プロローグ@
それは12月の出来事。
受験のために塾に通ってが終わって帰路を歩いていた時のこと。
夕方とは言え12月なのであたりはもう日が沈み夜と同じ暗く1人だと少し心細く感じるほど。
「う、寒い・・・早く帰って暖かいお風呂に入りたい・・・」
少し早足で帰路を歩いているとガラの悪い3人組の男達が1人の女性を囲んでいる。
その目はまるで "女に飢えたハイエナ" のようにも見えた。
「なぁ姉ちゃん、ちょっとくらいいいじゃねぇか」
「俺達と遊びに行こうぜ?」
「金なら俺達が全部払うからさ?な?」
「先程から申しているではありませんか、私(わたくし)は貴方達と行動するつもりはありませんと」
その女性は髪が異常に長いが "大和撫子" と言っても過言ではないくらい美人だった。
だがいくら美しいからといっても誰かが助けるはずがない。
また歩行者が女性を見るとガラの悪い3人組のうち1人がそれに気づき。
「こっち見てんじゃねぇぞ!」
睨みつけて威嚇する。
これでは助けたくても、助けられないという状況になる。
ちなみに灯莉はこの時辺りが暗いおかげで男達に気づけない位置に立っており気づかれることがなかった。
「・・・よし」
まだ男達も、女性も自分の存在気づいていない。
格好つけるというわけでやるのではないと自分の心に言い聞かせて一歩前に踏み出す。
「あ、お姉ちゃんこんなところで何しているの?」
姉弟のように、振舞って女性に近づき腕を掴む。
イチかバチかの大勝負という感じに思いつつ腕を引っ張って移動しようとする。
「おい小僧何してんだ?」
この場を離れようとするがそれよりも先に1人の男が肩を掴まれる。
怖い、正直喧嘩なんてことになったらきっとボコボコにされるだろう・・・。
だが例え殴られてもいいと灯莉は思った。
「おいおい、まさかお前今格好良い〜みたいに思ってる?」
「きもいぜ?完全に」
3人の男達がゲラゲラと笑う、ただ1人除いて。
それは紛れもない髪が長い綺麗な女性その人だった。
「ご、ごめんね・・・お姉ちゃん家に帰ろうと思ったらこの人たちに捕まって」
話を合わせるように、掴んだ腕がいつの間にか手と手を握っていて緊張するが平常心でその場を立ち去る。
その光景を男達はあっけにとられながら何もできずに見送ることしかできなかった。
*
数分後男達の姿が見えないところまで歩く。
少し辺りを確認して灯莉は追ってこないことにホッとする。
「・・・も、もう大丈夫かな?」
流石にこれ以上、見知らぬ女性の手を握るのも恥ずかしいので手を離そうとする。
しかし女性の方は離すどころかさらに強く握リしめる。
「ま、まだ・・・離したくありません・・・」
きっと怖かったのだろうと灯莉も思いもう少しだけ手を握っていようとする。
しかし女性の方は片手だけでは飽き足らず、もう片方の手も握り正面に立って灯莉を見つめる。
「貴方は勇敢で、あのガラの悪い男達から私を救ってくださった・・・」
よく見るとその瞳は潤んでいた。
その潤んだ瞳を見るだけで "ドキドキ、ドキドキ" っと灯莉の心臓音が響き始める。
「ぜひ、お礼を・・・お礼をさせてください!」
「え・・・いや、あの・・・」
ゆっくりとその女性は唇が近づく。
近づく唇もちろん灯莉もあたふたと焦り挙動不審になる。
そして唇と唇が合うその時。
灯莉の携帯が鳴り慌ててポケットから携帯を出して着信に応答する。
「も、もしもし・・・え、門限過ぎてる?う、うんわ、わかってるちょっと長引いて・・・」
電話の相手は母親でなんとか言い訳を言ってゆっくりと女性から離れる。
ただ横目で女性を見ると顔を少しすねた表情をしている。
「うん、いまから帰るから」
通話を終えて携帯をポケットの中にしまう。
そしてぷくーっと顔を膨らませた女性がこちらを見つめて、カツカツとこちらに近づいてくる
「え・・・あの」
少し怯えて後ずさる灯莉。
またキスをされるのかと思いつい身構えてしまう。
「あ、怖がらないでください」
ゆっくりとしゃがんで灯莉のおでこにキスをする。
そしてクスクスと笑って灯莉から離れる。
「貴方様のこと・・・一生忘れません、絶対、絶対またお会いしましょうね」
そう言って気分良くその場を去る女性。
だが、この時灯莉自身何が起こったのかわからない状態で何が起きたのか理解できず。
約数分後ようやく意識が活動しすべて理解して顔を真っ赤になってしまうのであった。
・・・余談だが家に帰った灯莉が待っていたのは母の雷だった。
受験のために塾に通ってが終わって帰路を歩いていた時のこと。
夕方とは言え12月なのであたりはもう日が沈み夜と同じ暗く1人だと少し心細く感じるほど。
「う、寒い・・・早く帰って暖かいお風呂に入りたい・・・」
少し早足で帰路を歩いているとガラの悪い3人組の男達が1人の女性を囲んでいる。
その目はまるで "女に飢えたハイエナ" のようにも見えた。
「なぁ姉ちゃん、ちょっとくらいいいじゃねぇか」
「俺達と遊びに行こうぜ?」
「金なら俺達が全部払うからさ?な?」
「先程から申しているではありませんか、私(わたくし)は貴方達と行動するつもりはありませんと」
その女性は髪が異常に長いが "大和撫子" と言っても過言ではないくらい美人だった。
だがいくら美しいからといっても誰かが助けるはずがない。
また歩行者が女性を見るとガラの悪い3人組のうち1人がそれに気づき。
「こっち見てんじゃねぇぞ!」
睨みつけて威嚇する。
これでは助けたくても、助けられないという状況になる。
ちなみに灯莉はこの時辺りが暗いおかげで男達に気づけない位置に立っており気づかれることがなかった。
「・・・よし」
まだ男達も、女性も自分の存在気づいていない。
格好つけるというわけでやるのではないと自分の心に言い聞かせて一歩前に踏み出す。
「あ、お姉ちゃんこんなところで何しているの?」
姉弟のように、振舞って女性に近づき腕を掴む。
イチかバチかの大勝負という感じに思いつつ腕を引っ張って移動しようとする。
「おい小僧何してんだ?」
この場を離れようとするがそれよりも先に1人の男が肩を掴まれる。
怖い、正直喧嘩なんてことになったらきっとボコボコにされるだろう・・・。
だが例え殴られてもいいと灯莉は思った。
「おいおい、まさかお前今格好良い〜みたいに思ってる?」
「きもいぜ?完全に」
3人の男達がゲラゲラと笑う、ただ1人除いて。
それは紛れもない髪が長い綺麗な女性その人だった。
「ご、ごめんね・・・お姉ちゃん家に帰ろうと思ったらこの人たちに捕まって」
話を合わせるように、掴んだ腕がいつの間にか手と手を握っていて緊張するが平常心でその場を立ち去る。
その光景を男達はあっけにとられながら何もできずに見送ることしかできなかった。
*
数分後男達の姿が見えないところまで歩く。
少し辺りを確認して灯莉は追ってこないことにホッとする。
「・・・も、もう大丈夫かな?」
流石にこれ以上、見知らぬ女性の手を握るのも恥ずかしいので手を離そうとする。
しかし女性の方は離すどころかさらに強く握リしめる。
「ま、まだ・・・離したくありません・・・」
きっと怖かったのだろうと灯莉も思いもう少しだけ手を握っていようとする。
しかし女性の方は片手だけでは飽き足らず、もう片方の手も握り正面に立って灯莉を見つめる。
「貴方は勇敢で、あのガラの悪い男達から私を救ってくださった・・・」
よく見るとその瞳は潤んでいた。
その潤んだ瞳を見るだけで "ドキドキ、ドキドキ" っと灯莉の心臓音が響き始める。
「ぜひ、お礼を・・・お礼をさせてください!」
「え・・・いや、あの・・・」
ゆっくりとその女性は唇が近づく。
近づく唇もちろん灯莉もあたふたと焦り挙動不審になる。
そして唇と唇が合うその時。
灯莉の携帯が鳴り慌ててポケットから携帯を出して着信に応答する。
「も、もしもし・・・え、門限過ぎてる?う、うんわ、わかってるちょっと長引いて・・・」
電話の相手は母親でなんとか言い訳を言ってゆっくりと女性から離れる。
ただ横目で女性を見ると顔を少しすねた表情をしている。
「うん、いまから帰るから」
通話を終えて携帯をポケットの中にしまう。
そしてぷくーっと顔を膨らませた女性がこちらを見つめて、カツカツとこちらに近づいてくる
「え・・・あの」
少し怯えて後ずさる灯莉。
またキスをされるのかと思いつい身構えてしまう。
「あ、怖がらないでください」
ゆっくりとしゃがんで灯莉のおでこにキスをする。
そしてクスクスと笑って灯莉から離れる。
「貴方様のこと・・・一生忘れません、絶対、絶対またお会いしましょうね」
そう言って気分良くその場を去る女性。
だが、この時灯莉自身何が起こったのかわからない状態で何が起きたのか理解できず。
約数分後ようやく意識が活動しすべて理解して顔を真っ赤になってしまうのであった。
・・・余談だが家に帰った灯莉が待っていたのは母の雷だった。
15/04/13 22:59更新 / ゆっくりシャル
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