連載小説
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その2
「ミレイ様! ミレイ様大変です!!」
 「何事じゃ騒々しい! 落ち着いて話すがよい」
 「相手国の王国兵およそ500、国境沿いに集結。一両日中には進軍を開始する模様です」
 「なに? わかった。隊長クラスを集めよ! 軍議を開く」
 「了解しました!!」








 〜砦の剣士と魔物娘〜
  その2

 「皆集まったようじゃの。それではこれから軍議を開く」
ミレイの言葉で場が引き締まる。俺も例外ではない。
 「まず相手の戦力は王国軍兵士500。進軍先は不明。おそらくこの砦を狙ってくると思われる」
 「さて、何か進言は無いか?」
 「ミレイ様、その王国兵の中に教団騎士は?」
 「兄上、そんな堅苦しくせんでもよいぞ? 教団騎士の姿は認められていない。何か気になるのか?」
砕けた調子で返してくるミレイ。
 「相手国に相当数の教団騎士が入っているのは今までの情報から明らかだ。となると今度の出兵に一人もいないのはおかしい」
俺は幾分砕けた口調でミレイに返す。
 「……ふむ確かに……」
 「罠だろうと何だろうと叩き潰せばいいだけでは?」
 「相手の狙いもわからないのに安易に攻め込むのは……」
考え込むミレイをよそに隊長クラス達が意見を出し合っていく。
俺はと言えばいろんな可能性を考えていた。兵士だけの軍、教団騎士の不在…… そこまで考えていた時、ある一つの可能性が浮かんできた。
 「ミレイ、この砦の後ろにある街の守備兵はいくらぐらいいるんだ?」
 「? 守備兵はおよそ50と言ったところか…… あとは街の衛兵がおよそ100ぐらいだが…… !? まさか?」
 「あくまで可能性だが、この砦をスルーして街に攻め落とすかもしれない」
 「ふむ…… だがこの砦をスルーしても後ろから我らが追撃すれば済む話では…… はっ!?」
ミレイは何かに気がついたようだ。
 「まさか追撃して手薄になった砦を教団騎士が攻めると言うのか?」
 「ああ、その可能性が極めて高い。追撃部隊を出さなければ街が攻め落とされる。追撃部隊を出せば教団騎士が攻めてくる。二重の意味での侵攻作戦だ」
 「それは考えすぎではないですか?ユークリッド殿」
隊長格の一人がそう言ってくる。
 「考えすぎならそれで良いんだが、教団騎士の姿が見えないとなると、気を付けるに越したことは無い」
 「ともかく一度解散としよう。とりあえず、各隊から偵察要員を出してくれ。出来るだけ相手に気取られないように。続きは情報がある程度集まってからだ。それでは解散」
ミレイが告げると皆解散していく……
 「兄上、この予想にもとずく対抗策を考えておいてくれぬか?」
ミレイが退出しようとしていた俺にそう言ってきた。
 「それはかまわないが…… 確証は無いぞ?」
 「取り越し苦労ならそれで良いのじゃが…… 悪い予感がするのでな」
 「わかった。考えてみよう。それじゃ明日な」
 「ああ、頼むぞ兄上」
対抗策か…… 頑張って練るとしよう。


 その2 終

11/08/13 07:58更新 / 瑠璃石
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■作者メッセージ
ずいぶんお久しぶりな瑠璃石です。
リアル事情で更新が遅くなりました。(祖母の死はかなり堪えました)
その3はあまり時間をおかずに書きあげたいのですが、正直微妙です。

この場を借りて御礼返信です

白澤様
続きを楽しみにしていただきありがとうございます。
完結まで頑張ろうと思います。

おいちゃん様
どうやってハーレムエンドまで持っていこうか思案しています。
なんとか完結までこぎつけようと思っています。

以上感想ありがとうございました。

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