プロローグA
「・・・っ」
朝の通勤電車の中。
1人の女の子は耐えていた。
「・・・」
自分のお尻を撫でるように、時々べたべたと触ったりされて。
このままだと本当に最悪、最後までされてしまうのかと思ってしまう。
「げへ・・・君、可愛いねぇ」
耳元で男が話しかけられた。
気持ち悪い声、気持ち悪い喋り方。
完全に自分の嫌いなタイプというのがわかる。
「お尻柔らかいねぇ〜・・・このまま、どこまで・・・」
どこまで、で男が止まる。
そして同時に触っていた手が離れた。
少女ですら何が起こったかはわからないがそれはすぐにわかった。
「この人痴漢です!」
痴漢の先には1人の男の子・・・。
身長は自分よりほんの少し高い男の子・・・。
名前も知らない男の子に自分は助けられた・・・運命の出会い。
*
灯莉は偶然電車内で痴漢していた男を捕まえた。
最初は抵抗するかと思ったが男はあっさりと降参した。
だがそれは嘘で駅が着いた瞬間男は走って逃げた。
灯莉は慌てて追いかようとしたその時だ電車から何かが飛び出し痴漢を取り押さえた。
「痴漢現行犯逮捕だっ!!」
あまりの速さで何が起こったのか痴漢ですらわからなかった。
そして男はゆっくりと顔を上げて、何者かを見ると。
犬耳のような獣耳
そして黒人よりも黒い素肌。
何よりも目立つのは腕から見える体毛。
そう、紛(まご)うこき魔物娘 "ヘルハウンド" なのだから。
「このやっと捕まえたぞこの痴漢野郎!」
「ひっひっ・・・げ、げへ・・・」
しかし痴漢はやたらニヤニヤと喜んでいるようにも見える。
その姿は周りにいる電車に乗ろうと待つ乗客や。
電車に乗ろうとした乗客ですら気持ち悪い印象を与えた。
「おら、とっとと立ちなこの痴漢」
婦警の格好をしたヘルハウンドは痴漢した男を連れて駅員室へと向かう。
あっけにとられた少女は我に戻り自分を助けた男の子、灯莉を見る。
「あ、あの!あ、ありがとう」
「気にしないで、困った時はお互い様」
にっこりと笑う、灯莉。
その笑顔を見て心が落ち着く。
だが灯莉は駅の時計を見て驚いていた。
「い、いけないもうこんな時間!じゃ僕はこれで」
走って駅のホームを出る男の子。
名前も知らない、優しくて、かっこよかった。
「・・・ぺろ、ほ・・・欲しい」
唇を舐めて、絶対に手に入れようと思った瞬間だった。
これが濃い 鯉 恋っと少女は目を閉じて助けた瞬間を思い出し少し蕩け顔になってしまう。
「おーい、感賞に浸っているところわりぃんだけどよぉ」
「!!!は、はひゃい!」
突然後ろから声を掛けられて飛び起きるように我に返り、声を掛けられた方を向ける。
するとそこにいたのはさっきほどのヘルハウンドがそこにいた。
「ちょっと事情を聴きたいから、悪いんだけど駅員室に来てくれ」
「は、はい・・・って今から?」
「ん?なんか用事でもあるのか?」
「は、はい・・・高校の受験が・・・」
申し訳ない顔をする女の子。
だが実際被害にあったのはその女の子自身。
どうしたものか考える女の子だがそれはすぐに解決する。
「ああ、もし長引いたらこっちから電話して何とか受験できるように取り繕ってやる」
「ほ、本当ですか・・・よかった」
女の子はほっとして、事情聴取に応じる。
ただこの選択が後にとんでもない事になるとは。
当時の彼女には想像など出来るはずがなかった。
朝の通勤電車の中。
1人の女の子は耐えていた。
「・・・」
自分のお尻を撫でるように、時々べたべたと触ったりされて。
このままだと本当に最悪、最後までされてしまうのかと思ってしまう。
「げへ・・・君、可愛いねぇ」
耳元で男が話しかけられた。
気持ち悪い声、気持ち悪い喋り方。
完全に自分の嫌いなタイプというのがわかる。
「お尻柔らかいねぇ〜・・・このまま、どこまで・・・」
どこまで、で男が止まる。
そして同時に触っていた手が離れた。
少女ですら何が起こったかはわからないがそれはすぐにわかった。
「この人痴漢です!」
痴漢の先には1人の男の子・・・。
身長は自分よりほんの少し高い男の子・・・。
名前も知らない男の子に自分は助けられた・・・運命の出会い。
*
灯莉は偶然電車内で痴漢していた男を捕まえた。
最初は抵抗するかと思ったが男はあっさりと降参した。
だがそれは嘘で駅が着いた瞬間男は走って逃げた。
灯莉は慌てて追いかようとしたその時だ電車から何かが飛び出し痴漢を取り押さえた。
「痴漢現行犯逮捕だっ!!」
あまりの速さで何が起こったのか痴漢ですらわからなかった。
そして男はゆっくりと顔を上げて、何者かを見ると。
犬耳のような獣耳
そして黒人よりも黒い素肌。
何よりも目立つのは腕から見える体毛。
そう、紛(まご)うこき魔物娘 "ヘルハウンド" なのだから。
「このやっと捕まえたぞこの痴漢野郎!」
「ひっひっ・・・げ、げへ・・・」
しかし痴漢はやたらニヤニヤと喜んでいるようにも見える。
その姿は周りにいる電車に乗ろうと待つ乗客や。
電車に乗ろうとした乗客ですら気持ち悪い印象を与えた。
「おら、とっとと立ちなこの痴漢」
婦警の格好をしたヘルハウンドは痴漢した男を連れて駅員室へと向かう。
あっけにとられた少女は我に戻り自分を助けた男の子、灯莉を見る。
「あ、あの!あ、ありがとう」
「気にしないで、困った時はお互い様」
にっこりと笑う、灯莉。
その笑顔を見て心が落ち着く。
だが灯莉は駅の時計を見て驚いていた。
「い、いけないもうこんな時間!じゃ僕はこれで」
走って駅のホームを出る男の子。
名前も知らない、優しくて、かっこよかった。
「・・・ぺろ、ほ・・・欲しい」
唇を舐めて、絶対に手に入れようと思った瞬間だった。
これが濃い 鯉 恋っと少女は目を閉じて助けた瞬間を思い出し少し蕩け顔になってしまう。
「おーい、感賞に浸っているところわりぃんだけどよぉ」
「!!!は、はひゃい!」
突然後ろから声を掛けられて飛び起きるように我に返り、声を掛けられた方を向ける。
するとそこにいたのはさっきほどのヘルハウンドがそこにいた。
「ちょっと事情を聴きたいから、悪いんだけど駅員室に来てくれ」
「は、はい・・・って今から?」
「ん?なんか用事でもあるのか?」
「は、はい・・・高校の受験が・・・」
申し訳ない顔をする女の子。
だが実際被害にあったのはその女の子自身。
どうしたものか考える女の子だがそれはすぐに解決する。
「ああ、もし長引いたらこっちから電話して何とか受験できるように取り繕ってやる」
「ほ、本当ですか・・・よかった」
女の子はほっとして、事情聴取に応じる。
ただこの選択が後にとんでもない事になるとは。
当時の彼女には想像など出来るはずがなかった。
15/04/19 16:00更新 / ゆっくりシャル
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