連載小説
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第二話〜夜の屋敷を全裸徘徊〜
 草木も眠る真夜中。リュカは照明も何もついていない屋敷の廊下を歩いていた。
 夜目が効く彼女にとってこの程度の暗闇は大した問題にはならない。彼女の視界には昼間と同じく鮮明に映し出される屋敷の廊下があった。
 そんな彼女の頬は赤らんでおり、呼吸はひどく乱れている。尻尾は落ち着きなく揺れ、その小尻を軽くもじもじとさせている。だが、それも当然だろう。
 彼女は今、全裸で屋敷を徘徊しているのだから。

 事の始まりは一時間前。主人から趣向の変わったことをやろうと言われたことだった。
 主の命に応えることこそがメイドである彼女にとっての最大の喜び。当然胃も泣くそれに応えたが――

(まさか、こんなことになろうとは……)

 生まれたままの姿を隠すようにしながら、彼女は恥ずかしそうに身を縮める。乳頭は特に刺激を受けているわけでもないのに興奮と背徳感でツンと尖り、陰核は見ているだけで痛々しくなるほど充血していた。
 ぴっちりとした割れ目からはとめどなく愛液が滴っており、それは彼女の白く細い足を伝って屋敷の絨毯に轍を残していく。
 本来なら屋敷を清潔に保つべき自分が汚している。そう思うだけで背筋がゾクゾクっと震えた。普段はピンと立っている彼女の耳も、今日ばかりは恥ずかしげに垂れている。ふわふわとした尻尾もいつもよりは元気がなさそうに思えた。
 彼女はふと立ち止まり、柱の陰に身を隠す。そうして窓の外を見やって、そっと胸を撫で下ろした。

「ただのコウモリですか……」

 現在、屋敷の中には主しかいない。だが、屋敷の外には村があり、そこには大勢の魔物娘や人間たちが暮らしている。特に厄介なのは魔物娘たちだ。中には彼女同様夜目が効くものがいる。
 もし、この痴態を見られればきっと無様に罵られることだろう。ひそひそと、あからさまに陰口を叩かれるだろう。そう考えるだけで股倉が熱くなったことに、彼女はカァッと顔を赤くした。

(で、できるだけ早く部屋に行かねば……)

 主から命令されているのは、屋敷の隅から自分の部屋までやってくること。ここだけ見れば簡単だが、屋敷はかなりの広さを誇っている。しかも主人の部屋は三階で、今彼女がいるのは一階だ。階段を上って、また歩かねばならない。到達するころにはどれだけの時間が経っていることだろうか。

「……」

 とはいえ、考えていても先へは進めない。彼女は赤面しながらも柱の影から身を出し、すたすたと歩いていく。小走りで、なるべく音を立てないように階段までたどりつき、そこでようやく一息つく。
 そのころには彼女の股倉はぐしょぐしょになっており、息も荒くなっていた。
 しかし、終わりはもう目の前。彼女はグッと唇を噛み締め、階段を上っていく。
 一歩一歩昇っていくうちに快楽の度合いも強まっていくような錯覚に苛まれながら彼女はただ足を進ませていく。そうしてようやく三階に到着したところで――彼女はハッと息を呑んだ。
 奥の方に主の部屋がある。あそここそがゴールだ。が、問題が一つ。
 彼女はごくりと息を呑み、廊下を見やる。そこには歴代当主たちの肖像画が飾られていた。別に生きているというわけでもないのに、何か視線を感じて彼女は半歩ほど後ずさった。

「こ、ここを潜らなければいけないのですね……」

 自分の秘所と胸元を隠しながら呟くが、終わりが見えているということもあり、すぐに歩を進めていく。
 そもそも、この廊下は神聖な場所だ。彼女もメイドとして清掃を行う際、かつての当主たちに恥じぬような行いをすべく他の場所よりも丁寧な仕事を心掛けてきた。
 しかし、それがどうだ。今はそこを全裸で闊歩している。

(あぁ、申し訳ありません。当主様方……)

 リュカは内心謝罪を呟きながら進んでいく。当主たちの視線を受けているような感覚を覚えながら、可愛らしく尖った乳頭としとどに濡れる股を隠すことなく大股で。
 屋敷のひんやりとした空気によって感覚が鋭敏化されているのか、彼女は時折びくびくと体を震わせていた。
 が、何とか主の部屋の前に到着。そうして後ろを見やって点々と染みのできた絨毯を見て、彼女は力ない笑みを浮かべた。

「申し訳ございません……」

 彼女は甘く艶っぽい声で謝罪を述べてから、コンコンとドアをノックする。と、内側からドアが開けられ自分よりもずっと背の高い主の姿が映ってきた。
 彼は満足げに微笑みながら、優しくリュカの頭を撫でる。

「お帰り、リュカ」

「うぅ、ひどいです、ご主人様ぁ……」

 リュカは涙目だった。ようやく羞恥プレイから解放された安心感からか、今さらになって膝がガクガクと震え始める。

「おっと、危ない」

 思わずその場にへたり込みそうになってしまったリュカの体を抱き、彼はニッと口元を吊り上げた。

「頑張った子にはご褒美をあげないとね」

 そう言って彼が手を伸ばしたのは――先ほどから切なそうにしていた彼女の乳首。彼はそれをギュッと力強くつまむ。

「あっ! ご主人様、やめ……」

 くりくり、と弄られ、時折指でピンと弾かれる。その度にこれまで蓄積されてきた快楽が呼び起されるような気がして、リュカは空腰を振った。それにつれて愛液が彼のズボンなどにかかるものの、互いにそれを気にした様子もなく絡み合う。

「どうだった? 屋敷の中を全裸で徘徊した感想は?」

 その意地悪な感想にリュカはグッと言葉を詰まらせてしまう。思い出すだけでまたゾクゾクと背筋が震えるようだ。
 主人は言い淀む彼女を見て、わずかに意地悪そうな笑みを浮かべた。

「言いたくないかい? じゃあ、ご褒美はなしかな」

 その言葉とともに、胸元から手が離される。せっかく疼きが止まりつつあったのに、途中で止められたせいでそれは余計に増幅した状態となってリュカに押し寄せた。
 リュカは少しだけ恥ずかしそうにもじもじと体をくねらせながら、それでも口を開く。

「と、とても……恥ずかしかったです。もし、外の誰かに見られたらと思うと……」

「興奮した?」

 陰核を指でつつかれ、彼女はビクンと背を逸らす。それと同時に割れ目からプシュッと白い蜜が噴き出し、絨毯を濡らした。
 彼はそれを見て気をよくしたのか、再び乳頭を弄びつつ耳元で囁いてくる。

「さぁ、どうだったのか聞かせてごらん?」

「は、はい……んぅ。裸に、抵抗はありました……で、でも、悪く、なかったです。その、いけないことをしているみたいで……」

「廊下、渡ってきたでしょ? どう感じた?」

「まるで先代様方に見られているようで、自分が……あんっ! と、とても不敬なように思え……あぁっ!」

 言葉の途中で彼女はビクビクと体を震わせ、彼にすがりつく。すでに体はガクガクと痙攣しており、興奮は最高潮に高まっていた。
 だからこそ、彼は一旦優しくリュカの頭を撫でた後で――陰核をギュッと指で押しつぶした。

「あ……ひゃあああぁんっ!」

 ガクガクガクッと彼女の小さな体が激しく震える。口の端からはよだれがこぼれ、目の焦点はあっていない。彼女はまるでクジラのように潮を吹きながら四肢をピーンッと伸ばしていた。

「あ……あぁ」

 これまでずっとお預けを喰らい、さらにタブーを重ねて気分的にも最高潮に達していた。だからこそ、これまで感じたことがない絶頂が押し寄せてくる。まるで自分が自分でなくなるような、そんな力強い快楽の余韻に浸りながら、彼女は目をとろんと潤ませていた。

「おぉ、すごいな。ずっと我慢していたのか」

 ビクビクと悦びに身を震わせる彼女を見て、そんなことを呟く。リュカの方はすでにトリップしているらしく、先ほどから小さな喘ぎ声を漏らしつつイき続けていた。
 見た目だけなら幼女の彼女が全身に玉のような汗を浮かべ、髪を振り乱しながら絶頂する様は実に扇情的だ。その様に彼もつい目を奪われてしまう。

「あ……ふぁ……」

 ようやく絶頂が治まったところで、リュカはペタンとその場に女の子座りをした。が、その直後に股ぐらに赤熱感を覚えてハッとするも、もう遅い。

「あ、や、いやぁああ……」

 その熱がたちまち心地よい解放感に変わると同時、彼女の尿道から黄色い飛沫が放出される。ちょろちょろと流れるそれは絨毯に染みを残していき、彼女はそれを抑えようと必死で股を手で押さえていたが、それは指の間をすり抜けていくだけで無駄な行為だ。

「ご、ご主人様……お許しを……」

 すでにリュカは涙ぐみ、鼻を啜っていた。尿の方はもう勢いを弱めており、力なく彼女の手にかかる。

「いや、いい。気にするな」

 ツンとするアンモニア臭を感じながら、彼はしゃがみこんでリュカの銀色の目を見据え、そっと耳元で囁く。

「ただ、行儀の悪いメイドさんにはちょっとだけお仕置きしなくちゃな」

 その時、リュカはなぜだか言いようのない快楽を覚えて、また体を震わせた。
16/09/24 23:35更新 / KMIF
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