魔物嫌いの副隊長
「コッケッコッコー!コッケッコッコー!」
宿舎に鶏の鳴き声が響く、部屋に置いてある柱時計を見ると短針は6の数字を差していた。
ベッドから降りて手早く軍服に身を包み、顔を洗い歯を磨く。
また何の目新しさもない退屈な一日が始まる。
準備を終えた後、宿舎の一階まで降り、食堂で朝食を食べる。朝食を食べた後は洗面所でまた歯を磨き、宿舎から歩いて10分程かかる警備詰所まで向かった。
「おはようございます!副隊長!」
警備詰所のドアを開けるやいなや詰所内に軍服を着た若い男、ジークの大声が響く。朝から大声はやめてほしいが真面目に挨拶している分何も言えない。 例え自分より身分が低くても。
「ああ・・・おはよう・・・」
先程のジークとは正反対の小さな声で挨拶を返す、俺は朝からそんな元気にはできんからな。
詰所内を見ると10畳程の広さに机が4台置いてあり、どの机の上も酷く散らかっている。その周りの棚の上にも書類や小物が乱雑に置かれていた。いつも通りの光景だった。
しばらくするとジークに声をかけられた
「副隊長、装備を準備するまでしばらくお待ちください」
俺は無言で副隊長席と書かれた札が置いてある席に座る。ギシギシと木製の椅子が軋んだ。
「お待たせしました」
ジークは机の上に剣を置いた。国から支給されたどこにでもある剣。伝説の剣でも高級な物でもない。私は剣を左腰に差した。
「こちらが隊長からの指示が書かれた書類です」
俺はそれを受け取り目を通す。書類を見た俺は首を傾げた。何故なら今日の指示された仕事は全くもって俺に関係のない仕事に思えたからだ。
ジークが不安そうに俺の顔を見る。俺が隊長が何処にいるか聞こうとした瞬間、隊長室の扉が開いた。
「よう!ライカ副隊長!相変わらず眠たそうな顔してんなぁ!」
ライカというのは私の名前だ。私はライカ・ベイルというのだが、昔から女の名前のようであまり好きではなかった。
これまた大きな声をあげて男が入ってきた。この男はロッド・イースタン隊長で俺の上司にあたる。ガサツで、仕事も少しサボりがちだが、人柄の良さが売りの男だ。
俺は少し苦手だが・・・
俺はロッド隊長に向き直った。
「ロッド隊長、本日のご指示なのですが我々の仕事ではない気がするのですが・・・」
ロッド隊長は顔をしかめる。
「いやぁ、それは俺も分かってるんだが、上の指示でな・・・」
「我々は治安維持部隊ですよ。今回のような仕事は調査観測部隊の仕事では?」
このメルガスト王国にはゾハス教団という反魔物を掲げる教団があり、国王よりも権力を持っている。
俺は教団傘下の『治安維持部隊』という部隊に所属しており、肩書きは副隊長だ。
治安維持部隊は文字通り、主に国内での治安を維持することが仕事だ。
他にも教団には、国の周辺において敵国の動静を監視、または有事の際に出動する『周辺警戒部隊』、国外での情報の収集、さらに水質、地質などの自然を調査する『調査観測部隊』がある。
「今回のような薬草の収穫は調査観測部隊の仕事だと思うのですが」
「まあまあ、そう言うなってライカ副隊長!調査観測部隊のやつらは皆出払ってるし、今手が空いてるのはお前位なんだよ」
俺はため息をついた。
確かに俺達は暇ではある。何故なら俺が治安維持部隊になってから、と言うよりも何百年も昔からこの国では戦争はおろか犯罪すら起きていない。
気候も温暖で作物もよく育ち、工業もある程度は発展している。さらに国王も国民の事を第一に考えるようなので国民は皆何一つ不自由無く生活している。
よって、俺の部隊は他の部隊に比べて仕事がかなり少ない。
最初は周辺警戒部隊も暇では無いのかと思ったが、たまに現れる魔物を追い払うため、そこそこの数が必要である。反魔物を掲げる以上、魔物の侵入を許してはいけないのだ。
「ジークを行かせては?」
「確かにジークを行かせたい気持ちもあるが、今回は無理だ。絶対にな。何てったって国王からの指示だからな」
俺は信じられなかった。何故、国王が俺に直々にそのような指示を出すかが分からなかったからだ。
「分かりました、行きましょう。ではすぐ準備をして出発します」
「待て待て!あと少ししたら国王の使いが・・・」
コンコン
警備詰所の扉をノックする音が聞こえた
俺が外に出ると隊長もついてきた
すると目の前に白いあごひげを蓄え、身なりの綺麗な正に執事という男性が立っていた。
「おはようございます、あなたがライカ・ベイル副隊長ですね」
「は、はい」
隊長は俺に耳打ちする。
「あの方が国王の執事だ。お前が出発する前に渡す物があるって昨日連絡を受けた」
執事は隊長と俺に一礼し、俺を正面に見据えた。
「突然、任務を言い渡した非礼をお許し下さい。実はお妃様が体調を崩され、その病気を治すために薬草が必要なのです」
俺は頷いたが、何故、俺を指名したのかは聞かなかった。
「分かりました、お妃様の為にも私、ライカ・ベイル出発いたします」
俺は執事に一礼し、準備をするために宿舎に向かおうとしたが、執事に呼び止められた。
「お待ちください、ライカ副隊長。お渡ししたいものがあります」
俺は、ああそうだった、何か受け取る物があるのだったと思い執事に向き直る。
するとさっきまでそこに無かった物、いや居なかった者がいた。
犬・・・のような体毛があるが犬では無い、二本足で立っている。ふかふかした茶色の毛並みで犬のような耳の付いた幼い少女がいた。よく見ると首輪も付けていて本当の犬のようだった。
「これは?」
俺が尋ねると執事は言った。
「国王が飼われている魔物、コボルドです。薬草探しのお供にぜひ」
俺は反魔物を掲げていながら魔物を飼う国王を不快に感じた。所詮こいつらは魔物であり、友好的に接するものではない。俺は両親が魔物を嫌っていたので俺もその血を受け継いでか魔物が大嫌いだった。
噂では反魔物を支持する教団国家でもコボルドと共生し、また、コボルドと交わるような輩もいるとの噂だ。どっちがケモノなんだか分からなくなる。
全くもって不快だ、魔物はこの世から駆逐すべきだとも俺は考えている。
こいつをどうしろと?
俺は無言で執事を睨む。
執事は俺の目を見ても変わらず物腰柔らかに言った。
「薬草探しには、この子の鼻が役に立つと思われます、連れて行ってあげて下さい」
俺はまた一段と深いため息をついた、コボルドが悲しそうな顔をしたのは多分気のせいだろう。
「すみません、私は魔物と一緒に行動するつもりはありません。一人で行けますので」
執事は顔を変えずに
「お願い致します」
と深々と頭を下げた。流石にこうも頭を下げられては断れないな、クソッ。
「分かりました・・・」
俺は渋々承諾した。コボルドが嬉しそうな顔をした・・・気がしたが気のせいだろう。
俺はコボルドに近づいて首輪に繋がった紐を持ち、強引に引っ張って宿舎まで歩いた。
宿舎で準備を済ませた後、すぐに出発した。薬草は『ヨクナリ草』というらしい、何で疑問系なのかは分からんが、早いこと見つけるに越したことは無い。
メルガスト王国の付近にあるマカロフ山の頂上付近に自生しているとのことだ。俺は足早に進む。このまま行けば夕方頃には頂上に着くだろう。
ただ、気に障ることがある。それは・・・
「ライカさま のど かわく? ソフィア すいとう もってる ソフィア みず あげる」
この糞犬だ。名前はソフィアと言うらしい、どうでもいいが。さっきから話しかけてくることをやめない。いくら無視をしてもだ。ひたすら無視だ。目も合わせない。大体俺は猫派なんだよ。犬は嫌いだ。
「ライカさま ソフィア きらい? ソフィア おしゃべり したい」
「ソフィア あたま よくない ことば あまり わからない ソフィア ことば おぼえたら ライカさま おしゃべり できる?」
「ソフィア がんばる やくそう みつける ぜったい みつける」
うるさいな・・・腹がたつ・・・
「ソフィア ライカさま まもる まもの から ぜったい ぜったい まもる!!」
俺の中で何かが切れた
「うるさい!黙ってろ!魔物から守るだと?お前が魔物じゃないか!このケモノが!」
糞犬は目を丸くして驚いていた。と同時に泣きそうな顔になった。
しまった・・・よくよく考えたらこいつは王族の犬だった。
俺はため息をつき、雲行きを確かめるため上を見ながら歩いた。それが間違いだった。
ズルッ!
迂闊だった。目の前は崖だった。
俺は落ちていった。糞犬の呼ぶ声が聞こえた気がした
目を覚ますと 、俺は洞窟の中にいた。辺りを見回す。少し暗いが、真っ暗というわけではなかった。立って歩こうとすると右足首に激痛が走った。
「くそ・・・いてぇ、折れたか?いや・・・捻挫しているだけか・・・」
俺は足首を見る、すると布が巻かれ、右足首が動かないように固定されていた。なかなかの応急処置だった。
俺は足首を痛めないようゆっくり座り、ため息をついた。
すると洞窟の中から何かが現れた、俺は剣に手をかける。盗賊かと思ったが違った、あの糞犬だった。
「ライカさま あし だいじょうぶ?」
俺は剣から手を離し足首を見る
「さあな、これ、おまえがやったのか?」
ソフィアは足首の布を見て答えた
「ソフィア ぬの ない ライカさま ふく つかった ごめんなさい」
俺は左手を見ると袖の部分が破れていた。先程は気づかなかったが、成る程これを使ったのか。
「ライカさま おこってる?」
「何でだ?」
「ライカさま おしゃべり しない ソフィア さびしい」
「そんなに話したいのか?」
糞犬は首を縦に振った。
「仕方ない、今日はもうどこにも行けないし、暇潰しに話してやるよ」
「ほんとう? うれしい!」
糞犬は俺の言葉を聞いて近づこうと駆け寄ってきた。その瞬間俺は剣を抜き糞犬の眼前に突き出す。剣先が刺さるか刺さらないかの所で糞犬は止まった。
「話しはすると言ったが近づいて良いとは言ってないぞ、糞犬。今度近づいたらその顔を切り裂いて、目玉くり抜いてやるからな」
糞犬は悲しそうな顔をし、俺から少し離れたところに座った。泣きそうな顔をしながら話し出した
「ライカさま ソフィア きらい?」
「ああ」
「ライカさま かっこいい ソフィア ライカさま すき」
「ああ」
「ライカさま まもの より にんげん すき?」
「ああ」
「ライカさま まもの きらい ソフィア にんげん なりたい ソフィア けっこんしたい」
「無理だ」
「ソフィア にんげん なれない なりたい だけど なれない なんで ライカさま?」
「知らない」
「ソフィア まもの だから いらない こ?」
「そうだな・・・」
「・・・!!クゥ〜〜ン・・・」
ようやく大人しくなったか・・・俺も寝るか・・・
俺はそっと目を閉じた・・・
次の日、目を覚ますと体に違和感を覚えた。眠たい目を擦ろうにも手が動かない、何故なら俺の体は糸で何重にも巻かれていたからだ。
「くそ!何だこれは!」
「あらぁ、目が覚めたぁ?」
耳に残る甘ったるい声が聞こえた。声の聞こえた方を見ると天井に蜘蛛の化け物、確かアラクネだったか・・・が天井で逆さまになってこちらを見ていた。
「お前の仕業か」
「んふふぅ、新鮮な精を求めてぇ、ちょっとねぇ・・・」
「勘弁してくれ、魔物は苦手なんだよ・・・」
「大丈夫よぉ、すぐ快楽に溺れるわぁ」
アラクネが地面に降り、俺に近づいた。
「まぁ、犬に噛まれたと思ってぇ、ねぇ」
その瞬間、洞窟の出口から糞犬が現れ、アラクネの脚に噛み付いた
「いたぁい!何この子ぉ!本当に噛まれちゃったじゃなぁい!」
糞犬、いや、ソフィアは俺を守ってくれたのだ。
「ソフィア ライカさま ぜったい まもる!ぜったい!ぜったい!ぜったい!まもる!」
ソフィアの目は本気だった、魔物のくせにえらく信念のある目をしていた、何故か俺は嬉しかった。
「全くぅ・・・興が削がれたじゃないのぉ・・・そのケモノと二人でヤッてれば良いわぁ・・」
アラクネはブツブツと文句を言いながら洞窟を出て行った。
ソフィアは俺に駆け寄って来た。
「ライカさま だいじょうぶ?」
「ああ・・・」
ソフィアは俺の言葉を聞いた途端、即座に離れた。
「どうした?」
「ライカさま ソフィア ちかい おこる だから とおい いる」
「しないよ・・・馬鹿犬・・・来ても良いぞ・・・」
「ほんとう?!」
ソフィアは俺に近づき、何度も何度も愛しそうに体を擦りつけた。犬特有のマーキングだろうか・・・
「何でお前はそんなに俺のことを好き好き言うんだ?」
「へやのなか から ソフィア ライカさま みてた そのひ ソフィア ライカさま すき なった」
ああ、そういえば、前に一度、王国の庭を警戒したんだった。たまたま行っただけなんだがな。犬にも一目惚れってあるのか?
「ライカさま かっこいい ソフィア ライカさま すき」
「ソフィア がんばる ライカさま だいすき ずっと いっしょ ずっと ずっと いっしょ」
「ソフィア むね くるしい ライカさま みたら むね くるしい」
「ああ・・・ありがとう・・・」
俺はソフィアに口付けした。ケモノ臭いかと思ったがそのようなことは無く、甘い匂いがした。
ソフィアは顔を蕩けさせ、満足したようだった。
その後も何度も何度も口付けをしている間、ソフィアの愛の囁きは止まらなかった。
暫くして、足首を怪我しているのを忘れていたが、普通に立つことが出来た。全く痛みがない。俺が驚いていると、ソフィアが、
「ライカさま あし この やくそう つかった」
ソフィアの手には「ヨクナリ草」が握られていた。俺が寝ている間に採ってきたのか・・・
俺はそれを見ながら、苦笑しながら言った。
「『キカナイコトハナサ草』に名前を変えたほうが良いな・・・」
ソフィアは首を傾げていた。
その日の夕方頃、つまり、俺たちが出発した次の日の夕方頃に俺たちはメルガスト王国に戻った。
俺はすぐ国王の元に行き、キカナイコトハナサ草もといヨクナリ草をお妃様に献上した。お妃様は大変喜んでいたそうだと、後に執事から聞いた。さらに今回、俺が抜擢された理由はソフィアが俺をいたく気に入ったからだそうだ。嬉しいが少し困る・・・
その日の夜、お妃様の役に立てた俺は誇らしげだった。
そして、その誇らしげな俺の横にこれまた誇らしげな者がいた。ソフィアだった。
俺は薬草探しから戻った後、国王にコボルドの良さをとことん話した。
国王は俺の熱弁に圧され、コボルドのみ国内での生活を認めた。
しかし、ここで魔物を受け入れると一気に侵攻してくるのが魔物の怖さだ。わずか半日でメルガスト王国は魔物大国になってしまった。
国王はサキュバス化したお妃様と毎日ヤリまくってるとの噂だ。他にも農夫はホルスタウロスの乳を絞りながら自分は精液を搾り取られ、行きつけのバーのマスターはサテュロスと酒を浴びるように飲んでヤッている有様で、開店時間が大幅に遅れる始末だった。
隊長は何と俺を襲ったアラクネと結ばれた、頑張って下さい隊長。
まぁ、元から教団内部で魔物を飼ってたんだから自業自得だな。良い意味でも悪い意味でも。
暫く時間が経ち、時刻は午前2時頃、外からは喘ぎ声が響いている中、俺とソフィアは宿舎のベッドの上で2人で座っている。お互い裸だ。それに顔も紅い。
「いいのか?ソフィア?」
「はい」
「色々と、悪かったな。酷いこと言って・・・」
「だいじょうぶ ソフィア ライカさま だいすき だから 」
「そうか・・・」
「ライカさま・・・」
「うん?」
「ライカさま ソフィア すき?」
「ああ、大好きだ これからもよろしくな」
「はい ライカさま ソフィア まもる ライカさま ずっと ずっと まもる だいすき だから いっしょう いっしょ!」
ソフィアは俺の上に覆い被さった
「ソフィア 俺 こういうの初めてだから優しくお願い・・・」
「はい ライカさま ソフィア も はじめて・・・ やさしく やさしく する・・・ だいすき だいすき・・・」
俺たちは熱い口付けを交わし、体を重ねた。
一ヶ月後 、メルガスト王国は正式に魔物の受け入れを許可したため魔物達が我が物顔で街中を歩いていた。
俺は全く不快感は感じなくなったのだが・・・
警戒していると、近くで今まさに行為に及ぼうとしている輩がいた。場所は警備詰所の真横だった・・・
「ちょっと 隊長 こんなところでヤろうとしないでください せめて自宅でお願いします!」
「俺じゃねぇよ!リリーが悪いんだよ!!」
「あらぁライカちゃんじゃなぁい、いつも旦那がお世話になってるわねぇ」
「リリーさん、他人の目もあるのでせめて自宅でお願いします。隊長、有給休暇の届け出を代わりに管理所に出しておくんで早退して良いですよ。と言うかして下さい」
「ほらぁ聞いたぁ?あなたぁ、さぁ、帰りましょぉおお!」
「あ!こら待て!嘘だろ!?アッーーー!」
隊長はリリーさんの頑丈な糸で縛られ連れて行かれた。さて、俺も今日は有給休暇の届け出をして早退しよう。明日は早めに出勤すれば問題ないからな。
俺は宿舎では無く、新築の一軒家に入った。ここが俺の家だ。
玄関に入るとソフィアがパタパタと早足で駆け寄ってきた。
「お帰りなさい、ライカさま」
「普通に呼んでくれよ・・・」
「私はこの呼び方の方が好きです♪」
「そっか、まぁいっか」
ライカは俺と一緒に生活するうちに様々な文献で言葉を学んだ、学び始めた頃は
「おかわり」、「もう一回」、「ざあめん」などしか覚えられなかったが今では日常生活では何ら支障もない程に成長した。
ふと、気がつくと、ソフィアは俺の股間を凝視していた。
「ソフィア、何見てるんだ?」
「うふふ、ライカさまの大事なところです♪」
「え」
「あらあら、私とヤりたくて帰ってきたんですか?エッチなライカさまですね♪」
見てみると俺の股間はテントを張っていた。
「いや、仕事の残りが・・・」
「嘘ですよね?昨日、『明日も暇だな〜』って言ってたじゃないですか?」
「え、あう・・・」
「良いですよ、来て下さい」
ソフィアは俺の腕を掴み寝室に連れ込んだ。すぐに俺は裸にされた。ライカもすでに裸だった。
「来てください、ライカさま」
「ああ、ソフィア、愛してる」
口付けをし、ソフィアの体を貪る。俺とソフィアは快楽に溺れた。
以前、ソフィアをケモノと言っていた自分が恥ずかしい、何故なら、今では自分がケダモノだからだ。
宿舎に鶏の鳴き声が響く、部屋に置いてある柱時計を見ると短針は6の数字を差していた。
ベッドから降りて手早く軍服に身を包み、顔を洗い歯を磨く。
また何の目新しさもない退屈な一日が始まる。
準備を終えた後、宿舎の一階まで降り、食堂で朝食を食べる。朝食を食べた後は洗面所でまた歯を磨き、宿舎から歩いて10分程かかる警備詰所まで向かった。
「おはようございます!副隊長!」
警備詰所のドアを開けるやいなや詰所内に軍服を着た若い男、ジークの大声が響く。朝から大声はやめてほしいが真面目に挨拶している分何も言えない。 例え自分より身分が低くても。
「ああ・・・おはよう・・・」
先程のジークとは正反対の小さな声で挨拶を返す、俺は朝からそんな元気にはできんからな。
詰所内を見ると10畳程の広さに机が4台置いてあり、どの机の上も酷く散らかっている。その周りの棚の上にも書類や小物が乱雑に置かれていた。いつも通りの光景だった。
しばらくするとジークに声をかけられた
「副隊長、装備を準備するまでしばらくお待ちください」
俺は無言で副隊長席と書かれた札が置いてある席に座る。ギシギシと木製の椅子が軋んだ。
「お待たせしました」
ジークは机の上に剣を置いた。国から支給されたどこにでもある剣。伝説の剣でも高級な物でもない。私は剣を左腰に差した。
「こちらが隊長からの指示が書かれた書類です」
俺はそれを受け取り目を通す。書類を見た俺は首を傾げた。何故なら今日の指示された仕事は全くもって俺に関係のない仕事に思えたからだ。
ジークが不安そうに俺の顔を見る。俺が隊長が何処にいるか聞こうとした瞬間、隊長室の扉が開いた。
「よう!ライカ副隊長!相変わらず眠たそうな顔してんなぁ!」
ライカというのは私の名前だ。私はライカ・ベイルというのだが、昔から女の名前のようであまり好きではなかった。
これまた大きな声をあげて男が入ってきた。この男はロッド・イースタン隊長で俺の上司にあたる。ガサツで、仕事も少しサボりがちだが、人柄の良さが売りの男だ。
俺は少し苦手だが・・・
俺はロッド隊長に向き直った。
「ロッド隊長、本日のご指示なのですが我々の仕事ではない気がするのですが・・・」
ロッド隊長は顔をしかめる。
「いやぁ、それは俺も分かってるんだが、上の指示でな・・・」
「我々は治安維持部隊ですよ。今回のような仕事は調査観測部隊の仕事では?」
このメルガスト王国にはゾハス教団という反魔物を掲げる教団があり、国王よりも権力を持っている。
俺は教団傘下の『治安維持部隊』という部隊に所属しており、肩書きは副隊長だ。
治安維持部隊は文字通り、主に国内での治安を維持することが仕事だ。
他にも教団には、国の周辺において敵国の動静を監視、または有事の際に出動する『周辺警戒部隊』、国外での情報の収集、さらに水質、地質などの自然を調査する『調査観測部隊』がある。
「今回のような薬草の収穫は調査観測部隊の仕事だと思うのですが」
「まあまあ、そう言うなってライカ副隊長!調査観測部隊のやつらは皆出払ってるし、今手が空いてるのはお前位なんだよ」
俺はため息をついた。
確かに俺達は暇ではある。何故なら俺が治安維持部隊になってから、と言うよりも何百年も昔からこの国では戦争はおろか犯罪すら起きていない。
気候も温暖で作物もよく育ち、工業もある程度は発展している。さらに国王も国民の事を第一に考えるようなので国民は皆何一つ不自由無く生活している。
よって、俺の部隊は他の部隊に比べて仕事がかなり少ない。
最初は周辺警戒部隊も暇では無いのかと思ったが、たまに現れる魔物を追い払うため、そこそこの数が必要である。反魔物を掲げる以上、魔物の侵入を許してはいけないのだ。
「ジークを行かせては?」
「確かにジークを行かせたい気持ちもあるが、今回は無理だ。絶対にな。何てったって国王からの指示だからな」
俺は信じられなかった。何故、国王が俺に直々にそのような指示を出すかが分からなかったからだ。
「分かりました、行きましょう。ではすぐ準備をして出発します」
「待て待て!あと少ししたら国王の使いが・・・」
コンコン
警備詰所の扉をノックする音が聞こえた
俺が外に出ると隊長もついてきた
すると目の前に白いあごひげを蓄え、身なりの綺麗な正に執事という男性が立っていた。
「おはようございます、あなたがライカ・ベイル副隊長ですね」
「は、はい」
隊長は俺に耳打ちする。
「あの方が国王の執事だ。お前が出発する前に渡す物があるって昨日連絡を受けた」
執事は隊長と俺に一礼し、俺を正面に見据えた。
「突然、任務を言い渡した非礼をお許し下さい。実はお妃様が体調を崩され、その病気を治すために薬草が必要なのです」
俺は頷いたが、何故、俺を指名したのかは聞かなかった。
「分かりました、お妃様の為にも私、ライカ・ベイル出発いたします」
俺は執事に一礼し、準備をするために宿舎に向かおうとしたが、執事に呼び止められた。
「お待ちください、ライカ副隊長。お渡ししたいものがあります」
俺は、ああそうだった、何か受け取る物があるのだったと思い執事に向き直る。
するとさっきまでそこに無かった物、いや居なかった者がいた。
犬・・・のような体毛があるが犬では無い、二本足で立っている。ふかふかした茶色の毛並みで犬のような耳の付いた幼い少女がいた。よく見ると首輪も付けていて本当の犬のようだった。
「これは?」
俺が尋ねると執事は言った。
「国王が飼われている魔物、コボルドです。薬草探しのお供にぜひ」
俺は反魔物を掲げていながら魔物を飼う国王を不快に感じた。所詮こいつらは魔物であり、友好的に接するものではない。俺は両親が魔物を嫌っていたので俺もその血を受け継いでか魔物が大嫌いだった。
噂では反魔物を支持する教団国家でもコボルドと共生し、また、コボルドと交わるような輩もいるとの噂だ。どっちがケモノなんだか分からなくなる。
全くもって不快だ、魔物はこの世から駆逐すべきだとも俺は考えている。
こいつをどうしろと?
俺は無言で執事を睨む。
執事は俺の目を見ても変わらず物腰柔らかに言った。
「薬草探しには、この子の鼻が役に立つと思われます、連れて行ってあげて下さい」
俺はまた一段と深いため息をついた、コボルドが悲しそうな顔をしたのは多分気のせいだろう。
「すみません、私は魔物と一緒に行動するつもりはありません。一人で行けますので」
執事は顔を変えずに
「お願い致します」
と深々と頭を下げた。流石にこうも頭を下げられては断れないな、クソッ。
「分かりました・・・」
俺は渋々承諾した。コボルドが嬉しそうな顔をした・・・気がしたが気のせいだろう。
俺はコボルドに近づいて首輪に繋がった紐を持ち、強引に引っ張って宿舎まで歩いた。
宿舎で準備を済ませた後、すぐに出発した。薬草は『ヨクナリ草』というらしい、何で疑問系なのかは分からんが、早いこと見つけるに越したことは無い。
メルガスト王国の付近にあるマカロフ山の頂上付近に自生しているとのことだ。俺は足早に進む。このまま行けば夕方頃には頂上に着くだろう。
ただ、気に障ることがある。それは・・・
「ライカさま のど かわく? ソフィア すいとう もってる ソフィア みず あげる」
この糞犬だ。名前はソフィアと言うらしい、どうでもいいが。さっきから話しかけてくることをやめない。いくら無視をしてもだ。ひたすら無視だ。目も合わせない。大体俺は猫派なんだよ。犬は嫌いだ。
「ライカさま ソフィア きらい? ソフィア おしゃべり したい」
「ソフィア あたま よくない ことば あまり わからない ソフィア ことば おぼえたら ライカさま おしゃべり できる?」
「ソフィア がんばる やくそう みつける ぜったい みつける」
うるさいな・・・腹がたつ・・・
「ソフィア ライカさま まもる まもの から ぜったい ぜったい まもる!!」
俺の中で何かが切れた
「うるさい!黙ってろ!魔物から守るだと?お前が魔物じゃないか!このケモノが!」
糞犬は目を丸くして驚いていた。と同時に泣きそうな顔になった。
しまった・・・よくよく考えたらこいつは王族の犬だった。
俺はため息をつき、雲行きを確かめるため上を見ながら歩いた。それが間違いだった。
ズルッ!
迂闊だった。目の前は崖だった。
俺は落ちていった。糞犬の呼ぶ声が聞こえた気がした
目を覚ますと 、俺は洞窟の中にいた。辺りを見回す。少し暗いが、真っ暗というわけではなかった。立って歩こうとすると右足首に激痛が走った。
「くそ・・・いてぇ、折れたか?いや・・・捻挫しているだけか・・・」
俺は足首を見る、すると布が巻かれ、右足首が動かないように固定されていた。なかなかの応急処置だった。
俺は足首を痛めないようゆっくり座り、ため息をついた。
すると洞窟の中から何かが現れた、俺は剣に手をかける。盗賊かと思ったが違った、あの糞犬だった。
「ライカさま あし だいじょうぶ?」
俺は剣から手を離し足首を見る
「さあな、これ、おまえがやったのか?」
ソフィアは足首の布を見て答えた
「ソフィア ぬの ない ライカさま ふく つかった ごめんなさい」
俺は左手を見ると袖の部分が破れていた。先程は気づかなかったが、成る程これを使ったのか。
「ライカさま おこってる?」
「何でだ?」
「ライカさま おしゃべり しない ソフィア さびしい」
「そんなに話したいのか?」
糞犬は首を縦に振った。
「仕方ない、今日はもうどこにも行けないし、暇潰しに話してやるよ」
「ほんとう? うれしい!」
糞犬は俺の言葉を聞いて近づこうと駆け寄ってきた。その瞬間俺は剣を抜き糞犬の眼前に突き出す。剣先が刺さるか刺さらないかの所で糞犬は止まった。
「話しはすると言ったが近づいて良いとは言ってないぞ、糞犬。今度近づいたらその顔を切り裂いて、目玉くり抜いてやるからな」
糞犬は悲しそうな顔をし、俺から少し離れたところに座った。泣きそうな顔をしながら話し出した
「ライカさま ソフィア きらい?」
「ああ」
「ライカさま かっこいい ソフィア ライカさま すき」
「ああ」
「ライカさま まもの より にんげん すき?」
「ああ」
「ライカさま まもの きらい ソフィア にんげん なりたい ソフィア けっこんしたい」
「無理だ」
「ソフィア にんげん なれない なりたい だけど なれない なんで ライカさま?」
「知らない」
「ソフィア まもの だから いらない こ?」
「そうだな・・・」
「・・・!!クゥ〜〜ン・・・」
ようやく大人しくなったか・・・俺も寝るか・・・
俺はそっと目を閉じた・・・
次の日、目を覚ますと体に違和感を覚えた。眠たい目を擦ろうにも手が動かない、何故なら俺の体は糸で何重にも巻かれていたからだ。
「くそ!何だこれは!」
「あらぁ、目が覚めたぁ?」
耳に残る甘ったるい声が聞こえた。声の聞こえた方を見ると天井に蜘蛛の化け物、確かアラクネだったか・・・が天井で逆さまになってこちらを見ていた。
「お前の仕業か」
「んふふぅ、新鮮な精を求めてぇ、ちょっとねぇ・・・」
「勘弁してくれ、魔物は苦手なんだよ・・・」
「大丈夫よぉ、すぐ快楽に溺れるわぁ」
アラクネが地面に降り、俺に近づいた。
「まぁ、犬に噛まれたと思ってぇ、ねぇ」
その瞬間、洞窟の出口から糞犬が現れ、アラクネの脚に噛み付いた
「いたぁい!何この子ぉ!本当に噛まれちゃったじゃなぁい!」
糞犬、いや、ソフィアは俺を守ってくれたのだ。
「ソフィア ライカさま ぜったい まもる!ぜったい!ぜったい!ぜったい!まもる!」
ソフィアの目は本気だった、魔物のくせにえらく信念のある目をしていた、何故か俺は嬉しかった。
「全くぅ・・・興が削がれたじゃないのぉ・・・そのケモノと二人でヤッてれば良いわぁ・・」
アラクネはブツブツと文句を言いながら洞窟を出て行った。
ソフィアは俺に駆け寄って来た。
「ライカさま だいじょうぶ?」
「ああ・・・」
ソフィアは俺の言葉を聞いた途端、即座に離れた。
「どうした?」
「ライカさま ソフィア ちかい おこる だから とおい いる」
「しないよ・・・馬鹿犬・・・来ても良いぞ・・・」
「ほんとう?!」
ソフィアは俺に近づき、何度も何度も愛しそうに体を擦りつけた。犬特有のマーキングだろうか・・・
「何でお前はそんなに俺のことを好き好き言うんだ?」
「へやのなか から ソフィア ライカさま みてた そのひ ソフィア ライカさま すき なった」
ああ、そういえば、前に一度、王国の庭を警戒したんだった。たまたま行っただけなんだがな。犬にも一目惚れってあるのか?
「ライカさま かっこいい ソフィア ライカさま すき」
「ソフィア がんばる ライカさま だいすき ずっと いっしょ ずっと ずっと いっしょ」
「ソフィア むね くるしい ライカさま みたら むね くるしい」
「ああ・・・ありがとう・・・」
俺はソフィアに口付けした。ケモノ臭いかと思ったがそのようなことは無く、甘い匂いがした。
ソフィアは顔を蕩けさせ、満足したようだった。
その後も何度も何度も口付けをしている間、ソフィアの愛の囁きは止まらなかった。
暫くして、足首を怪我しているのを忘れていたが、普通に立つことが出来た。全く痛みがない。俺が驚いていると、ソフィアが、
「ライカさま あし この やくそう つかった」
ソフィアの手には「ヨクナリ草」が握られていた。俺が寝ている間に採ってきたのか・・・
俺はそれを見ながら、苦笑しながら言った。
「『キカナイコトハナサ草』に名前を変えたほうが良いな・・・」
ソフィアは首を傾げていた。
その日の夕方頃、つまり、俺たちが出発した次の日の夕方頃に俺たちはメルガスト王国に戻った。
俺はすぐ国王の元に行き、キカナイコトハナサ草もといヨクナリ草をお妃様に献上した。お妃様は大変喜んでいたそうだと、後に執事から聞いた。さらに今回、俺が抜擢された理由はソフィアが俺をいたく気に入ったからだそうだ。嬉しいが少し困る・・・
その日の夜、お妃様の役に立てた俺は誇らしげだった。
そして、その誇らしげな俺の横にこれまた誇らしげな者がいた。ソフィアだった。
俺は薬草探しから戻った後、国王にコボルドの良さをとことん話した。
国王は俺の熱弁に圧され、コボルドのみ国内での生活を認めた。
しかし、ここで魔物を受け入れると一気に侵攻してくるのが魔物の怖さだ。わずか半日でメルガスト王国は魔物大国になってしまった。
国王はサキュバス化したお妃様と毎日ヤリまくってるとの噂だ。他にも農夫はホルスタウロスの乳を絞りながら自分は精液を搾り取られ、行きつけのバーのマスターはサテュロスと酒を浴びるように飲んでヤッている有様で、開店時間が大幅に遅れる始末だった。
隊長は何と俺を襲ったアラクネと結ばれた、頑張って下さい隊長。
まぁ、元から教団内部で魔物を飼ってたんだから自業自得だな。良い意味でも悪い意味でも。
暫く時間が経ち、時刻は午前2時頃、外からは喘ぎ声が響いている中、俺とソフィアは宿舎のベッドの上で2人で座っている。お互い裸だ。それに顔も紅い。
「いいのか?ソフィア?」
「はい」
「色々と、悪かったな。酷いこと言って・・・」
「だいじょうぶ ソフィア ライカさま だいすき だから 」
「そうか・・・」
「ライカさま・・・」
「うん?」
「ライカさま ソフィア すき?」
「ああ、大好きだ これからもよろしくな」
「はい ライカさま ソフィア まもる ライカさま ずっと ずっと まもる だいすき だから いっしょう いっしょ!」
ソフィアは俺の上に覆い被さった
「ソフィア 俺 こういうの初めてだから優しくお願い・・・」
「はい ライカさま ソフィア も はじめて・・・ やさしく やさしく する・・・ だいすき だいすき・・・」
俺たちは熱い口付けを交わし、体を重ねた。
一ヶ月後 、メルガスト王国は正式に魔物の受け入れを許可したため魔物達が我が物顔で街中を歩いていた。
俺は全く不快感は感じなくなったのだが・・・
警戒していると、近くで今まさに行為に及ぼうとしている輩がいた。場所は警備詰所の真横だった・・・
「ちょっと 隊長 こんなところでヤろうとしないでください せめて自宅でお願いします!」
「俺じゃねぇよ!リリーが悪いんだよ!!」
「あらぁライカちゃんじゃなぁい、いつも旦那がお世話になってるわねぇ」
「リリーさん、他人の目もあるのでせめて自宅でお願いします。隊長、有給休暇の届け出を代わりに管理所に出しておくんで早退して良いですよ。と言うかして下さい」
「ほらぁ聞いたぁ?あなたぁ、さぁ、帰りましょぉおお!」
「あ!こら待て!嘘だろ!?アッーーー!」
隊長はリリーさんの頑丈な糸で縛られ連れて行かれた。さて、俺も今日は有給休暇の届け出をして早退しよう。明日は早めに出勤すれば問題ないからな。
俺は宿舎では無く、新築の一軒家に入った。ここが俺の家だ。
玄関に入るとソフィアがパタパタと早足で駆け寄ってきた。
「お帰りなさい、ライカさま」
「普通に呼んでくれよ・・・」
「私はこの呼び方の方が好きです♪」
「そっか、まぁいっか」
ライカは俺と一緒に生活するうちに様々な文献で言葉を学んだ、学び始めた頃は
「おかわり」、「もう一回」、「ざあめん」などしか覚えられなかったが今では日常生活では何ら支障もない程に成長した。
ふと、気がつくと、ソフィアは俺の股間を凝視していた。
「ソフィア、何見てるんだ?」
「うふふ、ライカさまの大事なところです♪」
「え」
「あらあら、私とヤりたくて帰ってきたんですか?エッチなライカさまですね♪」
見てみると俺の股間はテントを張っていた。
「いや、仕事の残りが・・・」
「嘘ですよね?昨日、『明日も暇だな〜』って言ってたじゃないですか?」
「え、あう・・・」
「良いですよ、来て下さい」
ソフィアは俺の腕を掴み寝室に連れ込んだ。すぐに俺は裸にされた。ライカもすでに裸だった。
「来てください、ライカさま」
「ああ、ソフィア、愛してる」
口付けをし、ソフィアの体を貪る。俺とソフィアは快楽に溺れた。
以前、ソフィアをケモノと言っていた自分が恥ずかしい、何故なら、今では自分がケダモノだからだ。
16/06/07 03:33更新 / 針ノ神