連載小説
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存亡をかけた歴史
 一つの大陸から下側の南へ大陸が分かれた世界。知的生命体である人類は三つの人種によって構成され、それぞれ三つの大国へと成長した。 

 西にある大陸は白い肌の人種の出身地であるため、<白西大陸> (ハクセイ)
 中央の大陸は黄色の肌の人種の出身地であるため、<中黄大陸> (チュウオウ)
 東にある大陸は黒い肌の人種の出身地であるため、<黒東大陸> (コクトウ)

 又、中黄大陸は左の西側から亜国、華国、日国とさらに分かれていた。

 互いの文化、人種が違うことで争いが始まる。それは兵士だけでなく市民をも巻き込んだ争い。最後の大きな争いは数十年間続いた。



 年号1985年、中黄大陸に一発の核爆弾が使用されたことにより、ついに世界大戦は終結。戦争の総合犠牲者は数十億に達した。

 大戦による疲弊はかなりのものだったが、戦争時に作られた技術の発掘により、復興と発展は異常に加速する。40億もの人口増加のため、三つの大陸を結ぶ北の中間となる荒野地帯の大陸に多数の都市を建設。数十億の人口が移住し、繁栄が始まる。

 世界をまとめるため、それぞれの大陸の政府機関をまとめた <三政府> が誕生し、統一された軍隊 <連合軍> が組織される。次第に彼らは人種差別自体を恥と認識し始めた。



 時は流れ、2000年が始まった日。復興はほぼ終わり、人口も増加しつつある。世界中の誰もが新しい時代の幕開けだと認識していた。“ヤツラ”が訪れるまでは・・・。

 それはあまりにも突然だった。荒野地帯に無数の大群が訪問。それらは皆、この世の者とは思えない形状をし、群れを成して各都市を同時に襲った。

 この日は後に <APPEARANCE DAY> (アピアランス・デイ) と呼ばれた。

 未知なる存在に対して人類はその瞬間、無力に虐殺された。都市の防衛及び治安をしていた連合軍も苦戦を強いられ、市民とともに餌食となった。都市のほとんどが壊滅状態となり、最早、荒野地帯は戦場となった。犠牲者は約20億人。


 荒野地帯と各大陸との境界では防衛壁が立ち、“ヤツラ”の侵攻を抑えた。そして、事態を重く見た三政府は核を使用せず、封印したはずの大戦中に作られた兵器技術を解放。少しずつ、連合軍は“ヤツラ”を駆逐した。

 それでも“ヤツラ”は衰えず、波のごとく出現した。貪欲に生物を食す謎の攻撃生命体は人類の天敵と認識され、異形なる存在はいつしかこう名付けられた。

≪異形者≫ (イギョウシャ)
11/09/06 23:05更新 / 『エックス』
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