連載小説
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騎士崩れの歩む道
魔物は人間を襲って食う?

バカじゃねーの?
あの子らはただ精を求め、生涯の伴侶を求めているだけだって。

そりゃあの子ら…魔物娘たちは、単純な身体能力でさえ人間の何倍もあり、また種族や個体によっては強力な魔法や、特殊能力が使える。
けどそれだって魔物娘たちからすれば、異性へのちょっと強いアピールでしかなく、如何にして精を効率よく摂取できるか、という修行…いや、魔王が代替わりした際にもたらされた進化の結果でしかない。

それに魔物娘たちは女性…つまるところメスしかおらず、ゆえに繁殖には人間の男…精が必要不可欠であり、また精は彼女たちの主食でもあるため、結構な頻度で人間の男を性的に襲って、そして性的な意味で食うのだ。

とは言え魔物娘そのものは受胎率が低い為、たった数回の性行で子が生せるはずもなく、より効率的な吸精のため、人間の男を連れ去ってしまう事はままある話で、連れ去られたとは言え殺される訳ではないので、人間の男の絶対数はそんなに減ってない。
…むしろ受胎率でいえば人間の女性の方が圧倒的に上なので、男女をひっくるめて人間とした場合、総数では人間の方がまず多い。

だと言うのに教会の連中は頑なに魔物娘たちは敵であり、浄化すべき穢れだと断じて侵攻まで繰り返す始末。
仮に魔物娘たち…俗に魔王軍と呼ばれる連中が本気で蜂起した場合、人間などなすすべもなくみーんな魔物にされちまうってのにな。

ああ、頭が痛いぜ。
教会が言ってる事も、やってる事も、そして…俺自身もそんな教会の関係者である事にもだ。

俺はイクス、イクスハルト・キドナ。
親魔物領生まれで教会育ちの元勇者候補で教団騎士。
人は俺の事を『偽騎士』と呼ぶ。

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まろやか投稿小説ぐれーと Ver2.33