雪原くんと幼馴染同士の初体験
今日は、倉前さんの家に行くことになっていた。
二人の仲が元に戻ったあの日から、倉前さんはいつもより笑顔が増えた。
かつてはキビキビとしていた倉前さんが、呑気な雰囲気になり、隙みたいな物が増えている気もした。
彼女は、明らかに変わっていた。
僕と話す時は、だいぶ友好的になった。今までは、クールというか、無口で、僕に好意を抱いているかすらよくわからなかった倉前さんが、今や僕の隙があれば、スキンシップをしてくる。
抱きついてきたり、手を握ってきたり。
倉前さんはあの日、僕と恋人になりたいと話していたけれど。
それでも、いくらなんでも、急に変わりすぎである。幼馴染だからわかるけれど、倉前さんらしくないのだ。
でも、その変化が悪いことかと聞かれると、そうは思わない。
あの日語っていたことから察するに、倉前さん自身が僕とああいうこと、毎日ラブラブしている恋人みたいなことをしたいのだろう。
僕だって彼女のことが好きなのだから、彼女のやりたいことは尊重しなければならないし、それに、嫌ではない。
嫌ではないし、むしろ倉前さんにそう言うことをされるのは嬉しいのだけれど…
そのたびに、倉前さんに欲情してしまうのが嫌だった。
自分が交尾することしか考えていない単純な人間であるということが、それを認識してしまうことが嫌だった。
幼馴染である倉前さんとの関係は、大切にしたいのに。倉前さんが望まないのなら、そう言うことをするべきではないのに。
倉前さんにくっつかれる度に、倉前さんが優しく話しかけてくる度に、
僕の性欲が唸りを上げていくのだ。
最も、昔から性欲処理のおかずにしていたのだから、そんなことを気に病む必要も無く、僕が単純に性欲魔神だったということなのだろうけれど、
今や大切な彼女となった倉前さんに対して、そんな事を未だに考えてしまう僕が嫌で嫌で仕方がなかった。
「こんにちは、雪原くん」
「こんにちは、倉前さん」
いつものように、地味めな私服で出迎える倉前さん。恋人としてはそっけないけれど、僕たちにとっては馴染み深い挨拶をして、彼女の家に入る。
倉前さんの家は、いつもと変わりなかった。整理整頓が行き届いた、いつも通りの風景。通い慣れたあの家。
それなのに、僕たちの関係だけが、少しづつ変化を迎えている。
不思議な気持ちだった。隣にいる幼馴染は、今や僕の恋人である。
この通い慣れた幼馴染の家は、今や恋人の実家ということ。
倉前家の匂いが、倉前さんの匂いが、今や、僕にとって大切な物となっているのだ。
リビングもいつも通り。しかし、ダイニングテーブルにはクッキーが山盛りになっている。
「えっと、私が作ったんだ。お菓子を美味しく作って、それを雪原くんに食べてもらえたらなって」
恋人の特製お菓子。僕の為に作ってくれたお菓子。
「ありがとう。僕のためだなんて、とても嬉しいな」
素直に感謝の気持ちを伝える。僕の為に作ってくれたというのが、とても嬉しかった。
早速手を洗って、椅子に座る。
「飲み物も持ってくるね」
そう言うと、倉前さんは奥へと引っ込んでいく。
冷蔵庫はすぐそこにあるけれど、冷やしてはいけない飲み物なのだろうか。
待っている間は暇だ。小腹が空いている今、目の前でいい匂いを放っているクッキーを食べないわけにはいかないだろう。
山盛りになったクッキーは、全て白いクッキーだった。ミルククッキーなのだろうか。
とりあえず、山のてっぺんに鎮座していたクッキーを一口いただく。
「美味しい」
濃厚なのに、くどくない。それが第一印象。後から仄かな甘味とコクが広がって、それが口の中の余韻となる。
もう一口、もう一口。
たくさん食べても、クドみが出ない。飲み物はまだ来ないけれど、それでも延々と食べていられるクッキー。
この山のようになったクッキーも、あっという間に完食することができそうだった。
「おまたせ〜」
夢中になって食べている頃、飲み物が届く。ミルクだ。クッキーに使われている物と同じだろうか。
「ありがと。このクッキー凄く美味しくてさ、先にいっぱい食べちゃった」
「やった!こちらこそありがとう、雪原くんの為に作ったから、遠慮せずに食べちゃってね」
倉前さんは、僕の目の前に座って、ニコニコと僕を眺めている。
机に置かれたミルクも飲む。クッキーの材料と恐らく同じだろう、病みつきになりそうだ。
「美味しいな。美味しい美味しい」
まるで口癖のように連呼しながら、僕は飲み食いをしていた。
「本当!よかった〜」
倉前さんは、顔を赤らめて嬉しそうにしている。
その屈託のない笑顔を見ているとこっちまで嬉しくなってくる。
彼女は、前はあまり表情が豊かな人では無かった。僕と話すときも、たまにしか笑顔を見せなかったのだ。
それが、今はニコニコして僕の食べる姿を見てきている。
不意に目が合うと、彼女はニコリと笑いかけてくる。
それがとてもかわいくて、今すぐに押し倒してしまいたくなるくらいに…
いや、押し倒しちゃいけない。あれほど関係を大切にしようって思っていたのに、なんて僕は愚かなのだろうか。
――
「ああ!、やばいやばいやばいやばい!」
「よいしょ!おいしょ!」
幼馴染同士が家にいて、やることと言えばゲームだろう。今は、前衛の僕と後衛の倉前さんが、凶悪なモンスターを狩猟せんと戦っているわけである。
「ああ、回復が間に合わなかった…」
しかし、全く集中できない。精液が今にも暴発しそうなのだ。
隣にいる、コントローラを操作してボウガンをぶっ放している倉前さんの事が気になって気になって仕方がない。
いつも嗅ぎ慣れているはずの匂いがとても魅力的に思う。あの落ち着いている声が魅力的に思う。大きくなったおっぱいも、顔も、お尻も、何もかもが魅力的に思えてくる。
可能な事なら、今すぐにでも押し倒して、おまんこに突っ込んで、おっぱいを揉みしだいて、唇にキスをして、ぐちょぐちょに犯したい。
元に、僕の物は臨戦態勢になっていて、一刻も早く精液を外に出したくて仕方がないのだ。
こんな状態でゲームなんて集中できるはずが無いのに。
「今日は調子悪いね」
「あは!、まあね、そんな日もあるでしょ、うん、あるよきっと」
さっきとは打って変わっていつものような無表情の倉前さんと、いつもとは違うリアクションをした僕。
余裕が無いのだ。彼女と目を合わせるだけで、交尾を、セックスを、まぐわる事をしたくなるというのに。
大事にしようと思う気持ちは忘れてはならないと、そう思っているのに。
倉前さんはゲームが上手くはない。相対的に見れば僕のほうが上手い。なので、僕がモンスターの元に戻るまでの間に彼女のキャラクターも倒れてしまう。そして、再び二人で狩猟を試みるも、また僕のキャラクターが倒れてしまう。
三回のミスで、クエストは失敗となってしまった。
「ああ、今日全然調子悪いなあ…」
嘆く。倉前さんを襲ってしまいそうになるという意味でも僕は調子が悪いというのに。
「いつも物凄く上手いのにねー」
倉前さんはある種ぶっきらぼうに応答し、僕の方を見る。
物凄く美人だ。やはり美人だ。
僕の幼馴染が、僕の恋人になっている。まるで夢のようではないか。
こんな好機を逃すべきではないだろう。今すぐ押し倒して、二人でドロドロに快楽に溺れて、二人でひたすら快楽に溺れなければ…溜まった物全てを倉前さんに吐き出して、グチュグチュのドロドロにまぐわりあって…
いやいや…そんな事をするべきではない。
一回深呼吸をして、何をなすべきかを考える。
今日この家に来てからというもの、精液を出したくて出したくて仕方がなくなっている。もはや勃起しているのを隠そうにも隠せず、何も刺激を与えなくとも射精してしまいそうなくらいには大変なことになっている。
一回出してしまったほうが、心も体も落ち着くのではないだろうか。
「ちょっとトイレにいってくるね」
倉前さんの方向を見ずに、彼女の了承を聞くまでもなく、トイレに向かって歩いていく。
トイレは、何の変哲も無い、倉前家のいつものトイレだった。いつも用を足していたあのトイレで、今日は精液を出すのである。
ズボンを脱いで便座に座る。便座を温めるべく、モーターが動き出す。
別に大きい方をするわけではない。横に備え付けられていたトイレットペーパーをいくらか取って、自分の物にあてがう。
痛い。トイレットペーパーのザラつきで、まともに快感を得ることはできない。
作戦を変える、右手で直接触って左手でトイレットペーパーを持ち、吐き出される精液を待ち構える作戦である。
こする。快感が伝えられていく。こする。段々と快感が登っていく。
不意に倉前さんの痴態を思い浮かべる。彼女のおっぱいはどんな形なのだろうか。
今まで、幼馴染である倉前さんをおかずにした事は結構あった。でも、付き合い出してからは慎もうと思った。
実際、倉前さんは魅力的になっているけれど、そんなことをしてしまうのは彼女に失礼だと思った。それに、罪悪感だってあった。
でも、彼女をおかずにしないとダメなのだ。全く興奮しない。彼女を脳裏に浮かべるだけで、非常に濃いのが出る。
倉前さんとの関係を大切にしないといけないのに。倉前さんの事を欲情の対象としか思っていない自分が嫌なのに。
「えへへ、やっぱり」
不意に声がする。意識を目の前の風景に戻すと、そこにはニコニコしている倉前さんが立っていた。
「えっ、いや、あの、えっ」
言葉にならない声を発して僕は狼狽える。身体もまるで石化したかのように固まる。
どうしてトイレを覗かれたのか、何がやっぱりなのか、何がそんなに嬉しいのか。
何もかもがわからない。さっきから頭の中は混乱しているけれど、余計に頭がぐちゃぐちゃになりそうだった。
そんな僕を尻目に倉前さんは、
「手伝ってあげるねっ」
と、上着を脱ぎだす。どうやらブラジャーを着ていなかったようで、彼女の、あの、大きくなったおっぱいが僕の目の前に晒される。
とても綺麗な形をしていて、乳首も桜色で、僕の理想通りのおっぱい。思わず見とれてしまう。
「やっぱり…ちょっと恥ずかしいな」
僕の視線に気づいた倉前さんは、顔を少し赤らめた。
「あぁ、ごめん」
途端に申し訳なくなる。僕の脳内は冷温停止していて、ろくに物事を考える事はできないけれど、ともかく、彼女との関係は大切にしないといけない。
「雪原くんは謝らなくていいよ、というか…もっと見てほしいなって……」
倉前さんはそう言うと、たゆたゆとおっぱいを揺らしながら、僕の目の前に持ってくる。
やはり綺麗だった。僕は、なぜトイレに来たのかという目的を忘れて、しばらく眺めていた。
「そうだ、手伝ってあげないと」
突然そう話す倉前さんはそのまましゃがむと、おもむろにおっぱいで僕の物を挟む。
「えっ、そのっ、あのっ」
「パイズリって言うんだっけ」
「そうだけど…ちょっと…」
戸惑う僕を気にせずに、彼女はそのままおっぱいを動かし始める。柔らかいおっぱいの感触が伝わる。柔らかく、包み込まれて、まるで溶けてしまいそうだ。
上下に、左右に、動かされる度に、僕の物がおっぱいの皮膚に包み込まれていく。おっぱいと僕の物が擦れる度に、快感が頭の中に伝わっていく。
「どう?気持ちいい?」
「うん…気持ちいいよ…」
笑顔だけれど、少し心配そうな倉前さんに対して、気持ちいいと答える僕。というより、何も言葉にならない。頭の中が混乱して、そのまま性的な物事に流されていっている。
実際、気持ちいいのだ。少なくとも、自分でやるよりは余程気持ちいい。
おっぱいの感触がそのままダイレクトに伝わるし、おっぱいに挟み込まれているという事実が、また僕を興奮させる。
人生で一度も経験したことが無い事象に、僕はただ身体を硬直させていた。
「うぅ…あぁ…」
「…♥」
そんな、情けない声を上げている僕を見て満足げな倉前さん。今まで見たことが無いような、それでいて底が知れない笑顔を浮かべている。
精液はあっという間に上り詰めて、今にも出てしまいそうだった。元々自分自身で刺激を与えていたのだから、尚更だ。
「倉前さん…出る…でるからぁ…」
そう情けない声を絞り出す僕。精液が出てしまうのだから、相手に報告をするのは当然の義務なのだと、僕のオーバーヒートした脳内が指示を出したのだ。
「出るんだ…♥」
そういった倉前さんは、おもむろに僕の物を自分の口に咥える。
舌で裏筋を舐められて、
「でるっでてるっ」
再び僕は情けない声を出して、程なくして射精する。
数日間ご無沙汰だった時以上の、今まで経験しないほどの量が出る。
僕の腰が軽く浮いて、それでもまだ射精は続く。
ようやく射精が収まると、倉前さんはゆっくりと僕の物から離れて、口も目も閉じる。口の中の物を味わっているようだった。
精液ってそんなに美味しいのだろうか?一般的にはまずいと言われている物であるし、僕自身も、自分のそれを味わったことは無いのでよくわからないけれど。
倉前さんは、口の中の精液を飲み込んだようだった。
「雪原くんの…美味しかったよ…♥」
そして、発せられた言葉。それを聞いて、僕はなんとも不思議な気分になった。
お互いに友人が少なくて、その影響もあってかいつも一緒だった幼馴染。
そして、世の中の友人同士がやるような、勉強をしたり、ゲームをしたり、世間話をしたりしていた幼馴染。
そんな彼女が、僕の精液を飲んで「美味しい」と言っているのだ。
倉前さんの事は、もちろん大好きだけれど、彼女とこんなコトができるだなんて、正直夢のまた夢だと思っていたのに。
そんな夢が、今ここで現実になっている。
嬉しいのだけれど、やはり物足りなかったのだ。
男たるもの、愛する人がいるのであれば、その人を気持ちよくさせてあげるのは当然ではあるまいか。
もしかしたら、これは僕自身の肉欲をかっこよく言い換えているに過ぎないのかもしれないけれど。
今はただ、倉前さんと性的な意味でも、精神的な意味でも、一緒になりたくて仕方がなかった。
「私の部屋で、待ってて…♥」
そう思っている中で発せられた倉前さんの言葉に、頭の中は期待と興奮でいっぱいになった。
――
倉前さんの部屋も、いつもと同じ。
何度かこの部屋にお邪魔させてもらったことはあったのだけれど、いつもと同じような、地味だけれど、可愛らしい小物等が飾ってある、倉前さんを表したような部屋だった。
期待と、いくらか残っていた不安を頭の中でこねくり回していると、ノックをされて、
「失礼します…」
と、自分の部屋なのに断りを入れて、倉前さんが入ってくる。
その姿を見て、思わず目をみはる。
倉前さんは下着のみの姿で立っていた。牛柄のブラジャーとパンツを履いていて、とても肌色満点。ゆったりとしたブラジャーから少し見えるおっぱいに、むちむちしたふとももに、お尻だって、こんなに大きくなってたのかと驚いてしまう。
いつも見慣れていたはずの幼馴染の、そんなエロい姿に興奮してしまう。
それに、首にはカウベルのような首輪をつけている。まるで飼われている牛さんみたいだ。「倉前さんを飼う」と言う文字列を頭の中に思い浮かべるだけで、とてもドキドキしてしまう。
「どう…?」
そう、不安げに聞く倉前さん。そんな姿もとても可愛らしいけれど、やっぱり幼馴染であり、恋人である人の不安は和らげないといけないだろう。
「うん、すっごく可愛くて、それに…何というか…」
でも、面と向かって「エロい」というのが、少し恥ずかしかった。わざわざ下着姿で、カウベルまでつけて来ているのだから、言っても失礼には当たらないとは思うけれど、それでも、幼馴染に向かってそう口にするのは、はばかられてしまう。
「私…ね?もう、限界なんだ。雪原くんの精子飲んじゃったから、余計に体がおかしくなっちゃって」
顔を赤らめて倉前さんは話す。何かに期待しているような顔にも見えたし、何かに不安を抱いているような顔にも見えた。だから、はやる気持ちを抑えて幼馴染の話を聞く。
「雪原くんの事を考えると、本当にエッチな事しか考えられなくなっちゃって、だから、雪原くんの事を強引に彼氏にしちゃって」
あの告白を、倉前さん自身は強引と捉えていたのか。確かに、あの場を取り持ったのはオルシアさんだから、彼女の顔を立てると言う意味合いで僕は断りにくいと考えると、強引と言えるのかもしれない。
でも、僕自身が倉前さんと付き合いたいからこそ、オルシアさんは場を取り持ってくれたのだし、倉前さんが気にする事でもないのに。
「雪原くんが飲んだミルクはね、その、精力剤みたいな効果もあって、その…ギンギンになっちゃったのはそれのせいなんだ…」
あの美味しいミルクのせいで、僕はこうなってしまったのか。確かに、倉前さんの家についた後から、僕はやけに絶倫になっている。今だって、さっき出したばかりなのに、もう準備万端だ。
「だから、私が強引に襲っちゃって。その、雪原くんがトイレに籠もっちゃったから、もしかしてって思ったら、本当にしてて、体が勝手に動いちゃって…」
体が勝手に動いて、僕を求めてくれたと聞くと、そこまでして愛されていたのかと思って嬉しくなってきた。
「本当は、あの時私を襲ってくれても良かったの。でも、そんな事をしないでトイレに籠もった雪原くんを私が襲っちゃったから…雪原くんは、私とそういう関係になるのが嫌なら、申し訳ないなって…急に不安になっちゃったんだ。本当は、雪原くんが嫌がっても襲っちゃおうって意気込んでたのに…こんな服を着て、誘惑しようって思ったのに、本当にそうしたら、不安になっちゃって…」
倉前さんはそう言うと、僕の方を見て、すぐ顔を伏せてしまう。
僕が倉前さんの事を大切に想っていたように、倉前さんだって僕の事を想ってくれていたと言うことなのかもしれない。倉前さんだって、僕みたいに、エロいことをしたい心を抑えて、僕との関係を大切にしていこうと決めていたのだろう。
だから、だからこそ、僕らは一線を越えるべきなのだろう。
「っん///」
強引に近づいて軽くキスをする。倉前さんの声が漏れて、彼女の体が痙攣した。
「僕だって倉前さんといっぱいエロいことをしたいなって思って、そんな自分の事が嫌になってきてさ、だから、同じ気持ちなんだって思って嬉しかったんだ」
伝える。「想いは言葉にしないと伝わらない」ってオルシアさんは言っていたけれど、これこそ伝えるべき言葉なのだ。
「お互いにさ、エロいことをしたくて、でも相手の事を大切に考えて止めるって、やっぱり僕たち幼馴染なんだなって、改めて思ったんだ」
長く付き合っていてもお互い同じ事を考えていた事は見抜けなくても、同じ事を考えるって事は、やっぱり幼馴染なのだろう。
「だからさ、その、同じ気持ちなら、その、僕がいつも考えていたみたいにさ、ドロドロのグチュグチュにさ、したいなって」
そう僕が言った途端に、倉前さんは僕に抱きついてきて、再び濃厚なキスをしてくる。
「っうう」
「/////」
いつもの様に情けない声をあげる僕に対して、倉前さんはとても嬉しそうで、妖艶な顔をしていた。僕の後頭部に手を回してきて、僕が逃げられないようにしてくる。
そして、彼女の舌が僕の口に入ってくる。僕らの舌が僕らより先に先にセックスをしているかのようだった。ただまぐわって、体液が混じり合う。まるで踊っているかの様に、プロレスをしているかの様に、僕らはひたすら舌を絡めた。
人生で一番濃厚なキスだった。倉前さん相手しか経験がないけれど、それでも、世間一般から見ても濃厚なキスだっただろう。
倉前さんはその間にも、体をピクピクさせていた。もしかしたら感じているのかもしれない。これは童貞の妄想だけれど、恐らくもう少しで僕は童貞を卒業するので、わりかしこの予想は当たっているのかもしれにあ。
ようやく、倉前さんの気が済んだのか、舌が引っ込んで、口同士が離れる。唾液が糸を引いて、そして重力に逆らえず落ちていく。
倉前さんが笑いかける。それはとても妖艶だった。
「もう、我慢できないんだ…」
僕はコクリと頷いた。
――
ベットで、仰向けで寝っ転がった倉前さんは、とても穏やかな表情だった。
僕はベットの端、倉前さんの足の方面から、彼女を見下ろしていた。
彼女は上半身を起こして、、僕の顔を見ている。
ふと、彼女の下半身を見ると、パンツに染みができていた。
「えっと…その、我慢できなくて。こんなになっちゃって…」
僕の視線に気づいた倉前さんは、そう恥ずかしげに口にする。
僕は息を呑んだ。僕とセックスをすることを、そんなに心待ちにしていたなんて。
「その、雪原くんに脱がせてもらいたいなって…」
恥ずかしげながらも、どこか笑顔で話す倉前さん。
興奮して息が止まりかけている僕は、そっと彼女のパンツに触る。
そして、生地のしっとりとした感触を楽しみながら掴んだ。
倉前さんは、僕が脱がしやすいように足を少し浮かした。
僕はゆっくりとパンツを脱がしていく。
見ると、ふとももにも彼女の愛液らしき液体が、倉前さんの興奮度合いを示すかのように存在していた。
「っふぅ…//」
倉前さんの息は荒くなっていたようだった。何かを待ち焦がれているような、そんな顔をしていた。
そして脱がし終える。脱がし終えたパンツはどこに置けばよいかわからなかったので、とりあえずベッドの脇に置いておくことにした。
「私、出来上がっちゃってるから…、もう挿れちゃっていいよ…?」
顔を赤く染め上げて、そう話す倉前さん。これまでで、こんなにエロい顔をしている倉前さんの顔を見たことは無かった。
僕が上から覆いかぶさるようにして、そしてゆっくりと自分の物をあてがう。
そして挿入する。倉前さんの息が荒くなってくる。僕の心臓の鼓動が早くなってくる。
「んっ///」
挿入している途中で、何かつっかえる物があった感じがした。そのつっかえをも気にせず挿れると、倉前さんが小さく声を出す。
「ああっ///うぅっ///」
その声は快感に酔いしれているようにも、痛いのを我慢しているようにも聞こえた。
「大丈夫?」
「私の処女膜だからっ///気にしないで続けてっ///」
「痛かったら言ってね」
「痛いっていうかっ//きもちいいから大丈夫っ!///」
倉前さんが僕の物で気持ちよくなっていると言う事実が、少し嬉しかった。そのまま奥まで挿れていく事にする。
倉前さんの中は、奥に行けば行くほど絡みついてきて、とても気持ちよかった。さっきのパイズリもそうだけれど、僕が自分でするよりも、倉前さんの方がよほど僕が気持ちよくなる方法を知っているように思えた。
奥まで挿れきる。しばらくそのまま、倉前さんの中を感じていた。
全く動かしていないのに、倉前さんの中は、相変わらず僕の物を刺激し続けていた。
「動くよ?」
「うん…」
倉前さんは神妙とも、快楽に溺れてるとも取れる顔をしていた。顔を赤らめて、今後起こる事を期待しているようだった。
僕だって初体験である。不慣れながらも腰を動かし始める。へこへこと、決して誉められたものではないけれど、お互いの快楽を増幅させようと、ただひたすら腰を振る。
「うっ///ああっ///ひぃっ///」
でも、そんな不慣れな腰振りでも、しっかり倉前さんは感じてくれているみたいだった。
お互いの快感が一突きごとに増していく。離れて、突いてと言う動作一つ一つに倉前さんの中が反応し、快感を与えてくる。
倉前さんだってしっかり快感を感じているようで、僕が動く度に嬌声をあげる。彼女の快感が、僕にとっても手に取るようにわかるようで嬉しかった。大切な幼馴染が、僕と繋がって、しかも感じてくれているなんて夢のようだった。
「あああっ////ふぅううっ////」
「も、もう出そうっ」
倉前さんが引き続き嬌声をあげているけれど、僕もそろそろ出そうだった。その状態になって、懸念が思い浮かぶ。
成り行きでセックスまで行ったからすっかり忘れていたけれど、避妊具をつけていない。流石にまずい。もう手遅れかもしれないけれど、しっかり外に出そうとしたのだが、
「らめぇっっ//はなれないでぇ///」
倉前さんの両足が僕の身体に絡みつく。所謂だいしゅきホールドの形になって、僕の物が再び奥まで突き刺さる。
その刺激と倉前さんの中の締め付けが最後の一押しとなって僕は絶頂に達してしまう。
「あぁぁぁぁっっっ///きてるっっっっ/////きちゃってるよぅっっっ///」
そんな言葉を発しながら、倉前さんは腰をガクガクと浮かせていた。
とても嬉しそうな顔をしていて、とてもエロい顔をして、絶頂に達していた。
「倉前さん…中に、出しちゃった…」
でも、倉前さんのその顔に、はぁはぁとしている息遣いをエロいと思う前に、僕は慌てていた。
中に出してしまった。責任を取れるかどうかとか、今までピンクに染まっていた脳内が急に正気に戻る。
でも、
「ゆきはらくんっ///、だいじょうぶだよっ/////」
倉前さんはそう言って、ほっぺにキスをしてくる。
「りゆうはいえないけれど、だいじょうぶだよ?」
続いて、まだ物足りなさそうな声で、妖艶な顔をして言ってくる倉前さん。
そんな、えへへと笑っている倉前さんの姿が、本当にかわいく思えてきてくる。何回も同じようなことを思っているけれど、本当にいつまで眺めていても飽きがこない気がしてきた。
そんな風に倉前さんをしばらく眺めていると、不意に彼女は僕の口にキスをしてくる。
「んっっ」
「………///♥♥♥」
さっきみたいに、とても濃厚で、とても愛情深いキスだった。僕の唇を倉前さんはねぶるように、食らいつくようにねっとりとキスをしてくる。
本当に幸福そうな倉前さんの、その表情を見ているだけで、僕も本当に嬉しかった。
しばらくお互いに濃厚なキスをしていると、また僕の物がふっくらとしてくる。
それを感知したのか絶頂の後緩くなっていた倉前さんの中の締め付けが再びきつくなってくる。
「もう一回、中に出してほしいな…?♥」
この言葉に、僕の脳内が反応した。脳内は体に指示を出して再びぎこちない腰遣いではあるものの、一生懸命腰を振り始める。
「あはっ///ひぃっ///ほぉっ///」
それと同時に、喘ぎ始める倉前さん。こういう事は素人ではあるけれど、彼女は感じやすい体質なのかもしれない。
腰を振るごとに、ちゃんと倉前さんは反応してくれる。本当に気持ちよさそうに、顔を紅く染めて、ひぃひぃと喘いでいる。
「みおさんっ、すごい、気持ちいいっ」
「けいくんっ///わたしもっ///すごいきもちいいよぅっ///」
ついついそんな倉前さんが愛しくなって、彼女の名前を言ってしまう。
彼女のフルネームは倉前澪、僕のフルネームは雪原渓。
でも、今まで苗字でしか呼び合っていなかった。思えば、恋人になってセックスまでしているというのに、相手を名前で呼んだ事が無いというのもおかしな話だ。
でも、今お互い名前で呼び合えた。僕たちが深い関係になれたという事がまた嬉しくなって、腰振りにも力が入る。
「しゅごいっ///きもちいいっ///けいくんのっ////おちんちんがっ///」
それに呼応するかのように、倉前さんも喘ぐ。僕が一突きするごとに、彼女の中が反応して、柔らかく、ふわふわに締め付けてくる。
その締め付けが物凄く気持ちよくて、止まろうにも止まれない状態なのだ。今はただ、快楽を倉前さんと一緒に貪っていたい。
「いぐっ///またいっぢゃうっ//////すぐいっちゃうよぉ/////」
段々締め付けも強くなってきてくる。まるで、僕が中に出してくれるのを待っているかのように。
吸精器官そのものだった。挿れるだけで自分で処理する以上の快楽を得られ、お互いが絶頂する間際になるとさらに締め付けが強くなる。
「ゆきはらくんにっ////けいくんにぃ///すぐいかされちゃうっ///」
目の前の幼馴染は僕に絶頂させられると言っているけれど、僕だって彼女にイかされてしまうのだ。
お互いに気持ちいい。お互いいざ挿入すると、それ以外の事が考えられなくなる。
一突きごとに、彼女のふわふわなおまんこが、僕の物を優しく締め付けてくれる。
その刺激が、自分にとって優しい刺激で、でもずっとこうしていたいと思わせられるほど気持ちが良かった。
人生で一番幸せな瞬間が今なのでは無いかとすら思ってしまう。
「うぅ、またでるからっ」
「ぜんぶなかにだしてぇ///♥」
そんな快楽の中で、射精が近いという報告をすると、再び中に出す事を懇願されてしまう。
しかし、僕はどの道中に出してしまいそうだった。こんなにも倉前さんの中が物欲しそうにしているのだから。それに彼女も望んでいる事だし、面倒事になったら未来の僕がなんとかしてくれるだろう。
今はただ快楽に酔いしれたかった。決壊したダムの如く精液が飛び出る。
「あああっんんんんっっっ///しゅごいぃぃぃぃっっ/////しゅごいよぉぉぉぉぉっっ//////」
射精と同時に、再びガクガクと絶頂に達する倉前さん。射精の瞬間だって、さっきよりまた強い快楽を感じたし、それは倉前さんもそんなように見えた。
目の前の幼馴染の顔は、もはや快楽しか得る事を考えていないように見えた。全ての不安や、恐怖やすら無く、また、僕以外の人間を忘れ去っているような、僕とのセックスしか考えていない顔に。
彼女はこんなにエロかっただろうか。かわいいと感じた事はあるけれど、エロいと思った事はあまり無かった。まあ、おっぱいが大きくなっている今は、そう言う目で彼女を見る事になったけれど。
未だに、はぁはぁと息を漏らして、余韻に浸っている倉前さん。再び、彼女のそのエロい姿を間近で見て、僕も余韻に浸ろうとする。
「…?」
まじまじと見ると少し違和感が。倉前さんの頭に、耳と角が生えていた。
その耳と角はまるで牛みたい。牛コスプレをしているのもあって、余計にそう感じてしまう。
牛カチューシャという物はあるけれど、さっき倉前さんはそう言った代物をつけていなかった。
もしかして、これは本物なのでは無いか。
未だに余韻に浸っている倉前さんを少しからかいたくもなって、耳を甘噛みして確かめてみようと思った。
そっと倉前さんのこの大きな、僕から見て左側の耳に近づいて、軽く一噛み。
「ひゃうっ///」
その瞬間驚いて、かわいい声で驚く倉前さん。
でも、そこから段々表情が曇っていってしまう。
「バレちゃった…」
さっきとは打って変わって絶望する倉前さん。こんな顔を彼女がしたのは、子供の頃に、倉前さんに対する陰口を僕達二人が間近で聞いてしまった時以来だった。
倉前さんは再び足をぎゅっと僕の身体に絡みつけてくる。涙までにじみ出てきそうな倉前さんの顔は、さっきとは打って変わって絶望の淵。
きっと、倉前さんは僕に嫌われたくないのだ。セックスの前に再びお互いの意思を確認したのだって、僕を避けていた事だって、僕に嫌われたくないから。
だから、僕自身が、倉前澪さんの事を一生好きなのだということ示さないといけない。あの時だって「気にしちゃダメだよ、僕がいるからさ」ってギザな事を僕は言っていたのだから。
僕の方からキスをする。倉前さんがしてきたキスより控えめで、でも僕の気持ちがちゃんと伝わるように。
「っぅぅ///」
倉前さんは、胸中不安でもちゃんと僕のキスに対しては嬉しそうにしてくれる。しばらく倉前さんの唇を堪能した後、キスを止めて少し離れる。
「嫌だったら言ってね。耳…?が弱いのかなって思ってさ」
さっきの驚いた、でも少し感じてそうだったあの顔を僕は見たかったのだ。だから、キスは控えめにした。当然拒否されたらキスを無茶苦茶するけれど、倉前さんの弱点を見つけられたようで少し嬉しかったのだ。耳をハムハムしたかった。
倉前さんは、鳩が豆鉄砲を食らったような顔をしていた。答えに窮しているようで、さっきまでのエロい顔でも、絶望の顔でも無く、困惑の縁にいるようだった。
「ハムハムしちゃうよ…?」
嫌がっている感じでも無いが、肯定もしていないので確認を入れる。
倉前さんは、依然として怪訝な表情をしていたけれど、コクリと頷いた。
同意も得れたので、さっきと同様左側の耳をハムっと甘噛みする。
「ひぅっ///」
やはりというか、甘噛みにしっかり反応してくれる倉前さん。
こうなってくると耳をモフりたくなってくる。
右側の耳をゆっくりと、倉前さんを嫌がらせないようにデリケートに触る。
もふもふとした、柔らかい、本当に動物の耳みたいな感触だった。
「あっ//」
悶えて声が出てしまう倉前さん。可愛い。
こんな倉前さんの可愛い悶える声を聴いて、僕の物もまたふっくらとしてくる。
こんなに僕は絶倫だったとは。三回も連続で出せる人間だっただなんて。
「っ//////」
倉前さんはそれに気づいたのか、再び顔を赤らめる。
彼女はやはりこう言う表情が似合っているように思える。前みたいに暗い表情も好きだったけれど、こんなにも快楽を感じて、楽しそうで、淫らな顔がとても素敵に思えた。
僕が動かなくても、彼女の中が勝手に快楽を与えてくれるようだった。彼女が何か反応する度に、中がしっかりと僕の物を締め付けてくる。
倉前さんも、さっきみたいに乱れた顔ではなくて、微笑みながらも体はしっかりと反応をしてくれているようだった。
「倉前さん、大好き」
こうしていると、目の前の幼馴染の事が愛しくなってきて、甘噛みをやめてついつい愛の言葉を囁く。
「わたしもだいすきっ」
倉前さんは笑顔でそう応えてくれる。心なしか、彼女の中も反応してくれているようだった。
愛しくて愛しくて仕方が無くて、またまたキスをする。
「っっっん///////」
今度は想定できなかったのか、先ほどより反応している倉前さん。
中だってかなりうねうね動いてきて、刺激してくるのだ。
しばらくキスを続けていると、僕もそろそろ限界を迎えそうだった。
倉前さんも同じで、吐息が絶頂が近いのを物語っているようだった。
再び倉前さんの弱い耳に刺激を与える事にする。
キスをしながら、両耳を触る。
「っっっっっっんんんんんんんん//////////////」
三度の絶頂、それと同時の締め付けもあって、僕も射精した。
キスをやめて倉前さんの顔を見ると、快楽と溶けあっているかのような表情であった。
「ゆきはらくんにぃっ/////いっぱいいかされちゃったぁぁぁっっ///」
絶頂の余韻が残っているのか、彼女はそんな事を話す。
僕でそんなに感じてくれる倉前さんが、その事実が本当に嬉しくて仕方がなかった。
頭を撫でて、生えている角も少し撫でた。此方もやはり動物のような、そんなしっかりとした角だった。
倉前さんは微笑んでくれた。僕の手に身をゆだねて、静かな幸せを感じているようだった。
余韻も少し残っている中、ようやく僕の物を抜く。とても濃い精液は、お互いが如何に乱れたかを如実に表しているようだった。
「すごいね」
「…すごかったね」
思わず感想が漏れてしまった僕に、倉前さんが同意してくれる。
そうして二人で微笑みあう。今は、この初体験の余韻にお互い浸っていたのだった。
二人の仲が元に戻ったあの日から、倉前さんはいつもより笑顔が増えた。
かつてはキビキビとしていた倉前さんが、呑気な雰囲気になり、隙みたいな物が増えている気もした。
彼女は、明らかに変わっていた。
僕と話す時は、だいぶ友好的になった。今までは、クールというか、無口で、僕に好意を抱いているかすらよくわからなかった倉前さんが、今や僕の隙があれば、スキンシップをしてくる。
抱きついてきたり、手を握ってきたり。
倉前さんはあの日、僕と恋人になりたいと話していたけれど。
それでも、いくらなんでも、急に変わりすぎである。幼馴染だからわかるけれど、倉前さんらしくないのだ。
でも、その変化が悪いことかと聞かれると、そうは思わない。
あの日語っていたことから察するに、倉前さん自身が僕とああいうこと、毎日ラブラブしている恋人みたいなことをしたいのだろう。
僕だって彼女のことが好きなのだから、彼女のやりたいことは尊重しなければならないし、それに、嫌ではない。
嫌ではないし、むしろ倉前さんにそう言うことをされるのは嬉しいのだけれど…
そのたびに、倉前さんに欲情してしまうのが嫌だった。
自分が交尾することしか考えていない単純な人間であるということが、それを認識してしまうことが嫌だった。
幼馴染である倉前さんとの関係は、大切にしたいのに。倉前さんが望まないのなら、そう言うことをするべきではないのに。
倉前さんにくっつかれる度に、倉前さんが優しく話しかけてくる度に、
僕の性欲が唸りを上げていくのだ。
最も、昔から性欲処理のおかずにしていたのだから、そんなことを気に病む必要も無く、僕が単純に性欲魔神だったということなのだろうけれど、
今や大切な彼女となった倉前さんに対して、そんな事を未だに考えてしまう僕が嫌で嫌で仕方がなかった。
「こんにちは、雪原くん」
「こんにちは、倉前さん」
いつものように、地味めな私服で出迎える倉前さん。恋人としてはそっけないけれど、僕たちにとっては馴染み深い挨拶をして、彼女の家に入る。
倉前さんの家は、いつもと変わりなかった。整理整頓が行き届いた、いつも通りの風景。通い慣れたあの家。
それなのに、僕たちの関係だけが、少しづつ変化を迎えている。
不思議な気持ちだった。隣にいる幼馴染は、今や僕の恋人である。
この通い慣れた幼馴染の家は、今や恋人の実家ということ。
倉前家の匂いが、倉前さんの匂いが、今や、僕にとって大切な物となっているのだ。
リビングもいつも通り。しかし、ダイニングテーブルにはクッキーが山盛りになっている。
「えっと、私が作ったんだ。お菓子を美味しく作って、それを雪原くんに食べてもらえたらなって」
恋人の特製お菓子。僕の為に作ってくれたお菓子。
「ありがとう。僕のためだなんて、とても嬉しいな」
素直に感謝の気持ちを伝える。僕の為に作ってくれたというのが、とても嬉しかった。
早速手を洗って、椅子に座る。
「飲み物も持ってくるね」
そう言うと、倉前さんは奥へと引っ込んでいく。
冷蔵庫はすぐそこにあるけれど、冷やしてはいけない飲み物なのだろうか。
待っている間は暇だ。小腹が空いている今、目の前でいい匂いを放っているクッキーを食べないわけにはいかないだろう。
山盛りになったクッキーは、全て白いクッキーだった。ミルククッキーなのだろうか。
とりあえず、山のてっぺんに鎮座していたクッキーを一口いただく。
「美味しい」
濃厚なのに、くどくない。それが第一印象。後から仄かな甘味とコクが広がって、それが口の中の余韻となる。
もう一口、もう一口。
たくさん食べても、クドみが出ない。飲み物はまだ来ないけれど、それでも延々と食べていられるクッキー。
この山のようになったクッキーも、あっという間に完食することができそうだった。
「おまたせ〜」
夢中になって食べている頃、飲み物が届く。ミルクだ。クッキーに使われている物と同じだろうか。
「ありがと。このクッキー凄く美味しくてさ、先にいっぱい食べちゃった」
「やった!こちらこそありがとう、雪原くんの為に作ったから、遠慮せずに食べちゃってね」
倉前さんは、僕の目の前に座って、ニコニコと僕を眺めている。
机に置かれたミルクも飲む。クッキーの材料と恐らく同じだろう、病みつきになりそうだ。
「美味しいな。美味しい美味しい」
まるで口癖のように連呼しながら、僕は飲み食いをしていた。
「本当!よかった〜」
倉前さんは、顔を赤らめて嬉しそうにしている。
その屈託のない笑顔を見ているとこっちまで嬉しくなってくる。
彼女は、前はあまり表情が豊かな人では無かった。僕と話すときも、たまにしか笑顔を見せなかったのだ。
それが、今はニコニコして僕の食べる姿を見てきている。
不意に目が合うと、彼女はニコリと笑いかけてくる。
それがとてもかわいくて、今すぐに押し倒してしまいたくなるくらいに…
いや、押し倒しちゃいけない。あれほど関係を大切にしようって思っていたのに、なんて僕は愚かなのだろうか。
――
「ああ!、やばいやばいやばいやばい!」
「よいしょ!おいしょ!」
幼馴染同士が家にいて、やることと言えばゲームだろう。今は、前衛の僕と後衛の倉前さんが、凶悪なモンスターを狩猟せんと戦っているわけである。
「ああ、回復が間に合わなかった…」
しかし、全く集中できない。精液が今にも暴発しそうなのだ。
隣にいる、コントローラを操作してボウガンをぶっ放している倉前さんの事が気になって気になって仕方がない。
いつも嗅ぎ慣れているはずの匂いがとても魅力的に思う。あの落ち着いている声が魅力的に思う。大きくなったおっぱいも、顔も、お尻も、何もかもが魅力的に思えてくる。
可能な事なら、今すぐにでも押し倒して、おまんこに突っ込んで、おっぱいを揉みしだいて、唇にキスをして、ぐちょぐちょに犯したい。
元に、僕の物は臨戦態勢になっていて、一刻も早く精液を外に出したくて仕方がないのだ。
こんな状態でゲームなんて集中できるはずが無いのに。
「今日は調子悪いね」
「あは!、まあね、そんな日もあるでしょ、うん、あるよきっと」
さっきとは打って変わっていつものような無表情の倉前さんと、いつもとは違うリアクションをした僕。
余裕が無いのだ。彼女と目を合わせるだけで、交尾を、セックスを、まぐわる事をしたくなるというのに。
大事にしようと思う気持ちは忘れてはならないと、そう思っているのに。
倉前さんはゲームが上手くはない。相対的に見れば僕のほうが上手い。なので、僕がモンスターの元に戻るまでの間に彼女のキャラクターも倒れてしまう。そして、再び二人で狩猟を試みるも、また僕のキャラクターが倒れてしまう。
三回のミスで、クエストは失敗となってしまった。
「ああ、今日全然調子悪いなあ…」
嘆く。倉前さんを襲ってしまいそうになるという意味でも僕は調子が悪いというのに。
「いつも物凄く上手いのにねー」
倉前さんはある種ぶっきらぼうに応答し、僕の方を見る。
物凄く美人だ。やはり美人だ。
僕の幼馴染が、僕の恋人になっている。まるで夢のようではないか。
こんな好機を逃すべきではないだろう。今すぐ押し倒して、二人でドロドロに快楽に溺れて、二人でひたすら快楽に溺れなければ…溜まった物全てを倉前さんに吐き出して、グチュグチュのドロドロにまぐわりあって…
いやいや…そんな事をするべきではない。
一回深呼吸をして、何をなすべきかを考える。
今日この家に来てからというもの、精液を出したくて出したくて仕方がなくなっている。もはや勃起しているのを隠そうにも隠せず、何も刺激を与えなくとも射精してしまいそうなくらいには大変なことになっている。
一回出してしまったほうが、心も体も落ち着くのではないだろうか。
「ちょっとトイレにいってくるね」
倉前さんの方向を見ずに、彼女の了承を聞くまでもなく、トイレに向かって歩いていく。
トイレは、何の変哲も無い、倉前家のいつものトイレだった。いつも用を足していたあのトイレで、今日は精液を出すのである。
ズボンを脱いで便座に座る。便座を温めるべく、モーターが動き出す。
別に大きい方をするわけではない。横に備え付けられていたトイレットペーパーをいくらか取って、自分の物にあてがう。
痛い。トイレットペーパーのザラつきで、まともに快感を得ることはできない。
作戦を変える、右手で直接触って左手でトイレットペーパーを持ち、吐き出される精液を待ち構える作戦である。
こする。快感が伝えられていく。こする。段々と快感が登っていく。
不意に倉前さんの痴態を思い浮かべる。彼女のおっぱいはどんな形なのだろうか。
今まで、幼馴染である倉前さんをおかずにした事は結構あった。でも、付き合い出してからは慎もうと思った。
実際、倉前さんは魅力的になっているけれど、そんなことをしてしまうのは彼女に失礼だと思った。それに、罪悪感だってあった。
でも、彼女をおかずにしないとダメなのだ。全く興奮しない。彼女を脳裏に浮かべるだけで、非常に濃いのが出る。
倉前さんとの関係を大切にしないといけないのに。倉前さんの事を欲情の対象としか思っていない自分が嫌なのに。
「えへへ、やっぱり」
不意に声がする。意識を目の前の風景に戻すと、そこにはニコニコしている倉前さんが立っていた。
「えっ、いや、あの、えっ」
言葉にならない声を発して僕は狼狽える。身体もまるで石化したかのように固まる。
どうしてトイレを覗かれたのか、何がやっぱりなのか、何がそんなに嬉しいのか。
何もかもがわからない。さっきから頭の中は混乱しているけれど、余計に頭がぐちゃぐちゃになりそうだった。
そんな僕を尻目に倉前さんは、
「手伝ってあげるねっ」
と、上着を脱ぎだす。どうやらブラジャーを着ていなかったようで、彼女の、あの、大きくなったおっぱいが僕の目の前に晒される。
とても綺麗な形をしていて、乳首も桜色で、僕の理想通りのおっぱい。思わず見とれてしまう。
「やっぱり…ちょっと恥ずかしいな」
僕の視線に気づいた倉前さんは、顔を少し赤らめた。
「あぁ、ごめん」
途端に申し訳なくなる。僕の脳内は冷温停止していて、ろくに物事を考える事はできないけれど、ともかく、彼女との関係は大切にしないといけない。
「雪原くんは謝らなくていいよ、というか…もっと見てほしいなって……」
倉前さんはそう言うと、たゆたゆとおっぱいを揺らしながら、僕の目の前に持ってくる。
やはり綺麗だった。僕は、なぜトイレに来たのかという目的を忘れて、しばらく眺めていた。
「そうだ、手伝ってあげないと」
突然そう話す倉前さんはそのまましゃがむと、おもむろにおっぱいで僕の物を挟む。
「えっ、そのっ、あのっ」
「パイズリって言うんだっけ」
「そうだけど…ちょっと…」
戸惑う僕を気にせずに、彼女はそのままおっぱいを動かし始める。柔らかいおっぱいの感触が伝わる。柔らかく、包み込まれて、まるで溶けてしまいそうだ。
上下に、左右に、動かされる度に、僕の物がおっぱいの皮膚に包み込まれていく。おっぱいと僕の物が擦れる度に、快感が頭の中に伝わっていく。
「どう?気持ちいい?」
「うん…気持ちいいよ…」
笑顔だけれど、少し心配そうな倉前さんに対して、気持ちいいと答える僕。というより、何も言葉にならない。頭の中が混乱して、そのまま性的な物事に流されていっている。
実際、気持ちいいのだ。少なくとも、自分でやるよりは余程気持ちいい。
おっぱいの感触がそのままダイレクトに伝わるし、おっぱいに挟み込まれているという事実が、また僕を興奮させる。
人生で一度も経験したことが無い事象に、僕はただ身体を硬直させていた。
「うぅ…あぁ…」
「…♥」
そんな、情けない声を上げている僕を見て満足げな倉前さん。今まで見たことが無いような、それでいて底が知れない笑顔を浮かべている。
精液はあっという間に上り詰めて、今にも出てしまいそうだった。元々自分自身で刺激を与えていたのだから、尚更だ。
「倉前さん…出る…でるからぁ…」
そう情けない声を絞り出す僕。精液が出てしまうのだから、相手に報告をするのは当然の義務なのだと、僕のオーバーヒートした脳内が指示を出したのだ。
「出るんだ…♥」
そういった倉前さんは、おもむろに僕の物を自分の口に咥える。
舌で裏筋を舐められて、
「でるっでてるっ」
再び僕は情けない声を出して、程なくして射精する。
数日間ご無沙汰だった時以上の、今まで経験しないほどの量が出る。
僕の腰が軽く浮いて、それでもまだ射精は続く。
ようやく射精が収まると、倉前さんはゆっくりと僕の物から離れて、口も目も閉じる。口の中の物を味わっているようだった。
精液ってそんなに美味しいのだろうか?一般的にはまずいと言われている物であるし、僕自身も、自分のそれを味わったことは無いのでよくわからないけれど。
倉前さんは、口の中の精液を飲み込んだようだった。
「雪原くんの…美味しかったよ…♥」
そして、発せられた言葉。それを聞いて、僕はなんとも不思議な気分になった。
お互いに友人が少なくて、その影響もあってかいつも一緒だった幼馴染。
そして、世の中の友人同士がやるような、勉強をしたり、ゲームをしたり、世間話をしたりしていた幼馴染。
そんな彼女が、僕の精液を飲んで「美味しい」と言っているのだ。
倉前さんの事は、もちろん大好きだけれど、彼女とこんなコトができるだなんて、正直夢のまた夢だと思っていたのに。
そんな夢が、今ここで現実になっている。
嬉しいのだけれど、やはり物足りなかったのだ。
男たるもの、愛する人がいるのであれば、その人を気持ちよくさせてあげるのは当然ではあるまいか。
もしかしたら、これは僕自身の肉欲をかっこよく言い換えているに過ぎないのかもしれないけれど。
今はただ、倉前さんと性的な意味でも、精神的な意味でも、一緒になりたくて仕方がなかった。
「私の部屋で、待ってて…♥」
そう思っている中で発せられた倉前さんの言葉に、頭の中は期待と興奮でいっぱいになった。
――
倉前さんの部屋も、いつもと同じ。
何度かこの部屋にお邪魔させてもらったことはあったのだけれど、いつもと同じような、地味だけれど、可愛らしい小物等が飾ってある、倉前さんを表したような部屋だった。
期待と、いくらか残っていた不安を頭の中でこねくり回していると、ノックをされて、
「失礼します…」
と、自分の部屋なのに断りを入れて、倉前さんが入ってくる。
その姿を見て、思わず目をみはる。
倉前さんは下着のみの姿で立っていた。牛柄のブラジャーとパンツを履いていて、とても肌色満点。ゆったりとしたブラジャーから少し見えるおっぱいに、むちむちしたふとももに、お尻だって、こんなに大きくなってたのかと驚いてしまう。
いつも見慣れていたはずの幼馴染の、そんなエロい姿に興奮してしまう。
それに、首にはカウベルのような首輪をつけている。まるで飼われている牛さんみたいだ。「倉前さんを飼う」と言う文字列を頭の中に思い浮かべるだけで、とてもドキドキしてしまう。
「どう…?」
そう、不安げに聞く倉前さん。そんな姿もとても可愛らしいけれど、やっぱり幼馴染であり、恋人である人の不安は和らげないといけないだろう。
「うん、すっごく可愛くて、それに…何というか…」
でも、面と向かって「エロい」というのが、少し恥ずかしかった。わざわざ下着姿で、カウベルまでつけて来ているのだから、言っても失礼には当たらないとは思うけれど、それでも、幼馴染に向かってそう口にするのは、はばかられてしまう。
「私…ね?もう、限界なんだ。雪原くんの精子飲んじゃったから、余計に体がおかしくなっちゃって」
顔を赤らめて倉前さんは話す。何かに期待しているような顔にも見えたし、何かに不安を抱いているような顔にも見えた。だから、はやる気持ちを抑えて幼馴染の話を聞く。
「雪原くんの事を考えると、本当にエッチな事しか考えられなくなっちゃって、だから、雪原くんの事を強引に彼氏にしちゃって」
あの告白を、倉前さん自身は強引と捉えていたのか。確かに、あの場を取り持ったのはオルシアさんだから、彼女の顔を立てると言う意味合いで僕は断りにくいと考えると、強引と言えるのかもしれない。
でも、僕自身が倉前さんと付き合いたいからこそ、オルシアさんは場を取り持ってくれたのだし、倉前さんが気にする事でもないのに。
「雪原くんが飲んだミルクはね、その、精力剤みたいな効果もあって、その…ギンギンになっちゃったのはそれのせいなんだ…」
あの美味しいミルクのせいで、僕はこうなってしまったのか。確かに、倉前さんの家についた後から、僕はやけに絶倫になっている。今だって、さっき出したばかりなのに、もう準備万端だ。
「だから、私が強引に襲っちゃって。その、雪原くんがトイレに籠もっちゃったから、もしかしてって思ったら、本当にしてて、体が勝手に動いちゃって…」
体が勝手に動いて、僕を求めてくれたと聞くと、そこまでして愛されていたのかと思って嬉しくなってきた。
「本当は、あの時私を襲ってくれても良かったの。でも、そんな事をしないでトイレに籠もった雪原くんを私が襲っちゃったから…雪原くんは、私とそういう関係になるのが嫌なら、申し訳ないなって…急に不安になっちゃったんだ。本当は、雪原くんが嫌がっても襲っちゃおうって意気込んでたのに…こんな服を着て、誘惑しようって思ったのに、本当にそうしたら、不安になっちゃって…」
倉前さんはそう言うと、僕の方を見て、すぐ顔を伏せてしまう。
僕が倉前さんの事を大切に想っていたように、倉前さんだって僕の事を想ってくれていたと言うことなのかもしれない。倉前さんだって、僕みたいに、エロいことをしたい心を抑えて、僕との関係を大切にしていこうと決めていたのだろう。
だから、だからこそ、僕らは一線を越えるべきなのだろう。
「っん///」
強引に近づいて軽くキスをする。倉前さんの声が漏れて、彼女の体が痙攣した。
「僕だって倉前さんといっぱいエロいことをしたいなって思って、そんな自分の事が嫌になってきてさ、だから、同じ気持ちなんだって思って嬉しかったんだ」
伝える。「想いは言葉にしないと伝わらない」ってオルシアさんは言っていたけれど、これこそ伝えるべき言葉なのだ。
「お互いにさ、エロいことをしたくて、でも相手の事を大切に考えて止めるって、やっぱり僕たち幼馴染なんだなって、改めて思ったんだ」
長く付き合っていてもお互い同じ事を考えていた事は見抜けなくても、同じ事を考えるって事は、やっぱり幼馴染なのだろう。
「だからさ、その、同じ気持ちなら、その、僕がいつも考えていたみたいにさ、ドロドロのグチュグチュにさ、したいなって」
そう僕が言った途端に、倉前さんは僕に抱きついてきて、再び濃厚なキスをしてくる。
「っうう」
「/////」
いつもの様に情けない声をあげる僕に対して、倉前さんはとても嬉しそうで、妖艶な顔をしていた。僕の後頭部に手を回してきて、僕が逃げられないようにしてくる。
そして、彼女の舌が僕の口に入ってくる。僕らの舌が僕らより先に先にセックスをしているかのようだった。ただまぐわって、体液が混じり合う。まるで踊っているかの様に、プロレスをしているかの様に、僕らはひたすら舌を絡めた。
人生で一番濃厚なキスだった。倉前さん相手しか経験がないけれど、それでも、世間一般から見ても濃厚なキスだっただろう。
倉前さんはその間にも、体をピクピクさせていた。もしかしたら感じているのかもしれない。これは童貞の妄想だけれど、恐らくもう少しで僕は童貞を卒業するので、わりかしこの予想は当たっているのかもしれにあ。
ようやく、倉前さんの気が済んだのか、舌が引っ込んで、口同士が離れる。唾液が糸を引いて、そして重力に逆らえず落ちていく。
倉前さんが笑いかける。それはとても妖艶だった。
「もう、我慢できないんだ…」
僕はコクリと頷いた。
――
ベットで、仰向けで寝っ転がった倉前さんは、とても穏やかな表情だった。
僕はベットの端、倉前さんの足の方面から、彼女を見下ろしていた。
彼女は上半身を起こして、、僕の顔を見ている。
ふと、彼女の下半身を見ると、パンツに染みができていた。
「えっと…その、我慢できなくて。こんなになっちゃって…」
僕の視線に気づいた倉前さんは、そう恥ずかしげに口にする。
僕は息を呑んだ。僕とセックスをすることを、そんなに心待ちにしていたなんて。
「その、雪原くんに脱がせてもらいたいなって…」
恥ずかしげながらも、どこか笑顔で話す倉前さん。
興奮して息が止まりかけている僕は、そっと彼女のパンツに触る。
そして、生地のしっとりとした感触を楽しみながら掴んだ。
倉前さんは、僕が脱がしやすいように足を少し浮かした。
僕はゆっくりとパンツを脱がしていく。
見ると、ふとももにも彼女の愛液らしき液体が、倉前さんの興奮度合いを示すかのように存在していた。
「っふぅ…//」
倉前さんの息は荒くなっていたようだった。何かを待ち焦がれているような、そんな顔をしていた。
そして脱がし終える。脱がし終えたパンツはどこに置けばよいかわからなかったので、とりあえずベッドの脇に置いておくことにした。
「私、出来上がっちゃってるから…、もう挿れちゃっていいよ…?」
顔を赤く染め上げて、そう話す倉前さん。これまでで、こんなにエロい顔をしている倉前さんの顔を見たことは無かった。
僕が上から覆いかぶさるようにして、そしてゆっくりと自分の物をあてがう。
そして挿入する。倉前さんの息が荒くなってくる。僕の心臓の鼓動が早くなってくる。
「んっ///」
挿入している途中で、何かつっかえる物があった感じがした。そのつっかえをも気にせず挿れると、倉前さんが小さく声を出す。
「ああっ///うぅっ///」
その声は快感に酔いしれているようにも、痛いのを我慢しているようにも聞こえた。
「大丈夫?」
「私の処女膜だからっ///気にしないで続けてっ///」
「痛かったら言ってね」
「痛いっていうかっ//きもちいいから大丈夫っ!///」
倉前さんが僕の物で気持ちよくなっていると言う事実が、少し嬉しかった。そのまま奥まで挿れていく事にする。
倉前さんの中は、奥に行けば行くほど絡みついてきて、とても気持ちよかった。さっきのパイズリもそうだけれど、僕が自分でするよりも、倉前さんの方がよほど僕が気持ちよくなる方法を知っているように思えた。
奥まで挿れきる。しばらくそのまま、倉前さんの中を感じていた。
全く動かしていないのに、倉前さんの中は、相変わらず僕の物を刺激し続けていた。
「動くよ?」
「うん…」
倉前さんは神妙とも、快楽に溺れてるとも取れる顔をしていた。顔を赤らめて、今後起こる事を期待しているようだった。
僕だって初体験である。不慣れながらも腰を動かし始める。へこへこと、決して誉められたものではないけれど、お互いの快楽を増幅させようと、ただひたすら腰を振る。
「うっ///ああっ///ひぃっ///」
でも、そんな不慣れな腰振りでも、しっかり倉前さんは感じてくれているみたいだった。
お互いの快感が一突きごとに増していく。離れて、突いてと言う動作一つ一つに倉前さんの中が反応し、快感を与えてくる。
倉前さんだってしっかり快感を感じているようで、僕が動く度に嬌声をあげる。彼女の快感が、僕にとっても手に取るようにわかるようで嬉しかった。大切な幼馴染が、僕と繋がって、しかも感じてくれているなんて夢のようだった。
「あああっ////ふぅううっ////」
「も、もう出そうっ」
倉前さんが引き続き嬌声をあげているけれど、僕もそろそろ出そうだった。その状態になって、懸念が思い浮かぶ。
成り行きでセックスまで行ったからすっかり忘れていたけれど、避妊具をつけていない。流石にまずい。もう手遅れかもしれないけれど、しっかり外に出そうとしたのだが、
「らめぇっっ//はなれないでぇ///」
倉前さんの両足が僕の身体に絡みつく。所謂だいしゅきホールドの形になって、僕の物が再び奥まで突き刺さる。
その刺激と倉前さんの中の締め付けが最後の一押しとなって僕は絶頂に達してしまう。
「あぁぁぁぁっっっ///きてるっっっっ/////きちゃってるよぅっっっ///」
そんな言葉を発しながら、倉前さんは腰をガクガクと浮かせていた。
とても嬉しそうな顔をしていて、とてもエロい顔をして、絶頂に達していた。
「倉前さん…中に、出しちゃった…」
でも、倉前さんのその顔に、はぁはぁとしている息遣いをエロいと思う前に、僕は慌てていた。
中に出してしまった。責任を取れるかどうかとか、今までピンクに染まっていた脳内が急に正気に戻る。
でも、
「ゆきはらくんっ///、だいじょうぶだよっ/////」
倉前さんはそう言って、ほっぺにキスをしてくる。
「りゆうはいえないけれど、だいじょうぶだよ?」
続いて、まだ物足りなさそうな声で、妖艶な顔をして言ってくる倉前さん。
そんな、えへへと笑っている倉前さんの姿が、本当にかわいく思えてきてくる。何回も同じようなことを思っているけれど、本当にいつまで眺めていても飽きがこない気がしてきた。
そんな風に倉前さんをしばらく眺めていると、不意に彼女は僕の口にキスをしてくる。
「んっっ」
「………///♥♥♥」
さっきみたいに、とても濃厚で、とても愛情深いキスだった。僕の唇を倉前さんはねぶるように、食らいつくようにねっとりとキスをしてくる。
本当に幸福そうな倉前さんの、その表情を見ているだけで、僕も本当に嬉しかった。
しばらくお互いに濃厚なキスをしていると、また僕の物がふっくらとしてくる。
それを感知したのか絶頂の後緩くなっていた倉前さんの中の締め付けが再びきつくなってくる。
「もう一回、中に出してほしいな…?♥」
この言葉に、僕の脳内が反応した。脳内は体に指示を出して再びぎこちない腰遣いではあるものの、一生懸命腰を振り始める。
「あはっ///ひぃっ///ほぉっ///」
それと同時に、喘ぎ始める倉前さん。こういう事は素人ではあるけれど、彼女は感じやすい体質なのかもしれない。
腰を振るごとに、ちゃんと倉前さんは反応してくれる。本当に気持ちよさそうに、顔を紅く染めて、ひぃひぃと喘いでいる。
「みおさんっ、すごい、気持ちいいっ」
「けいくんっ///わたしもっ///すごいきもちいいよぅっ///」
ついついそんな倉前さんが愛しくなって、彼女の名前を言ってしまう。
彼女のフルネームは倉前澪、僕のフルネームは雪原渓。
でも、今まで苗字でしか呼び合っていなかった。思えば、恋人になってセックスまでしているというのに、相手を名前で呼んだ事が無いというのもおかしな話だ。
でも、今お互い名前で呼び合えた。僕たちが深い関係になれたという事がまた嬉しくなって、腰振りにも力が入る。
「しゅごいっ///きもちいいっ///けいくんのっ////おちんちんがっ///」
それに呼応するかのように、倉前さんも喘ぐ。僕が一突きするごとに、彼女の中が反応して、柔らかく、ふわふわに締め付けてくる。
その締め付けが物凄く気持ちよくて、止まろうにも止まれない状態なのだ。今はただ、快楽を倉前さんと一緒に貪っていたい。
「いぐっ///またいっぢゃうっ//////すぐいっちゃうよぉ/////」
段々締め付けも強くなってきてくる。まるで、僕が中に出してくれるのを待っているかのように。
吸精器官そのものだった。挿れるだけで自分で処理する以上の快楽を得られ、お互いが絶頂する間際になるとさらに締め付けが強くなる。
「ゆきはらくんにっ////けいくんにぃ///すぐいかされちゃうっ///」
目の前の幼馴染は僕に絶頂させられると言っているけれど、僕だって彼女にイかされてしまうのだ。
お互いに気持ちいい。お互いいざ挿入すると、それ以外の事が考えられなくなる。
一突きごとに、彼女のふわふわなおまんこが、僕の物を優しく締め付けてくれる。
その刺激が、自分にとって優しい刺激で、でもずっとこうしていたいと思わせられるほど気持ちが良かった。
人生で一番幸せな瞬間が今なのでは無いかとすら思ってしまう。
「うぅ、またでるからっ」
「ぜんぶなかにだしてぇ///♥」
そんな快楽の中で、射精が近いという報告をすると、再び中に出す事を懇願されてしまう。
しかし、僕はどの道中に出してしまいそうだった。こんなにも倉前さんの中が物欲しそうにしているのだから。それに彼女も望んでいる事だし、面倒事になったら未来の僕がなんとかしてくれるだろう。
今はただ快楽に酔いしれたかった。決壊したダムの如く精液が飛び出る。
「あああっんんんんっっっ///しゅごいぃぃぃぃっっ/////しゅごいよぉぉぉぉぉっっ//////」
射精と同時に、再びガクガクと絶頂に達する倉前さん。射精の瞬間だって、さっきよりまた強い快楽を感じたし、それは倉前さんもそんなように見えた。
目の前の幼馴染の顔は、もはや快楽しか得る事を考えていないように見えた。全ての不安や、恐怖やすら無く、また、僕以外の人間を忘れ去っているような、僕とのセックスしか考えていない顔に。
彼女はこんなにエロかっただろうか。かわいいと感じた事はあるけれど、エロいと思った事はあまり無かった。まあ、おっぱいが大きくなっている今は、そう言う目で彼女を見る事になったけれど。
未だに、はぁはぁと息を漏らして、余韻に浸っている倉前さん。再び、彼女のそのエロい姿を間近で見て、僕も余韻に浸ろうとする。
「…?」
まじまじと見ると少し違和感が。倉前さんの頭に、耳と角が生えていた。
その耳と角はまるで牛みたい。牛コスプレをしているのもあって、余計にそう感じてしまう。
牛カチューシャという物はあるけれど、さっき倉前さんはそう言った代物をつけていなかった。
もしかして、これは本物なのでは無いか。
未だに余韻に浸っている倉前さんを少しからかいたくもなって、耳を甘噛みして確かめてみようと思った。
そっと倉前さんのこの大きな、僕から見て左側の耳に近づいて、軽く一噛み。
「ひゃうっ///」
その瞬間驚いて、かわいい声で驚く倉前さん。
でも、そこから段々表情が曇っていってしまう。
「バレちゃった…」
さっきとは打って変わって絶望する倉前さん。こんな顔を彼女がしたのは、子供の頃に、倉前さんに対する陰口を僕達二人が間近で聞いてしまった時以来だった。
倉前さんは再び足をぎゅっと僕の身体に絡みつけてくる。涙までにじみ出てきそうな倉前さんの顔は、さっきとは打って変わって絶望の淵。
きっと、倉前さんは僕に嫌われたくないのだ。セックスの前に再びお互いの意思を確認したのだって、僕を避けていた事だって、僕に嫌われたくないから。
だから、僕自身が、倉前澪さんの事を一生好きなのだということ示さないといけない。あの時だって「気にしちゃダメだよ、僕がいるからさ」ってギザな事を僕は言っていたのだから。
僕の方からキスをする。倉前さんがしてきたキスより控えめで、でも僕の気持ちがちゃんと伝わるように。
「っぅぅ///」
倉前さんは、胸中不安でもちゃんと僕のキスに対しては嬉しそうにしてくれる。しばらく倉前さんの唇を堪能した後、キスを止めて少し離れる。
「嫌だったら言ってね。耳…?が弱いのかなって思ってさ」
さっきの驚いた、でも少し感じてそうだったあの顔を僕は見たかったのだ。だから、キスは控えめにした。当然拒否されたらキスを無茶苦茶するけれど、倉前さんの弱点を見つけられたようで少し嬉しかったのだ。耳をハムハムしたかった。
倉前さんは、鳩が豆鉄砲を食らったような顔をしていた。答えに窮しているようで、さっきまでのエロい顔でも、絶望の顔でも無く、困惑の縁にいるようだった。
「ハムハムしちゃうよ…?」
嫌がっている感じでも無いが、肯定もしていないので確認を入れる。
倉前さんは、依然として怪訝な表情をしていたけれど、コクリと頷いた。
同意も得れたので、さっきと同様左側の耳をハムっと甘噛みする。
「ひぅっ///」
やはりというか、甘噛みにしっかり反応してくれる倉前さん。
こうなってくると耳をモフりたくなってくる。
右側の耳をゆっくりと、倉前さんを嫌がらせないようにデリケートに触る。
もふもふとした、柔らかい、本当に動物の耳みたいな感触だった。
「あっ//」
悶えて声が出てしまう倉前さん。可愛い。
こんな倉前さんの可愛い悶える声を聴いて、僕の物もまたふっくらとしてくる。
こんなに僕は絶倫だったとは。三回も連続で出せる人間だっただなんて。
「っ//////」
倉前さんはそれに気づいたのか、再び顔を赤らめる。
彼女はやはりこう言う表情が似合っているように思える。前みたいに暗い表情も好きだったけれど、こんなにも快楽を感じて、楽しそうで、淫らな顔がとても素敵に思えた。
僕が動かなくても、彼女の中が勝手に快楽を与えてくれるようだった。彼女が何か反応する度に、中がしっかりと僕の物を締め付けてくる。
倉前さんも、さっきみたいに乱れた顔ではなくて、微笑みながらも体はしっかりと反応をしてくれているようだった。
「倉前さん、大好き」
こうしていると、目の前の幼馴染の事が愛しくなってきて、甘噛みをやめてついつい愛の言葉を囁く。
「わたしもだいすきっ」
倉前さんは笑顔でそう応えてくれる。心なしか、彼女の中も反応してくれているようだった。
愛しくて愛しくて仕方が無くて、またまたキスをする。
「っっっん///////」
今度は想定できなかったのか、先ほどより反応している倉前さん。
中だってかなりうねうね動いてきて、刺激してくるのだ。
しばらくキスを続けていると、僕もそろそろ限界を迎えそうだった。
倉前さんも同じで、吐息が絶頂が近いのを物語っているようだった。
再び倉前さんの弱い耳に刺激を与える事にする。
キスをしながら、両耳を触る。
「っっっっっっんんんんんんんん//////////////」
三度の絶頂、それと同時の締め付けもあって、僕も射精した。
キスをやめて倉前さんの顔を見ると、快楽と溶けあっているかのような表情であった。
「ゆきはらくんにぃっ/////いっぱいいかされちゃったぁぁぁっっ///」
絶頂の余韻が残っているのか、彼女はそんな事を話す。
僕でそんなに感じてくれる倉前さんが、その事実が本当に嬉しくて仕方がなかった。
頭を撫でて、生えている角も少し撫でた。此方もやはり動物のような、そんなしっかりとした角だった。
倉前さんは微笑んでくれた。僕の手に身をゆだねて、静かな幸せを感じているようだった。
余韻も少し残っている中、ようやく僕の物を抜く。とても濃い精液は、お互いが如何に乱れたかを如実に表しているようだった。
「すごいね」
「…すごかったね」
思わず感想が漏れてしまった僕に、倉前さんが同意してくれる。
そうして二人で微笑みあう。今は、この初体験の余韻にお互い浸っていたのだった。
20/02/29 14:08更新 / 千年間熱愛
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