を気に入りこの街に住みついたのが３年ほど前。
大陸の言葉づかいに慣れるため、勉強をしつつ暇を見つけて書いてみた故郷を舞台にした物語がヒットし、気がつけばこの年でマイホームを買えるほどになっていた。
と、いっても一人〜二人が住めるような小さなものだが。
今は最初に書いた単発物ではなく、全数巻になるであろう物語を執筆中である。
ファンの方々の次回作を希望する声に感動し、俄然意欲が湧いた青年は筆を走らせる。
そこに
コンッ、コンッ
来客を知らせる音
僕は筆を置き玄関へ向かう。
のぞき穴を見るまでもない、この時間にこの家を訪ねる人は一人しかいないのだから。
一日の始めの、一日で一番楽しみにしている時間。
ドアを開け来客を迎え入れる。
「先生、新聞をお届けにまいりました〜♪」
朝の太陽すら霞む笑顔で微笑む彼女。
僕も自然と笑顔になれる。
「やぁ、いらっしゃいハーピーさん」
僕の、密かな恋心
※※※
空を舞う。
朝、新聞という紙の束を指定された家へ届けるのが私の仕事だ。
親魔物国家に属するこの国では私みたいなハーピーでも仕事ができる。
飛ぶことのできる私たちハーピーにかかれば迷路みたいに入り組んだ道なんて関係ないからねー。
私は朝だけの担当だし楽な仕事もあったものよ
それでいて人間たちと同じだけのお金がもらえるんだから、この街の人たちはほんとに親切だと思う、人にしかできないこともあるし適材適所ってのを分かってるんだろうね。
「さってと〜♪次で最後だぞ〜♪」
気分がはずむ
次は愛しの彼の家
こっちからの一方的な思いだけども……
彼と少しでも長くいたいから、わざわざ遠回りしてまで彼の家を最後にしているのだ。
少し急いで飛べばいいだけだもん。
「あ、見えてきた」
周りに比べたら一回り小さいがこの国には無い独特の風情がある家。
玄関先に降り立つと自然と笑顔になる
今日は何を話そうかな？
ドアを軽くノックして待つ、待っている時間さえ愛しくてたまらない。
少しの間をおいてドアが開く。
「先生、新聞をお届けにまいりました〜♪」
お決まりの口上
これがなくては一日が始まらない
「やぁ、いらっしゃいハーピーさん」
彼が私に笑顔を向けてくれる
なんて幸せなのだろう……。
※※※
「はい、コーヒーを淹れましたのでどうぞー」
「ありがとうございます、ハーピーさん」
自分の家が最後の配達だということで、彼女はよく、というより毎日家に上がっては僕との他愛ない会話に付き合ってくれる。
それももう２年以上になる、彼女といつから家に上がってもらい話すようになったかは覚えていない、それくらいこの午前の一時が自然なものになっていた。
今では勝手知ったる他人の家と言うのか、コーヒーまで淹れてくれるようになった。
これがとてもおいしいのだがいつの日だったか、僕がコーヒーが好きだと言った次の日から僕の好みの味を研究し実験を重ねて、このコーヒーの淹れ方をマスターしたのだ、なぜ彼女がそこまでしてくれたのかは分からないが……毎日僕を喜ばそうと頑張ってくれる姿は涙が出るほどうれしかった
「うん…とっても美味しいよ」
「〜♪」
嬉しそうに見つめてくる彼女の笑顔はとてもまぶしかった。
「えっ！？じゃぁジパングの人は下着をつけないのですか！？」
「あぁそうさ、よくてフンドシやサラシといった一枚の長い布で隠す程度なんだよ、僕は事前に大陸の服装を手に入れてから渡ってきたんだが、あの着物のまま渡ってきたジパングの人はここでは異質だろうね」
「へぇ…びっくりしました〜」
「向こうの人達に言わせれば、こっちの人の軽装はやっぱり異質に見えるんだろうね、僕もそうだったさ」
「私たちにとってはこの方が飛びやすいんですよ〜いろいろ抵抗が少ないですし」
「あぁ…確かに抵抗は少なさそうだね……」
「ちょっと、どこ見てるんですか先生〜」
少々小ぶりの胸囲を隠しながら頬を軽く染める。
そんな仕草もとても可愛らしい。
こんな他愛ない会話もずっとだ。
彼の故郷の話、彼女の故郷の話、彼の昨日あったことの話、彼女の昨日あったことの話、天気の話、街の話、今書いているものの話。
彼も彼女も十分に幸せだった
互いに同じ思いを秘めて、自分の中で繰り返す。
『あぁ…やっぱり…私はこの人が好き』
※※※
その日はいつもとなんら変わりなくやってきた……
「………んっ」
普段と変わりなく今日も僕はハーピーさんとお喋りに興じていたのだが、なぜだかハーピーさんの様子が少しばかりおかしい気がする…
心なしか顔が赤いような気もするし、それに明らかに息が荒い…。
「ハーピーさん？どうしたの？具合悪いように見えるんだけど…」
「えっ、あ、その…大丈夫ですよ〜」
笑顔で返してくれたが、やはり頬がいつもより赤い。
「あー、具合悪いようなら少し休んだ方がいいんじゃないか？顔、赤いよ」
「いえいえ大丈夫ですって〜。実は今日ちょっと寝坊しちゃいまして、結構スピード出して飛んできたからそのせいですよきっと〜」
「そう…かい？ならいいんだけど……」
だが彼女が家にあがってから一時間近くたっている、それでも熱が引かないことがあるだろうか…彼女は魔物だし人間より頑丈な体を持っているはずだが……。
「それより先生、コーヒーのおかわりはいかがですか？」
「…あぁ、じゃぁ頂こうかな」
まぁ彼女が平気と言うのなら平気なのだろう。
すっかり冷めてしまった少量のコーヒーを飲みほして渡す。
「はい、ちょっと待っててくださいね〜♪」
熱っぽいハーピーさんに少し邪な感情を抱いてしまったのは内緒にしておこう……。
※※※
熱い
暑い
火照る
せんせぃ…
欲しい…
今朝からだ。
どうも体の調子がおかしい、どうやら不定期にやってくるあれが来てしまったようだ……。
そして、今までは気力でなんとか押さえつけてきたが今回のは大きすぎる、体は火照り、乾き、秘所は疼き、狂おしいほどの飢えが彼女を襲っていた。
「はっ、はっ……ぁ」
ハーピー種として生まれたからには避けることのできない…
そう…発情期が来てしまったのだ。
「せんせぇ……ぁん…」
あの人に会いたい
そばに行きたい
一緒にお喋りしたい
触れ合いたい
触れて欲しい
…欲しい
一直線に彼のもとへ飛んで行けばいいものを、何故かいつも通りの順番で新聞を届けながら彼の家へと急ぐ。
それほどまでに彼女の意識は朦朧としていた。
ドアを叩く
彼に会いたい
先生はやく
会いたい
会いたい
早く！
「やぁ、ハーピーさんご苦労様」
衝撃だった
彼の笑顔を見たとたん、さっきまでの邪な思いが純粋なものへ変わっていく。
ダメッ
寸前のところで彼女は留まることができた、ここで彼を欲望のまま、本能のまま犯しつくしてしまったら、いままでの幸せな時間が全て壊れてしまうかもしれない。
それは……なによりも嫌だった。
だから、精一杯でいつも通りに、
「はい♪新聞をお届けにまいりました」
だが、そこから先はさらにつらかった。
先生の動作のひとつひとつまでもが愛しくてたまらない。
一度は彼が後ろを向いて本棚を探っている時、つい羽で背中へ触れてしまいおかしな顔をされた。
結局この日彼女ははいつもよりかなり早く彼の家を出ることにした…
※※※
街のすぐ隣にある森の中
ハーピーさんの家はそこにある。
「あ、んっ、はぁぁ…ぁあん」
帳の降りた夜の森に甘い嬌声が響き渡る
「あぁぁ、はぁ……ふぅっ」
彼女は羽のような手で自らの乳房を撫でまわし、そのやわらかな刺激は休むことなく快楽を与え続ける。
「はぁ、はぁん…ぃ、いっ」
そして羽先が乳首に触れるたびに甘く、それでいて激しく電流のような快感が彼女を襲う。
「ぁ…はぁぁ」
足りない
まだこの体の火照りは収まることを知らない
そればかりか今まで以上に快楽を求め、乾いていく
「はぁ、はぁ、はぁ……」
右手をのばす
先程から疼いて仕方ない秘所へと羽先がふれる。
「ぃいいっ、ぁあん……っん」
せんせぇ……
「んっ、んっ……んぁあ」
私のここ、さわって欲しいのぉ
「あ、くぅぅ…ふぅぅ……」
あふれ出る愛しの彼への思い、それと同調するかのように秘所よりこぼれだす愛液が彼女の羽を濡らしていく。
足りない…
「あんっ、きゃぅ、うぅんっ」
こんなのじゃ足りない…
「もぅ…もぅっ、せんせぇっ、ダメぇ…」
せんせぇ！
「もぅ、もうぅっ…ぃっ、くぅぅぅん」
普段訪れる発情期の飢えなら、これで解消してきた……しかし、
足りないわぁ
先生…
※※※
いい夜だ……
窓から差し込む月光に愛しの彼女へ思いを馳せる
我ながら臭いことをしているとは思うがこれが恋、というやつなのだろう…
僕は執筆を一旦止め月でも見ようかと腰を上げた。
コンッ……コンッ……
ん？
こんな時間に来客だろうか？
少しの注意を払って玄関へ近付く。
アンティーク調のドアに空いたのぞき穴へ眼を近付ける。
そこに見知った顔があったことに驚きつつも
「ハーピー…さん？どうしたんだい、こんな時間に……」
ドアを開け声をかける。
「…………」
「あの、ハーピーさん？」
昼間と同じ、様子がおかしい。
両羽を肩へやり、震えているように見える。
「大丈夫かぃ？…夜は冷えるから、まずは中へ……」
どこか悪いのであればまずは介抱しなくては
そう思い僕は家の中へハーピーさんを招き入れた。
「……先生」
「ん、なんだい？どこか怪我でもしてるなｒ」
ガバッ
一瞬だった。
その小さな体からは想像できない力で、それでいて優しく、押し倒された。
「！っちょ、っと…ハーピーさん？」
腕ごと抱え込むように押し倒されて身動きの取れない状況
そしてやはり腕越しに彼女の震えが伝わってきた、それはまるでなにかを我慢するかのように小刻みに震えていた
「せんせぇ…私……もぅっ」
「っ！」
あまりに予想外の出来事に思考が追い付かない
キスをされた。
「ふっ……ちゅっ、んむぅ…ぷぁ」
「はぁっ…ハー…ピーさん…」
３cmと離れない場所に愛する人の眼は、猛禽類のように鋭く、まるで獲物を捕えた肉食の獣のそれだった。
「先生……もぅ……私…我慢できないのっ！」
僕はその眼に……
さっきまでを上回る愛と、欲情を見た。
「先生…すきぃ……大好きぃ」
「ぁ…」
それは今まで心の奥に仕舞っておいた思い、それを言えばその幸せな時間が壊れてしまうような気がして、怖くて仕舞いこんだ言葉。
けれど、怖がらずに口にしてしまえば…こんなにも簡単に……
「僕もです…ハーピーさん…大、好きです」
「っ…」
「ふっ……」
「うふふ……」
簡単に…始まることができるんだから
「寝室へ…いきませんか？」
「…はい♪」
※※※
「ちゅッ…ぷぁ、んむぅ」
愛しい。
こうして向かい合って口づけを交わすだけで果ててしまいそうなほど。
「ふぁ……っぷ、せぇんせ〜♪」
甘えるような可愛らしい声で囁いてくる、その唇の動き一つ一つまで…愛しい。
「ぅむ…ハーピーさん…」
控え目に揺れる彼女の乳房に触れてみた。
「…っひゃん」
「あっ、ごめん…」
「あ、違うの…もぅ…先生に触られるだけで…その…気持ち良すぎて…///
」
「ハーピーさん…」
今度は触れるだけでなく少し握ってみる、あくまで優しく、宝物のように。
「んはぁ…！あ、あぁぁ……ひんっ！」
片方だけでなく両手で双房を揉みしだく。
「ぃあぁぁぁっ！んあぁぁぁぁぁ！！？」
「ハーピーさん…気持ちいぃ…柔らかくて、僕の手のひらにちょうど収まってくれて…最高だよ」
「はっ……はっ……小さくて、ごめんねぇ……んぁっ」
「何を言うんだ、最高だよ…」
乳房の先を責め始める
「ひゃぅぅぅぅっ、だめぇ！コリコリしないでぇぇっ」
嫌がりながらも快感が勝り彼女の顔は快楽にとろけきっていて、秘所からは止まることなく愛液があふれ出てくる。
片房の手を離し、秘所へと近付ける。
その気配を察知したのか彼女は少し身をよじらせた。
「ぁ…ゃ…」
弱々しい嬌声をあえて無視してひったりと閉じた秘裂を指でなぞる。
「っ……んあぁぁぁぁぁ！♪や、だめぇ、ひゃっ、ぁんっ！」
僕は休まず攻め立てた…この異常な興奮が僕を攻撃的にしていた。
二本の指で割れ目を開き直接触れてみた。
「あっだめ、ぁぁぁあ！やあぁぁぁぁぁっ！♪あ、あ、あっ…あぁぁぁぁぁぁぁぁっ……」
どうやら達してしまったようだ。体は薄く朱に染まり、息も絶え絶えといった様子だ…少しやりすぎてしまっただろうか……。
「ハーピーさん…ごめんなさい、つい……」
「はぁ、はぁ、はぁ…先生ったらぁ……激しすぎますぅ……今度は、私の番ですからねぇ…♪」
そういって笑みを浮かべる彼女……
その笑顔は僕を凄く興奮させた。
「こんなに大きく……すっごい…はぁ……」
「あ、あの…ハーピーさん…？」
「だめです、次は私が先生に気持ち良くてあげるんですからぁ〜♪」
とろけた笑みを浮かべたハーピーさんは両手の羽を僕のペニスへ這わせてきた。
「っ！…うわぁ…はぁっ」
「うふふ、気持ちいいんですか？それじゃこーして……」
両羽を違うリズムで踊らせる。ものすごく…気持ちいぃっ。
「ひゃぁ…ダメだって、それは…んぁっ」
「あらら〜、そんなにいいんですか〜じゃ、これならどうですかぁ？……ぁ〜むっ♪」
「！！？？」
羽でさらに激しく責め立て、そして彼女は亀頭に吸いついてきたのだ。あまりの快楽に思わず果てそうになるが、耐える。
「んぁあ！はぁっ……うわぁ…っ」
「……ぅんっ、ろーれふかー？ひもひいいれふかー？」
「うぁっ…ダメッ、喋らないでぇ…」
「ふふふふふ〜♪」
喉の振動が伝わり快楽の波とまり押し寄せてくる。
やばい…出そう…っ
と思ったとたんハーピーさんはペニスをしゃぶるのをやめてしまった。
「せんせぇ、だめですよー先にいったらー」
「っえ？」
「出すんなら……こっちで搾り取ってあげますからね〜…」
再び僕を押し倒し馬乗りになる。
「でわ…入れちゃいますね〜♪」
ハーピーさんはもう爆発寸前のぼくのペニスを掴み自分の秘所へぴったりと近付ける…。
そしてペニスの先端が入口に触れた瞬間っ。
ぬぷっ
ずっ…
「んはあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん♪」
「くぅあぁああぁぁぁぁ……」
一気に腰を沈めてきて僕のペニスはハーピーさんに飲み込まれてしまった。
「うわぁ……だめぇ……気持ち良すぎてっ……うああぁぁぁぁあ！！」
あまりの気持ちよさに僕は一瞬で達してしまった。
「はぁぁん…来てるぅ……先生の精が入ってくるぅん♪」
恍惚としたハーピーさんだが秘所からあふれ出る精液に混じって赤い血が流れてきている。
「せんせぇ……私足りないわぁ……もっとぉ、もぉっとしましょぅ…」
そんなことは気にもしないでハーピーさんはとろけきってなお獰猛さを残す眼で快楽を、精を求めてくる。
その眼をみた興奮と彼女の膣の収縮もあって僕のペニスは堅さを取り戻していた。
「あはぁ♪もぅ…先生ったらぁ……」
・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・
・・・・・
・・
「せーんせぃ♪はぁい朝ごはんですよー」
「わぁ、今日は朝から豪勢だね」
「そりゃぁそーですよぉー、なんたって私と先生の結婚一周年記念じゃないですかぁ〜♪」
「うん、しってたさ、大好きだよ…ハーピーさん」
「もぅ、わたしだってぇ…♪」
HAPPY END
12/02/14 04:49更新 / ダディクール