第七章 紅玉と錬金の恋心 後編
あうぅ・・・、ドキドキしてきたよ。
彼の寝ている部屋に辿り着き、静かに中へと入っていく。
暗くてよく見えないが、寝袋のある方へとアルヒミアが進んでいき上から覆いかぶさるように抱きつくがそこには空の寝袋しかなかった。
「二人して何をしに来たんだ?」
寝袋があるところとは別方向から急に明かりが灯り、声が聞こえてくる。
そっちに顔を向けると、壁に背をもたれ火灯を持って欠伸をしているエルフィールの姿が。
「エルフィール、どうして・・・。」
「音には敏感でね。ルヴィニの大きな声で目が覚めて、こちらに近づく気配があったからこうしてたって訳。」
彼が起きていたことはわからなかったけど、僕の目的は変わらない。
アルヒミアに誘われたのはきっかけに過ぎないんだ。
「もう一度聞こう。何をしに来たんだ?」
「えーっと、それは・・・。」
「抱いてもらいに。僕の気持ちを知って欲しいからここにきた。」
「ルヴィニ!?」
隠しても何も始まらない。
僕は服を脱ぎながら一歩一歩エルフィールに近づいてく。
「ル、ルヴィニ。冗談は・・・。」
彼は扉の方に行こうとするが、僕の方が扉に近く逃げ道を塞ぐ方が早かった。
「冗談じゃないよ?最初はね、一目惚れだった。でも、僕の作図を認めてくれて、僕を理解してくれてると分かって。貴方の事しか考えられなくなったんだよ。」
「アタイは良い男ぐらいにしか見えてなかったわ。でも、作品を否定されたとき貴方は色々と教えてくれたわ。本気で惚れてしまうぐらいにね。」
服を脱ぎながらアルヒミアも僕と一緒に彼の逃げれる範囲を狭めていき。
『捕まえた。』
二人でエルフィールを捕まえた。
「ま、待ってくれ。俺にはスパスィが・・・。」
「まだ結婚してないんでしょ?いいじゃない。」
「そうだよ。そんな事言う口は塞いであげる。」
自分の唇で、彼の口を塞いで声を出せなくする。
「ルヴィニが口ならアタイはこっちね。」
何かを外す音がして、視線を下に向けるとアルヒミアはエルフィールのズボンと下着をおろし下半身を露出させ肉棒を掴んでいた。
「んっ・・・。」
「あら?痛かったかしら。それにまだ大きくないわね。でも、匂いは凄いわ。興奮しちゃう。」
「んぅ・・・。アルヒミア?」
「ルヴィニ、貴方は彼の口内を舐めてあげて。喜ぶだろうから。アタイはこっちを大きくする為に舐めるから。」
下から上がってくる匂いが鼻をくすぐり、ドキドキしてくる。
我慢ができず抵抗をしないエルフィールに舌を入れて僕は口内舐めていく。
「ん・・・、んあっ・・・。・・・ん、むちゅ・・・っ。」
唾液を絡めながら歯茎の上を這う様に、擦りつけ歯を一本一本を舐めとる様に舌を出してくれない彼が気持ちよくなって欲しく舌を這わせる。
水が滴る音をさせて口付けする下でアルヒミアもまた同じような音をさせながら肉棒を舐めていた。
その目はトロンと蕩けており雄に奉仕する一匹の雌の様だ。
「はっ・・・、凄い匂い。止まらないわ・・・。」
ぴちゃぴちゃと舌を上下に這わせたり、側部を口で銜えて擦ったりして刺激を与えている。
「ここまで大きくなるなんて、さきっぽ。咥えちゃおうかしら。」
大きく口を開けて、先を咥えるとぐぷっ、ずぞぞっと吸い込む音を出しながらアルヒミアは肉棒から精を絞ろうとしていた。
「・・・っ!」
強い刺激が襲ってきたのか、顎が下がり舌が出てくる。
僕はそこに自分の舌をねっとりと絡ませていきエルフィールとのキスに溺れていく。
「ちゅぷ・・・、ん・・・ぁ。むっ・・・。」
彼の唾液を吸い出し、満足すると自分の唾液を彼に送り込む。
味なんてしないはずなのに甘く、頭の中まで溶けてしまいそうな感覚に陥るってしまう。
「むぅ・・・。」
「ちゃぷ・・・。ん・・・、んぁ・・・・。」
甘く蕩けそうな感覚は下半身にも移っていき、気がついたら蜜壷から液があふれ出し太ももの方まで滴っていた。
あう・・・、もうびしょびしょ・・・。
お腹の下のあたりがきゅんとせつなくなり、我慢ができずに彼の手を秘所へと誘う。
くちゅっと水の音がして少し指が触れたかと思うと、全身に電気が走り意識が軽く遠のいていく。
「ふぁ・・・、あああぁぁぁ・・・。」
身体の力が抜け顔が離れ、体勢が崩れていく中で彼の腕にしがみ付き視線が下に行くとそこには反り返った太くものとそれに夢中でぴちゃぴちゃと舐めているアルヒミアの姿があった。
戻ってきた意識の箍は外れた状態になっていて雄を求める雌を性を止めることはできずエルフィールを押し倒す。
「ああん、アタイのおちんぽ!」
アルヒミアは自分の口から遠のいた肉棒を再び掴みに近づいてくるが僕はそれを制止させ彼の腰に跨る。
「ル、ルヴィニ。これ以上は・・・。」
「駄目、最後までするんだから。ふふっ、今度はこれで塞いじゃう。」
静止させていた彼女を両手で掴み彼の口の上へと押しつけた。
「ルヴィニ・・・、やだぁ。おちんぽ!・・・、でもお尻に熱い息がかかって気持ちいいかも・・・。ねぇ、エルフィール。おまんこ舐めて!ぐちゅぐちゅにして!」
腰をくねらせて愛撫をねだるアルヒミア。
僕も気持ち良くなりたくて蜜壷と肉棒を擦り合わせていく。
「凄い熱い、僕のおまんこよりも。入れたらどうなるのかな?もっと気持ちいいのかな?」
でも、擦りつける腰の動きは止まらず、グチュグチュヌチュヌチュと音を立ててどんどん速くなっていった。
彼の肉棒もはち切れんばかりに膨張している。
「どうしたの?ちんぽ、びくびくなってるよ?」
大きくなっていることも気になるが今は秘肉やお豆に肉棒が擦れて気持ちよくなるほうで頭の中がいっぱいだ。
アルヒミアも秘所を愛撫ねだり腰を擦りつけて光悦した表情になっていた。
「あぁ・・・。な、なんか凄いの。凄いのきちゃう!」
「アタイも何かくる・・・。」
「駄目だ・・・。で、射精る・・・。」
「くるの!くるの!くっ・・・!はぁう!ああぁぁ・・・。」
「つぅ・・・。あう・・・。」
秘所から頭の先まで電流が走っていき、蜜壷の中から飛沫が出てくるのと同時に彼は肉棒から液体を出してアルヒミアを白く汚していく。
「ひゃっ!?なにこれ・・・。もしかして精液?」
顔から胸にまでかかっている白濁したものを彼女は指で掬い取り口へと運ぶ。
「ぴちゃ・・・。これ、美味しい・・・。」
軽く肩で息をしながらその姿を見ていると、まだ堅い肉棒が股の下にある。
出したばかりなのに自己を主張し存在感があるものに喉が鳴った。
「入れたい・・・。ねぇ、エルフィール。入れるね。」
首を横に振っているが、それはアルヒミアへ愛撫してる事にしかならず。
僕は彼の行動を無視して膣内へ肉棒を勢いよく入れていく。
水分を帯びた土に物が落ちるような音と一緒に焼けた鉄の塊が秘肉を裂き、削り、擦りながら侵入してきて鈍い音を立てると更に奥へと進んできた。
「あ、熱い・・・。あっ・・・。」
剣が鞘に収まるのってこんな感じなんだろうなと思いながら腰を振り始める。
「あん・・・、はっ・・・。すごいぃ・・・、んぅ・・・。」
「・・・。」
「ひゃっ、エルフィール。舌が中に・・・、やっとしてくれるのね・・・。」
「あぁ・・・、膣内掻きまわされて・・・。んぁ・・・、どうにかなっちゃう。」
アルヒミアの方も愛撫されて感じているのか呂律が回らなくなっている。
「もう、なにも・・・。あぅ・・・。かんがえられない・・・、ひゃうぅ!」
「いいわ、あはぁ・・・。もっと、もっひょかきまわひれ!」
『いっひゃう!いっひゃう!もう・・・。』
『えりゅふぃーりゅ!!』
掻きまわしていた肉棒がさらに大きくなり、僕の膣肉を削っていく。
さっきよりも凄い電気が、全身を走ってる。
その電流に身を任せて、頭の先から足の先まで包まれていった。
「また・・・。くっ!」
「あぁ・・・、ひゃぅ・・・。あちゅいのでてりゅ・・・。」
「しゅごい・・・。こりぇ・・・。」
迸るような溶けた鉄が膣内を満たしている。
どこまで出るんだろうと思いながら、射精されている精液を受け止めた。
「はぁ・・・、まだ堅い・・・。」
余韻に浸っているとアルヒミアが虚ろな目でこちらを見てる。
正確には膣内に入ってる肉棒の方に視線があるんだろうけど・・・。
「次はアルヒミアの番だね。んんぅ・・・。」
抜こうとすると、出ていく時にまた笠の部分が秘肉を擦り電気が走っていく。
アルヒミアもエルフィールの口から秘所を離して移動しようとするが。
「ふっ、二人とも。勘弁してくれ。」
彼から弱音が漏れる。
「あら、まだアタイの処女を上げてないわよ?頑張ってね、エル。」
彼女が軽く口付けをして肉棒の方へいき、僕は床にごろりと寝転がった。
心地よい気だるさに包まれていると、横でアルヒミアの声にならない声が聞こえてくる。
彼女の秘所は愛撫でとろとろになっていたが大きさが合わずに入れるのに苦戦していた。
入れ終わった後よく見ると、エルフィールの肉棒が大きすぎるのかアルヒミアのお腹がぽっこりと膨れ上がっていて指で触っても形が分かるほどだ。
「凄い、妊娠してるみたい・・・。」
「ルヴィニ・・・、言わないで・・・。あはぁ・・・。」
アルヒミア視点
ルヴィニが退いた後に自分の腕より太い肉棒を秘所に当てがって、一気に膣内へと押し込む。
大きさが合わない所を無理やり入れているので裂けて痛みが走り血が出ている。
「・・・!・・・!・・・っ!」
声にならない痛みとも快楽とも分からない感覚がお腹の中を走ってく。
なにこれ、頭の中が真っ白になっちゃう。
あまりの痛みと秘肉を削り、擦られる刺激に動けずにいるとルヴィニがこちらを見ていた。
視線を降ろすと、そこには肉棒の形がくっきり浮き上がりぽっこりと出た値のお腹がある。
「アルヒミア、妊娠しているみたい。」
起き上がって近づいてきて、出ている所をルヴィニが興味津津触ってくるが、外部から触られただけで身体に電流が走ってくるようだ。
それに妊娠という言葉に膣が反応してキュンキュンと肉棒を締め上げていく。
「き、きつい・・・。」
「アタイも苦しくて動けない・・・。」
気持ち良さよりもものが太すぎて動けずに苦しいという方が大きく、動くことができない。
慣れるまで待とうとするがルヴィニがアタイの両脇を掴む。
「えっ!?ちょっと、ルヴィニ!?」
「僕がやってあげるよ。」
何をどうするのかと聞く前に身体がふわっと持ち上がり勢いよく落された。
「ふぅ・・・。はぅ・・・ぁ。あぐぅ・・・。」
「くっ、アルヒミア。だ、大丈夫なのか?」
「気持ちいいのかな?」
「あぐぅ・・・。きもちぃ・・・、いぎぃ・・・。」
刺激が強すぎるわよと言いたいが言葉が出ない。
ものすごい速さで肉棒が秘肉をかき回していく。
例えることなんてできない、只アタイを貫こうと下から太い鉄の棒が乱暴に膣内を行き来してるだけ。
でも、辛いはずなのに身体はそれを快楽と感じて締め付けて離さないようにしてる。
血と愛液が潤滑液になり。
締め付け、削られながら抜かれて、貫かれ、また締め付けるのを繰り返す。
「あっ、あっ・・・。エル・・・。あぁ、はぁぁ・・・。」
「ルヴィニ。そ、速度を。速度を緩めてくれ・・・。また。で、でる。」
「だぁーめ。いっぱい注いであげてね。」
にっこりと笑いさらに速度を上げていくルヴィニ。
再び呂律も回らなくなり、もう彼女が動かして与えてくれる刺激に身を任せるしかなかった。
まだ堅く、太く、大きくなるエルフィールの肉棒。
彼の大きさに合うようになっちゃったかもしれない。
エルフィール専用・・・。
そう考えるとアタイの膣肉はまだ彼の肉棒を締め上げて離すまいと、その形を覚える為に留めようとする。
「りゃめ!りゃめなのかれの、かれのもので・・・。かれのものでいっちゃうの!」
「アルヒミアいっちゃうんだ。」
「うん!うん!おみゃんこかれのおおきさになって・・・、かれのものになっていっちゃうの!」
「あぁ・・・、だめ!だめ!くひゅう!」
「くぁ・・・。また出る!」
「あひぃ!あぁ!あくっくぅ!!」
いっちゃった。
大声あげて・・・。
ああ、膣内に熱いのが・・・。
これで三回目のはずなのに焼けるように熱い精液が大量にアタイを染め上げていっちゃう・・・。
隙間のない狭い中に注ぎ込まれる夥しい量の精、それは肉棒で膨らんでいたお腹を更に押し広げて本当に妊娠しているくらいに大きくなっていった。
「あーっ、に、にんひんしてるみひゃい・・・。」
「いいなぁ、アルヒミア。僕もそれぐらい注がれてみたいな。」
ぽっこりと膨らんだお腹を摩っていると、アタイ達が寝ていた方から足音が近付いてくる。
「なあ、旦那様。ルヴィニとアルヒミアが見当たらないんだが知らな・・・、いか・・・。」
扉を開けてスパスィが入ってきた所で彼女は固まった。
「あっ、スパスィ。」
「あらぁ。おしょかったりゃない。」
「何してるんだ、お前達・・・。」
「みへわかりゃなひ?」
プルプルと震えながらこちらを見ているスパスィ。
怒ってるのかしら?
「スパスィ、助かっ・・・。」
「私も混ぜないか!私のものだぞ!」
そういうと彼女も服を脱いで、エルフィールの口に自分の秘所を押しつけて愛撫をねだり始める。
この後、ルヴィニに一回。アタイに一回、スパスィに三回搾られて彼の夜は更けていった。
翌朝軽くやつれたエルフィールに艶々としたアタイ達三人が正座させられていた。
「どうしてこうなった。」
呆れ顔で溜息をつきながら彼は見下ろしている。
「ねえ、エルフィール。悪かったからこの座り方どうにかならない?」
流石にこの座り方は、足が痺れて我慢できない。
どれだけ座ってればいいのよ。
「僕もそろそろ限界・・・。」
「反省したか?」
「したわよ。次からはちゃんと合意をとってセックスするわ。」
「僕も襲いかかるような真似はしないよ。」
「・・・。はぁ・・・、二人とも脚を崩していいぞ。で、スパスィ。」
アタイとルヴィニは解放され、スパスィだけが正座を続けさせられている。
「止めてくれよ。なんで混じってくるんだ?」
「いや、三人の濡れ場を見たらつい・・・。」
「ついじゃないだろ。ついじゃ。目の前で夫になる人物が他の女に抱かれてて混じってくる奴がどこにいる。」
「ここにいる!」
あーぁ、言いきっちゃったわ。
この娘。
その答えにまたエルフィールは溜息をついてるし。
面白いわねこの二人。
「・・・。もういいよ。準備をして街に戻ろう。」
こっちもこっちでふっきれたみたいね。
この後軽い朝食を済ませてアタイ達は街へと帰っていった。
朝食?
エルフィールが作ってくれたけど、スパスィと同じくらい美味しかったわ。
また一つ惚れちゃったわね。
街に戻ってからは、アタイとルヴィニの仕事。
工房に帰って来てからは二人とも寝食忘れて特注品の製作に打ち込んだわ。
ルヴィニはスフィリさんの助言をもらいながら、アタイはトリマル親方に基礎から刀鍛冶の技術を叩き直してもらった。
鉱石を変え、打ち込む量を見極めながら鋼の温度と水の温度に細心の注意を払う。
一方ルヴィニは細い鋼鉄の棒を一本一本刀を鍛える技術で打ち込んでいき、部品と思われるものも同じ技術で製作して。
アタイの見えない所で何かを仕込んでいる。
エルフィールとスパスィは冒険者ギルドに行き、旅立つための資金を稼いでるらしい。
時々工房に顔を出してくれてお互いに状況を報告し合った。
そして半月が経ち、アタイとルヴィニの作品が完成した。
「どう?今回のは文句ないでしょ?」
一振りの刃を見て全員が息を漏らす。
「半月でここまでのものを仕上げるなんて、凄いな・・・。」
「ああ、前回のと違って触れただけで斬り裂いてしまいそうな重圧がある。」
「一点の曇りのない刃が綺麗・・・。」
前と違い皆が称賛してくれる。
これだけで打ち直した甲斐があるわね。
刃を収めてスパスィに渡すと今度はルヴィニが作品を持ってきた。
「はい、エルさん。」
『えっ!?』
「ありがとう、ルヴィニ。」
彼女が持って来たのは傘。
これにはアタイもスパスィも驚きを隠せない。
「ちょっとルヴィニ。貴女ふざけてるの?」
「旦那様、本当にこれでいいのか?」
製作途中から何か変だと思っていたけど・・・。
まさか違うものを作ってまだ一緒にいるとかしないわよね?
「ああ、これで間違いない。むっ?仕込みの一つが完成してないようだが・・・。わざとか?」
「うん。ここの部分は貴方の考えてる構想と違うみたいだから未完成にしてある。」
「これが武器ねぇ。変わったものを獲物にするのね貴方。」
彼の手に持っているものを見て、ルヴィニの発想に感心をする。
「まあ、よく言われるよ。それでルヴィニ、ここの部分はどうするんだ?」
「・・・。貴方達と一緒に旅に出て、完成させる。」
「そうくると思ったよ。アルヒミア、君も来るんだろ?」
未完成のものを渡しておいて、着いていく口実を作る。
貴女らしいわ。
ルヴィニ。
それと、アタイの考えもお見通しってわけね。
「ええ、アタイも課題を終わらせたからね。店を構える為の場所探しの為に同行させてもらうわ。」
なんて言うのは建前で、本音はエルフィールと一緒に居たいだけなのよ。
「スパスィ・・・。どうかな?」
「私と同じで断っても無理に着いてくるんだろ?だったらいいんじゃないか?」
「ありがとう。スパスィ。」
「あら?素直ね。でも負けないわよ?」
「はははは、絶対に渡さないからな。」
こうして無事?アタイとルヴィニは旅の仲間に加われた。
そして旅立ちの時・・・。
「二人とも出ていっちゃうと寂しくなるわね。」
「うん。でも行くって決めたから。」
「君達、エルフィールさんに迷惑かけたら駄目だよ?」
「わかってますよ。親方。」
トリマル親方とスフィリさんが店の前で見送ってくれる。
ルヴィニはちょっと涙目になって泣くのを必死に堪えていた。
「エルフィールさんよろしくお願いします。二人は一人前になってすぐの状態。世界を、世界を見せてあげてください。」
「わかりました。こちらも至らない部分はありますがお嬢さん達は守り抜きますよ。」
お互いに深々と頭を下げて、皆が店を離れていく。
「身体に気をつけるのよ。」
スフィリさんの言葉にアタイとルヴィニは手を振りながら街を後にした。
「で、これからどうするの?」
「それなんだが、スパスィ。」
エルフィールに呼びかけられ頭陀袋から地図を取り出して半開きにする。
「これぐらいでいいか?旦那様。」
「ありがとう。ここから北へ向かって、アグノスの大森林へ行こうと思っている。」
「アグノスの大森林?」
あそこか、確かあそこはあの種族がいるって噂があるのよね。
「ああ、古い時代から大規模な森林地帯が広がってる場所らしい。そこなら愛用品の二つ目の材料があるんじゃないかと思ってね。」
「僕の武器だけじゃ・・・、不安?」
「不安かな。最上級の武器でも手から離れる時は必ずある。その時の為の予備武器って感じだからね。」
「うぅ・・・。わかった。」
ルヴィニは納得してない感じでスパスィの隣を歩く。
こうしてアタイ達はエルフィールの愛用品の材料を求めて北のアグノスの大森林へと向かうのだった。
あーっ、噂が本当じゃありませんように!
彼の寝ている部屋に辿り着き、静かに中へと入っていく。
暗くてよく見えないが、寝袋のある方へとアルヒミアが進んでいき上から覆いかぶさるように抱きつくがそこには空の寝袋しかなかった。
「二人して何をしに来たんだ?」
寝袋があるところとは別方向から急に明かりが灯り、声が聞こえてくる。
そっちに顔を向けると、壁に背をもたれ火灯を持って欠伸をしているエルフィールの姿が。
「エルフィール、どうして・・・。」
「音には敏感でね。ルヴィニの大きな声で目が覚めて、こちらに近づく気配があったからこうしてたって訳。」
彼が起きていたことはわからなかったけど、僕の目的は変わらない。
アルヒミアに誘われたのはきっかけに過ぎないんだ。
「もう一度聞こう。何をしに来たんだ?」
「えーっと、それは・・・。」
「抱いてもらいに。僕の気持ちを知って欲しいからここにきた。」
「ルヴィニ!?」
隠しても何も始まらない。
僕は服を脱ぎながら一歩一歩エルフィールに近づいてく。
「ル、ルヴィニ。冗談は・・・。」
彼は扉の方に行こうとするが、僕の方が扉に近く逃げ道を塞ぐ方が早かった。
「冗談じゃないよ?最初はね、一目惚れだった。でも、僕の作図を認めてくれて、僕を理解してくれてると分かって。貴方の事しか考えられなくなったんだよ。」
「アタイは良い男ぐらいにしか見えてなかったわ。でも、作品を否定されたとき貴方は色々と教えてくれたわ。本気で惚れてしまうぐらいにね。」
服を脱ぎながらアルヒミアも僕と一緒に彼の逃げれる範囲を狭めていき。
『捕まえた。』
二人でエルフィールを捕まえた。
「ま、待ってくれ。俺にはスパスィが・・・。」
「まだ結婚してないんでしょ?いいじゃない。」
「そうだよ。そんな事言う口は塞いであげる。」
自分の唇で、彼の口を塞いで声を出せなくする。
「ルヴィニが口ならアタイはこっちね。」
何かを外す音がして、視線を下に向けるとアルヒミアはエルフィールのズボンと下着をおろし下半身を露出させ肉棒を掴んでいた。
「んっ・・・。」
「あら?痛かったかしら。それにまだ大きくないわね。でも、匂いは凄いわ。興奮しちゃう。」
「んぅ・・・。アルヒミア?」
「ルヴィニ、貴方は彼の口内を舐めてあげて。喜ぶだろうから。アタイはこっちを大きくする為に舐めるから。」
下から上がってくる匂いが鼻をくすぐり、ドキドキしてくる。
我慢ができず抵抗をしないエルフィールに舌を入れて僕は口内舐めていく。
「ん・・・、んあっ・・・。・・・ん、むちゅ・・・っ。」
唾液を絡めながら歯茎の上を這う様に、擦りつけ歯を一本一本を舐めとる様に舌を出してくれない彼が気持ちよくなって欲しく舌を這わせる。
水が滴る音をさせて口付けする下でアルヒミアもまた同じような音をさせながら肉棒を舐めていた。
その目はトロンと蕩けており雄に奉仕する一匹の雌の様だ。
「はっ・・・、凄い匂い。止まらないわ・・・。」
ぴちゃぴちゃと舌を上下に這わせたり、側部を口で銜えて擦ったりして刺激を与えている。
「ここまで大きくなるなんて、さきっぽ。咥えちゃおうかしら。」
大きく口を開けて、先を咥えるとぐぷっ、ずぞぞっと吸い込む音を出しながらアルヒミアは肉棒から精を絞ろうとしていた。
「・・・っ!」
強い刺激が襲ってきたのか、顎が下がり舌が出てくる。
僕はそこに自分の舌をねっとりと絡ませていきエルフィールとのキスに溺れていく。
「ちゅぷ・・・、ん・・・ぁ。むっ・・・。」
彼の唾液を吸い出し、満足すると自分の唾液を彼に送り込む。
味なんてしないはずなのに甘く、頭の中まで溶けてしまいそうな感覚に陥るってしまう。
「むぅ・・・。」
「ちゃぷ・・・。ん・・・、んぁ・・・・。」
甘く蕩けそうな感覚は下半身にも移っていき、気がついたら蜜壷から液があふれ出し太ももの方まで滴っていた。
あう・・・、もうびしょびしょ・・・。
お腹の下のあたりがきゅんとせつなくなり、我慢ができずに彼の手を秘所へと誘う。
くちゅっと水の音がして少し指が触れたかと思うと、全身に電気が走り意識が軽く遠のいていく。
「ふぁ・・・、あああぁぁぁ・・・。」
身体の力が抜け顔が離れ、体勢が崩れていく中で彼の腕にしがみ付き視線が下に行くとそこには反り返った太くものとそれに夢中でぴちゃぴちゃと舐めているアルヒミアの姿があった。
戻ってきた意識の箍は外れた状態になっていて雄を求める雌を性を止めることはできずエルフィールを押し倒す。
「ああん、アタイのおちんぽ!」
アルヒミアは自分の口から遠のいた肉棒を再び掴みに近づいてくるが僕はそれを制止させ彼の腰に跨る。
「ル、ルヴィニ。これ以上は・・・。」
「駄目、最後までするんだから。ふふっ、今度はこれで塞いじゃう。」
静止させていた彼女を両手で掴み彼の口の上へと押しつけた。
「ルヴィニ・・・、やだぁ。おちんぽ!・・・、でもお尻に熱い息がかかって気持ちいいかも・・・。ねぇ、エルフィール。おまんこ舐めて!ぐちゅぐちゅにして!」
腰をくねらせて愛撫をねだるアルヒミア。
僕も気持ち良くなりたくて蜜壷と肉棒を擦り合わせていく。
「凄い熱い、僕のおまんこよりも。入れたらどうなるのかな?もっと気持ちいいのかな?」
でも、擦りつける腰の動きは止まらず、グチュグチュヌチュヌチュと音を立ててどんどん速くなっていった。
彼の肉棒もはち切れんばかりに膨張している。
「どうしたの?ちんぽ、びくびくなってるよ?」
大きくなっていることも気になるが今は秘肉やお豆に肉棒が擦れて気持ちよくなるほうで頭の中がいっぱいだ。
アルヒミアも秘所を愛撫ねだり腰を擦りつけて光悦した表情になっていた。
「あぁ・・・。な、なんか凄いの。凄いのきちゃう!」
「アタイも何かくる・・・。」
「駄目だ・・・。で、射精る・・・。」
「くるの!くるの!くっ・・・!はぁう!ああぁぁ・・・。」
「つぅ・・・。あう・・・。」
秘所から頭の先まで電流が走っていき、蜜壷の中から飛沫が出てくるのと同時に彼は肉棒から液体を出してアルヒミアを白く汚していく。
「ひゃっ!?なにこれ・・・。もしかして精液?」
顔から胸にまでかかっている白濁したものを彼女は指で掬い取り口へと運ぶ。
「ぴちゃ・・・。これ、美味しい・・・。」
軽く肩で息をしながらその姿を見ていると、まだ堅い肉棒が股の下にある。
出したばかりなのに自己を主張し存在感があるものに喉が鳴った。
「入れたい・・・。ねぇ、エルフィール。入れるね。」
首を横に振っているが、それはアルヒミアへ愛撫してる事にしかならず。
僕は彼の行動を無視して膣内へ肉棒を勢いよく入れていく。
水分を帯びた土に物が落ちるような音と一緒に焼けた鉄の塊が秘肉を裂き、削り、擦りながら侵入してきて鈍い音を立てると更に奥へと進んできた。
「あ、熱い・・・。あっ・・・。」
剣が鞘に収まるのってこんな感じなんだろうなと思いながら腰を振り始める。
「あん・・・、はっ・・・。すごいぃ・・・、んぅ・・・。」
「・・・。」
「ひゃっ、エルフィール。舌が中に・・・、やっとしてくれるのね・・・。」
「あぁ・・・、膣内掻きまわされて・・・。んぁ・・・、どうにかなっちゃう。」
アルヒミアの方も愛撫されて感じているのか呂律が回らなくなっている。
「もう、なにも・・・。あぅ・・・。かんがえられない・・・、ひゃうぅ!」
「いいわ、あはぁ・・・。もっと、もっひょかきまわひれ!」
『いっひゃう!いっひゃう!もう・・・。』
『えりゅふぃーりゅ!!』
掻きまわしていた肉棒がさらに大きくなり、僕の膣肉を削っていく。
さっきよりも凄い電気が、全身を走ってる。
その電流に身を任せて、頭の先から足の先まで包まれていった。
「また・・・。くっ!」
「あぁ・・・、ひゃぅ・・・。あちゅいのでてりゅ・・・。」
「しゅごい・・・。こりぇ・・・。」
迸るような溶けた鉄が膣内を満たしている。
どこまで出るんだろうと思いながら、射精されている精液を受け止めた。
「はぁ・・・、まだ堅い・・・。」
余韻に浸っているとアルヒミアが虚ろな目でこちらを見てる。
正確には膣内に入ってる肉棒の方に視線があるんだろうけど・・・。
「次はアルヒミアの番だね。んんぅ・・・。」
抜こうとすると、出ていく時にまた笠の部分が秘肉を擦り電気が走っていく。
アルヒミアもエルフィールの口から秘所を離して移動しようとするが。
「ふっ、二人とも。勘弁してくれ。」
彼から弱音が漏れる。
「あら、まだアタイの処女を上げてないわよ?頑張ってね、エル。」
彼女が軽く口付けをして肉棒の方へいき、僕は床にごろりと寝転がった。
心地よい気だるさに包まれていると、横でアルヒミアの声にならない声が聞こえてくる。
彼女の秘所は愛撫でとろとろになっていたが大きさが合わずに入れるのに苦戦していた。
入れ終わった後よく見ると、エルフィールの肉棒が大きすぎるのかアルヒミアのお腹がぽっこりと膨れ上がっていて指で触っても形が分かるほどだ。
「凄い、妊娠してるみたい・・・。」
「ルヴィニ・・・、言わないで・・・。あはぁ・・・。」
アルヒミア視点
ルヴィニが退いた後に自分の腕より太い肉棒を秘所に当てがって、一気に膣内へと押し込む。
大きさが合わない所を無理やり入れているので裂けて痛みが走り血が出ている。
「・・・!・・・!・・・っ!」
声にならない痛みとも快楽とも分からない感覚がお腹の中を走ってく。
なにこれ、頭の中が真っ白になっちゃう。
あまりの痛みと秘肉を削り、擦られる刺激に動けずにいるとルヴィニがこちらを見ていた。
視線を降ろすと、そこには肉棒の形がくっきり浮き上がりぽっこりと出た値のお腹がある。
「アルヒミア、妊娠しているみたい。」
起き上がって近づいてきて、出ている所をルヴィニが興味津津触ってくるが、外部から触られただけで身体に電流が走ってくるようだ。
それに妊娠という言葉に膣が反応してキュンキュンと肉棒を締め上げていく。
「き、きつい・・・。」
「アタイも苦しくて動けない・・・。」
気持ち良さよりもものが太すぎて動けずに苦しいという方が大きく、動くことができない。
慣れるまで待とうとするがルヴィニがアタイの両脇を掴む。
「えっ!?ちょっと、ルヴィニ!?」
「僕がやってあげるよ。」
何をどうするのかと聞く前に身体がふわっと持ち上がり勢いよく落された。
「ふぅ・・・。はぅ・・・ぁ。あぐぅ・・・。」
「くっ、アルヒミア。だ、大丈夫なのか?」
「気持ちいいのかな?」
「あぐぅ・・・。きもちぃ・・・、いぎぃ・・・。」
刺激が強すぎるわよと言いたいが言葉が出ない。
ものすごい速さで肉棒が秘肉をかき回していく。
例えることなんてできない、只アタイを貫こうと下から太い鉄の棒が乱暴に膣内を行き来してるだけ。
でも、辛いはずなのに身体はそれを快楽と感じて締め付けて離さないようにしてる。
血と愛液が潤滑液になり。
締め付け、削られながら抜かれて、貫かれ、また締め付けるのを繰り返す。
「あっ、あっ・・・。エル・・・。あぁ、はぁぁ・・・。」
「ルヴィニ。そ、速度を。速度を緩めてくれ・・・。また。で、でる。」
「だぁーめ。いっぱい注いであげてね。」
にっこりと笑いさらに速度を上げていくルヴィニ。
再び呂律も回らなくなり、もう彼女が動かして与えてくれる刺激に身を任せるしかなかった。
まだ堅く、太く、大きくなるエルフィールの肉棒。
彼の大きさに合うようになっちゃったかもしれない。
エルフィール専用・・・。
そう考えるとアタイの膣肉はまだ彼の肉棒を締め上げて離すまいと、その形を覚える為に留めようとする。
「りゃめ!りゃめなのかれの、かれのもので・・・。かれのものでいっちゃうの!」
「アルヒミアいっちゃうんだ。」
「うん!うん!おみゃんこかれのおおきさになって・・・、かれのものになっていっちゃうの!」
「あぁ・・・、だめ!だめ!くひゅう!」
「くぁ・・・。また出る!」
「あひぃ!あぁ!あくっくぅ!!」
いっちゃった。
大声あげて・・・。
ああ、膣内に熱いのが・・・。
これで三回目のはずなのに焼けるように熱い精液が大量にアタイを染め上げていっちゃう・・・。
隙間のない狭い中に注ぎ込まれる夥しい量の精、それは肉棒で膨らんでいたお腹を更に押し広げて本当に妊娠しているくらいに大きくなっていった。
「あーっ、に、にんひんしてるみひゃい・・・。」
「いいなぁ、アルヒミア。僕もそれぐらい注がれてみたいな。」
ぽっこりと膨らんだお腹を摩っていると、アタイ達が寝ていた方から足音が近付いてくる。
「なあ、旦那様。ルヴィニとアルヒミアが見当たらないんだが知らな・・・、いか・・・。」
扉を開けてスパスィが入ってきた所で彼女は固まった。
「あっ、スパスィ。」
「あらぁ。おしょかったりゃない。」
「何してるんだ、お前達・・・。」
「みへわかりゃなひ?」
プルプルと震えながらこちらを見ているスパスィ。
怒ってるのかしら?
「スパスィ、助かっ・・・。」
「私も混ぜないか!私のものだぞ!」
そういうと彼女も服を脱いで、エルフィールの口に自分の秘所を押しつけて愛撫をねだり始める。
この後、ルヴィニに一回。アタイに一回、スパスィに三回搾られて彼の夜は更けていった。
翌朝軽くやつれたエルフィールに艶々としたアタイ達三人が正座させられていた。
「どうしてこうなった。」
呆れ顔で溜息をつきながら彼は見下ろしている。
「ねえ、エルフィール。悪かったからこの座り方どうにかならない?」
流石にこの座り方は、足が痺れて我慢できない。
どれだけ座ってればいいのよ。
「僕もそろそろ限界・・・。」
「反省したか?」
「したわよ。次からはちゃんと合意をとってセックスするわ。」
「僕も襲いかかるような真似はしないよ。」
「・・・。はぁ・・・、二人とも脚を崩していいぞ。で、スパスィ。」
アタイとルヴィニは解放され、スパスィだけが正座を続けさせられている。
「止めてくれよ。なんで混じってくるんだ?」
「いや、三人の濡れ場を見たらつい・・・。」
「ついじゃないだろ。ついじゃ。目の前で夫になる人物が他の女に抱かれてて混じってくる奴がどこにいる。」
「ここにいる!」
あーぁ、言いきっちゃったわ。
この娘。
その答えにまたエルフィールは溜息をついてるし。
面白いわねこの二人。
「・・・。もういいよ。準備をして街に戻ろう。」
こっちもこっちでふっきれたみたいね。
この後軽い朝食を済ませてアタイ達は街へと帰っていった。
朝食?
エルフィールが作ってくれたけど、スパスィと同じくらい美味しかったわ。
また一つ惚れちゃったわね。
街に戻ってからは、アタイとルヴィニの仕事。
工房に帰って来てからは二人とも寝食忘れて特注品の製作に打ち込んだわ。
ルヴィニはスフィリさんの助言をもらいながら、アタイはトリマル親方に基礎から刀鍛冶の技術を叩き直してもらった。
鉱石を変え、打ち込む量を見極めながら鋼の温度と水の温度に細心の注意を払う。
一方ルヴィニは細い鋼鉄の棒を一本一本刀を鍛える技術で打ち込んでいき、部品と思われるものも同じ技術で製作して。
アタイの見えない所で何かを仕込んでいる。
エルフィールとスパスィは冒険者ギルドに行き、旅立つための資金を稼いでるらしい。
時々工房に顔を出してくれてお互いに状況を報告し合った。
そして半月が経ち、アタイとルヴィニの作品が完成した。
「どう?今回のは文句ないでしょ?」
一振りの刃を見て全員が息を漏らす。
「半月でここまでのものを仕上げるなんて、凄いな・・・。」
「ああ、前回のと違って触れただけで斬り裂いてしまいそうな重圧がある。」
「一点の曇りのない刃が綺麗・・・。」
前と違い皆が称賛してくれる。
これだけで打ち直した甲斐があるわね。
刃を収めてスパスィに渡すと今度はルヴィニが作品を持ってきた。
「はい、エルさん。」
『えっ!?』
「ありがとう、ルヴィニ。」
彼女が持って来たのは傘。
これにはアタイもスパスィも驚きを隠せない。
「ちょっとルヴィニ。貴女ふざけてるの?」
「旦那様、本当にこれでいいのか?」
製作途中から何か変だと思っていたけど・・・。
まさか違うものを作ってまだ一緒にいるとかしないわよね?
「ああ、これで間違いない。むっ?仕込みの一つが完成してないようだが・・・。わざとか?」
「うん。ここの部分は貴方の考えてる構想と違うみたいだから未完成にしてある。」
「これが武器ねぇ。変わったものを獲物にするのね貴方。」
彼の手に持っているものを見て、ルヴィニの発想に感心をする。
「まあ、よく言われるよ。それでルヴィニ、ここの部分はどうするんだ?」
「・・・。貴方達と一緒に旅に出て、完成させる。」
「そうくると思ったよ。アルヒミア、君も来るんだろ?」
未完成のものを渡しておいて、着いていく口実を作る。
貴女らしいわ。
ルヴィニ。
それと、アタイの考えもお見通しってわけね。
「ええ、アタイも課題を終わらせたからね。店を構える為の場所探しの為に同行させてもらうわ。」
なんて言うのは建前で、本音はエルフィールと一緒に居たいだけなのよ。
「スパスィ・・・。どうかな?」
「私と同じで断っても無理に着いてくるんだろ?だったらいいんじゃないか?」
「ありがとう。スパスィ。」
「あら?素直ね。でも負けないわよ?」
「はははは、絶対に渡さないからな。」
こうして無事?アタイとルヴィニは旅の仲間に加われた。
そして旅立ちの時・・・。
「二人とも出ていっちゃうと寂しくなるわね。」
「うん。でも行くって決めたから。」
「君達、エルフィールさんに迷惑かけたら駄目だよ?」
「わかってますよ。親方。」
トリマル親方とスフィリさんが店の前で見送ってくれる。
ルヴィニはちょっと涙目になって泣くのを必死に堪えていた。
「エルフィールさんよろしくお願いします。二人は一人前になってすぐの状態。世界を、世界を見せてあげてください。」
「わかりました。こちらも至らない部分はありますがお嬢さん達は守り抜きますよ。」
お互いに深々と頭を下げて、皆が店を離れていく。
「身体に気をつけるのよ。」
スフィリさんの言葉にアタイとルヴィニは手を振りながら街を後にした。
「で、これからどうするの?」
「それなんだが、スパスィ。」
エルフィールに呼びかけられ頭陀袋から地図を取り出して半開きにする。
「これぐらいでいいか?旦那様。」
「ありがとう。ここから北へ向かって、アグノスの大森林へ行こうと思っている。」
「アグノスの大森林?」
あそこか、確かあそこはあの種族がいるって噂があるのよね。
「ああ、古い時代から大規模な森林地帯が広がってる場所らしい。そこなら愛用品の二つ目の材料があるんじゃないかと思ってね。」
「僕の武器だけじゃ・・・、不安?」
「不安かな。最上級の武器でも手から離れる時は必ずある。その時の為の予備武器って感じだからね。」
「うぅ・・・。わかった。」
ルヴィニは納得してない感じでスパスィの隣を歩く。
こうしてアタイ達はエルフィールの愛用品の材料を求めて北のアグノスの大森林へと向かうのだった。
あーっ、噂が本当じゃありませんように!
12/01/27 17:17更新 / 朱色の羽
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