連載小説
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その3
コンコンコン
俺は部屋の戸をノックする
「誰なのじゃ?こんな時間に?」
部屋の主、ミレイが尋ねる。
「ユークリッドだ。今時間良いか?」
俺がそう言うと、
「おお兄様か。構わないぞ」
「失礼する」
と扉を開けて中に入る。とそこには書類の山に埋まっているミレイがいた。
「こんなときにも書類か?」
俺が尋ねると
「こんな時だからこそじゃ。仮にも砦の長じゃからな」
と言ってから
「兄様こそこんな時間にどうしたのじゃ?」
と尋ねられた。
「ああ、実はな……」











砦の剣士と魔物娘
〜その3〜



………………
「ふむ、なるほど。なかなか悪くない策じゃな。じゃがな兄様さすがに我一人でそれは……」
「ふむ……誰かに協力を頼めないか?」
「………………」
「………………」









「これならなんとかなるやもしれんな」
とミレイが納得したのは数時間たってからの事だった。
「ではそちらは任せるぞ。俺の方も進めておく。あと……」
「わかっておるよ。むしろ我ら魔物にとってそれは考えもつかんことじゃ。よほどの事情があれば別じゃがの」
と言ってミレイは笑うそして
「では我は通信魔法で連絡をしてくる。あとで隊長達にも集まってもらわねばならんし……」
「なら俺も部屋に戻るとしよう」
「そうじゃな、そうしてくれると助かる……」
と二人で部屋を出てそれぞれ移動した。














数十分後
会議室
「……という訳じゃ」
ミレイが作戦内容を連絡する。
「何か質問はあるかな?」

「なんで私が臨時司令なんですかぁあああああ」
とリリーが絶叫していた
「しょうがなかろう?第1隊、第2隊は我とともに行くことになっておるし、残りで指揮を執れそうなのはお主以外いないじゃろう?」
「ですが…… ですが……」
「案ずるな、タイミングは我が通信魔法で伝える」
「……わかりました。謹んでお受けいたします」
「頼むぞ、他には…… 無いようじゃな。では王国軍が通過するまで待機じゃ」
ミレイはそう言って部屋を出て行く。
各隊長達も慌ただしくそれぞれの持ち場に移動した。
俺も準備しようと部屋に戻った。







そして
「報告します。王国軍砦を迂回、街方面に進路を取りました」
「うむ御苦労じゃった。しばし休息を」
「はっ!それでは失礼します」
部下の報告を受けミレイは
(ふむ、ついにきおったか…… では我らも……)
そして通信魔法で
「今しがた、国王軍が通過したとの報告があった。皆作戦開始じゃ」
ミレイの号令が響く
そしていよいよ戦いが始まる……








砦の近くのとある場所
「隊長、砦の方で動きがあったとの報告が……」
「そうか…… 」
「我らもそろそろ動く、準備を怠るな」
「了解しました」






その4へ続く
12/02/13 06:04更新 / 瑠璃石
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