連載小説
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花の香りに導かれ
いくら俺が元勇者候補で、ここら一帯を管轄する騎士団きっての怪力とはいえ、魔物娘には…中でも、特筆して力が強い種族には絶対に勝てない。

例えばこの、眼前のトロール…フロウという名の魔物娘のように。

「イクスさんは、いえ、お兄さんは魔物娘(わたしたち)を侮りすぎです」

侮ったつもりはないが、それでも事実は事実。
俺は森の地面に押し倒され、腰の上に跨ったフロウを退かせないでいる。
いや、フロウが重い軽いではなく、俺の四肢に力が入らないからだ。
フロウを退かす云々ではなく、手足に力が入らない。
これは一体…まぁそれはさておき。

「…で、フロウは俺をどうする気だ?」

「そんなの決まってます。ここでお兄さんの精を絞って、私に溺れさせるんです」

女の子と言うよりは、獲物を見つけた狩人のような表情で、自分の股間を撫でてそんなことを言うフロウ。
つまりフロウの言う『ここ』は、いま俺がいる森で、ではなく自分の女性器で、と言う意味になるようだが…

「え、え!?」

「あらかじめ言っておきますけど、冗談じゃないですからね? 本気でお兄さんとエッチしますから」

言うが早いかフロウはその大きな手で、俺が着込んだ鎧を脱がしにかかる。
一応は教団支給の均一規格品で、量産品だが防御性能もそこそこある。

で、着用している側の意見としても、割と脱ぎ着がしにくい物なのだが、フロウはお構いなしに脱がせていく。
それも部品、金具の一個に至るまで決して壊さないというのだから驚きだ。
そうして金属部分が取り払われ、その下の鎖帷子と、さらにその下のインナーも取り払われ、俺は胸部と腹部を外気にさらすことになった。

「ああ、なんて逞しい筋肉…がっちり鍛えられて分厚い胸筋と、6つに割れた男らしい腹筋…歴戦の雰囲気を感じさせる、大小さまざまな傷跡も素敵です…」

隠すものがなくなった俺の体に、その大きな手を這わせ、恍惚の表情になるフロウ。
同時に彼女の頭についた花のつぼみが、さらに咲き進んでいく。
白や赤、青に黄色に橙色…挙げればキリがないほどの色バリエーション。
ぶっちゃけ、ちょっとした寄せ植え状態になっている。

「それにこの、むき出しの肌から立ち上る、雄々しくも荒々しい雄の匂い…あ、やだ、アソコが濡れてきちゃう…」

上体を前に倒し、俺の上で腹這いになるフロウ。
携えた見事な爆乳が俺の胸板でへしゃげ、むにゅむにゅとした素晴らしい感触をもたらす。
すんすんと鼻を鳴らし、俺の体の匂いを嗅ぐフロウだが…汗臭くないか?
そう尋ねたところ、フロウは俺の体に寝そべったまま、首を振って俺の意見を否定する。

「汗臭くなんかないです。これは、この匂いは、魔物娘を狂わし、そして幸せになるための匂いなんです。すんすん…ああ、幸せ…」

全身くまなく使って俺にしがみつき、なおも匂いを嗅ぐフロウ。
その表情がとても幸せそうなので、おいそれと引きはがすわけにもいかないのだが、正直言えば離れてほしい。
なぜなら…

「…あれ、お兄さん? この、熱くてカタいものはなんですか?」

…バレてしまったらしい。
そう、俺はいま、未だかつてないほど興奮しており、イチモツがバキバキに勃起しているのだ。

「…仕方ないだろ。騎士ってのは禁欲を強いられてるし、その上でフロウみたいな、好みの女の子に迫られちゃ、イチモツもこうなるさ」

「好みの女の子…えへへ、嬉しいですお兄さん。じゃあ私から感謝の印に、イイモノをあげますね?」

言いつつ着ていたワンピースを脱ぎ捨て、自身もまた全裸になるフロウ。
その姿は、言葉では言い表せないほど美しく、そして妖艶だった。
そして特筆すべきは、やはりそのおっぱいである。

着衣の上からでも相当な大きさだと思っていたが、それも実は着衣による圧力がかかっていたのか、脱ぐと強烈な自己主張をしていた。
片方だけで俺の頭ほどの大きさがあり、そんなのが左右で2つもついている。
そしてそれだけ大きければ自然と垂れる、もしくは広がるものなのだが、フロウのおっぱいは垂れも広がりもせず、乳首も乳輪も小さめで、しかもちゃんと前を向いている、奇跡ともいえる美爆乳である。

そんな…複数の意味で素晴らしい爆乳を認識した瞬間、不意に鼻が仄かな匂いを嗅ぎ取った。
花の香りに近いが、それとは別の匂いも混ざった、実に不思議な匂いだ。
嗅ぎ続けることに抵抗はないが、はて…

「んふふ、私の香りの効果が出てきてますね」

「フロウの、香り?」

トロールという種族が、その頭部と四肢の末端部分に花を生やしているのは、実は2つの意味があったりする。
1つはトロールが、その大きすぎる手足にコンプレックスを抱いているため、それを人間の男に少しでも良く見せようと、自ら飾り立てているという。
次に2つめの理由だが、トロールは思いのほか体臭が強く、その体臭を花の香りで誤魔化すために花を生やすという。

そしてフロウの香りには何かしらの効果がある、そんな感じの言いぶりではあったが…

「そうですよ、お兄さん…ほら」

「え…なぁっ!?」

凄まじく妖艶な笑みを浮かべるフロウが、腰を後ろにずらして太ももの上に座り、その大きな手で今度は下半身の着衣を脱がせ、俺のイチモツを露出させた。
…が、俺の驚いたのはそこじゃない。

「お、俺のイチモツ…なのか?」

記憶にある自分のイチモツは、どれだけ勃起しても、せいぜいが13cmほどの長さだったはずだが、いま見えているそのチンコは、どういうわけか30cm近い長さを持ち、また太さも記憶にある限りよりは倍も太い、まさに肉の槍と称して相違ないイチモツであった。

「はい♪ ほら、ちゃんと感触がありますよね?」

言ってフロウがそのイチモツを握ると、同時に強烈な快感が股間を直撃する。
興奮しているのか、汗ばんで湿ったフロウの手が、凄まじいまでの心地よさを生み出す。
確かに、感覚の出所からして俺のイチモツのようだが…

「どうなってんだ?」

「…実はですね、私たちトロールの体臭には、男の人のオチンチンを長く太く、硬く立派に育てる効能もあります」

「男のイチモツを、育てる効果…!?」

「はい♪」

馬鹿な…それにしてもデカすぎだろう!?
フロウの手よりデカいイチモツだなんて…

「実はお兄さん、私と会った時から、このオチンチンが育つ香りを、嗅ぎ続けてるんですよ?」

「えっ?」

そう言えば最初にフロウを見た時から、森自体のものとは違う、どことなく良い香りが漂っているなとは思っていたが…
まさかそれが?

「ご名答♪ ではお兄さんには正解のご褒美も差し上げますね♥」

言うが早いかフロウは三度腰を動かし、今度はその握ったイチモツの先端を、自分の股間…つまりはオマンコに押し当て、一気に腰を下ろした。

「うおおおっ!」

「お、お兄さんのオチンチン、太くて長くて…あんっ、私、エッチは初めてなのに、感じちゃう♡」

「ぅお、お、おま、ちょっと待て! な、なんでいきなり…」

「あ、ああっ、もう、ちょ…んひぃぃぃぃっ♥」

プツッという、なにか薄い物を突き破るような感触があり、ぐちゅりと音がして俺のイチモツがフロウのオマンコに飲まれてしまう。

つかいまの感触って…
根元までずっぽりとイチモツを飲み込んだフロウのオマンコは、俺の想像通りその結合部から一筋の血を…破瓜の血を流し始めた。

フロウはと言えばその破瓜の痛みすら快感なのか、上半身を小刻みに痙攣させ、背中を弓なりに反らしている。

「っはぁ、全部、入りました♥ お兄さん、わたしのオマンコ、気持ちいいですか〜?」

「くおっ、や、ヤバい! 気持ち良すぎる! おいフロウ! とりあえず抜け! このままじゃお前の膣内に射精しちまうぞ!」

彼女の膣内は、それはそれは凄まじいモノだった。
無数の肉襞がまるで触手のように、挿入されたイチモツ全体を万遍なく包む。
くわえて俺は一切動いていないのに、膣壁が上下に蠕動しており、俺のイチモツを激しく、だが情熱的にしごく。

「お兄さんに、あっ、膣内射精されるなら、あんっ、構いませんよ〜」

「なに!?」

その激しすぎる歓迎の動きに、それまでもさんざん我慢していた射精欲が、取り返しのつかないレベルで膨れ上がる。
このままではフロウに膣内射精をしてしまう。
射精をしてしまえば俺はフロウの婿になり、まだ見ぬ巨乳魔物娘を探しに行けなくなってしまう。

だから抜け、せめて膣外で射精させろ。
そう訴えたのだが、返ってきた答えは拒否だった。

「お兄さんが、あんっ、他の魔物娘を探しに、んっ♥ 行きたいのは、ああっ、あんっ、わかりました…けど、私にも、んああっ、それなりに、んひぃ、プライドというものが、あんっ♥ ありまして…」

「プライドってお前…ぐあっ! や、やめろ! タダでさえ厳しいのに、腰を振るんじゃない!」

「嫌です、お断りします。あんっ、私だって魔物娘、好きになった男の人には、是非とも私の膣内に射精してもらうんです!」

グチュ、グチュっという卑猥な音を響かせ、フロウが俺の上で跳ねるように腰を振る。
その激しい上下運動に連動し、片方が俺の頭ほどもある大きさの爆乳が、たぷんたぷんと豪快に上下する。

「ぐおっ、ヤバ、もう、出る!」

「出して、出して下さい! お兄さんの精液を、私のオマンコの一番奥に!」

「ぐ、くぉ…ま、負けるか…うぎぎ…」

イチモツの先端がコリコリとした、恐らくはフロウの子宮口と思わしき場所を何度もつつき、その度にフロウが甲高い嬌声を上げる。
膣壁の蠕動と、フロウ自身の腰の動きがピッタリとシンクロし、俺の射精欲はもはや限界に近い。
しかしながらここで果てれば夢が潰える。
そう考えた俺は歯を食いしばり、射精欲を必死に堪えるのだが…

「うっ、そんな、強情な、あんっ♥ お兄さんには、あっ、追い打ちを、ひんっ♥ かけさせて、もらいます、ね♥」

「うあっ!」

「きゃひいいいんっ♥」

ずちゅんずちゅんと卑猥な水音が響き、フロウのオマンコからは滝のような量で愛液が溢れ出し、俺の股間をべちょべちょにしている。
膣壁はなおも蠕動の速度を増し、俺のイチモツそのものを吸い込まんが如く、強く激しく動いている。
そんな中、未だに射精する事を恐れた俺は、ひたすら我慢に我慢を重ねていたのだが、ここでフロウが思わぬ追撃をしかけてきた。

なんと、俺の手を取り、それを自分の胸に…あの美爆乳に押し当てたのだ。

その感触のなんと素晴らしいことか。
ムチムチの弾力のなかに、触る手指すら慈しむような柔らかさと温かさも持ち、つい押し当てられた手で、フロウのおっぱいを鷲掴んでしまう。

「あっ、イく! イきます! お兄さんに処女を捧げて、子宮口をゴリゴリ突かれて、おっぱい鷲掴みにされて、お兄さんに膣内射精を強要して、私イきますっ!」

「んむっ!?」

やがて絶頂が近くなったのか、フロウはそれまで寝かせていた俺の後頭部に手を回し、俺の上体を起こすと、その見事な爆乳の谷間に俺の頭を抱き込んだ。
途端に鼻を貫く例の香り。
刹那、それがフロウのメスの匂いだと理解できた瞬間、俺の我慢の堤防は呆気なく決壊した。

「むおおおおっ!」

「ひあああああああああああああああああああああああっ♥」

イチモツから、凄まじい勢いで精液が飛び出す。
ドプンドプンと、まるで洪水のように。

「あっ、ああっ、出てる、お兄さんの精液、私のオマンコに、どぴゅどぴゅ出てるぅ♥」

「……」

フロウが快感で悶える中、俺は呆ける事しかできなかった。
腰が、イチモツが、砕けて溶けて無くなりそうな快感。
あまりに強い快感で、頭の中は真っ白になっている。
イチモツの中を、精液が駆け上る感触しか感じられない。

普段では考えられぬほど長い、あまりに長い射精。

「私のオマンコ、子宮口も通り越して、お兄さんのオチンチンと精液でいっぱいですよ♥」

出しすぎてぽっこり膨らんだ下腹部を、まるで妊婦のような表情で嬉しそうに撫でるフロウ。
彼女がそうしている間も、まだ射精は続いている。

「えへへ、どうでしたか、お兄さん?」

「あ、ああ…凄かった」

2分、いや5分は経ったかもしれない。
それぐらいになってようやく射精が止まり、呆けていた俺の意識も元に戻る。
ただ、射精の余韻というものは確実に存在し、フロウの質問にもどこか上の空で答えてしまうが。

「それは良かったです…で、お兄さん」

「…なんだ?」

「あれだけ射精して、まだオチンチンはビンビンなんですけど…」

で、フロウからそう言われてふと気づく。
確かに俺のイチモツは、あれだけ射精してなお硬度を保っていたのだ。

「…折角ですから、このままもう1回シていいですか?」

「…勘弁してくれと言いた…

「はい♥ じゃあもう1回しますね♥」

…質問する意味あったの、うおぅ!」



………


……






結局その後、抜かず4連発でフロウに搾り取られた俺は、どうにかフロウの説得に成功。
また会いに来る事を約束した。

同時に『我慢できなくなったら、私からお兄さんに会いに行きますね♥』とも言っていた。
どうやってと聞けば『愛の力で、です』との事。
愛の力で会いに来るとはこれ如何に。

そしてフロウは、股間に1枚の葉っぱを張り、そしてまたワンピースを着こんでその場を立ち去った…のだが。

「あう、見失っちゃったよ〜」

「そっちどお!?」

「無理、見当たらない! そっちは!?」

「いないわ! 早く、早く見つけて! でないとホーネットの連中に…」

「いたわ! ハニービーよ! まだ見つけてないみたいだわ!」

「よし! 総員散開! ハニービーより先に見つけるわよ!」

森の上空を飛ぶ、ハニービーとホーネットの群れ。

ハニービーはいわゆるミツバチ型の魔物娘で、女王蜂を中心とした群れを作って暮らしている。
個体としての気性は、温厚でおっとりしている。
基本的に巣の外で活動するのは働き蜂で、エサとなる蜜や女王へ捧げる男を探す役割があるそうだが、女王に捧げるにふさわしいかどうかは、自分と性交をして確かめるという。
腰に提げた袋には、アルラウネから採った特殊な蜜が入っており、これは本人たちの食糧である他、媚薬として用いられたり、自分の女性器を手入れする為に使われるらしく、手入れを終えた直後のハニービーは極めて活発的になるため、棲息地帯に立ち入る場合は注意が必要。

ホーネットはアシナガバチ、あるいはスズメバチ型の魔物娘で、個体としての気性は凶暴で強気。
女王蜂を頂点とした群れを作るのはハニービーと同じ。
麻痺毒が塗られた槍で武装しており、これで獲物の動きを止めて巣に持ち帰る習性がある。
また体内には男を発情させる淫毒をもっており、その影響か自身も常にムラムラしており…男を見つけると麻痺毒で動きを止め、腹部の針から淫毒を注入し、満足するまで男と性交を行う。
そうして満足した後は巣へ連れ去り、女王蜂へ捧げるのはハニービーと同じ。

ハニービーとホーネットは仲が悪く、時折だが同じ男を取り合う姿も目撃されるとか。

…さて、そんなハニービーとホーネットだが…耳に入った会話から察するに、どうやらこの森で精の匂いがするらしい。
また、匂いの主は男で、同時にトロールの匂いも混じっているとの事。

…つまりは俺の事。

見つかれば強制性交の上、巣に拉致されて監禁されるのは間違いない。

性格(=気性)で言えば温厚で大人しいハニービーが好みだが、ハニービーは総じて胸が小さいのがネック。
その点ホーネットは胸が大きくて好きだが、性格が凶暴なのは御免こうむる。

よって…

「どちらにも見つからずに森を抜ける必要がある、と」

俺はそう呟き、若干うなだれながらも任務を再開したのだった。



17/05/15 21:54更新 / イグニス
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■作者メッセージ
トロールが出す匂いに、チンコを成長させる作用がある。
これは拙作においての独自設定につき、読後ながらご了承いただきたく存じます。

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